過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2016年10月9日放送

特集

儲かる「だし」ビジネス!だし業界に革命が!全自動だし製造機とは!?

ゲスト

森永卓郎さん、井森美幸さん

番組内容

今日のがっちりマンデーは、儲かる、だし(出汁)ビジネス!
3年前、世界無形文化遺産に登録され、海外からも注目を集める「和食」。
この和食の基本であり、味を決める存在が、「だし」!
そう、和食が世界に羽ばたいた今、「だし」だって格段に進化を遂げているはず!
そこで、家庭料理や飲食店を支える、だし業界を徹底取材!

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◎かつお節のだしでがっちり!「ヤマキ」

儲かるだしビジネス!
まずは愛媛県伊予市にある、ヤマキ株式会社。

スタッフ:おはようございます
村上さん:おはようございます

出汁を作り続けて30年!取締役の村上さんでございます!

スタッフ:儲かってますか?
村上さん:そこそこ…!

なかなか謙虚ですが、ヤマキの年間売上げは、450億円!
だしの素を始め、麺つゆに、鍋つゆ、白だしなど、およそ150種類を発売中!

まさに、ヤマキはだし業界のトップランナーなのです!
そんなヤマキには、なによりも大事にしてる食材があるという!

村上さん:これです!かつお節です!

だしの原料には昆布や煮干しなどいろいろあれど、キングオブだしとも言えるのが、かつお節!
ヤマキはそんなかつお節に、ハンパなくこだわっている!

案内されたのは、

スタッフ:寒いですね。
村上さん:今マイナス2℃。

こちらは原料を保存する、冷蔵庫。
かつお節の入った段ボール箱がどどーんと天井近くまで!
鹿児島県の枕崎、指宿など、名だたる産地から取り寄せたかつお節がなんと、ダンボール箱で4万3千個も!

村上さん:全体がかつお節だけで4500〜5000トン。これだけの量を取り扱っているのは日本一!

日本で一年間に消費されるかつお節、およそ3万8千トンの内、5千トンをヤマキが使ってるって、そんなに!?

大量のかつお節でまず行われるのが、だしの命運を握る「削り作業」!
ここには、あるプロフェッショナルの存在が!
何やら機械がズラリと並ぶ場所に…いました!

村上さん:我々は換鉋手と呼んでいるんですが。鉋(かんな)を交換する人です。

鉋を換える人だから、「換鉋手」(かんぽうしゅ)。

かつお節を削る機械の調整役です 。
機械には、巨大なドラムのようなものの両側に、片側14枚ずつ、計28枚の鉋の刃が付いている。
このドラムの外側に、かつお節を当てて機械を回転させると、刃が当たり、削り節となって出てくるって仕組み。
どれだけ刃を出すのかで、『花かつお』の厚みが決まるため、換鉋手には、一枚ずつ丁寧かつ繊細な調整が要求されます。
0.03ミリ以下じゃないと美味しい削り節にはならないんだとか。

調整が終わり、いよいよ削り!果たしてその出来栄えはいかに?
原料が生きるも死ぬもこの一瞬に!
なんと0.01ミリ!
これ、コピー用紙を9枚にスライスした薄さって神業!

渡辺さん:いつもしてるんで。
スタッフ:余裕じゃないですか。

かつお節の種類、気温や湿度によっても削れ方が微妙に違って来るため、毎日の調整が欠かせません!

続いて、いよいよヤマキの心臓部へ。
そこにあったのは、ヤマキ独自のだしの抽出機!ってデカい!

この巨大な抽出機で、めんつゆなどの液体商品に使われるだしが作られるのです。
中には粉砕された大量のかつお節が!

村上さん:原料で400キロ!
スタッフ:出汁自体はどのくらい取れる?
村上さん:5トン!

これをクレーンで持ち上げ、ゆっくりゆっくり慎重に運んでいく。
釜にセットしたら、お湯を入れいよいよだしを抽出!なのですが、この抽出の方法にこそヤマキのこだわりが!

村上さん「我々の商品の自慢の抽出というのが循環抽出法になります。」

機械でだしを取る時には、釜にかつお節とお湯を入れ、グルグルかき混ぜて、最後にフィルターで濾す、のが一般的ですが、ヤマキでは、かき混ぜない!

出てきただし汁を、また上から入れて循環させるのです!
すると、底にあるかつお節の上に、だし汁の中の小さいかつお節粒子が積み重なる。
これがさらに細かいフィルターの役目を果たし、より澄んだ、しかも濃厚なだし汁がとれるってわけ。

村上さん:だしでだしを取る。濃くてクリアな美味しいだしが出来る。

これを30分以上も繰り返した後に…抽出機を取り出して、だし汁の完成!こんなにたくさん!馥郁たる香りは何よりのご馳走だ!
ここで1日に、おそば10万食分ものだし汁を作っているんだとか!
こうしてかつお節にとことんこだわって、

村上さん:ヤマキはかつお節の出汁でがっちり!

