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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2017年7月16日放送

特集

年間売上100億円超え!?蔵元・旭酒造会長から超人気の秘密を学ぶ!

ゲスト

旭酒造株式会社 会長 桜井博志さん

番組内容

今回のテーマは「旭酒造」!
旭酒造という名前は知らなくても…日本酒の「獺祭」なら、聞いたことありますよね!
オバマ前大統領が来日した時、安倍総理がプレゼントしたことでも話題になった純米大吟醸ですが・・・この獺祭が今、スゴイ!
日本酒の売上げが落ち込む中、獺祭はうなぎ上りで年間108億円を売上げているんです!
そんな獺祭を作る、旭酒造のヒミツに迫っていきます!

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大人気の日本酒「獺祭」を生み出すこだわりの酒蔵に潜入!

獺祭のヒミツを探るべく向かったのは…

旭酒造のある山口県、岩国市。
かなり山奥ですが、そんな中に現れた巨大なビル…

こちらが旭酒造の本社、兼酒蔵。
なんと12階建て!
中にお邪魔してみると…

お迎えいただいたのは桜井会長の息子さん、4代目、桜井一宏社長。
その桜井社長に、酒造りの現場を案内していただきました。
本社10階にあがり、室内に入っていくと…

銀色のパイプが並んで、まるでプラント。
イメージしていた酒蔵とは違った場所が…
それもそのはず、旭酒造の酒蔵は近代的な工場で、科学的にお酒を生産しているんです!

それでは、作り方を1から見ていきましょう。

まずは、精米。
お酒用のお米、酒米(さかまい)を、玄米の状態から削って、白いお米にする作業なんですが、獺祭の精米は他とは全然違う!
製造部の榎本崇芳さんに伺うと…

スタッフ:これで精米終わりですか!?
榎本さん:これは87%ですので、これを23%まで磨くことによって、「2割3分」というお米を作る途中です。

そう、お米をこれでもかって削って、磨くんです!
      
榎本さん:大体2割3分で(精米する時間が)90時間くらいずっと繰り返して、徐々に小さくしていきます

なんと、ほぼ4日かけて精米。
すると…

スタッフ:これが出来上がったお米ですか?
榎本さん:そうですね。

もはや、お米というよりは、小さな真珠のような仕上がりに!

どうして、こんなに小さく精米するのかというと…

お米の粒の中は、真ん中になればなるほどお酒のもとになるデンプンが多く、外側の部分は、あぶら分やタンパク質が多い。
これらは、お酒にとっては雑味になってしまうので、削っていくのですが…その度合は、普通の日本酒だと70%ぐらいで、よく削っても50%ぐらい。
しかし獺祭は、ものによっては23%にまで削るんだとか!

量は少なくなってしまうが、そのおかげで、独特のすっきりとした味になるんです。

続いては…

精米したお米を洗って、水を吸わせる工程。
洗いおわったお米を水につける。
お米に水分をどれだけ吸わせるかで、お酒の味が変わってしまう重要な作業なんですが…

実はふつうの酒造りの現場とは、ある部分が大きく違う!
それこそが旭酒造の最大の特徴なんです!

桜井社長:実はうちは杜氏(とうじ)という役割がいないんですね。

普通、酒蔵には杜氏という酒づくりの総監督がいて、代々受け継がれて来た職人の技と長年の経験と勘で酒をつくっている。
まさに杜氏によって酒の味が決まるんですが…。

旭酒造には、杜氏がいない!
では、どうやっているかというと…
緻密なデータをもとに獺祭を作っているんです!

お米に水を吸わせたら、一袋ずつの重さを丁寧に計量。

原料処理1課の山本さんによると…

山本さん:仕込みの種類によって、1袋の米15kgに吸わせる水分量が変わってくるので、今の23%の米だったら水分量が28%なので、19.2kgに一回ずつ計って合わせていく。

お米にどれくらい水を吸わせるべきか細かく決まっているので、重さがぴったりになるように時間を調整しながらの作業。
これによって品質は安定するんです。
お米に水を吸わせたら…
大きな蒸篭で、ふっくらと蒸し上げます。

続いて向かったのは…

室温が36度のお酒のもとになる麹(こうじ)というものを作る部屋。
ここからが、酒造り本番です!

まずは蒸米(むしまい)をほぐしながら台の上に広げて、乾かします。
ちょうどいいぐらいまで乾燥させるのが大事なポイントだそう。

昔ながらの酒蔵だと、杜氏が見た目や手触りなどの感覚で、乾き具合をみるんですが杜氏がいない旭酒造では…

桜井社長:重さをスケールで計っているんです。

これは、旭酒造、独自のアイデアで、台についた測量計で重さを量れば
どれだけ水分が減ったかが分かる。
結果、すべての台のお米の乾燥率をピッタリ合わせることができるのです!

