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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2017年2月19日放送

特集

ウチこれだけは国内生産です!富士通が「わざわざ」国内で作る"あるパソコン"とは?

ゲスト

森永卓郎さん、眞鍋かをりさん

番組内容

日本のメーカーといえど自社製品を海外の工場で作るというのが当たり前になっている中、『ウチはこれだけは国内で作ってます』と、こだわる会社が存在している!
そこにはきっとこだわるだけのワケが!そして儲かりの秘密があるはず!!
というわけで今回は新企画「ウチこれだけは国内生産です!」。
国内生産にこだわってちゃんと儲かってる会社が続々登場!

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超有名楽器メーカーの工場に潜入!あるタイプの楽器だけを国内生産!

最初に伺ったのは静岡県磐田市にある
ヤマハ株式会社豊岡工場。
ヤマハと言えば、ご存じ!世界最大の楽器メーカーですよね!

そのヤマハで“これだけは国内生産”というこだわりの物があるそうなんですが…。
その真相を探る為、ヤマハミュージカルプロダクツの早川さんに、世界屈指の規模を誇る豊岡工場の中を案内して頂きました。
ここでは一体、何が作られているのかを早川さんに伺うと、

早川さん:ここでは主にプロやハイアマチュアが使う高級価格帯の楽器を作っています。

お手頃な値段のスタンダードタイプは中国やインドネシアなどで製造している中、ヤマハが国内だけで製造しているのはズバリ!ハイクオリティな『高級楽器』!!
作っているのはサックスやフルートなどの木管楽器やトランペットやホルンなどの金管楽器。

ちなみにこの日、工場内で作られていたホルンの販売価格はなんと88万円!
他にも純金製と純銀製のフルート、2本で1,200万円するものも!

高級な理由は、素材もさることながら、どの楽器も熟練技の職人の手作業である事!

例えばサックス作りの工程でいうと…サックスの音色を決める『朝顔』と呼ばれる部分、ここを作る“ハンマリング”という作業が豊岡工場ならでは!

“ハンマリング”とは読んで字の如く、職人さんが木槌で刀鍛冶のように叩いて、叩いて、叩く!!

中国などの工場では、既にある程度、形になった状態の2枚の金属板を溶接して機械で成型して作っていく所を、この豊岡工場ではグニャリと曲げた金属板を1枚の状態から叩いて伸ばすやり方を取るのだとか。
このやり方だと溶接箇所が少ないため、奏でた音色が安定し、さらには金属の中の不純物が取り除かれてサックス自体が硬くなり、音の跳ね返りもよくなるという利点も!

早川さん:手なんです!手作業なんです。
これはなかなか機械ではやれないので!

他にも楽器づくりには“音の正確さ”も欠かせない要素!
という事で、

今度はフルートの組み立て担当、大橋さんの作業を拝見すると…
不思議な道具を使って何かをしているようですが…?

大橋さんがしているのはフルートの息漏れチェック。
それに使うのが棒の先端に厚さ0.01ミリのビニールが付いている「フィラゲージ」という工具。

フルートは「音孔(おんこう)」という穴を、

「キイ」という部分できっちり塞がなければ正確な音が出ず、ここにちょこっとでも隙間があると、そこから息が漏れて音程が微妙にズレてしまいます。
それを防ぐ為、大橋さんは先程のフィラゲージを本体とキイの間に差し込み、隙間が無いかを細か〜くチェックしているのです!

このチェック作業でわずかでも隙間が見つかった時には…

厚さ0・01ミリから0.05ミリのプラスチック製の台紙を使い分け、ちょこっとだけ底上げをして隙間を埋め、息が漏れないように微妙に調節する、という驚くほど繊細な作業を行なっているんです!

それだけこだわって作られた手づくりの純銀製高級フルートは、白銅に銀メッキを施したスタンダードなタイプのものより、音色が明るく、柔らかな丸みを帯びた音色になるのだとか!

そしてもう一つ、高級楽器を作るのが国内の豊岡工場でなくてはならない大きな理由があるそうで、その理由とは…?

