過去の放送内容
2017年10月15日放送
特集
大ヒット商品で一世を風靡した「あの会社は今」!?ポケベルが???で大復活! ハエ取り紙が???に大変身!?
ゲスト
森永卓郎さん、ピエール瀧さん
番組内容
今日のテーマは「あの会社は今」
かつて大ヒット商品を手がけ、一大ブームを巻き起こした様々な会社。でも、最近とんと聞かない!話題にもならないし、全然見かけない!一体、いま、何をしているのか気になりませんか?そこで今回は、一世を風靡した、あの会社の「今」を徹底追跡!すると、トンデモナイことになってた!
ポケベルで一時代を築いた、あの会社へ行ってみたらトンデモナイ最新ポケベルを作ってた!
CMで一躍人気になった、あの会社へ行ってみたらトンデモナイ研究をしていた!
というわけで、本日は、懐かしい気持ちと、新しい発見が味わえる30分です!
ポケベルで一時代を築いたあの会社の「今」!
あの会社は今!まずは1996年に一世を風靡した、
東京テレメッセージ!何の会社かというと…
そう!40代以上の人なら使ったことがあるはず!
「ポケットベル」 通称ポケベル!
念のため、スマホ世代にもわかるように説明すると、ポケベルには、1台1台、電話番号がついていて、公衆電話などから掛けると…
音声:番号を入れシャープを押してください。
で、番号を入れると、
ポケベルが受信して、その番号を表示する!って…
数字だけじゃ、わかんない?
いやいや、大丈夫!
「1」は「電話ください」
「2」は「戻ってきてください」など、あらかじめお互いに決め事を作っておけばちゃんとメッセージが伝わる!
他にも数字の語呂合わせってやり方もあって、例えば・・・
「0833」は「オ・ヤ・ス・ミ」
「14106」は「ア・イ・シ・テ・ル」などなどありました!
スマホ世代には理解しがたいかもしれませんが、当時の携帯電話は10万円近くした上、通話料も高かった!
それに比べ、ポケベルは月々2千円ほどで、メッセージが簡単に送れるとあって日本全国で大ヒット!
そんなトレンディアイテムだったポケベルサービスを牽引していたのが、関東エリアでは東京テレメッセージ。
最盛期の1996年には利用者が全国で1200万人超えと絶好調でした。
でも、最近、スマホやケータイもあるし全然見かけませんよね。
「東京テレメッセージ」は、今、どうしているのか?
早速、東京・虎ノ門に本社を構える、東京テレメッセージへ!
清野社長:東京テレメッセージの社長をしております、清野です。
東京テレメッセージはあれからどうなったんですか?
清野社長:一番多い時は120万人使っていたんですが、今は1500人。
さすがに少ない…
しかし!東京テレメッセージにはもうひとつ、まさかの新ビジネス、新ポケベルがあったのです!
それが…
清野社長:ポケベルのラジオです!ポケベル電波を使った防災ラジオです!
ラジオとしても使えますが、いざって時には各自治体がポケベルの電波を使ってメッセージを送信!
すると、液晶画面に、即座に表示される!
さらに内蔵されている文字の音声変換機能でメッセージを読み上げてもくれる!
でも、似たようなものは地方のおうちには結構あるような気も…。
一体、どのへんがスゴイのか?
清野社長:この防災ラジオの最大の特徴はポケベル電波、280メガヘルツを使用しているところです。マジックの電波!
電波を扱う機器は、それぞれ使っていい周波数が決まっている。
例えば、FMラジオは76〜95メガヘルツで、スマホは800メガヘルツ以上。そしてポケベルは280メガヘルツ。
この280メガヘルツ、っていうのが、スマホよりも遠くまで届き、ラジオよりも屋内にまでしっかり入ってくるという、最強の電波なのです!
だから、ポケベル用のアンテナも紅白の鉄塔の高さ170mに設置してある小さなアンテナがポケベル用。
高台に1本立てれば、街1つカバーできる!
設置が簡単だから、防災に向いているのです!
このポケベル電波の防災ラジオ、1台17,500円となかなかのお値段ですが、現在、全国25の自治体で採用!さらに10の自治体と契約済!
その売り上げ台数は…
清野社長:全国で約11万台。
2007年発売時に、年間売上げ2億円ほどだったのが、今や19億円と見事、復活!
