過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2016年4月17日放送

特集

うまくいかない地方を儲からせる「地方コーチ」!何もない所をロケ地に!プロの漁師に魚を指導!?

ゲスト

森永卓郎さん、香川照之さん

番組内容

今回のがっちりマンデーは、儲からせる「地方コーチ」!
日本の地方には、とびきりの技術やメチャクチャ優れたものを作っているのに、なぜか儲かってない所が…。そんな会社や人を儲からせるために、あらゆるノウハウを伝授するコーチが色んな業界にいた!まだまだ地方には宝の山がザクザク眠っているかもしれない30分です!

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◎ロケ誘致のコーチでがっちり!

最初の地方コーチを求め、大分県豊後高田市へ!

スタッフ:こんな所で何のコーチングを?

宮川さん:私はロケ誘致のコーチングをしています!ドラマとか映画のロケ!

ドラマや映画の地方ロケ撮影。

決まれば、役者さんやスタッフの宿泊費や食事代を始めとした、いろんなお金が地元に落ちる!
例えば、あの大人気ドラマ「あまちゃん」の舞台になった岩手県久慈市。
その経済効果は、なんと!32億円!
だから今、日本のあちこちの市町村が、ロケの誘致合戦を繰り広げている!

宮川さんは、そんなロケの誘致を成功させるためのコーチをしているんです!

どんなコーチなのか?待ち合わせ場所へ向かうと…

吹上さん:こんにちは、豊後高田市役所の企画情報課の吹上と申します。

コーチをお願いした市役所の吹上さん!
ロケ誘致を依頼してくる大半は、県や市町村。宮川さんが所属する会社は、そのノウハウを伝授。
代わりに、コンサルティング料を貰うというビジネスなんです。

さらに、ロケ可能なスポットをネット上で紹介するサービスも展開。

吹上さん:じゃあどうぞ、こちらへ!

まずは、イチオシのロケーションへと、宮川さんをご案内!

吹上さん:こちらが昭和30年代の商店街の雰囲気を醸し出してる昭和の町です!

宮川さん:昭和の町?お店は今もやっているんですか?

吹上さん:ほとんどが今も営業していて、森川豊国堂さんというお店は昔ながらのお店。

豊後高田市の観光名所、昭和の町。古き良き昭和の風情が、色濃く残る商店街。
これは撮影地にはピッタリのロケ地でしょ! と、思いきや!

宮川さん:ロケ地に向いているか向いてないかで言ったら、向いているとは言えない。

吹上さん:結構いいロケーションだと思うんですけど…

宮川さん:良いからこそ観光客が集まっていると思うんですけど、ただ昭和しか撮れないというデメリットもある。

ドラマや映画のロケ地選びで重要なのは、時代設定や場所が特定されないってこと!
特に敬遠されがちなのが、観光名所!

では、宮川コーチとともにロケ候補地探し開始!
車を走らせてわずか5分…。宮川さん、辺りをジロジロ。すると!

宮川さん:この辺で止めてもらった方が良いかも。

と、車を降りてガードレール脇の原っぱへ…。

宮川さん:例えば、ここの川べり一つとっても、アングルだけ切り取れば、時代劇だったり昭和よりもっと前の時代の設定にできる。こういう所も写真で映像業界の方々にPRしたりとどんどん発信する。

吹上さん:逆にこういう景色だと見慣れてるので全く気にも留めなかった!

この場所を選んだポイントは人工物がまったく映り込まないってところ。
そして川、山並み、野原が一つの画に収まるというのも、奥行きが出しやすく、ロケ向きなんだとか!

さらに、ただただまっすぐ伸びる田んぼの中の一本道。ここも絶好のロケ地!

宮川さん:こういう場所は東京都内にまずないですから!基本的に東京でロケすることが多い中で、大分県に呼んで撮ってもらおうとなると、東京で撮れない画が絶対大事!

一番の売りは、左右対称の景色。

宮川さん:監督さんの好みにもよるんですけども、映画監督さんで多いのはやっぱりシンメトリー、線対称の画を望まれる方がいる。半分にした時に同じような景色が映り込むのを好まれる監督さんが多いです。

もう一つ、ロケ地選びで忘れちゃいけない要素が…

宮川さん:ここってトイレは近くにどの辺にあります?

吹上さん:この辺の近くのトイレはちょっと把握してないですね…

宮川さん:車はどこに停められます?