なんと!
アマチュア吹奏楽団の最高峰・ヤマハ吹奏楽団の現役の演奏者が多数、豊岡工場で働いているんです!
つまり、完成した楽器を団員が吹いてその場で最終チェック!
ヤマハ吹奏楽団のトランペット奏者をしながら豊岡工場の管弦打生産部で働いている手塚さん曰く、

手塚さん:楽器の特徴を分かっているので、細かい違いを手の感覚でキャッチしながら楽器作りが出来るのではないかと思います。

楽器の売上げだけで年間2,789億円のヤマハは高級楽器製造でもがっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:(高級楽器とリーズナブルな楽器で)音の違いは私も聴いてわかんないんですが、ほんとのプロが聴くと違うんですね。
楽器ってちょっとした音質の差でとてつもない値段の差になるんですよね。
最後は手作業っていう所が技術開発の源泉になりますから。

超ハイレベルな製造ラインで作られる、意外な国内産の電化製品とは?

続いては、島根県にある株式会社島根富士通!
取材に伺うと、島根富士通の宇佐美社長と富士通のグループ会社・富士通クライアントコンピューティングの藤井さんが出迎えて下さいました!

さて、家電製品・携帯電話などを作る、富士通グループの『これだけは国内生産』とは一体何なのでしょうか?藤井さんに伺うと…

藤井さん:富士通ではパソコンは国内生産で頑張っております。

そう、富士通ではパソコン製造だけは、ほぼ100%国内に特化。
エアコンや空気清浄機などの家電製品は富士通ゼネラルという会社が企画・設計を日本でやった上で、組み立て作業は海外でやってる所を、ノートパソコンの製造に関しては組み立てまで全て、島根県の島根富士通で行なわれている!

でも、組み立てをわざわざ国内でやると、かえって人件費がかかるし、パソコンは競合他社も多い中、それでは儲からないのでは?と思いますが…。
そんな疑問を藤井さんにぶつけると…

藤井さん:いえ、そこはがっちり!頂いております。

どうやら儲かっているとのお返事!
では、その儲かりのヒミツを探りにノートパソコンの製造現場へ!
島根富士通の岩谷さんに工場内を案内して頂きました!

製造ラインでは、ノートパソコン・タブレット端末を作っている真っ最中!
岩谷さん曰く、富士通が作る製品には大きな特徴があるそうで、それが…

岩谷さん:うちの工場で製造する全製品の9割が企業向けモデルの製造になっています。

「企業向け」というのは、スーパーで在庫を管理したり、営業マンが出先で使ったり、病院でカルテを管理したりする等の職場で使う用途専用のパソコンやタブレットの事。
という事は、それぞれ顧客の用途に合わせた細かいカスタマイズが必要になってくるはず…。

実は、富士通はそうした付加価値の付いたオリジナルパソコンの製造がお手のものなんです!

キーボードの配列を変えたパソコンや電源を入れた時に企業ロゴが出るものやボディに企業ロゴを印字したものまで、富士通は細かい要望に柔軟に応えてくれる!

もちろん、そこで必要になってくるのが高い技術力!
そのご自慢の技術を見せて頂く為、製造ラインを拝見すると…!?
タブレット端末の組み立て製造ラインと同じライン上に、別のノートパソコンのパーツが流れて来ましたが…
これは一体!?

岩谷さん:AとBの機種を混流で流す事で、生産性を上げています。

ここ島根富士通の工場では、A社のタブレットをこなしたら次はB社のパソコン、そのままC社のタブレット、というように1つの製造ラインでいろんな種類の端末をテキパキ作っているんです!
とはいえ、これでは作る人が大変で一見すると効率悪そうですが…。
この特殊な製造の仕方の理由を、今度は島根富士通の渡辺さんに伺うと…

渡辺さん:日本は雇用を長く保つので作業習熟度をどんどん上げる事ができるんです。
この毎回毎回違う製品が流れてくる作り方も、約10年の時間をかけた教育の中で今の体勢が取れるようになってきました。
生産性からいうと以前より倍の所まできています!

小さなネジを正確に止め、パーツも一発ではめる!
そしてもっと早く!もっと正確に!と、製造ラインの後ろではベテラン作業員の方で構成する「改善研究会」が動きに無駄が無いかを厳しくチェックし、日々、技術の向上を図っているのだとか!

そんな島根工場から毎年、企業向けパソコンを200万台以上出荷!という事で、富士通は国産パソコンでがっちり!