ポケベルは、今も、がっちり!
『芸能人は歯が命!』で大ブレイクしたあの会社の「今」!
あの会社は今!続いては1995年、CMで突如ブレイクした「サンギ」!
社名は聞いたことなくても、商品の方はきっと知ってるはず!
その商品とは…
「芸能人は、歯が命!」というあまりにも有名なフレーズで、大ブレイクしたハミガキ剤「アパガード」!
翌年には、年間売上げ140億円を記録!
一躍有名になりました!
でも、そういえば最近、全然CMも見かけない…
サンギとアパガード、今、どうなってるんでしょう?
そこで東京・築地にある本社へ!
ロズリン社長:社長のロズリンです!
日本に来て45年、オーストラリア出身のロズリン・ヘイマン社長!
実はサンギの創業者・佐久間周治会長の奥さま!
あのアパガードって、CMやってないけど、今どうなんですか?
ロズリン社長:(高機能歯磨き剤市場では)ずっと4割でトップシェア!最初から!
高機能歯磨き剤のジャンルでは、1985年の発売以来、シェアトップのロングセラー!
もう十分有名だし、売れ続けてるからCMも打たないんだとか。
そんなアパガードが売れた最大の理由は、特許として持っていた「ハイドロキシアパタイト」!
でも、そもそも何なんですか?
ロズリン社長:ハイドロキシアパタイトは歯と骨の主成分ですね!体の非常に重要な構成成分。
歯を構成するエナメル質の97%、象牙質の70%が、ハイドロキシアパタイト!
これとまったく同じ成分が、歯磨き剤に入っているから、毎日磨けばキレイな白い歯に再形成してくれるってわけ。
そんなスゴイ特許を、一体、なんでサンギが持っていたのか!?
その辺のことをロズリン社長に伺おうとしたその時!
奥から現れたのが…
サンギの創業者、佐久間会長!
1974年に貿易会社を立ち上げた会長が、ある特許を見つけたのがきっかけ…
佐久間会長:あのNASAが、宇宙飛行士が重力のない宇宙から帰ってくると歯や骨がボロボロになってる。それでマウスピースの中にハイドロキシアパタイトを入れて歯がもろくなるのを防いでいた。(NASAに)その特許があった。
と、佐久間会長、ひらめいた!
「アパタイトを歯磨き粉に混ぜれば、もっと丈夫で健康な真っ白い歯になる!」
こうしてNASAからハイドロキシアパタイトの特許を買い取り、7年の歳月をかけて完成したのが「アパガード」だった!
現在も売れ続けているアパガードシリーズですが、ハイドロキシアパタイトの実力はこんなもんじゃない!
ロズリン社長:この不思議な物質ハイドロキシアパタイトのいろんな研究を進めています!
サンギでは創業以来40年にわたって、アパガードに次ぐ儲かりのタネを密かに育てていた!
例えば…
芹澤さん:ハイドロキシアパタイトに銀を混ぜるとアパサイダーCというものになります。
ハイドロキシアパタイトには、物と物をひっつけやすくする性質が!
これに抗菌作用がある銀を組み合わせると、
芹澤さん:除菌シートになります!
しかも歯と同じ成分だから、体にもやさしいって事で「アパサイダーC」は全国のメーカーから引っ張りだこ!
さらに別の研究室では白衣を着たスタッフが何やら吹き付けているようですが…
石崎さん:ハイドロキシアパタイトの透明なコーティング膜ができる。
わずか0.2mmの薄いハイドロキシアパタイトの膜、なんとこれ世界初の技術!
石崎さん:これは接着剤が一切いらない技術!歯と同じ成分のハイドロキシアパタイトで歯をコーティングして治してしまう!まるっきり新しい技術です!
サンギが開発しているのは、歯にハイドロキシアパタイトを吹き付けることでコーティングができてしまう「パウダージェットディポジション」なるマシン!
歯と同じ成分を吹き付けるから、ぴったりなじんで、とれない!しかも!
石崎さん:歯の色を変える事ができる。今だと1ヶ月くらいかけて歯の表面の色を変える治療をするが、パウダージェットディポジションだと歯科医院に行ったその日に患者さんの思った歯の色に変えることができる。
コーティング膜の色を変えることで、簡単に白い歯がゲットできちゃう!
2年後の製品化を目指して鋭意開発中!
