過去の放送内容
2016年6月5日放送

特集
地元に密着!「儲かり地元ホームセンター」!店内に畑?ズラリと並ぶ謎の刃物! 床にカメ!?
ゲスト
森永卓郎さん、山口智充さん
番組内容
今回のがっちりマンデーは、「儲かり地元ホームセンター」!
各地には地元の人しか知らないけれど、以外に儲かっている、地域密着型のホームセンターが結構ある!その土地独自のアイデアがたくさん!そんな地元の儲かりホームセンターに潜入します!
◎新潟の地元ホームセンター「ムサシ」
やって来たのは、JR新潟駅。
地元の皆さんに「新潟の地元ホームセンター」を聞いてみると、
新潟県民の皆さん:新潟ではムサシ、有名だよね

新潟の地元ホームセンター、"ムサシ"は、1978年、新潟市に1号店が誕生。
現在、北陸地方を中心に、直営39店舗と勢力を拡大中。
そこで、ムサシ新潟店にやって来ました!
毎週、「がっちりマンデー」をチェックしているという森(もり)店長。
突然ですが、どうして「ムサシ」って店名なんですか?
森店長:宮本武蔵のムサシをとってって聞いてますけど…
スタッフ:なんで宮本武蔵なんですか?
結局本社に電話して聞いてみことに。
森店長:生涯負けたことがないということで、商売するのに勝ち続けることから宮本武蔵のムサシだそうです。
なるほど!
ところで、ムサシが勝ち続けるための秘策のほうは、何なんですか?
森店長:お客さんが体験できる売り場です
ペンの試し書きとか、枕とか、よくあるような気もしますが…
ムサシの「体験」は、レベルが違う!!
爪切り売り場では、7種類の爪切りが勢揃い!
「耕うん機」売り場では、店内に畑を作って、実際に、耕うん機を体験!

電動工具売り場では、電ノコを使って、木を切ることのできるスペースが!
店員と、お客さんたちが、和気あいあいで、盛り上がっている!
コミュニケーションが深まるのも、体験コーナーのいいところ!
中には、こんな体験も!
森店長:あとよく(お客さんに違いを)聞かれるのがティッシュ、トイレットペーパー
スタッフ:クルクル出せるようになってる!
森店長:手触り、言葉では説明できないですし、現物を触ってもらった方がお客さんにも伝わる。香りつきのもあるので。

確かに、あるようでなかった、お試しトイレットペーパー!
実はこの「お試し」のウラには、計算された戦略があるらしい…。
スタッフ:これで売上げ変わりました?
森店長:変わります。より高いものが売れるようになります。元々それがねらいです
実際に触ってみると、みなさん高級品の質の良さに目覚めちゃうんだとか。
お客さん:いろいろあったら触ってみたりして手触りとか(試す)、あんまり硬いとお尻が痛いとかいわれちゃうんで。
森店長いわく、お試しは、コストはかかるけど、確実に効果があるそうで…。
森店長:(試すことによって)お客さんが満足してリピートが増える。もしくは高いものが売れる。で、売上げが上がる。先行投資してエビでタイ釣るみたいな感じ
なるほど!
では、お試し体験した時の売上げって?
森店長:1.5倍くらい違いますね!
一方で、ほのぼの体験ができる売り場も。
ペットコーナーでは、特別に柵を作り、子どもたちが、動物とふれあうことができる。

さらに!
スタッフ:アレなんですか?
森店長:リクガメのお散歩会ですね

通路をカメが、のっそのっそ!
もはや、店内は、子どもたちが楽しめる、アミューズメントパーク!
お子さんが集まれば、親もついて来てくれる!結果、買い物をしてくれれば、ムサシも嬉しいってわけ!
直営39店舗の年間売上げは、627億円!
森店長:ムサシは、体験でがっちり!
◎鳥取の地元ホームセンター「いない」
続いてやって来たのは鳥取県は倉吉市(くらよしし)。
鳥取の皆さん、に「地元ホームセンター」を聞いてみると、
鳥取県民の皆さん:ホームセンターと言ったらイナイ
スタッフ:ないってこと?
鳥取県民の皆さん:あるんですけど、イナイっていう

