過去の放送内容
2018年2月25日放送
特集
あの車のロゴ、見たことありません?「道でよく見る会社」
緑のリヤカー引っぱる謎の自転車…荷台の中に大量のハンガー!?
ゲスト
森永卓郎さん、蛭子能収さん
番組内容
今回のテーマは「道でよく見る会社」!
街中を行きかうたくさんの車。道を歩いていると、よく見るあの車…
一体何の会社なの!?車がたくさん走っているということは、その会社は儲かっているはず!
そこで、調べてみたら、意外なビジネスでがっちりだった!
見た目は普通のトラックだけど、積荷はなぜかハンガー!?
緑のリヤカーを自転車で引っ張る謎の若者。リヤカーの中身は80センチの○○ばかりだった?
道でよく見る会社が、儲かりウイニングロードを爆走する30分です!
緑のリヤカーを自転車で引っ張るあの会社
道でよく見る会社!まずは…
東京・新橋の駅前を緑のリヤカーを引っ張って走る自転車。
六本木の交差点近くでも渋谷でも発見!
荷台には…「エ、コ、ハ、イ?」の文字。
どこからともなく現れる、リヤカー付き自転車!
なんでこんなにたくさん、走っているのか?
そこで新橋にある、「エコ配」本社へ。
エコ配は、何をしている会社か、早速、取締役の福井さんに伺いました。
福井さん:電動アシスト付き自転車で、リヤカーを引っ張って宅配している宅配便の会社です。
そう、エコ配は昭和の香り漂う緑のリヤカーに荷物を積んで、電動アシスト自転車で届ける、宅配業者。
その取扱い量というのが…
福井さん:昨年1年間で約1100万個。
たしかに街中でよく見かけるわけです!
それにしても、自転車による宅配が、なんで、ここまで人気なのか?
その秘密を仕事ぶりから探ってみることに!
この日、配達員さんがやって来たのは、都内のオフィスビルに入っている、アパレル会社。
なぜ、エコ配を使っているのでしょうか?
お客さん:コスト面が大きいですね。年間で100万円くらい削減できてます。
エコ配を使い始めて、運送費が年間100万円も節約!
人気を集める理由は、ずばり料金の安さにあったんです。
縦・横・高さ…3辺の合計が、80センチ以下の荷物の場合、普通の宅配便なら都内で運んでも約1,100円〜1,200円。
しかしエコ配なら…
なんと390円!
さらに、東京から大阪に送っても料金は一律の値段なんだとか!
一体どうやって、こんな低価格を実現できるのか?
そこには宅配業界版LCC戦略があった!
その秘密が配送センターにあるということで、行ってみると…
ちょうど荷分けの作業の真っ最中。
よく見ると少し気になることが…。
どれを見ても、荷物小さい?
そう!エコ配では、思い切って3辺を足して、80cm以下の小さいサイズの荷物しか扱わないという決まりを作った。
大きい荷物が混じると、荷積みスペースにロスが出たりして、運送費や人件費などのコストが急に上がってしまう。
だから、引き受ける荷物の大きさを制限して、そのぶん、料金を安くする、という作戦なのです。
さらに、荷物の送り状は東京・名古屋・大阪の3都市ばかり…
ここにも大きな理由があるんです!
福井さん:会社の数、人の数が圧倒的に東京、名古屋、大阪が多いので、我々のネットワークは東京、名古屋、大阪だけです。
ネットワークを絞ることで、コストの大幅な削減を可能にしたんだとか。
お客さんの多い3都市に自前の拠点を構え、営業所から営業所へ夜発朝着のトラックで荷物を行き来させている。
たくさんの荷物をまとめて運ぶことができるので効率アップ!
ちなみに3都市以外にも送ることは可能なんですが、その場合、別の業者に頼むので、格安というわけにはいかないんだとか。
「クール便」や「時間帯指定便」などのオプションサービスも、余計なコストがかかるので、一切なし!
営業エリアと荷物サイズをグッと絞ることで実現した、1つ390円!
運ぶことに特化したLCCと同じ戦略!
