過去の放送内容
2017年2月12日放送
特集
なぜか同業者が集まる「儲かる◯◯の街」!なぜかミャンマー人が殺到する、〇〇の街の秘密とは??
ゲスト
森永卓郎さん、伊集院光さん
番組内容
テーマは、「儲かる○○の街」!
秋葉原は、電気店の街!合羽橋は、調理道具の街!など、ひとつの街に専門店が大集合していることってありますよね。
でも、これってきっと儲かるからに違いない!
そこで今回は、みんな知ってるあの街から、知られざる意外な街まで、儲かる○○の街を徹底取材しました!
布を買い求めるお客さんで大盛況!“布の街”日暮里!
儲かる○○の街!まずやってきたのは…
東京の日暮里!日暮里っていうと、山手線の駅があり、東京の下町というイメージですが、実はここ、「布の街」。
駅前の案内板には、日暮里繊維街って書かれているんです!
街を歩いてみると、いきなり「布の店」があり、隣にも、そのまた隣にも!
まさに大集合で、日暮里は、布のワンダーランドといった状態で、週末ともなると大混雑なんです!
この街には一体どのくらい布屋さんがあるのか?
話を伺ったのは…
日暮里繊維街の浜浦章雄理事長。
浜浦さん:約90店舗ありまして、布のことでしたら全てが揃うと言っても過言ではないと思います。
なんと通り沿いを中心に、90もの小売店や卸問屋が軒を連ねているんです!でも、なんでここ日暮里が、布の街になったのでしょうか?
浜浦さん:明治時代のことらしいんですけど、布を扱う業者が浅草から日暮里に移ってきたと聞いております。
そう、元々浅草に多かった布のお店。
江戸時代から賑わいをみせていた浅草は、明治に入り観光地化が進んだことで、法律により、郊外の日暮里に集団移転せざるをえなくなった。
以来、この街には布の問屋が立ち並び、それを仕入れに来る小売店の人たちで賑わうようになったのです。
しかし…
浜浦さん:手作りをする時代から、既製品を買う時代になってきましたので、日暮里も徐々に寂れていったわけです。
アパレルメーカーの台頭により、洋裁店や布の生地の小売店が激減!すると日暮里も、次第に寂れていくことに。
ところが、30年ほど前から、新たなお客さんが現れはじめた。
それが…
主婦:自分の洋服作ったり、友達に作ったり、子供に作ったり、孫に作ったり。趣味で。
学生:服飾の専門学校に通ってるんで。
手芸好きの主婦や服飾系の専門学生!
さらには…
コスプレイヤー:コスプレに使うもので今回買いに。これが作ったやつです。
最近では、自分でアニメの衣装を作るコスプレイヤーまで、ここ、日暮里にやってくる!
そんなみなさんが口を揃えて言うのが…
お客さん:なんでもある!安い!
お客さん:他のところより数が多いし、安い!
そう、人気のヒミツは、驚きの品揃えと、ダントツの安さ!
例えば…
「トマト」というお店は、日暮里繊維街に5店舗を展開する大人気店!
メインの本館は、5階建てで、どのフロアも、布だらけ!
トマト本館の課長である…
伊藤圭吾さんにお話を伺うと…
伊藤さん:ない布を探すのが大変かな…。
と、かなり品揃えには自身がある様子!
伊藤さんに売り場を案内してもらうと…
伊藤さん:まずはこちら。1m全部100円ですね。
なんと、布の100均一コーナーまであるんです。
普通、綿の布は無地でも1mで600円前後が相場なので、これはまさに常識はずれの安さ!
そして、浜浦理事長のお店…
「エレガンス」は、海外から買い付けたプレミアムな布を、問屋価格で販売しているんです。
浜浦さん:カシミヤ100%のリバーシブルの生地。
カシミヤに定評があり、クリスチャン・ディオールやイブ・サンローランにも素材を提供する…
イタリアの高級ブランド「アニオナ」の生地。
浜浦さん:これで1mで58,000円。
高いと思われますが、小売店だと18万円もするので実は安いんです!
浜浦さん:いいモノしか置いてません!
さらに浜浦さんいわく、この日暮里繊維街には、いま人気急上昇中の、超儲かり店があるらしい。
それが…
ミハマクロス!
入ってみると、普通のお店のように感じるんですが…
スタッフ:どちらの国の方ですか?
お客さん:ミャンマーです。
お客さん:ここ(日本)にいるミャンマー人はみんな知ってる。
なぜか、お客さんのほとんどが、ミャンマー人!
そして、買ってるのは、なにやら日本風な柄ばかり!
しかも大量に!
改めて売り場を見渡すと、富士山と波の柄だったり、赤字に白い鶴が飛ぶ、着物のような柄だったり。
「和」をイメージする柄の布ばかりが並んでいる。
スタッフ:何に使うんですか?
