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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2017年9月10日放送

特集

お天気ビジネス!大雨も!強風にも!負けない!うすうすシートで浸水を止める??避雷針よりスゴいやつ??

ゲスト

森永卓郎さん、石原良純さん

番組内容

突然、豪雨になったり、やたら暑かったり、大粒のヒョウが降ってきたり…昨今多発する様々な異常気象。でも世の中には、そんな困った天気に対処すべく、色んなビジネスが生まれているんです!そこで今回は、困ったお天気問題を解決して儲かる、ヒミツの最新ビジネスをご紹介!

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ゲリラ豪雨の浸水が防げる!最新"止水"ビジネスとは!?

まずは東京都は文京区にある会社、文化シヤッター。
文化シヤッターは、オフィスビルや工場やガレージなどのシャッターを作って全国展開する、シャッター業界2位の大手メーカー!
そんなシャッターの会社がどういうお天気ビジネスを始めたのでしょうか?
文化シヤッターの本宮さんにお話を伺いました。

本宮さん:うちが始めたのは止水事業です。今、全国各地でゲリラ豪雨が頻発していて、それに伴って浸水被害がよく起きてます。それをシャッターやドアの所で止めるための商品を開発しています。

そう!文化シヤッターの新事業は「止水ビジネス」!
日本でもここ数年、増加傾向にあるゲリラ豪雨。

このゲリラ豪雨で最も大変なのが、建物の中や地下に雨水が流れ込む「浸水被害」。
各地で屋内が水浸しになって大きな被害を受ける事例が頻発しているんです。

そんなゲリラ豪雨による浸水被害を、がっちり防ぐモノがあるということで、栃木県小山市にある文化シヤッターの研究施設へ!

案内して頂いたのは文化シヤッター商品開発部の廣瀬さん。
そこで見せて頂いたのが…

浸水を防止する、文化シヤッター自慢の商品「止めピタ」!
これが防水グッズとの事なんですが、見た所、ただのペラペラの薄いビニールのシートなのですが…
これで一体、どのように水を防ぐのでしょう?廣瀬さん曰く、このペラペラであることが重要なのだそうで…

廣瀬さん:ゲリラ豪雨は短い時間に凄まじい雨が降りますが、(止めピタは)5分かからずスピードを持って設置できます。

これまでは浸水を防ぐものといえば“土嚢 ”が一般的。
しかし、重さがひとつ10キロぐらいあって、短い時間でたくさん運ぶのが大変!
設置に時間がかかって結果、その間に雨水が入ってきてしまう。

一方、「止めピタ」の使い方を見せて頂くと…

あらかじめ、「止めピタ」を設置したいドアの外側にフックを取り付けておいて、

いざという時に、そのフックに「止めピタ」のビニールの端をかける。

そして、ドア面には吸盤をペタペタくっつけ、

最後に床と設置する部分に重しをのせたら完成!

およそ3分ほどで設置完了!これは確かに簡単です!
でも、これではただビニールを張っただけなのでは…?
果たして本当に浸水を防げるのでしょうか…という事で、実験装置を使って実際に試してみました!

「止めピタ」を張った自動ドアの前のオフロに水をどんどん入れていき…

たっぷりになるまで水を貯めます。
果たして本当に水が防げているのでしょうか!?
自動ドアの裏側から確認してみると…

確かに水が入ってきていません!
でもこれ、ただ単にドアで水が止まってるだけなのでは…?と疑わしいので、試しに止めピタを外して同じように実験してみると…

今度はドアの隙間から水が溢れ出て来ました!
どうやら本当に「止めピタ」のおかげで浸水を防いでいたようです。
では、どうしてこんな薄いシートを張っただけで浸水を防げるのでしょうか?!

廣瀬さん:これはシートの方に水圧がかかって、ピタッと張り付いて水を止めているんです。

水が入ってこない秘密は“水圧”。
まず1番、水の侵入口になりそうなのは、ドアの外側にフックで取り付けた「止めピタ」の端の部分。
いかにも取り付けた隙間から水が入ってきそうなんですが…

「止めピタ」には、枠に取り付ける端っこの部分に何やら黒い樹脂のような素材が貼り付けてあり、

水が入ってくると、その圧力で、枠部分が水圧で奥にグッと押され、樹脂がピターッとドア枠に張り付き、水が染み込まないんです!

さらに、シート自体も水圧で押されてドアにピターッ!と張り付き、これまたガード。
「止めピタ」は、水圧を利用したこの2段構えで水の侵入を防いでいるんです!

この「止めピタ」が現在、様々な建物の防水用に問い合わせが殺到中なのだとか!
そして、文化シヤッターにはもう1つ、昨年 開発された画期的な止水マシーンがあるんです!