そうしてお米がスタンバイされると…

従業員の方がみんなそろって、お米のまわりを何かの儀式のように同じ動きで歩き出しました。

スタッフ:社長、何をやっているんですか?
桜井社長:シー、麹菌を蒔いているんですが、声を出しちゃうと声の振動で麹菌が動いちゃいますんで、シーっ。

そう、これは麹菌を撒く工程ですべての蒸米の台に同じように撒いていくために、みなさん動きをピッタリ合わせるという、かなり繊細な作業をしているんです!

さらに、その作業が終わると…

従業員の方々がしゃがんでしまいました。
これは、空中に撒いた麹菌が蒸米に落下するまでぴったり5分間、空気をゆらさないために台より低い姿勢で、じっとするという作業の1つなんだとか!

こうして麹菌がついた蒸米を、高温多湿の部屋で3日間置くと、白い麹菌が繁殖し「麹」になるんです!

「麹」ができたら、蒸米、酵母、水と一緒にタンクに入れて混ぜる。
すると、1ヵ月以上かけて発酵していきます。

ここで発酵具合を見極めて調整し、しぼって、お酒にするタイミングを判断するのは長年の経験と勘がものをいう、杜氏最大の腕の見せどころ、なんですが…。
旭酒造の場合…

ここも徹底したデータ主義。
  
毎日、300本あるタンク全ての温度やアルコール度数、アミノ酸度、糖分の濃度などをひとつひとつ調べて、そのデータをグラフに記入しているんです!

そして、そのデータをみながら、タンクの温度をヒーターであげたり、逆に水で冷やしたりと、細かく調整していくんです。

すると、そこに桜井博志会長の姿が…

桜井会長:気になったから見てただけですよ。今でこそ、細かくチェックしなくなったそうですが、かつては、桜井会長自身がデータをみて、味を確かめ、少しずつやりかたを変える、という繰り返しだったんだとか!

今の獺祭の味は、こうした試行錯誤の積み重ねで、なりたっているんです。

そして獺祭を造るための検査を一手に引き受けるのが…

白衣を着た女性たち。

スタッフ:こういう研究されてたんですか?
女性:いえ、パートなんですけど。
スタッフ:パートさん?
スタッフ:お酒好きなんですか?
女性:飲まないです。
スタッフ:美味しいかどうかは?
女性:わからないです。

なんとデータをみているのは、近所に住んでる奥様方!
パートを中心とした女性たち!
お酒作りに直接たずさわる社員だと、つい、ひいき目にデータをみちゃう心配が…。
だからあえて検査するのは、酒造りの経験がない女性スタッフなんだとか。

こうしてお米が発酵し、もろみ、という状態になったものを、データをもとにベストのタイミングで絞れば…

純米大吟醸、獺祭の出来上がり!

こうして獺祭は完成したのですが、桜井会長が、気になった点があったそうで、緊急チェックが…

桜井会長:これは若干の火冷め香を感じるけど、これが今から6月末に出るっていうなら関係ない。きれいに消えてバランスが取れる…OK!
スタッフ:大丈夫だったってことですか?
桜井会長:そうですね。(私は)気になったらうるさいのよね、しつこい。

そんな会長のこだわりもあって、獺祭は最高の味を出しているんです!

チェック後、会長はエレベーターで本社の最上階に。
そこには…

なんと!会長の自宅が!

桜井会長:出勤5秒。酒蔵の仕事以外に時間を使いたくないじゃない。だって一番趣味なんだから。一番好きだから。

そんな酒作りを愛する会長のそばで、獺祭は誕生しているんです!


▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:昔は杜氏さんの勘と経験でやってたわけじゃないですか。それをデータにしていくって相当大変だったんじゃないですか?
桜井会長:例えば、天才杜氏の頭の中って、データとかがずっと頭の中に入っていて、それが引き出されてくる訳ですよね。それを、酒蔵の外(データに蓄積)に出してやろうとしたわけですよね。それをやれば、天才杜氏に近いことができるんじゃないかというのが、私たちが考えた事なんです。
加藤さん:それで安定した味になってるんですもんね。
桜井会長:安定はしていないと思いますよ。70点の酒でいいなら安定はさせられますが、安定させるということよりは、よりよいものを作ろうとしているので、少々振れてもいいんですよ!
加藤さん:会長の中に納得のいくお酒ってあるんですか?
桜井会長:ぼやっとしたものはあります。
加藤さん:そこにまだ到達はしていない?
桜井会長:してないですね。瞬間的にいっているものはありますが、次のはダメだったりね。
加藤さん:あれだけデータ取っていても、ブレる事もあるという事なんですね。
桜井会長:できない所に、面白みがあるんですね!
加藤さん:そうですね。そういうことなんですよね!だからビルの最上階に住んでるんですもんね。

売り方にもこだわる獺祭の儲かり戦略とは?

