過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2016年2月21日放送

特集

深海が専門の研究機関「JAMSTEC」を特集!!儲かりの宝庫!?深海の研究最先端を大公開

ゲスト

森永卓郎さん、田村 亮さん

番組内容

今回のがっちりマンデーは「ジャムステック」!
ちょっとピンと来ない人も多いかと思いますが、ジャムステックとは日本が世界に誇る国の研究機関!
そこで、今回は地球最後のフロンティア、世界中の海の底を調べまくってがっちりな国の研究機関「ジャムステック」のヒミツに迫ります!

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◎ジャムステックのヒミツを大公開!

全国5カ所に研究施設を持つ日本最大の海洋研究機関「ジャムステック」!
1971年の設立以来、世界中の海の底を調べています。
そこで大活躍するのが潜水調査船。
中でも世界屈指の潜水能力を持つ船が・・・

有人潜水調査船「しんかい6500」!
水深6500m、富士山の頂上まで潜って、さらに7合目分まで潜れる!
では一体、なぜそんなに深く潜水できるのでしょうか?
そのヒミツを探るべく、ジャムステック横須賀本部にある潜水調査船整備場へ。
すると目の前に現れたのは・・・

白いボディのカバーを外した「しんかい6500」。  
現在、年に1回行う整備作業の真っ最中!
茶色の物体は何なのでしょうか?
日本海洋事業株式会社「しんかい6500」潜航長の小椋徹也さんにお聞きしました。

小椋さん:浮力材と呼ばれるものです。

スタッフ:浮いちゃうんじゃないですか?

小椋さん:生きた人間が海の中に行くので、やっぱり生きて帰ってきたい!何かあったとしてもなんとか生きて帰ってこれるように、何があっても浮くように作られているんです。

潜水船で何を置いても優先されるのは、どんなトラブルが起きても「浮ける!」ってこと!
でも、だったら空気を入れておけばと良いのでは?と思いがちですが、深い海の底だと水圧でペシャンコになってしまうのです。

そこで、超軽くて超硬い浮力材、「シンタクティックフォーム」を隙間という隙間に詰め込んでいるのです。
実はこれ、中が空洞の小さなガラス球を敷き詰めて、樹脂で固めてあるんです。
そして、「しんかい6500」は、操縦士や研究員たちが乗り込むスペースも、深く潜る船ならではの独特の設計になっている。
そこで今回、なんと!特別に乗船させていただきました!

船室はギュウギュウ詰めの3人乗り。
でも、このサイズ、この形じゃないと6500mまで潜れないんです。
というのも、海水から受ける力がハンパないから!
水深6500mでは1㎠で、681kgの力がかかる!
地上で例えるなら、指先に軽自動車が乗っかっているのと同じ。
そこで、「しんかい6500」の船室は、軽くて頑丈なチタン合金で出来た直径2.147mの球体。
海の中では、このまん丸が水圧にもっとも耐えられる形なんです。

こうして安全に海底までたどり着いたら、2本のロボットハンドで石や泥などを採取!
これが「しんかい6500」の最重要任務なのです。
では、海の深いところまで潜って採ってきたものには、一体どんなものがあって、何がわかってきているのでしょうか?
そこで、横須賀本部内の深海総合研究棟へ。
出迎えてくださったのは、JAMSTEC研究者の高井研さん。
高井さんは深海生物の中でも、特に菌や微生物の生態について研究している業界では凄く有名な人!
早速、建物の中を案内してもらいました。

高井さん:この部屋は深海生物を研究する一つの実験室です。タンクが並んでますよね、これ液体窒素タンクなんですよ。中に箱が入っているんですが、その箱の中にめちゃくちゃ貴重なサンプル(泥や石)や採ってきた菌、微生物が入ってるんです。これが我々の一番の宝物です。

ジャムステックでは、1万株以上の菌を長期保存している!
中には・・・

とっても有害な硫化水素を食べて生きている菌や、天然ガスの成分となるメタンを作り出す菌など、地上ではお目にかかれない不思議な菌がザクザク!
その生態を解明できれば、色々なことに活用できるのでは?ということで・・・

高井さん:開発のために会社とか大学に提供して一緒に研究しています。

このタンクの中から、近い将来、儲かり菌に化けるスゴイ菌が発見されるかも!
さらに、高井さんたちが調べているのは菌だけじゃない!