鳥取県が誇る地元ホームセンターは、「いない」!県内8店舗をはじめ、中国地方を中心に18店舗を展開。
実はこの店、あるジャンルに関してのこだわりが、全国的に有名らしい!
それが何か確かめるべく、「いない」の倉吉中央店へ。
お店の中は、わりと普通に見えますが、
川上店長:こんにちは
川上(かわかみ)店長、こちらのこだわりって、何なんですか?
川上店長:道具にはこだわりがありまして、刃物が半端ないですね。半端ない品揃えです。
川上店長についていくと…
ずらりと並ぶ包丁の数々が。
一般用の包丁と、ショーケースの中には、プロが使う業務用包丁が!

スタッフ:この包丁、何がすごいんですか?
川上店長:知る人ぞ知る東京の正本というブランド。花板しか持ってはいけない包丁で、ホームセンターで正本を置いているのを見たことがない。
包丁界のベンツこと、「正本(まさもと)」の柳刃包丁!4万6008円!
そして、地元に関係のある、こんな包丁も。
川上店長:スイカ切り専用包丁。1回で一気に切れる。鳥取は大栄スイカが有名なので夏に売れる。

もちろん、「いない」で売ってる刃物は、包丁だけじゃぁない。
川上さん:有名な佐助という刈込みバサミ。道具にこだわってる方なら佐助を知らない人はいないと思います。ホームセンターではまず売ってないので、佐助を買いに県外から来お客さんも。
ハサミ界のロールスロイスこと、「佐助」の刈込バサミ!お値段なんと、9万2千円!その切れ味は、普通の刈込バサミだとなかなか切れないティッシュペーパーも、佐助なら、一発で!

それにしても、なーんで刃物にこだわるんですか?
それは、ここが鳥取県だということに深い関係が!
川上さん:創業当時は刃物屋でした。
実は、鳥取県は、昔から良質の砂鉄が採れ、鉄作りが盛んな土地。
刃物を作る鍛冶屋さんも多かった。
「ホームセンターいない」も、もともとは倉吉市の刃物屋さん。
そうゆうわけで、刃物へのこだわりがハンパないってわけ。
店内には、普段、なかなか、お目にかかれない珍しいものも。
川上さん:これは竹割りって言って竹を割るための道具。これは豆矢、石を割る時に使う。
まさに、博物館級の品揃え。更に、いないには、全国からお客さんを呼び込む、ほかのホームセンターにはない、ある人気サービスが!
それが、刃物研ぎ!
川上さん:専従者が一人いる。(刃物研ぎ)しかしてないです。研ぐ専門です
こちらが、刃物研ぎ職人、山根(やまね)さん。
この道一筋、43年。なんと、山根さんは、イナイ18店舗での依頼を一手に引き受けるという、刃物研ぎの達人なんです。
その作業の様子を拝見。

山根さん、出刃包丁を電動砥石(といし)で研ぎ始める。
これが、カンタンにやってるように見えるのですが、高速回転する砥石を使って、刃先の幅や角度を一定に揃えるのは至難の技なんだとか!
試しに、弟子さんの山本さんがやってみると…
刃を抑える力が不安定なので、どうしても刃の幅が均一にはならない。

それが、山根さんが研いだものだと…均一に揃ってる!

山根さん:角度と抑え具合、包丁と砥石と同じように抑えないと(刃の幅や角度が)まちまちになってしまう。
山本さん:むずかしい、それがわからない。
お店には、山根さんに研いで欲しいと、年間1000本以上の依頼があるそうなんです。
川上さん:ホームセンターいないは刃物でがっちり!
◎茨城の地元ホームセンター「ジョイフル本田」
続いてやって来たのは、茨城県水戸市。
県民のみなさんに自慢の地元ホームセンターをお聞きしました。
茨城県民の皆さん:ジョイホン、ジョイフル本田。

茨城県生まれの、ジョイフル本田!
現在15店舗を展開するこのホームセンター、みなさん口々に、「でけえ!」とのこと。
と言っても、ホームセンターは、どこもそこそこ、でけぇですよね。
と思いながら行ってみると…
目の前に広がるのは、ぜ〜んぶ、ジョイフル本田の敷地!中佐場にはお客さんの車がぎっしり!
ジョイフル本田、ニューポートひたちなか店の面積は、この範囲で、東京ドーム5.1個分!年間来客数は300万人!
店内に入っても、通路の先が見えないくらいに広い!