お客さん:ロンジー。
「ロンジー」とは…
ミャンマーの民族衣装で、腰に巻く、スカートに似たもので、老若男女に関わらず、日常的に着るファッションなんだとか。
でも、なんで皆さんわざわざこの店で布を買うのか…
ミハマクロスの浜口良行社長にお話を伺うと、
浜口社長:元々は私は問屋でね、布団屋とか呉服屋に品物を卸してたわけ。
社長曰く、30年前、お得意さんがミャンマーに行った時、お土産に、この店の掛布団の生地を持っていったところ、これが大ウケ!
「ミハマの布」がクチコミで広がり、ミャンマー人がお店に殺到するようになったんだとか。
お客さんの評判は…
お客さん:丈夫ですね。
お客さん:大体ミャンマー人は帰る前にこの店に来て、プレゼントに買いに来る。
今や、日本に住んでいるミャンマー人の間では、里帰りのお土産の定番品になってるんだとか!
浜口社長:今日は4〜50人来てるかな。おかげさまで儲かって、笑いが止まらないくらい。
こうして日暮里は、布を求めるいろんなお客さんで今日も大盛況!布の街でがっちりなんです!
遊びのスペシャリストたちが大集合!“おもちゃの街”蔵前!
儲かる○○の街!続いては…
東京の蔵前!蔵前っていうと、昔は国技館が代名詞でしたが、今では新旧が混在する発展著しい街。
でもここは、「おもちゃの街」!
通りをぶらぶらしてみると、玩具問屋と書かれたお店が!
ちょっと歩いただけでも、おもちゃの問屋さんがいっぱい!
通り沿いの1キロ程を中心に、35軒が大集合してるんです!
蔵前で自らもおもちゃ問屋を営む、東京玩具人形協同組合の理事長…
山縣常浩さんに聞いてみると、
山縣さん:地方から出てきた方が江戸時代に、浅草寺さんへお参りする、ここが参道だった。
そう、おもちゃの街・蔵前の始まりは江戸時代。
浅草寺への参道にあたるこの地は、当時、参拝帰りのお土産品として、焼き物の人形や、木製のおもちゃを扱う店で賑わっていた。
人形の「久月」や「吉徳」なども、この付近に創業。
戦後、バンダイやエポック社などの、おもちゃメーカーも本社を構えました。
そんなおもちゃの街、蔵前に集まる問屋には、大きな特徴があるといいます。
それは…
山縣さん:それぞれ皆さんが特化しちゃってるんですよ。総合玩具問屋っていうのは今はほとんどない。
昔はおもちゃ全般を扱う、「総合問屋」が主流でしたが、今は、おもちゃの種類が増えすぎて、ひとつの問屋さんで、全てには対応し切れない。だから蔵前の皆さんは、それぞれ独自の、「狭く深い品揃え」へと特化していったんです!
そこでやって来たのは…
宮森健之(みやもりけんじ)商店。
ここは、フィギュアに特化した専門問屋!
「萌え系」に強いメーカーや、アメコミに強いメーカーまで、30社以上、およそ2万点の商品を取り揃えている!
一番のお得意さんは、近くにある「あの街」のお店。
一体どこのお店なのか…
社長の宮森啓之さんによると、
宮森社長:うちあたりも秋葉原のお客さんけっこういますから。毎日配達は行ってます。
もちろんフィギュアのコレクターがこぞって集まる聖地「秋葉原」!
秋葉原のショップだけでも、毎日およそ10軒、計100体以上のフィギュアを配達している!
聖地の、そのさらに源流には、この問屋さんがあるってわけなんです。
そんな宮森健之商店のすぐ近くにあるのが…
おまつりらんどという問屋さん。
その名の通り、お祭りでお馴染みのいろんなおもちゃがズラリ!
例えば…
神尾さん:昔からあるスーパーボール。
お祭りの出店でよく見るスーパーボールすくいのボール。
これが1,000個も入って、6,000円!つまり、1個6円!
スーパーボールすくいって、1回300円くらいなのでけっこう儲かってます…。
夏祭りの前ともなると、お祭りの業者さんや町内会の人がごっそり買っていくとか。
次にやって来た…
桑田商店は、トイガンだけの専門問屋。
ここには、問屋さんとして小売店に商品を卸す他に、もうひとつ、儲かるビジネスがあるんだとか。
社長の桑田富雄さんに着いていくと…
桑田社長:はいどうぞ!
スタッフ:おー!なんですかここ?
桑田社長:精密射撃場。
トイガンの世界には、最近流行りのサバゲー以外にも、「精密射撃」という、エアガンを用いた競技がある。
全国大会も開催され、最大10mの距離にある的を撃って点数を競うというもの。
ここはその、社長ご自慢の射撃場なのです!
10m先にある白い的、幅3cm高さ4cm!
自らもスゴ腕スナイパーである桑田社長は、モデルガンのカスタマイズにおいても、人後に落ちません!
そんな社長のカスタム銃が評判を呼び、全国からお客さんが絶えないそうです!
こうして、蔵前にあるおもちゃ問屋さんは、ひとつひとつが各分野のスペシャリストになっている!
そんなおもちゃで蔵前はがっちり儲かっているみたいです!
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:蔵前は一つの商品に特化していくという感じですね。ああしないと生き残れないんですか?