▼スタジオでお聞きしました。

森永さん:このだしを大量生産で一定品質で作るっていうのはものすごく難しい。
加藤:ですよね…。
森永さん:実は、味作りも、先味中味後味って3種類あって、脂っこいのは後に出てくるんですね。美味く原料を配合してコントロールしてる。

◎だしのお店でがっちり!「茅乃舎」

続いて、東京・六本木にあるミッドタウンへ。
だしビジネスで大盛況のお店があるとのこと。
ここは「茅乃舎」というだしの専門店。

棚には、煮干しだし、野菜だし、椎茸だしなどいろんな種類のだし商品はもちろん、ドレッシングに、焼肉のたれまで、だし入りのあらゆる調味料がズラリ!
取締役の荒巻さん。売れ筋商品ってどんな?


荒巻さん:一番売れてるのがこれですね。

皆さんのお目当ては「茅乃舎だし」、30袋入り1944円。
小分けのパックになっていて、お湯に入れ、そのまま煮出すだけで、絶品のおだしが取れちゃう!

茅乃舎のだしが欠かせないという、お客さんに聞いてみると、

お客さん:いつも使っていて、他のはあんまり使えないですね、気持ち的に。
お客さん:もう全然違います!お出汁の利いた美味しい料理が手軽に出来る。
お客さん:お味噌汁もこちらのだし、煮物とかも全部。お気に入り!

「全然違う!」「お気に入り!」とリピーター続出!
家庭料理をいとも簡単にランクアップさせる、「茅乃舎」のだしパック!
レシピサイトのクックパッドには、茅乃舎だしを使った料理が500件以上も並ぶほど!
店内では、その「おいしさ」を活かした、独特の販売戦略が!

スタッフ:何してるんですか?
お客さん:試飲。おだしの試飲!

そう、だしの試飲コーナーには、お店で売られている様々なだしはもちろん、調味料を使った料理の試食まで。
さらに、お店にある商品はすべて、店員さんに言えば試食可能という徹底ぶり。

子供:足りない!
店員さん:足りない?ありがとう!

とにかく、味見をしてもらえれば良さが分かる。
茅乃舎さんの自信のほどがうかがえます。
そんな魔法のような、だしをどうやって作ってるのか。

茅乃舎のふるさと、福岡県糟屋郡(かすやぐん)へ。
ここ久原醤油は、明治26年から続く老舗の醤油メーカー。
そして車で15分のところに、茅乃舎誕生の地が。

荒巻さん:こちらが茅乃舎のだしの原点となった場所です。

12年前、久原醤油が、自社の調味料をおいしく味わえる日本料理のお店として開いたのが、「茅乃舎」。
その名の通り、威風堂々のかやぶき屋根が!

12年間変わらぬ看板メニューは、「十穀鍋」。

真似のできない和風だしが、絶品と評判を呼び、あっという間に予約でいっぱいの人気店に!

お客さん:1か月以上前に予約してやっと取れた。
スタッフ:何が美味しい?
お客さん:味付け独特。出汁よね。
お客さん:出汁美味しい。

そして、お客さんから、「こんな美味しいだしを家の料理にも使いたい!」と要望が殺到!
ならばと、だしだけの販売をはじめ、「茅乃舎だし」誕生となったのです。

それではいよいよ、製造法が気になる工場へ!

荒巻さん:ここから先が工場なんですよ。
スタッフ:じゃ早速…。
荒巻さん:ダメです!

ここに来てまさかの取材NG!?
しかし、この扉のすぐ向こう側に、茅乃舎の美味しさのヒミツが…!
お預けを食らっているその時!

(扉開く)

スタッフ:今中見えましたけど。
荒巻さん:廊下ですよ、あれ。
スタッフ:廊下ならいいんじゃないですか?
荒巻さん:廊下だけだったらいいですよ、ほら。
スタッフ:えっ、いいですか、じゃあちょっと。
荒巻さん:ダメですダメです!ダメだって!

相当な企業秘密なんだな、こりゃ。
せめて原料だけでも教えてくださいよ、荒巻さん!

荒巻さん:これが主な原料になりますけど。

かつお節、真昆布、うるめいわしに焼きあごが主原料。

これらを使えば、茅乃舎の味ができるそうですよ!料理自慢の皆さん、がんばって!!

でもやっぱり茅乃舎のだしを!って方。現在全国に20店舗を展開!
ミッドタウンのお店だけでも、

荒巻さん:平日だと500人。土日は倍!

年商は、160億円!

荒巻さん:茅乃舎はだしのお店でがっちり!


▼スタジオでお聞きしました。

加藤:ミッドタウンっていう立地もいいですけど、お洒落な場所ですし。あれだけ売上げあるんですね、だしだけでね〜。
進藤:だしの配合比率はトップシークレットで、社長さんと工場で配合してる人、合わせて3、4人しか知らない。

◎だしマシンでがっちり!「Sマシン」

大阪府北区にあるSマシンって会社。

スタッフ:おはようございます、がっちりマンデーです。
塩貝さん:あ、いらっしゃい!