商品も、ドーン!と、とにかく何でも、大量に陳列されてる!
どうしてこんなにでけぇ!のか、飯塚店長にお伺いしました。
飯塚店長:最初は小さい300坪程度のお店から始まって、それからお客様の声を聞いて、お客様の欲しいものを置いていったらこういう形になりました。
とにかく充実した品揃えという一念が1号店の240倍の広さとなって実現。
たとえば、ドアだけで15種類。取っ手は250種類。仏壇は90種類も!

品揃えがハンパないので、お客さんは、ここに来ると、欲しいモノが見つかる!
それがバンバン売れて、儲かる、っていう仕組み。
さらにジョイフル本田では、このデカさを生かして、普通のお店じゃ、なかなかできないサービスも。
例えば…、カーペットを、部屋の大きさや形に合わせて、その場で広げた状態でカットしてくれる。

店員:柱とか家具を避けたい時にL字に加工したり
資材売り場にはデッカい鋼材が山積みに!
こんなの、どうやって買って帰るの?と思ったら、クレーンを使って、そのままトラックに!
お客さん:ここに来て買っても値段的に合うので、他のお店で買うとけっこう値段がするから
安くて手軽だと、職人さん達にも大人気!
そんなジョイフル本田の年間売り上げは、全15店舗あわせて、なんと1600億円!
◎福井の地元ホームセンター「プラント」
続いてやってきたのは、福井県。
駅前で、地元の有名なホームセンターをお聞きしました。
福井県民のみなさん:ホームセンターが有名なところ、プラント?福井じゃ知らない人はいない!

26年前、福井県鯖江市(さばえし)に誕生したホームセンター、「プラント」!
県内に8店舗、北は新潟、南は鳥取まで、全23店舗と勢力を拡大している。
ということで、プラント清水店へ行ってみると…店内はザ・ホームセンターってな感じ。
店長の古宿(ふるやど)さんに、プラントの儲かるヒミツを教えてもらいました。
古宿店長:実はあちらにヒミツがありまして…
ヒミツがあるのはどうやらお店の奥。
行ってみると、大盛況!でも、お客さんが買っているのは食料品。
ホームセンターなのに?

そう、プラントの一番の特徴は、ホームセンターとスーパーがくっついてて、便利なことに、会計もまとめて一緒に出来ちゃうっていうところ。
お客さんの買い物もスケールが違います!
お客さん:大体3、4万円。まとめ買い!
でも、こんなに買っちゃうのには、もちろんワケが。
お客さん:安い!
Yシャツは598円、お茶は31円、コロッケはなんと28円!
こうなると気になるのは、激安の理由。
古宿店長:徹底的にコストを削減してます!
プラントは、このコストカットの仕方が徹底的!
例えば、スリッパはダンボールからいきなりドバッとばら撒いちゃう!

古宿店長:投げ込み陳列と私たちは言っています。
従業員の手間が省けるってことで、プラントではこのスタイルが基本。
ドリンクも、缶詰も、ジョウロから、軍手まで、店内の至る所に、投げ込み陳列!
それだけでなく、宣伝のチラシは白黒。
天井も化粧梁がなく、よく見ると蛍光灯もところどころ点けてない。

とにかく、思いついた余分とかムダと思われるものは全てカット。
この作戦で、驚きの激安を実現しているんだとか。
一方、店内には、65歳以上のお客さん限定の憩いのスペースも。

お茶やコーヒーはがタダで飲め、川柳や習字など様々な教室も開催。
でも、あれだけコストカットにこだわってたのに、逆に、コストがかかりそうですけど…。
お客さん:毎日来てる。カラスの鳴かない日はあってもここに来ない日はない。
お得意様の年配の方には、手厚いおもてなしを。こりゃ、分かりやすい戦略かも!
清水店では、多い時で1日に1万人のお客さんがご来店!
これ、清水町の人口と、ほぼ同じで、リピート率もすごい!
プラント全店の売上げは、右肩上がりの870億円!