過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2017年4月23日放送

特集

国内市場、3兆円規模!?今、お泊まりウォーズが勃発中!
GW直前、まだ間に合う宿泊業界を大特集!!

ゲスト

森永卓郎さん、佐々木健介さん、北斗晶さん

番組内容

今回のテーマは「お泊り」。
海外からの観光客がとにかく増加していて、ホテルなどの利用も伸びる一方で、国内の宿泊産業の市場規模は、およそ3兆円!
今、ニッポンは、いろんなタイプの宿が群雄割拠する、「お泊まりウォーズ」の真っ只中なんです!!
そこで今回、この戦国時代にキラリと光る、独自の儲かりお泊りビジネスを徹底取材!
箱根にあった豪華リゾート!なのになぜか…5,000円?激安のヒミツとは?
繁華街でもなく景色も良くない…なにもない所にポツンと立つアパートみたいな宿。でもなぜか、今、大人気!?一体その訳とは?
お泊りビジネスの儲かりアイデアに迫る30分です!

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保養所の格安利用を実現した「ケチケチ大作戦」とは?

まずやってきたのは、神奈川県の箱根。
温泉旅館が軒を連ね、山あいにはリゾートホテルが立ち並びます。
そんな関東屈指のお泊り激戦区、箱根の温泉郷を登って行くと、そこにあるのは「フォレスト箱根」。

なかなか高級感のあるエントランスです。

早速、フォレスト箱根を運営する、四季リゾーツの山中社長に、中を案内していただくことに。

山中社長:こちらがラウンジになります。
スタッフ:おぉ〜、スゴイですね!

箱根の絶景が広がる、まるで展望台のようなラウンジ。
都会の喧騒を忘れさせてくれる、落ち着きの空間です。

一番人気の客室は、ゆったりくつろげる和室タイプ。
部屋付きの檜風呂もあります。

もちろん館内には大浴場もあり、天然温泉の露天風呂で疲れを癒すこともできます。
さらに、体育館やカラオケルームなどもあり、各施設が充実。
結構いいお値段がしそうですが…1泊おいくらですか?

山中社長:オールシーズン宿泊費、お一人様5,000円になってます。

1泊5,000円!? しかも、どの部屋でも共通…
週末でも、お正月でも、変わらず5,000円!

朝食と夕食を付けても8,000円です!

連休ともなると、周りの同じクラスのホテルは1人2万円〜5万円になる中、5,000円均一は破格の安さです。
でも、どうしてこんなに安いのでしょうか?

山中社長:ヒミツはこれなんですね。

そこには1枚の絵画が…。
この中に、何かヒントが隠されているのか?

山中社長:その絵の下でしょうかね。
スタッフ:いすゞ自動車?
山中社長:こちらの施設は、今もそうなんですけど、元々いすゞ自動車の保養所なんです。

そう、四季リゾーツの激安のヒミツは、「企業の保養所」!
バブル時代、多くの大企業が社員の福利厚生として、リゾート地にこぞって豪華な保養所を建てまくりました。
しかし、せっかく建てたはいいものの意外に空き部屋が多く、また豪華な分、維持費もかさみ赤字が続く会社のお荷物に…。

箱根だけでもおよそ170ヵ所の保養所があるんだとか。
そこで、山中社長が作った四季リゾーツは、企業からタダで施設を借りて、維持費の全てを負担。
そのかわり、一般のお客さんに部屋を提供して儲ける、という仕組み。

ただし、部屋の半分はオーナー企業の社員に予約を優先させ、保養所の機能も残しているんです。
山中社長:こちらは私が伺った話、建築費は20億円。

豪華な施設に、お客さんは安く泊まれるし、企業側も、保養所を残したまま赤字がなくなる。
これはウマい!
今や四季リゾーツは、箱根のほか、伊豆や熱海、湯布院などの名だたるリゾート地に21もの施設を展開しています。
売上げは、年間10億円!
まさにムダを宝に変えてがっちり!
そして、四季リゾーツには、さらなるムダをなくすための作戦があるらしいのです。

山中社長:題して「ケチケチ大作戦」です!

ケチケチ…?
その作戦を実行しているという、スタッフの小林さんのお仕事を追いかけてみることにしました。

小林さん、カウンターでお客さんのチェックアウトを済ませたら、ラフな格好に着替え、ダッシュ!