吹上さん:台数停められるような駐車場は、この近くにはないと思うので…

宮川さん:どこにあるか分からないですね。と言うよりは、お手洗いだったらここです。お食事場所だったらここです。車はここに何台停められます。全部把握された上で、ロケハンや問い合わせが来た時に紹介すると、ここでロケができるんだ!と認識して頂けるので、そこまで把握されるのが良いですね。

宮川さんが所属する会社は、2003年にスタートして以来、100本以上のロケ誘致に成功しているんだとか!

現在、全国の県や地域からロケ誘致のコーチの依頼殺到中!

▼スタジオでお聞きしました。


進藤:コーチする資料を1部お借りしてきました。ロケ地として受け入れる側の心構え。地元の方達に読んで頂く資料。例えば、組織図。AP(アシスタントプロデューサー)さんとP(プロデューサー)の違い。つまり、要求を伝えるときに誰に伝えればいいのか分からないということなんでしょうね。

加藤:色んな業界用語も書いてますよ。

森永さん:こうやって地元の人が教えてもらえれば、スタッフとのコミュニケーションが上手く行きますからね。これは重要ですね。

◎地方の縫製工場のコーチでがっちり!

続いての地方コーチを求め、福島県新白河市へ…

スタッフ:一体何をコーチしているんですか?

山田さん:地方の縫製工場をコーチしています!

縫製工場のコーチ!?…ですか?

山田さん:全国各地にたくさん縫製工場があるんですが、大手の下請けという形で全然儲かっていない。彼らに独自の、自分たちのブランドを持ってもらってきちんと儲かってもらうというのがコンセプト。

今まで地方の縫製工場は大手メーカーから発注を受けて製造していた、いわば下請け。
そこで山田さんは、工場自らオリジナルの商品を作ってもらい、山田さんが考えた工場のためのブランド「Factelier(ファクトリエ)」とコラボして、ネットで販売するという仕組みを4年前にスタート。

なので、チェック柄のシャツのタグには、「Factelier by HITOYOSHI」って具合に、熊本県人吉市にある工場名がそのままブランド名に。

これまで下請けだった地方の縫製工場が、自分たちのブランドで儲けられるってことで業界大注目のこのビジネス。

でも、下請けばかりをやってきた工場が、ブランドを作るとなるといろいろ大変!
そこで山田さんが全国を飛び回ってコーチしているのです。

今回コーチするのは、年間で18万枚以上のシャツを作っている、永山産業の南湖工場。

この日は、レディース用シャツの試作品のデザインをチェック。

あの…、この方は?

山田さん:この方はデザイナーの竹腰さんです。今回デザインを色々ご相談している竹腰さんは、ジルサンダーを始め、名だたる国際ブランドのチーフデザイナーを務めてきた、まさに、デザインの最先端を知る男!

山田さんたっての希望で、ニューヨーク在住の竹腰さんを、福島の縫製工場に連れてきたってわけ。

果たしてデザイナーのデザイン通りに、シャツができあがっているのか!?

竹腰さん:どこから見ても綺麗ですから、これは素晴らしいですね。

新しいシャツは、あえて、メンズのような襟にするのが、今っぽいらしい!

次は、お金についての打合せ。
山田さん、どんなコーチを?

山田さん:これって大体、いくらぐらいの値段で?
永山さん:値段的には、工数と時間的にも掛かっているので、4500円ぐらい欲しいなと思ってます。

山田さん:それはかなり安いんでもっと適切な、きちんと利益を得た金額で全然大丈夫ですよ。

なんと、値段をもっとあげろ!という山田さん。
高くしたら、売るの大変でしょうが!?なぜ!?

山田さん:せっかく一流ブランドを作っているような光り輝く技術があるので、値段というのを最初から決めずに、工場さんに決めて頂いて、そこから販売価格を僕らの方からお客様に提示するっていう、全く逆のことを今やっていますね。

素晴らしい技術で、いいものを作ったら、ちゃんとそれをアピールして、正当な値段を考える。
これも、大事なノウハウなんだとか。

で、高く買い取っても店舗ではなく、販売をネットのみにして、人件費などのコストを抑えることで、お手頃の価格で提供できるってわけ。

年間200ヵ所以上の縫製工場を飛び回っている山田さん。
現在ファクトリエは、全国34の縫製工場とがんがんコラボ中!