マンションなどの建物の出入り口の床部分に設置されているものなのだそうですが…

近づいて見てみても一見、ただの床。でも実はこれが浸水を止める装置なんです。

という事でテスト用の装置で実験!
先程と同様、オフロの中に徐々に水を入れていくと…

何も操作していないのに、なんと勝手に少しずつ床が起き上がっていき…

最終的に、完全に床が起き上がって壁になり、浸水をシャットアウト!
これは一体、どういう仕組みになってるのでしょうか?!
再び、廣瀬さんにお話を伺うと…

廣瀬さん:床の下に水より軽いものがついていますので、その浮力で起き上がります。

実は、床の下は空洞になっており、そこに水が入ってくると、水より軽い素材を使っているこの「防水パネル」が浮力で起き上がり…

さらに水が増えてくると、その勢いに押されて、ど〜んと立ち上がって水の侵入を防ぐ壁に早変わりする、という仕組みなんです。

この防水パネルは、マンションの駐車場など、人が常駐していない場所でのニーズがあるのだとか。

文化シヤッターが2012年に始めた止水事業。売り上げはグングン伸びていって、昨年は6億2,500万円に!

文化シヤッターは浸水対策をがっちり!

天気予報より細かく、ピンポイントで「風」を読んでがっちり!

続いては、北海道札幌市のエコモット株式会社。
どんなお天気ビジネスをしている会社なのでしょうか?
エコモットの澤田さんにお話を伺いました。

澤田さん:風です。風速を予測するビジネスをしています。

そう、エコモットがしているのは「風速の予測」。
天気予報のような広範囲のものではなくピンポイントのデータを取って、その情報を提供している会社なんです。

一般的に天気予報などで目にする気象庁が出している予報データは、実は「20km四方の平均風速」という、かなりザックリとしたもの。
例えば、20km圏内のある1地点が秒速9メートルで、他のもう1地点が秒速1メートルの場合だと、風速は「秒速5メートル」という予報に。

そこをエコモットならもっと細かくピンポイントで、1カ所の風速を予測できるんです。そんな細かな観測を可能にするのが…

エコモットが販売するピンポイントの風速予報マシーン、その名も「サインロイド2(ツー)」!

このマシン、設置されている地点の風の強さを最大6時間先まで、10分単位で予測してくれるんです!

しかし、なぜこのマシーンは普通の天気予報以上に、そんなにピンポイントで予測する事が可能なんでしょうか?

澤田さん:それは気象予測会社さんと連携することで可能になりました。

そう!エコモットは、気象庁の20km四方の天気予報を独自に分析して、1km四方の細かい天気予報をしている、別会社の「ライフビジネスウェザー」という会社と提携しているんです。

自社のサインロイド2で現地計測した風のデータと、別会社のライフビジネスウェザーが分析した、ビル風や地形の影響まで考慮した細かい予報データを組み合わせ、ピンポイントの予報を弾き出しているんです!

でも、このピンポイント風予測。そもそもそんな細かい予測が一体、どんな場所にニーズがあるのかというと実は…

クレーンなどの重機を使う建設現場で重宝されるものなんです!

建設現場の最大の敵は「風」。
クレーンなどの重機は風速が秒速10メートル以上あった場合、作業を中止しなければならないんです。
そんな時に、風速が事前に分かれば「先にクレーン作業を終える!」「クレーンは後回し!」といった判断が的確にできるから現場の効率はグッとアップ!

実際にサンロイド2が設置されている建設現場に取材に行き、現場監督の金森さんにお話を伺いました。

金森さん:いや、これはね、我々働いてる作業員はほんとに見てますよ。これによって作業工程が現場の中でコロコロ変わっていく。1時間後に風が強くなるみたいだよとなると、危ないクレーン作業は先に終わらせようとか。

取材した日は、あいにくの強風。
現場のサインロイド2が示す風速は秒速10メートルを超え、警報が鳴り響くほど。
同行して頂いたエコモットの高西さんの傘がひっくり返るほどの強い風です。

しかし、そんな中、サインロイド2には1時間後の風速は「4.5メートル」という表示が。果たして本当に風がおさまるのでしょうか?

時間を置いて、1時間後に再び確認しにいくと…

すいすい歩ける程度に風は弱まっており、サインロイド2が表示する風速の数値も…

予測した通り、風速がたった1時間で半減しています!
多少の誤差はあるものの見事的中!

このサインロイド2。2017年の1月に発売したばかりですが、建設現場からの問い合わせがかなり来てるらしく…

エコモットは風速予測でがっちり!


▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:これの凄いのは高さによっても予測がピンポイントで出せるという事なんですよ。
加藤さん:そういう事か!地上の風と上空の風って違いますもんね。
石原さん:一般の僕らにとっては必要ない情報だけど、ビルの上で作業する人達には必要だっていう、ニーズの方もピンポイントであるって事ですよね。

雷から守ってくれる、避雷針ならぬ◯◯で儲かる会社とは!?

続いては兵庫県尼崎市にある音羽電機工業。

会社のロゴからして、あの自然現象と関係がありそうですが…
どのようなお天気ビジネスなのでしょうか?
営業部の梶原(かじはら)さんにお話を伺いました!