やってきたのは客室。ドアにストッパーをかけ、トイレへと向かい、便座の電源をOFF!
お客さんが出発するとすぐに、客室の電源をかたっぱしから切って行く。
たしかにこれで、電気代は減りそうですね。

続いて向かったのは…

露天風呂。
すると、湯船に保温マットでフタをする!
こうしてお湯を冷めないようにし、燃料代を節約しているのです。

「たったそれだけ?」と思ったアナタ! 侮るなかれ、これらの作戦で、

電気代100万円、燃料代120万円、水道代が50万円と、ここフォレスト箱根だけで、年間270万円節約できているというから馬鹿にできません。

この作戦、実は社長自身の節約大好きな性格から来てる、なんてウワサも…。

山中社長:よく、家族が携帯の充電器とか、つけっぱなしにしてると、ことごとく抜いていくのが僕の仕事です。
スタッフ:抜いて、何か言われません?
山中社長:うざっ! て言われます(笑)

社長…めげずに頑張ってください!

四季リゾーツは、保養所で、がっちり!

アメリカのモーテルがお手本! サービスしないサービスが喜ばれる宿泊施設

続いてやってきたのは、茨城県つくば市。
次の儲かるお泊まりビジネスは、

「旅籠屋」!
国道沿いを走っていると、それはありました。

スタッフ:車でそのまま入って行くんですね。あれ?これもう部屋ですね。外から入れるんだ。

なんだかパッと見、アパートみたい…。

甲斐社長:いらっしゃいませ。

フロントは、こっちでいいのかな? …と思いながら進むと、出迎えてくださったのは、旅籠屋を経営する甲斐社長。

甲斐社長:今、全国に58。北は秋田から南は鹿児島まで。年間6、7店舗ずつ増えてますね。

旅籠屋は1995年に1号店を構え、現在は58店舗を展開しています。

年間売上は17億円と、絶好調なんです!

スタッフ:なんか普通のホテルとちょっと違いますね。
甲斐社長:全然違いますね。アメリカにはモーテルというのが10万軒くらいありましてね。アメリカ中、どこ行ってもあるんですよ。そういうスタイルです、ここは。

旅籠屋は、アメリカの映画などでよく見かける「モーテル」と同じスタイル。
造りは基本どこの宿も同じになっていて、駐車場付きの2階建てといった感じです。
外廊下から部屋に入って行くシステムで、一番の特徴は…

2つ並んだ、クイーンサイズの大きなベッド。

スタッフ:ベッドの広さには、何か理由があるんですか?
甲斐社長:家族4、5人で泊まる方が多いので、ひとつのベッドにお父さんとお母さん、親と子ども、なんかがゆっくり休めるようにしています。

そして奥にトイレやバスルームがある25平米のゆったりできる造り。

1泊の料金は、平日で1人だと5,000円、家族4人だと10,000円と、人数が多いほどお得になる設定です。

5歳以下はタダなので、週末ともなると、子供連れのファミリーが押し寄せるのだとか。
お客さんの反応を見てみると…

お子さん:でっかーい!
お客さん:想像以上にキレイですね。ベッドが大きい。お風呂もキレイだし。くつろげる感ハンパない!

でも、ちょっと気になるのが、旅籠屋のある場所。

周りは、繁華街でもなければ、観光地って訳でもなさそう。
しかし、そこに旅籠屋の儲かるヒミツがあったのです。

甲斐社長:周りに一見何もなさそうですけど、10分くらい走ると高速道路のICが2つあります。

この周辺には2つのインターチェンジがある。つまり、ターゲットは車で旅行をする人。

だから旅籠屋の立地条件は、近くに高速のインターがある、国道などのロードサイドが基本です。
だから、2泊、3泊と、安い旅籠屋に連泊して、ここを拠点にいろいろな観光地を巡るっていう使い方ができるんです。

そして旅籠屋には、もうひとつ、ある特徴が!

甲斐社長:サービスをしないのがサービスです。泊まるだけなので、温泉もなければ、美味しい料理もなければ娯楽施設も何もないです。部屋があるだけです。

旅籠屋の特徴は、いい意味で「ほったらかし」にしてくれるとこ!

料金は前払いなので、お客さんは一度チェックインしたら何泊しようが、出入りする時にいちいちフロントを通る必要がありません。

チェックアウトも、カギをポストに入れるだけ。
車で直接出掛けられて、帰りもそのまま部屋に戻れるなんて、たしかに気楽かも。
実際、お客さんはどう思っているのでしょうか?

お客さん:サービスがありすぎると、小さい子供だと周りに迷惑かけたり、そういうので恐縮しちゃうんで、過剰なサービスを求めない代わりに料金の方を求めてるんで。

たしかに、社長の狙い通り!