宅配便のLCCというのもうなずけます。
そして、3都市のエリア内での配送は、よほど外れた地域でない限りリヤカー付き自転車で配送!
電動付き自転車なので女性ドライバーでも安心!
道が狭く交通量の多い都会では、トラックよりも小回りのきく自転車の方が効率が良いんだとか。
格安料金のエコ配、その売上げは?
年間なんと35億円!
エコ配はほぼ人力で、がっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:おいしいところだけに特化してるんですよね。東名大って荷物の多いところで、なおかつサイズも限定して量を稼いでコストを下げるとビジネスが成り立つんですよ。あと、普通の宅配業者ってとても大きなコストが再配達なんですよ。でも、エコ配は企業が使ってる割合が多いのであんまり再配達が多くないんです。
あるものを運ぶのに特化したあの会社
続いての道でよく見る会社は…
品川駅前を颯爽と走り抜ける、大きなトラック。
原宿の交差点でも…横浜の元町でもよく見かける、一体何をしてる会社なのか?
ドライバーさんに直接聞いてみることに。
スタッフ:ドライバーの方ですか?
岩本社長:私が代表です。エクセレント急便という会社です。
現役バリバリのドライバーの岩本さんが、社長を務める会社こそ…
エクセレントとエクスプレスをかけたロゴの「エクセレント急便」
その売上げは…なんと3億円!
このエクセレント急便は、ひとつのジャンルに特化した「あるもの」を運んでるんです。
それが…
岩本社長:洋服です。ハンガー車です!
そう、エクセレント急便は洋服に特化して運んでいる会社なんです!
こちらは、特注のハンガー車。
専用のハンガー棒をコンテナ内に設置できハンガーに通してある洋服を、そのまま吊るせて一度にたくさん運べるようにしたんです。
つまり、エクセレント急便は、ハンガー車を使って洋服を運ぶ会社。
思い切ってターゲットを絞ったというわけです!
アパレルメーカーからの依頼を受けて、工場で出来上がった服をハンガー車に積み込み、お店や物流センターに届けている。
だから街でよく見かけるんです。
今日は、横浜の洋服店に荷物をお届け。
到着したドライバーさんは…
ハンガー車の前にラックを置いて、ごそっと、ハンガーごと洋服をかけ、それをそのまま、店内に搬入!
小菅(こすげ)店長にお話をうかがうと…?
小菅店長:箱の便よりハンガー便の方が料金は高いですね。ただ、箱だといったん畳まないといけないので、どうしてもその分の手間とシワができてしまうという問題があるので、ハンガーの方がいいですね。
そう、ハンガー車は、商品を吊るしたまま運ぶので、シワにならずに済むんだとか。
特に高価な洋服の場合、料金はちょっとお高くなっても、ハンガー車が欠かせないんです。
そんなエクセレント急便のハンガー車は16台!
今や引っ張りだこ状態に!
さらに、岩本社長、アパレル特有のオプションサービスも用意!
本社の中には…
岩本社長:こちらが検品作業場です。普通は検品専門の会社がやってます。ですが、うちは検品・プレス・運送まで一括でやってます。
海外の工場でつくった洋服には、よく不具合が生じることが。
そこで、お店に納品する前、港から運んできた商品を検品するのです。
不良品は返品、また、必要とあらば修繕もやってくれるってことで、メーカーにとっては有難い!
洋服の運搬に特化した2009年から、辛抱強く己を信じた結果、今年の売上げは約3倍に急成長!
今年中に、ハンガー車の増台を考えているということで、これはまだまだ、がっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:商売としてうまいこと考えましたね。
森永さん:特化していくとこのように付加価値になるっていう典型的なビジネスですよね。総合があまり儲からなくなっていて、この分野でぶっちぎり!っていうのが、儲かるんですよね。
自販機の設置、首都圏ナンバーワン!のあの会社
続いての道でよく見る会社は…
渋谷のスクランブル交差点を走る白いトラック。
新宿の都庁前や飯田橋の交差点でも!
その側面には、何か青い文字が。
ハ、チ、ヨ、ウ?
確かに、このロゴ、見たことあるような…。
しかし、何をしている車なんでしょうか?