◎漁師さんにお魚のコーチをしてがっちり!

続いての地方コーチを探して、やってきたのは、九州本土から132キロ離れた、長崎県は対馬。
こんなところに、どんなコーチがいるのか?

スタッフ:どんな儲かりコーチングをしてるんですか?
野本さん:漁師さんをコーチしています!

漁師さんに教えるって…?まさかお魚のことをコーチするんじゃないですよね?

野本さん:意外と漁師さんって儲かる魚の仕立て方を知らなかったりするんですよ。
スタッフ:そうなんですか!?野本さんは一体何者なんですか?
野本さん:私は羽田空港で羽田市場というのを運営している会社の社長です。

野本さんは、2014年に、全国の漁師さんからお魚を直接仕入れ、都内の飲食店に販売する「羽田市場」っていうビジネスを始めた、お魚業界の有名人。

安くておいしい鮮魚を提供出来るってことで、今期の売上げは26億円を超える見込みの、がっちりお魚カンパニーなのです!

漁師さんが市場に出していた魚を野本さんが直接買い取るって仕組みなので、野本さんとすればより品質の良い魚を送ってもらいたい。

そこで、野本さん自ら全国の漁港を回って、品質の良い魚にするノウハウをコーチしているんです。

今回、コーチを受けるのは、この道10年の定置網漁師、久保さん。

では、儲かる魚に仕立て上げるためのとっても重要なコーチポイント!
それは、魚のシメ方!

獲ってきた魚の鮮度や味を大きく左右する「シメ」と呼ばれる作業。

漁師さんなら「魚をシメる」くらいできますよね?

野本さん:じゃあちょっとシメ方見せてもらっていいですか?
久保さん:まず、頭に刺して、エラを刺す。すると血が出る。
野本さん:漁師さんにはそうやってシメる方がホント多いんですけど、それだと血抜けないんですよね。やっぱり血はアクになるんで。

ほとんどの漁師さんが行っているシメ方だと臭みが残って、鮮度や味が落ちてしまうことが多い!
と野本さん、持参した道具箱から、ハサミを取り出した!

野本さん:このハサミでエラ蓋をあけて、このままバチンと切ってもらっちゃって。

エラのところに刺すのではなく、チョキンと切る!それも片側だけ。
これで血がほとんど抜けて、アクにならないんだとか!

見比べてみると、同じブリでもシメ方で血の抜け方が全然違う!

値段にしてどれぐらいの差が?

野本さん:ちゃんとシメてないやつだと、1キロ200円、なので10キロのブリで2000円。ちゃんとシメてるブリですと1本で3万円!

シメ方ひとつで値段に15倍もの開きが!

さらに、こんなところでも野本コーチの指導が入る!

野本さん:次は箱詰め!発泡スチロールに入れる。

漁師さんに魚の箱詰めの仕方もコーチ!

野本さん:普通はこのままパーチに上氷かけますよね。今回は背中を下に、腹を上にして立ててもらいたい!

これだと何がどういいのか?

野本さん:腹を上にした方が下になった身が痛まないのと、脂のある腹を下にすると逆につぶれちゃうので。
スタッフ:漁師さんにこうしてもらうだけでも違う?
野本さん:その分、手間賃がかかり、漁師さんの儲けが増える!

詰め方を変えるだけでも、ブリのお値段は、1キロ100円アップ!

野本さん:今まではたくさん獲る漁業。たくさん獲ってどれだけ獲ったかというのが漁業の誇りだったかもしれないけれど、今はお魚がそんなに獲れなくなってきたので、獲った1匹をいかに高く売るかを漁師さんが自ら考えて、自分で行動することがスゴく重要なことだと思います。

現在、全国700人の漁師さんと契約している野本さん。
少しでもおいしく、高く売れるお魚を届けてもらうべく、1年の3分の1はどこかの漁港を回っている!

▼スタジオでお聞きしました。


森永さん:野本社長は元々居酒屋で働いていたこともあって、消費者の動き、趣味、好みを良く分かっている。どういう風にすれば高く売れるかが完全に分かっている。

加藤:野本さんは自分が買うために、良くしようとしている。それは当然のことですよね。

香川さん:本当だったら自分が安く買いたいって思うはずなのに、「こうやったら高く売れますよ」、「私たちも高く買いますから」と教えてあげてるんですよね。昔は絶対にない仕事ですよね。

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