こちら、社長の塩貝さん。白のTシャツってシンプル〜。

でも、ダシ業界においてとんでもないものを開発したお方なんだとか。
それが??

塩貝さん:だしマシンです!

だしマシン??

塩貝さん:これです!

これがだしマシーン!

そばやうどんのだしとつゆを自動で作ってくれるとか。
ふつう、お店でだしを使うときには、かつお節などでイチからだしを取るか、粉末のだしをお湯に溶かすか、のどっちか。
風味を出すには、素材からだしをとった方がいいけど、時間もお金も、かかっちゃう。
そんな、大変なだし作りを、自動でやってくれるっていうから、ありがたい!

どうやって動くのかな。だしの元になるのは、鰹節や昆布の粉末。
これをセットし、白だしを選ぶと、お湯が注がれ、だしが出る!
「つゆ」を選ぶと出てきただしに、醤油やみりんで作った「かえし」が合わさって、レバーを倒せば、アッツアツのつゆが!
う〜ん、なんともいい香り・・・。

スタッフ:あ〜うまい!だしすごい!

料理人レベルのだしとつゆが出来上がる全自動だしマシン!
その名も…

塩貝さん:最初はつゆだしマシンだったんですけど…つゆだしマシン…つゆダシますになりました。

「つゆ・ダシ ます」?って、そのまんま!
でもこれ、1時間で最大160杯分のそばやうどんのつゆを変幻自在!
今や、関東では「富士そば」、関西なら「金比羅製麺」と、東西の大手そば、うどんチェーンの全店で活躍中っていうから、売れてます!

「つゆ・ダシ ます」を使う富士そば慶應三田店の宇野店長によると…

店長さん:(以前は)大きい寸胴で煮出して、だしをとってかえし醤油と合わせて、またもう一度火を入れて1時間半〜2時間くらいかかっていたので
スタッフ:これだと何分くらい?
店長さん:これだとボタンを押して、大体5分〜10分くらいですね。

そりゃあ、助かる!
今や日本中で大活躍の「つゆ・ダシ ます」。
その誕生のきっかけは…?

塩貝さん:元々私はドイツの有名なコーヒーマシンの会社にいまして。

確かに、素材にお湯を入れて、エキスを抽出するのは、だしも、コーヒーも、同じ。
「だったらおたくのコーヒーマシンで、だしを作れるんじゃない?」って相談が、食品メーカーから塩貝さんのところに。
そこでコーヒーマシンにかつお節をセットしてみると…「お、おいしい!」
そこで塩貝さん、コーヒーマシンの会社を辞めて、たったひとりでだしマシンの開発スタート!
研究の結果、だしとコーヒーには、いろんな違いがあることが分かったので、次々改良を施しました。
コーヒーは60℃〜80℃のお湯で作りますが、だしは、それだと生臭くなるため、90℃以上に。

さらに、コーヒーは、時間が経つと、味が落ちていくので、一杯ずつ作るように設計されていますが、だしの場合は、作ってから寝かせたほうがうまみが増すため、一度にたくさん作る大型に。
大量のかつお節から、スムーズにだしを取るため、かき混ぜ用の羽根も追加!
おお、ぬかりなし!

この「つゆだします」、これまで全国700店舗に納品!
自信を深めた塩貝社長は、2号機の開発にも着手、それこそ!

塩貝さん:こちらのダッシーを開発しました!

ダッシーって、これもまんま…。
しかし、さらにうまいだしをとるためのあるテクノロジーを導入!

塩貝さん:2層になってるでしょ。圧力差抽出。世界で初めての抽出方法

そう、「ダッシー」、基本的な仕組みは、コーヒーのサイフォンに近い。
下の受け口の気圧を下げることで、

機械「カチッ」

お湯が、かつお節から、香りとうまみだけをキュキュ〜と吸い取って、下におちていく。
サイフォン式コーヒー同様、香り高く、雑味が少ない出汁が取れるんですって!

塩貝さん:品のある上品な。
スタッフ:あースゴい、スッキリ。
塩貝さん:料亭のお吸い物の味!

スタッフ:売れそうですか?
塩貝さん:売れるでしょう。ゼロがひとつ違うくらい!

上品な社長と社員2人で、年間売上げ1億円!

塩貝さん:Sマシンは出汁マシンでがっちりだし!


▼スタジオでお聞きしました。

森永さん:アルバイトがだし作ると、失敗するわけですよ。あの機械だったら一定の品質のものが必ずできる。しかもあそこの社長、実はコンビニ狙ってるそうなんですよ。
井森さん:おうどんとか!
加藤:いけるかもしれないなあ!だって冬場のおでんのだしとかもそうでしょ?一緒でしょ?言ったら、そこにうどんも入れちゃえば!
井森さん:確かに!

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