そして旅籠屋には、働くスタッフにも特徴があるといいます。
それは…

経営者が夫婦など、生涯を共にするパートナー!
ここの旅籠屋を経営する松波さんご夫婦に、お話をうかがいました。

スタッフ:一緒に通勤しているんですか?
松波さん:もう裏に住んでるんで。
スタッフ:住み込み?
松波さん:通勤1秒です。

フロントにはインターホンがあり、普段は家にいて、呼ばれたら出て行く。

松波さん夫:時間が空いたら。
松波さん妻:お昼寝とかできるよね?
松波さん夫:映画とか見れますし。今始めたのがピアノとかギター。

旅籠屋は、お客さんにとっても働く人にとっても、メリットがあるんですね。

旅籠屋は、サービスしすぎないサービスで、がっちり!


▼スタジオでお話を伺いました。
北斗さん:ちょうど3年前かな、子どもたちを連れてアメリカをぐるっと回る、バックパッカーみたいなことをしたんです。家族4人だったんですけど、モーテルに泊まって、そことそっくりです。
森永さん:民泊も入ってきたし、ビジネスもグローバル体制にしているんですよね。

ありそうでなかった、カプセルホテル"みたいな"ホテル

続いてのお泊まりビジネスを探し求め、中央区馬喰町の問屋街を歩いて行くと、駅からすぐの場所で見つけたのが…

「ファーストキャビン」。
最近流行りのビジネスホテルのようです。
「ファーストキャビン」は、東京・大阪・福岡など、都市部の駅前に12店舗を展開。

全国のホテルの稼働率の平均が60%のところ、ここは90%っていうから、ぶっちぎりの絶好調!
年間売上げは15億円!

ということで、ファーストキャビンを経営する、来海社長に案内してもらいます。

すると、普通のホテルとは、ちょっと違うような…?

来海社長:カプセルホテルみたいなホテルになってるんです。

カプセルホテル"みたいな"? ってどういうことなのか?

来海社長:じゃあ行きます!

と、蛇腹の扉を開けてもらうと…

部屋の中はとってもキレイ!
カプセルホテルというと、二段式で、ちょっと窮屈なイメージですが、ファーストキャビンは全然違う!
部屋には立ったまま入れるし、テーブル付きで、ベッドはセミダブル。
さらに、32インチの大画面テレビも独り占め!
もちろん、清潔な共同のシャワールームと、大浴場まであります。
この部屋で、1泊6,800円。

ファーストキャビンは、今までありそうでなかった、ゴージャスなカプセルホテルなのです。
この新しいスタイルに、今までカプセルホテルに縁のなかった人たちが食いついた!

お客さん:カプセルって感じじゃないですよね。荷物も置けて広々と整理できるし。
お客さん:ベッドも広くて、大浴場があるので、東京に来る時はたまに使ってます。

キレイでのんびりできる、しかも安いとあって、特に女性たちに大人気!
だからここは、女性が安心してお泊まりできるよう、男女のフロアを別々にしたり、女性フロアの洗面台には、メイク落としや化粧水を揃えたりと、心憎いばかりの気配りが。

このお値段でこのサービスが実現したのには、ひとつ、大きなヒミツがあるのです。
それはここが、ホテルではなくて「カプセルホテル」だっていうこと!
実は「ホテル」を作る場合、旅館業法という法律で、部屋ごとに窓が必要で、広さも9平米以上ないといけない、と決められているんです。
ところがカプセルホテルは、旅館業法上ホテルではなく「簡易宿所」。
だから、窓も、広さも、関係ない!

来海社長:カプセルホテルという仕組みだからこそ、この部屋自体には鍵が掛からない。
上部と下部にある程度のスキマがあるんです。

そして、この建物は、もともとオフィスビル。
それをカプセルホテルに改装しているので、料金も安く抑えられたんだとか。

ビルオーナーの古屋さんは、空きビルになってしまったこの建物をホテルに改装しようと考えていた時、たまたまファーストキャビンが目に留まったんだとか。

そして、その改装費を比べてビックリ!

古屋オーナー:話にならないほど違って、ファーストキャビンの方が明らかに低コストで改装が実現できました。

ここを普通のホテルにする場合の改装費は5億円以上。
ところが、ファーストキャビンにすることでかかった費用は3.5億円!
工期も、通常なら2年以上かかるところが、たった7ヵ月で済んじゃいました!

古屋オーナー:非常に良かったですね。いい出会いをいただいたと思っております。

来海社長:2022年までに全世界で100店舗。これからドンドン出店して行きたいと思っています。

ファーストキャビンは、広くてキレイなカプセルホテルで、がっちり!


▼スタジオでお話を伺いました。
北斗さん:通常のカプセルホテルだと、スーツケースを開けたりできないじゃないですか。でも、ここなら十分開けて整理できるからいいですよね。
森永さん:実はJR西日本が、ファーストキャビンと合弁の会社を作って、駅ビルにこのホテルを作っていこうとしているんですよ。
加藤さん:僕らもロケ行ったら今後はファーストキャビンになりますね。

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