過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2016年2月14日放送

特集

ピンチの裏にはチャンスあり!斜陽産業のスター!着物業界で・・・雑誌業界で・・・まさかの右肩上がり会社!その理由は?

ゲスト

森永卓郎さん、ナイツ(塙宣之さん・土屋伸之さん)

番組内容

これからは、スマホだ!バイオだ!シェアリングだ!世の中には、今まさに大注目!将来もぐいぐいいきそうな「花形産業」がいろいろあるけど、それとは裏腹に、時代の変化についていけず、右肩下がりが続く『斜陽産業』もやっぱりいろいろ。このまま業界ごと、静かに忘れ去られて消えてしまうのかと思いきや、ピンチの中にこそチャンスあり!厳しい業界でも、独自のアイデアでみごとに儲かっちゃっているすごい会社がけっこうある!ピンチの裏にはチャンスあり!斜陽産業なのに、がっちりな会社のヒミツが丸わかりな30分です!

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■着物産業でがっちり!「たんす屋」

最初にやって来たのは、東京新宿区神楽坂。坂をだらだらのぼって行くと、看板は「たんす屋」。店の前には着物。

スタッフ:着物のお店ですか?
中村さん:たんす屋という名前ですが、着物のショップです。

粋な着物姿は、斜陽産業スター、たんす屋チェーンの中村社長。大変失礼ながら、着物って斜陽産業?

中村さん:40年前には2兆円あった市場規模が、今3千億と言われていますので、斜陽産業だと思います。

若い世代での着物離れが進み、着物産業の市場規模はどんどん右肩下がり。

中村さん:着物を買わなくなった原因が、着物って高いんでしょうという既成概念ですね。

社長いわく、着物離れ最大の原因は、着物ってとにかく高いし、よくわからないというイメージ。これをなんとかしなければ。ビジネスのヒントは、意外なところに。

中村さん:18年前にブックオフの荻窪店に入ったんです。本も綺麗で若いお客様もいっぱいいて。その時に着物でこの業態をやれば必ず新しい市場創造ができるなと実感しました。

そう、中村社長が考えたのが着物版のブックオフ!お客さんから着物を買い取って売るビジネスを、チェーン展開し始めたのです!お客様の着物のたんす代わりってことですね!新品当時、10万円以上はくだらなかった、「小紋」という着物が、たんす屋だと1万800円。

おニューで15万円だった「名古屋帯」が、1万6200円!ほとんどの中古商品が新品の、10分の1近いお値段。これなら、安心して袖を通せる!さらに中村社長、こんな工夫も!棚に並ぶ商品には、お値段タグ。そんなの当たり前って思うでしょ?これもけっこう画期的!今まで、呉服屋さんって、お値段の表示がなくて、店員さんに聞かないとわからないということが多かった。さらに、生地を丸めた反物で売るのが主流だったのを、店の前に着物をディスプレイしたのも、お客さんに気軽に入ってもらうための、わかりやすい呉服店づくりなのです!

お客さん:いろんな値段の物があるので、一人で入っても安心感がある。
お客さん:掘出し物とかもあるので、探すのが楽しい!

という具合に、着物に興味はあったけど、一歩を踏み出せなかったお客さんがたくさんやって来ています!ところで、着物版ブックオフって言われると、売り方だけじゃなく、「買い取り方」も気になる。お店の様子を見てみると…

お客さん:こちらお願いしたいんですけど…。
店員さん:買い取りでよろしいですか?お預かりをさせていただきまして、本社の査定部に送りますので、2週間程でお客様に、査定部のほうから連絡がいきます。
スタッフ:この場でお値段ってつけられないんですか?
店員さん:つけられないです。全て本社の査定部に送ります。

そう、着物の買い取りは本と違って、値段の付け方がかなり難しい!だからたんす屋では、お店に持ち込まれた着物をいったん預かり、本社で、目利きの担当者がじっくり査定するって仕組みになっている。たんす屋がまだ呉服問屋だった頃から着物に携わること半世紀以上。査定の達人、中村修身さん。

中村さん:長年やっていないと、これがどのくらいでどこの商品っていうのかがわからないですね。

まずは、大きな傷みや汚れのあるもの、絹製以外の着物は買い取れない。

スタッフ:ポイントは?
中村さん:かっこいいかどうかです。感性の問題なんですよ。

目利きの基準は、かっこいいかどうかって難しい!なかなか値のつきにくい着物に1万円の査定が!一方、50年程前の仕立て。状態も良い着物ですが、指し色、地色が今の色目に合わないということで100円の査定の着物もありました。