梶原さん:ウチは雷対策のスペシャリストの会社です。

まさに音羽電機工業はロゴの通り「雷」に関係するビジネスをしている会社!
でも雷ってそんなに頻繁に起きるイメージがないんですが、ビジネスとしてどう成り立つのでしょうか?

梶原さん:いえ、全国で落雷回数は年間100万回を超えて落ちてますので。

そう、実は雷は国内だけでも年間かなりの数、落ちているんです。

そして、雷が落ちる事で1番厄介なのが「電気機器が壊れる」こと。
その被害額は年間およそ2,000億円にものぼり、各地の様々なビジネスへも大きなダメージを与えているんです。

その雷の被害から守る、国内唯一の雷専門メーカーが音羽電機工業なんです!
そんな音羽電機工業の主力製品は何なのかというと…

梶原さん:こちらの「避雷器」になります。

避雷器は、分電盤の中に組み込む事で雷のような強烈な電気が来た時にだけ、その電流を制御して電気機器を守っているんです。

でも雷の被害を防ぐものといえば、よく建物のてっぺんについている「避雷針」が有名ですが、この「避雷器」はどういった目的で必要なものなのでしょうか?

梶原さん:避雷針というのはそこに雷が落ちるように促して、地面に安全に電気を逃がして建物を保護するものなんですが、ただ、雷のエネルギーというのは非常に大きいので、やはりそれだけでは悪影響が及んでしまうんです。

“避雷針があれば雷が落ちても安心”と思いがちですが、避雷針で雷を地面に逃しても、そのパワーが強大すぎて、今度はその地面から電線などに入り込み、結果…数キロ先のビルや家の電気機器を壊してしまうなんていう事もあるんです。

そこで、そういった被害を防ぐ為に開発されたのが避雷器なんです。

梶原さん:2004年くらいからパソコンが企業に普及してきて、それに伴って大事なデータなどを保護する為に避雷器の設置も増えたので、売り上げも上がっています。

音羽電機工業は、そんな避雷器のトップメーカー!
現在では、オフィスビル以外にも街の至るところで避雷器は使われており…

電車や新幹線、電柱、信号、産業用ロボット、そして、スカイツリーにも!

そんな、様々な場所で重要視されるようになった雷対策に欠かせないのが日々の“研究”。音羽電機工業は雷の研究の為に日本で唯一、自然の雷を99%再現できる「雷の電流発生装置」まで作ったんです。

音羽電機工業の雷発生装置は、なんと普通の家庭用コンセントの14700万倍、最大22万アンペアの電気を発生させ、色んなタイプの雷が落とせる装置なんです!

すごい装置なのはわかりますが、では一体、この装置がどんなビジネスに繋がるのでしょうか!?

梶原さん:(音羽電機工業では)お客様の製品の耐雷試験を行ったりというビジネスもしております。

そう!この装置を使って行なうビジネスが、雷を落としてその耐久性を試験するというもの。

そんな雷耐久試験をここ最近、一番入念に行っているのが旅客機の機体。
国内でも年に平均1回は、旅客機に雷が落ちていて、この時に機体が雷に耐えられないと大事故になってしまいます。

現在開発中の国産ジェット機「MRJ」も、音羽電機工業の電流発生装置を使って雷を何度も落として耐久テストをしていたのだとか。

そしてさらに、“雷のスペシャリスト”音羽電機工業は電流発生装置だけではなく、他にも作っているものがあるそうで、今度は技術部の今井さんにその実物が設置してあるという場所を案内して頂きました。

今井さん:こちらは雷レーダーです。大体20km範囲内から5km範囲内に雷が接近した事をお知らせする装置です。この装置は地表に集まった電気を測定して雷の危険度を表しています。

実は、雷が落ちる時には上空だけでなく地上にもたくさんの電気が発生していて、雷雲が発生する際、雲の中にマイナスの電気が溜まると、上空の電気につられて地上にはプラスの電気が集まってくる。

雷レーダーはそんな地上の電気の集まり具合をレーダーが検知することで、雷の接近を予測して、警報を鳴らしてその場所の危険度を知らせてくれるものなんです。

そして、そんな雷レーダーが今、大活躍しているのが全国の「学校」。
目に見えず、油断していたら急にドカーンとくる雷を雷レーダーが教えてくれるので、避雷針ではカバーできない敷地の広い学校などで現在、非常に重宝されているのだとか。

このような様々な雷対策で、音羽電機工業はがっちり!


▼スタジオでお話を伺いました。
石原さん:一般家庭の戸建ての家にも雷対策で避雷器があるのが当然という時代になっていくんでしょうね?
森永さん:音羽電機工業広報の栗田さんに聞きたいんですけど、一般家庭で避雷器1個付けるといくらぐらいかかるんですか?
栗田さん:避雷器自体は数千円なんですけど、
加藤さん:工事費がかかるんじゃない?
栗田さん:そうなんです。ただコンセントに挿す、タップ式の物も弊社には御座いますので、それですと皆さんで設置できますので。
加藤さん:ああ、それいいですね。守りたい大事な機器だけにでも付けておければ。

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