今や日本酒業界では、知らぬものはいない獺祭の旭酒造ですが…

30年前は、地元山口でも無名の小さな小さな酒蔵でした。

桜井会長:山口県で当時まだ、酒造会社が50〜60社あったんですが、下から数えた方が早かったですよね。

1984年、34歳で旭酒造の社長になった桜井会長!
「このままではダメだ!高くても、ちゃんと美味しい酒を作ればきっと売れるはず!」と、一大決心で作ったのが…
純米大吟醸酒「獺祭」だったんです!

しかしこれが、地元山口ではさっぱり売れなかった!

桜井会長:ある地元のお客さんなんかに聞くとね、『なんでお前そんな酒造るんだ。俺達は元の酒で良かったのに。』

そんな言葉も浴びせられたんだとか。

「日本酒なんて、安くて酔えればええ」
獺祭の理想は、なかなか受け入れらなかった。
  
そんな中、1990年、仕方なく、買ってくれるお客さんを求め全国各地を売って回ることに…。

すると、意外な場所で、獺祭が売れ始めたのです…

それは…東京!

桜井会長:東京に住んでる山口県出身の人っているじゃないですか、地元の酒となると『うーん、これは美味いよね』という感じで、飲んでくれるじゃないですか。山口県で生きていけなくて、やっぱり山口県人に救われたんですよね。

酒処としてはほぼ無名の、山口のお酒でしたが、これが珍しいと東京在住の山口県民の間で噂が広がった。
そこから、日本酒マニアにも口コミで評判になり、ぐんぐんとうなぎ上りで人気が加速していったのです!
そして、いまや年間売上げは…

108億円に!

そんな獺祭は、売り方もちょっと変わっている…

営業部顧問の木下容明さんについていったのは、東京中央区にある明治屋本店。

木下さん:おはようございます。

何気ないあいさつですが、実はこれ、一般的にはありえないこと!

大体の酒造会社の場合、問屋さんを通して、お店で販売。
しかし、旭酒造は、直でお店に営業をかけるんです!
もちろん、中間マージンがかからないというメリットはあるんですが、それだけじゃなく…
古いものが売られていないか製造年月日をチェック。
古い獺祭が売られていると、数を卸し過ぎってことで納める獺祭の数を減らす、なんてことも。
そう、獺祭は、売られ方にもこだわるんです!

さらに…

木下さん:環境的な物でいうと、光とか温度に影響を受けやすいので、そういうお店さんですとかを見たら商品は下げさせてもらいますね。

おいしい状態をキープできない売り方をするお店からは、商品を引き上げることも!たとえ売上が減っても、おいしくないものはお客さんに届けない。
そうしたこだわりで獺祭の味を守ることが、結果的に、売り上げアップに繋がっているんです!

そんな熱いこだわりを持っている旭酒造は、獺祭でがっちりなんです!


▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:最初は、やっぱり地元では相手にされなかったんですか?
桜井会長:小さな地域で競争するときって、シェア競争はね、お金持ってるが勝ちとかね、強いもの勝ちになるんですよ。

▼スタジオで実際に獺祭をいただきました。
(純米大吟醸 磨き二割三分を飲んで)
加藤さん:これ、嫌な言い方になるかもしれないですけど、目をつぶって飲まされたらワインって言っちゃうかもしれないです。
桜井会長:上立ち香があって、含み香があって、口の中の味わいがあって、余韻があるという構成が、ワインだと感じられるんだと思うんですよね。
加藤さん:これが、日本酒のあるべき形という事なんですね。
桜井会長:はい。
進藤さん:飲んだ時のザラザラが、全く無いですよね。

(獺祭 磨き その先へ を飲んで)
加藤さん:あー。これはおいしい!日本酒苦手という人がいなくなると思う。
桜井会長:日本酒苦手な人私たち好きですよ。日本酒好きな人は、「なんでもいいんだ、安い酒でいいんだ」って言うから!嫌いな人がいると、これは絶対、うちのお客さん候補だなって思うんですよね。

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