ポイントは、今の時代にウケそうかどうか。人気のあるデザインは、少し値が張ってもちゃんと売れるから、この見極めこそ、目利きの勝負所。先程の査定が1万円ついた着物は、状態は同じくらいですが、深い緑の地色に、白っぽい差し色。この落ち着いた配色が現代的。さらに、下絵の周りを糊で囲う友禅という技法が施されていることからこの値がついたのです。

こうして本社の中村さんたちが出した査定価格に、持ち主のお客さんが納得したら、買い取りは成立。買い取った着物は、新潟県にある作業場に集められ、大量の水を使ってクリーニング。新品同様になって、店頭に並ぶって仕組み。現在は、たんす屋チェーンの年間総売上げで50億円が儲かっているそう。たんす屋は着物の中古販売でがっちりです!

▼スタジオでお話を伺いました。

加藤:着物に目をつけるのはすごいですね。
森永さん:着物のブックオフは、着物産業はファンの方たちの需要しっかり残ってはいるので、しっかり産業にはなっているんですが、そこと勝負しても自分たちの首を絞めちゃうんですよね。
加藤:でもリーズナブルになると、若い女性でも興味が出ますよね。

■固定電話でがっちり!「エックスモバイル」

続いてやってきたのは、東京原宿。こちらには、どんな斜陽産業のスターがいるのか?斜陽産業のわりにはなぜかバブルっぽい店内で、迎えてくれたのが、社長の木野さん。何でがっちりなんですか?

木野さん:こちらでございます。固定電話です。

固定電話といえば、かつては黒電話。一家に1台というスタイルが当たり前だったものの、携帯電話の普及などから契約者数は年々減少。平成13年にはおよそ6000万件あった契約者数が、10年で半分以下に。典型的な右肩下がり。

木野さん:これはただの固定電話じゃないんです。よく見て下さい。電話線もコードも何もないんです。実はこれ、固定電話型の携帯電話なんです。

そう、こちら固定電話型の携帯電話。その名も、スゴい電話!そもそも、固定電話が減った最大の理由が、電話線をつなぐのに、手間とお金がかかるってこと。工事費、さまざまな手続きの手数料。さらに番号そのものをゲットするための加入権、などなど。だったら、携帯電話があれば、固定電話はなんて要らないっていう人が、増えたのですが。その携帯電話をわざわざ大きい形にするのって意味あります?

木野さん:この形だったら、お年寄りも子供も誰だって電話だって分かるからです。やっぱり慣れ親しんだ形のほうが使いやすいと言うお客さんも大勢いらっしゃいます。

そう、小さなスマートフォンより、慣れ親しんだ固定電話の形が使いやすいって人がけっこういる。ボタンも大きくて、確実に押せるし、受話器もちょうどいいサイズで使いやすい!このスゴい電話、他にも、工事現場や選挙事務所など短期間だけ必要なところに、重宝されているのですって。

で、お値段のほうは1台3万5千円と、ちょっとお高いのですが、木野さん、ぶっちゃけどれ位売れているのですか?

木野さん:1000台に向かう勢いで販売していますね。また、それだけじゃなくて、ご契約していただいたお客さんは皆さん回線代を毎月お支払いいただきます。本体代とは別に月々の料金がかかります、携帯電話なので。

この会社、スゴい電話を売るだけじゃなく、小さいけど、docomoやauと同じ電話会社でもある。ということは、契約者が増えれば増えるほど、月々の通話量でさらに儲かるということでがっちりです!

▼スタジオでお話を伺いました。

加藤:すごい!こんなのやろうと誰も思わないよね。
木野さん:全員に反対されました。でも、スティーブジョブズがi-phoneのことを指一本で革命を起こせるといったときに、僕もこれのことじゃないかと思いました。
加藤:それはちょっと違うかもしれないですね(笑)。でもスゴイですね。
塙さん:この電話を外で、ボケとして外で使いたいですね。

■雑誌でがっちり!「こころみ」

続いてやって来たのは、東京渋谷区。さっそくヒットしているものを見せていただくと…

神山さん:阪本辰治さんですね。

さかもとたつはるさん?

神山さん:阪本辰治さんについて書かれた雑誌になります。

雑誌「阪本辰治」。ここ最近発行部数が減り、有名雑誌も次々休刊に追い込まれている雑誌業界。なのに。「阪本辰治」が売れている?