高井さん:深海にいる大型生物は飼えるんです!

なんと!ジャムステックでは、深海にいる大きめの生物を飼育することに成功!

例えば沖縄県沖、水深1000mあたりの海底に生息しているゴエモンコシオリエビ!
なぜか海底のメタンガスを吹き出す穴の近辺に生息している。
そこで、水槽にメタンガスを入れたら飼えちゃったそうなんです。

スタッフ:メタンを食べてるって事ですか?

高井さん:メタンを直接食べているわけではない!毛が生えてますよね?その毛がちょっと汚らしいですよね?微生物、バクテリアが住んでるんです。そのバクテリアがこのメタンを食べて増えるんです。それをゴエモンコシオリエビは食べるんです!

そして、高井さんイチオシの深海生物が!

高井さん:これは残念ながら飼えない。これはインド洋にいるスケーリーフットという巻き貝。

インド洋の水深2000m付近で発見された巻貝の仲間「スケーリーフット」。
どの辺がイチオシなんでしょうか?

高井さん:貝のくせにウロコがあるんです。貝にウロコなんてありませんよ普通!

柔らかい身の部分は、全てウロコで覆われている!
でも、それだけじゃない!

高井さん:金属で覆われているんですよ。硫化鉄という金属で全身を覆っているんです。こんなこと出来るのこの生物だけで、すごいナノ結晶の硫化鉄を作ってるんです。

ウロコをコーティングしているのは、硫化鉄という金属!
つまりスケーリーフットは、現在地球上で見つかっている生物の中で、唯一自ら金属を作って身を守っている!
しかも、その膜は粒の大きさが、僅か0.000000001m!
ナノ結晶と呼ばれ、今の最新技術を持ってしても難しいとされる物質。
それを巻貝が簡単に作っている!

スタッフ:この貝の生態を解明できれば?

高井さん:硫化鉄を薄く作ったりできるんですけど、これ何がスゴイかというとはっきり言って!すいません、やっぱり言えないです!

スタッフ:何ですか?

高井さん:これはダメです!ダメです!全然論文にもなってないので、とにかく人類の役に立ちます!儲かります!

今まさに研究真っ只中の深海生物の世界。
人類のためにも早く論文発表してください!

▼スタジオでお聞きしました。


加藤:巻き貝で硫化鉄を作る。そもそも硫化鉄って何に使われているんですか?

森永さん:ダイレクトに使えるのは部品とかになると思うんですけど、たぶんアレを大量培養したら鉄が取れるってことですから、鉄鉱石がなくてもよくなってしまいますよね?

加藤:今後は「しんかい7000」なんて話もあるんですかね?

スタジオにお越しいただいたジャムステック広報部の長谷部喜八さんにお聞きしました。

長谷部さん:構想段階ですが「しんかい12000」というのがあります。

加藤:そんな深いところに生き物がいるんですか?

長谷部さん:新しい酵素を持っている生物が見つかっています。

◎ジャムステックの儲かる調査船!

世界中の海を調べるプロ「ジャムステック」には、潜って探す他に、もう一つ任務がある。
それは、海の底を「掘って探す」。
では一体、深い海の底を、どうやって掘っているのでしょうか?
そのヒミツを探るべくやって来たのは、静岡県にある清水港。
すると・・・

目に飛び込んできたのは巨大な船!
地球深部探査センター センター長代理・理学博士の倉本真一さんにお話を伺いました。

スタッフ:この船は何ですか?

倉本さん:ジャムステックが世界に誇る海底の調査船「ちきゅう」です!

2005年に就航した最新掘削調査船「ちきゅう」!

その大きさは、全長210m、高さ130m、山手線10両分より長く、TBSビッグハットの1.3倍の高さをあわせもつ巨大船。
今回、特別に「ちきゅう」の掘削現場を見せてもらえることに!