森永さん:おもちゃで言うと、定価の65%で、小売店は買えるんですね。その内、大きな小売店はメーカーから直取りするようになったんです。そうすると、定価の50%で買えるようになるんです。
加藤さん:そうすれば問屋さん通さない方がいいですもんね。
森永さん:どんどん、一般の大量商品は直接取引になって、ここの分野だと、ここに行かないと揃わないというとこだけが今、生き残ってます。
伊集院さん:すごく専門化しちゃうと、そのお店に行って、「これありませんか?」と言った時に他のお店を教えられるじゃないですか。ライバルじゃないから。うちはないけど、あそこならあるよと言うことで。
加藤さん:確かに。紹介もしますし、逆もありますもんね。
森永さん:で、隅田川のすぐ近くなので、物流もすごく便利だった。なので隅田川沿いっていうのは問屋街がたくさん残っているんです。例えば、浅草には下駄の問屋街があったりしますよね。
独自の品種も生み出して儲ける!“芝生の街”つくば!
儲かる○○の街!続いては…
茨城県のつくば市!つくばっていうと、筑波大学があったり、宇宙開発のJAXAがあったりと、とってもアカデミックなイメージ。
でも実はここ「芝生の街」!
市内を走ると、芝生の畑がたくさんあるんです!
話しを聞きにやって来たのは、つくば市役所大穂(おおほ)庁舎。中には、つくばの芝生関係のお偉いさんが勢揃い!
話を伺ったのは…
全国芝生協会の会長を務める鈴木富士雄さん。
鈴木会長:このあたりには芝生生産農家が2,000戸ぐらいあります。
なんと、全国の芝生畑の、半分以上が茨城県に!
さらにその内の8割がつくば市にあるんだとか!
特に市内の北部エリアは、2,000戸の芝生農家が集中する、日本一の芝生の街なのです。
鈴木会長:販売価格だと30億ちょっと。
かなり儲かってるみたいですね。そんな芝生畑にお邪魔してみると…
この時は、刈入れの真っ最中。
芝生が収穫出来るまでに育つには、およそ1年。
5mm程の土と一緒に刈り取ったらロール状にして出荷する。
すると、土に残った根から、次の芝生が勝手に生えてくるんだとか!しかも、収穫は年中出来る!つまり年中儲かるんです!
ここで、気になるのが、なぜつくばが芝生の街になったのかってこと。
そこには意外なきっかけがあった!
そのきっかけを探るべく…
つくば芝生組合副理事長の松本文巳さんを訪ねました。
松本さん:陸軍の飛行場跡地。そこに開拓団で入ったんですよ。そして、色々な作物を作っても、なかなかいい作物が獲れなかった。そこでたまたまラジオを聴いてて、ウチの親父がね。そのラジオでゴルフ場ブームが始まるよと。作ったら高く売れて。それがつくば全体で広がっていった。
なんと、松本さんのお父さん、良吉(りょうきち)さんが、つくばでの芝生作りのパイオニアだった!
昭和33年、ゴルフブームを耳にしてすぐに、自分の土地に芝生を植えてみたところ、これがぐんぐんよく育った!
野菜などの作物にはちょっと不向きなやせた土地が、芝生づくりにはぴったりだったんです!
すると、良吉さんの成功を見た周りの人たちも、後を追うように栽培をスタート!
こうして、日本一の産地へと躍進を遂げたつくばには、自慢の、オリジナル儲かり芝があるらしい!
それは見てみたいと、生産者の元へ行ってみると…
そこには松田芝生の松田克彦社長が。
松田社長:今ここにあるのがつくばグリーン。
そう、松田社長の下に広がるのが県の研究所が2000年に開発した儲かる芝生、「つくばグリーン」!その特徴は…
その名の通り、これまでの芝生よりもグリーンが濃い!
さらに!茎が太く、根の数が多い!
つまり、とっても丈夫なんです!
だから学校の校庭緑化や、公園などに引っ張りだこ!
今や、年間1億3,000万円を稼ぎ出す芝生のエースとして大活躍中なんです!
そして2007年には新たな儲かり芝が誕生!
松田社長:つくば姫、つくば輝、つくば太郎。3つの品種が開発されました。
これらはゴルフ場に人気の芝で、葉の細いつくば姫はグリーンに、それよりもやや太いつくば輝はフェアウェイ、一番太いつくば太郎はラフにと、使い分けることで全国から引っ張りだこなのです。
こうしてつくばオリジナルの芝生たちは、この地から、全国各地にドンドン出荷されており、がっちりなんです!
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:知らなかったですね。いきさつがラジオを聞いててっていうね。
伊集院さん:感動するのが、いい野菜が採れていれば、そこで良かったわけじゃない。あそこで採れないっていう。マイナスからスタートしているという所が、グッときますね。
加藤さん:自分の家で種から、芝生を育てたんですけど、刈るのが大変で、いいやと思って放っておいたら、身長以上の植物が生えだして、育てるの大変なんですよね!
森永さん:意外と丸儲けっていうビジネスじゃないんですよね。手がかかって大変な仕事だと思いますよ。