スタッフ:有名な人ですか?
神山さん:有名な人ではありません。坂本辰治さんの人生についてお聞きして "こころみ"という神山さんの会社が作っています。

全16ページの雑誌スタイルをとり、対象となる人の半生や今を取り上げていく。これってちょっと前から流行っている「自分史」ってやつですか?

神山さん:親の雑誌は、自分史ではありません。自分史と大きく違うのは、基本的にはお子様、そのご家族が親御さんのために注文して、プレゼントをするというところが大きな違いですね。

自分史は、何かを書き残したいって人が、自らでお金を出して自費出版というのがほとんどですが、「親の雑誌」は、息子や娘が親のために申し込む!

また、自分史はハードカバーの書籍形式、100ページ以上、1冊作るのに数十万円、中には100万円かかったりするけど、一方、親の雑誌は16ページで発行部数5冊。製作費7万円!
一冊増えるごとに1800円プラス。こちらの雑誌「坂本辰治」の場合、坂本さんの半生を、丹念に振り返るメイン記事、「坂本辰治として生きてきて」。

今現在の暮らしを追う、コラム「20分インタビュー」。そして、特集「坂本辰治の"幸せ"に迫る」の3部構成。まさに、坂本辰治のすべてが分かる雑誌なのです!でも神山さん、なんでこんな雑誌を作ろうって?

神山さん:私どもは、元々は高齢者の方を対象にした見守りサービスをやっている会社になります。

神山さん、もともとは家族と離れて暮らす高齢者の方に、スタッフが電話をして、気になった内容を家族に報告する、「見守りサービス」というビジネスをしていた。ところがこの電話の時に聞くおじいちゃんおばあちゃんたちの思い出話が、なかなか面白い!

神山さん:どうせだったら形にして残したら良いんじゃないかということで、親の雑誌というサービスを始めました。

親の雑誌の取材に同行させていただきました。親の雑誌に申し込んだのは、息子の佐藤友治さん。取材対象の父、高さんの元へ初めてお伺いします。取材のテーマは、ご本人の生い立ちから今に至るまで。高さんの子供の頃の話は、お母さんの思い出話から。

早川さん:へ〜!

「親の雑誌」の取材のポイントは、とにかく盛り上げて、気持ちよく話してもらうってこと!びっくりしたり、うなずいたり、確かに早川さん、かなりリアクションが大きい!

お話を思い出してもらうコツは、「人」の話で「モノ」を見ながら聞くこと。「誰と」「何を」したか、ってところから、こんなこともと思い出すおじいちゃんおばあちゃんも多いのですって。さらに、大きなリアクションだけでなく、あえて黙って次の語りを待つ、我慢が必要な時も。単なるQ&Aではなく、気持ちよく話していただけるよう心がける。あっという間の3時間、取材を受けた佐藤さんは…

佐藤さん:いろいろ聞いてもらって書いてくれれば、ありがたいですね。

最後に表紙用の写真をご本人の思い入れのある場所で撮影したら、取材終了。

早川さん:この後、1ヵ月間、お電話でインタビュー取材をさせて頂いております。

女性スタッフ:今って何をされていたんですか?

という感じで1ヵ月間20分、4回ほど電話でインタビュー。今何をしていて、何を考えているのか、思わぬ素顔がでてくることも多い、人気企画だそうです。その後、3ヵ月程で親の雑誌は完成、ご家族の元に届きます。親も子も嬉しい「親の雑誌」は、昨年5月からのサービス開始で申し込みは約400件。今年中には、1000件に届きそうってことで、がっちりですね!

▼スタジオでお話を伺いました。

加藤:へぇ、こういうのは、自分の親に聞くのは恥ずかしいし、親の方も恥ずかしいですけど、良いですね。
塙さん:還暦のときに、お寿司屋さんに行ったんですけど、親父がぺら1で自分の60年の人生をまとめて書いてきたんですけど、兄弟誰も読まずに帰ってました。
加藤:それはダメだよ。
塙さん:でも、これだったら読みたくなりますね。
森永さん:雑誌なんて斜陽産業ですが、マスに訴えるのは難しいですが、1人1人に訴えるのは良いですね。
進藤:では森永さん、今注目のがっちりな会社は?
森永さん:菱刈鉱山です。含有量の高い金が見つかったんです。
加藤:そういうもう一回掘ればいろんなものが見つかるのも多いかもしれませんね。

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