倉本さん:誰よりも深く、世界一深い所に穴が掘れる船です。

世界一深い海の底を掘って、地層を海上にまで引き揚げてくれるスーパーシップ!
その深さなんと1万メートル!
そんな深い所をどうやって掘るのでしょうか?
日本マントル・クエスト株式会社 地球深部調査船「ちきゅう」OIMの川崎正行さんにお聞きしました。

川崎さん:白い丸い蓋がしてあるんですが、外すと穴が空いてます。あの穴にパイプを通して海底面下を掘削していくんです。

では、水深7000mの海底を掘る様子を見てみることに!
まず、長さ9.5mの鉄パイプの先端に人工ダイヤモンドを付けたドリルをセットし、マンホール部分から、ゆっくり慎重に降ろしていく!
海底を目指し、730本以上のパイプを継ぎ足しながら下ろしていきます。
そして、深さ7000mの海底に到達したら、いよいよ掘削作業。
ドリラーと呼ばれる掘削のプロが、ジョイスティックでドリルマシンを操作してガンガン掘り進みながら地層を吸い上げていく。
この掘削作業でもっとも難しいのが、船の位置を保ち続ける事!

波や風で船が掘削ポイントからズレてしまうと、水深7000mまで下ろしたパイプが折れてしまうことも。
そうならないために活躍するのが「ちきゅう」の底に付いている・・・

こちらのスクリュー!
日本マントル・クエスト株式会社 地球深部調査船「ちきゅう」の堂脇幸男船長にお話を伺いました。

堂脇船長:アジマススラスターと言いまして、推力を360度自由に発射出来るんです。

360度回転できる水力推進装置、アジマススラスター!
「ちきゅう」の前方と後方合わせて6基ついており、掘削ポイントから船がズレないよう360度の回転能力で位置を微調整しているのです。

スタッフ:誤差はどれくらいでしょうか?

堂脇船長:いい時には50cmの範囲内で位置保持できます。

長さ210mもある船を50cm以上動かさない!
こうして海底下の地層から掘り出してきたものが・・・

こちら!
泥の塊を掘っただけのようですが、地球についてのあらゆる情報が詰まった超貴重な研究資料なのです!
では、どんなことが分かるのでしょうか?
そこで、スタッフが次に向かったのは、ジャムステック高知コア研究所。
ここには、世界中の掘削船が集めてきた地層が15万本以上保管されています。

例えば、右側が白く、左側はグレーになっている地層。
高地コア研究所科学支援グループ グループリーダー代理・技術副主幹の久光敏夫さんにお聞きしました。

スタッフ:この地層で何が分かるんですか?

久光さん:恐竜が絶滅した時期に堆積した泥の資料です。

地層の色の変わり目が恐竜が絶滅した時期。
海中にいたプランクトンが大量に減ったため、地層がグレー色になったらしい。
このように海底に眠る地層を調べることで、新たな発見が次々と出てきているのです。
そんなジャムステックでは、現在あるものに大注目しているんだとか。
海底資源研究開発センター 資源成因研究グループ グループリーダーの鈴木勝彦さんにお話を伺いました。

鈴木さん:海底資源です!これは海底熱水鉱床です!

温度200度以上の熱水が吹き出してできる煙突状の突起物で、チムニーとも呼ばれる熱水鉱床。
海底から吹き出す熱水には、たくさんの金属が含まれており、これが海水で冷やされると固まって積み上がり熱水鉱床になるのです。
そして、含まれている金属というのが・・・

鈴木さん:日本周辺の熱水鉱床には金がたくさん入っているのが有名なんです!

なんと金がザックザック眠ってる!
そこでジャムステックでは、スゴい作戦を考えた!

鈴木さん:資源を取り出すだけではなく、資源を養殖してやろうと!

資源の養殖!?
掘削調査船「ちきゅう」で熱水が吹き出る場所に穴を開けて、人工的に熱水鉱床を作るという作戦!
しかも、大きくなったらわざと壊して引き上げる。
新たな鉱床ができたらまた引き上げるの繰り返し。
こうすれば、資源の塊がどんどん取れちゃう夢の展開に!
日本には、どれくらいの資源が埋まっているのでしょうか?

鈴木さん:日本プロジェクト産業協議会の試算によると日本周辺だけでも約180兆円の価値があると言われてます。

日本が資源大国になる日も近いかも!

▼スタジオでお聞きしました。


加藤:チムニーを作る、チムニーを壊す、チムニーを上げる、ここのコストの問題ですよね?

森永さん:今のところ地上の鉱山で掘った方がコストが安くなっているので、そこを今後どうするかなんですよね。

進藤:これ以外にも日本の海にはお宝があるんですか?

森永さん:天然ガスのメタンハイドレードというのがたくさんあるんですが、ただこれもコストの問題があるんですが、採れるようになったら資源国になりますよね。

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