▽スタジオでお聞きしました
加藤さん:富士通のパソコンって海外で作ってるものだとばかり思ってました。
顧客に合わせてカスタマイズする、という事なんですね。
森永さん:なぜ国内で出来てるかというと、最大四種類の製品パーツが流れてくる1つのラインで、それに全部対応できるっていう優れた技術と
柔軟性は、なかなか海外の工場では無理だからなんですよね。

高級シャツだけを国内生産して、がっちりなアパレルメーカー!

長野県千曲市にある会社、フレックスジャパン。
ここは何を作っている会社なのでしょうか?
広報の北沢さんにお話をお伺いしました。

北沢さん:ワイシャツを作っているメーカーでございます。

そう、フレックスジャパンはメンズ・レディースシャツの製造・販売を手がけるシャツメーカー。では『これだけは国内生産』というのは何なのでしょうか?

北沢さん:お好みオーダーシャツを作らせて頂いております。
私どもで年間約1千万枚のシャツを作らせて頂いてるんですが、そのうち98%は海外生産、残りの2%を長野県千曲市と
熊本県天草市の工場の方で作っております。

お手頃価格のワイシャツはミャンマー、インドネシア、バングラディッシュで大量生産。一方、サイズやデザインが1つ1つ違う、オーダーシャツは日本だけで作っているのだとか。
そんなフレックスジャパンの国産オーダーシャツは、なんと毎年12万枚も売れてるんです!

という事で、その人気の秘密を探るために本社の縫製工場へお邪魔しました!
工場の中ではいろんな柄の組み合わせのシャツを1枚ずつ手作り!

そしてここにはオーダーシャツ作りに欠かせないある人物がいるそうで…。
工場長の小山さん曰く…

小山さん:シャツ業界の生き字引と言われる大先輩がいます。

といって紹介されたのがこの方!

フレックスジャパンの山口道子さん、85歳!!
山口さんはいったん60歳で定年退職されたものの、その高い縫製技術を買われて3年前に現場に復帰。
現在、工場で若手の職人さんの育成・指導をしているんです。
それも現会長の矢島さんからの直々の復帰要請に応えての事!

矢島会長:オーダーメイドになると自動機は使えない。
縫製は手仕事だからやっぱり熟練の技が要るんだよ。

難しい工程の「ここぞ!」という時には、普段は若手の育成が中心の山口さん自らがミシンで縫うことも!

という事で、その山口さんの作業を見せて頂く事に。
この日、見せて頂いたのはシャツ作りでも難しい作業の1つだという、襟づくり。

襟は、襟羽と言われる1枚の布を襟腰といわれる二枚の布で挟んで出来ていているそうで、横で解説頂いた工場長の小山さんによると、

小山さん:3つの部品を持たなければいけない。その手つきが非常に難しいんです。

襟羽の方は、カーブになってるのに2枚の襟腰はほぼ真っ直ぐ。
これを上手くずらしながらぴったりに縫うには熟練の技が必要!
さらにオーダーシャツは襟によってカーブの具合も違えば、布の硬さも千差万別!
果たしてこの難しい作業をいかにして仕上げるのでしょうか?!

まずは山口さん、3枚の生地を重ね合わせ、カーブと直線を合わせながら慎重に縫っていきます。

山口さんの手元を確認すると…左手で一番上の襟腰を、右手で真ん中の襟羽と一番下の襟腰の2枚の布を持っています。
そしてカーブを縫っているのにまるで直線を縫うかの様に針を進めていきます!

と同時に、足下では布の厚みや硬さにあわせてペダルの踏み加減も微調整。

うまくいかないと襟が波打ったり、丸くたわんでしまったりするそうなんですが、山口さんの仕上がりを見せてもらうと…

見た目にもピシッときれい!さすがの熟練の技です!

現役時代、どの種類の生地にどんな糸や縫い方が合うかノートをつけ、研究していたという山口さん。今、その経験を若手スタッフに伝えているんです。

そして伝統の技は日本人だけでなく、日本に来ているミャンマー出身の研修生の方々にもミャンマー語で直接レクチャー!

そんな山口さんに働く上での信念を伺いました。

山口さん:手間ばかり取ってたら生産性が上がらないから、きれいに早くやりやすく、その3つが(教える時の)私の狙い。

丁寧でキレイなオーダーシャツを作ってフレックスジャパンの
年間売り上げは110億円!
シャツ業界の母のとびきりの技術でがっちり!

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