期待してますよ!
サンギは、今も、がっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:実はもっとすごいことをやっていて、サトウキビからエタノールを作るんですけど、そのエタノールにハイドロキシアパタイトを与えてガソリンに変えるっていう研究をしているんです。
60代以上なら見たことがあるハイトリ紙、あの会社の「今」!
あの会社は今!
続いては1960年。
カモ井加工紙!
その商品は60代以上の方なら、お家で見たことあるはず。
ハイトリ紙!
粘着でハエを捕まえるという斬新なアイデアが受け大ヒット!
最盛期の1960年代には、4500万本も売り上げた年も。
でも、さすがにもう吊るしてるお宅って、見かけなくなりましたよね。
じゃあ、カモ井加工紙は、今どうしてるのか…。
そこで本社がある岡山県倉敷市へ!
今売上げはどうなんですか?
樋口さん:おかげさまで14年連続で増収になっております。
14年連続売り上げアップ!
ハイトリ紙ってそんなに売れてるの?
樋口さん:今はこれです!
樋口さん:マスキングテープです!
ハイトリ紙のカモ井加工紙が、今、女子に大人気の「マスキングテープ」でがっちり!
カモ井加工紙は2008年に文具雑貨用マスキングテープを発売!
簡単にちぎれて貼れるし文字を書く事もできる上、スーッとキレイに剥がせる!
「機能的」で「カワイイ」というのが受けて年々売り上げもアップ!
今では、カモ井加工紙の主力商品にまで成長!
それにしても、なぜマスキングテープでがっちりになったのか?
専務の谷口さんに聞いてみると、
谷口さん:まずハイトリ紙から塗装用のマスキングテープ。基本的には紙と粘着剤をくっつける技術。
ハイトリ紙で培った紙と粘着の技術を生かして、
1965年、塗装・建築用に目張りするマスキングテープを開発!
以来52年、プロ用を作り続けてきたカモ井加工紙!
でもどうして工業用のマスキングテープが女子に人気のマスキングテープに?
谷口さん:東京でカフェを経営している人たちが工業用のマスキングテープを使った小冊子を作っていて、その人達が工場を見学させてほしいとか、こういうテープを作ってみないか、という話があって。試作して世の中に出した。
スタッフ:一般の人っていうことですか?
谷口さん:そうです、一般の方です。3人の女性です。
11年前の2006年、カモ井加工紙の工場に現れたのはカフェのオーナーにコラージュ作家、そしてデザイナーの女性3人組!
彼女たちに共通していたのがマスキングテープ愛好家!
工業用で、カワイイを演出しまくっていた3人の女性が、聖地とも呼べるマスキングテープ製造工場に入るやいなや、
谷口さん:なんでもカワイイじゃないですか!マスキングテープがカワイイって言われた時には、これカワイイ!?って正直思いましたよ!今まで、カワイイって表現する人、誰も工場の中にはいなかったですね。
そして、工場を見て回るうちに、
「もっとカワイイデザインがあれば売れるのに!」
「そういうの、作ってくれませんか?」と直談判してきた!
最初は半信半疑だった谷口さんたちも、本気で出してくる彼女たちのカワイイアイデアに「ひょっとしたら売れるかも…」そう思い。
そこで!思い切って開発スタート!
テープの柄や色、紙の質や粘着力まで、彼女たちが求める「使いやすさ」と「カワイイ」をとことん追求した結果、誕生したのが…
この「mt」テープだったのです!
今では、毎年100種類以上の柄を岡山の専用工場でガンガン生産!
発売から10年も経たないうちに年間売上げ20億円!
ほんと3人の女性さまさま!
ところで、1つ疑問が。
スタッフ:なんで女性たちはカモ井加工紙さんに来た?
谷口さん:全国のマスキングテープ工場にオファー出したんですけど、OKの回答をしたのがカモ井加工紙だけ。我々は会ってみようかなと思って返事をした。
どんな話にも、耳を傾けようとする姿勢が大切なんですね!!
カモ井加工紙は、今は、マスキングテープでがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:受け付ける力がすごくあった。たとえば大型店で売ろうとしたら、女性たちは「そんなんじゃダメよ!喫茶店とか小さな雑貨店で売らなくっちゃ」って。普通はそういう意見って聞かないんですけど「え、そう?」とやってみるとバーンと売れた。