ドライバーの杉村さんに直接聞いてみると…
ドライバー・杉村さん:自販機に飲み物を補充してる会社です。八洋という会社です。
そう、八洋は、自動販売機をあちこちに設置して、その運営を任されている会社。
八洋の自動販売機は首都圏だけで72000台もあるんです!
もちろん業界では、設置台数で首都圏ナンバーワン!
めちゃくちゃ儲かってる!
でもその割には、八洋さんの自販機って、正直、あんまり見たことがない気が…。
百聞は一見に如かず、お仕事についていくことに…
すると
あれ?ポッカサッポロさんの自動販売機を勝手に開けてますが…お金まで回収して…
スタッフ:これポッカじゃないんですか?
ドライバー・杉村さん:外見はそうなんですが、中身のジュースの補充やメンテナンスは八洋でやらさせてもらってます。
ぱっと見、ポッカサッポロのロゴが大きく入ってる自販機ですが、よくみると…
ここに八洋のステッカーが!
これポッカサッポロの自販機を、八洋が管理してるってことらしい!
八洋は、サントリー、キリン、アサヒ、ポッカの飲料メーカー4社から自販機を借りて、オーナーさんの土地やスペースに置かせてもらっている。
飲み物をメーカーから仕入れて補充し、取り分をオーナーさんに支払うのも、全部、八洋。
取引先が4社もあれば、補充や回収が1度にまとめてできるため、効率が良い!ってわけです。
さらに、営業本部の高木さんによると、4社まとめて取り扱うことで、こんなメリットも。
営業本部・高木さん:4つのメーカーさんで約250種類くらいの商品があるので、その中から場所にあった自販機と商品を選んで設置しております。
お客さんから自販機を置きたいと依頼があったとき、八洋は4社の中から、その場所に適した自販機を選んでオススメできる!
例えば、ダンススタジオの場合、若者に人気のレッドブルが、決め手となりキリンのマシンを選択!
また、学校の近くでは、10代に人気のCCレモンがあるサントリー!
工場の近くだと、缶コーヒーに強いポッカサッポロ!
といった特徴を踏まえて設置!
さらに、八洋のドライバーには、自販機の管理に加え、もう1つ重要なお仕事が。それは…
ドライバー・杉村さん:これから自販機を新しく設置できるところを営業します。
普段から街を走り回っているドライバーは、設置できそうな場所に目星をつけやすい。
八洋以外の会社が管理する自販機の状況も把握してるので、ドライバー自らが「営業」をできるのです。
この日訪ねたのは、持ちビルの前に、八洋ライバル会社が管理する自販機を置いているオーナーさんのお宅。
それを八洋のマシンに置き換えてもらおうという、なんとも大胆不敵な営業!
きわどい商談とあって、上司の磯野さんも合流。
リアルな交渉現場に立ち会わせて頂きました!
まずはオーナーさんに
ドライバーの杉村さんは、配達の途中に撮影した、ライバル社の自販機の売切の表示の写真をオーナーさんに提示!
結構な直球勝負!
すると…。
オーナーさん:(ライバル会社が)ちょっと人手不足なのかもしれませんね。
オーナーさんの気持ちがグラッと動いた!
するとすかさず!
ドライバー・杉村さん:ご提案書なんですけど、お見積り書も今日、持ってきているんですよ。
上司の磯野さんのアシストもあって、一気に畳み掛ける!
オーナーさんには場所代として、普通売上げの20%程度を支払う契約が普通。
今回ドライバーの杉村さんは、ライバル会社よりちょっとだけ良い条件を提案!
するとオーナーさんは前向きに検討してくれることに!
こうした現場を熟知したドライバーが首都圏を中心に500人以上活躍!
そんな八洋の年間売上げは、なんと400億円!
八洋は、自動販売機でがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:自販機の売上は立地が9割なんですよ。いいところに置けば売上が上がるっていうのは当たり前なので、もう奪い合いなんですね。
加藤さん:自販機置く場所は日本にいっぱいありそうですけどね。
森永さん:いっぱいあるんだけど売れるところは限られているんですよね。