過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2015年5月17日放送

特集

島国ニッポンで発見…「儲かる島」!島のすぐ近くに◯◯水が!謎の植物「ロベ」とは?

ゲスト

森永卓郎さん、伊藤淳史さん

番組内容

今回のがっちりマンデーは「儲かる島」。
実に6800以上の島々で出来ている島国日本。
でも、離島というと過疎化問題や高齢化問題など、なにかと大変そう。
ところが!狭くても、人口が少なくても島には知られざるお宝がいっぱいあるのです!
そこで、今回は新しいアイデアと独自の戦略で儲かっている島の儲かりのヒミツに迫ります!

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◎海洋深層水でがっちりな久米島!

まず最初の儲かる島は、沖縄本島から西へ100kmのところにある久米島。
広さは、車で1時間もあればグルッと回れるぐらいで、8000人程が暮らしています。
この島に、観光とは別の儲かりがあるらしい。
久米島町プロジェクト推進室の中村幸雄室長にお聞きしました。

中村さん:海洋深層水ですね。

海洋深層水とは、水深200m以上の海水のこと。
そんな儲かり水「海洋深層水」を汲み上げているのが沖縄県海洋深層水研究所。

中村さん:こちらが海洋深層水です。触ると違いがわかります。

スタッフ:冷たいですね!

水温を測ってみると11度。

太陽の光も届かない海の深いところにある海洋深層水は、温度が一年中同じ。
冷たいのが特徴なんです。
でも、それだけではありません。
スタッフが口にしてみると・・・

スタッフ:しょっぱいですね!

海水だからしょっぱいのはあたり前なんですが、深層水は特にナトリウムやカリウム等のミネラル分が豊富!
ミネラルを栄養にするプランクトンが深い海にはいないため、海水にそのまま残るからなんです。
では一体、なぜ久米島で海洋深層水を汲み上げているのでしょうか?
そこには、久米島の地形が関わっていました。

海底の地図を見てみると、久米島は海岸からすぐ1000m以上に急に深くなる珍しい島!
これなら水を汲み上げるためのパイプが短くて済むので工事も楽。
そこに沖縄県が目をつけて、深層水のプラントを作ったのです。
久米島では、汲み上げた深層水をパイプなどで、あちこちに配って色んなビジネスを展開中!
そのひとつが、海洋深層水種苗供給センター。
こちらでは一体何をしているのでしょうか?
主任の松本源太さんにお話を伺いました。

松本さん:車エビの養殖でぼちぼち儲かってます。

久米島は昔から車エビの養殖が盛んで、その生産量は、今では年間250万t!
車エビに卵を産ませるためには、海洋深層水が不可欠なんだとか。

松本さん:夏場、水温が高くなり過ぎると卵を産んでくれなくなるんで、水温を冷やすために海洋深層水を使っています。

車エビを大きくするには、沖縄の温かい海がいいのですが、温かいと卵を産んでくれないのです。
そこで、以前は車エビの赤ちゃんを九州の養殖場から買って来て育てていたのです。
ところが、冷たい深層水を生け簀に入れてみたところ、車エビが卵を産んでくれた!
こうして、卵からエビが育って、また卵を産むという完全養殖が出来るようになりました。
おかげで今や久米島の養殖車エビの年間売上げは9億円!
そして、深層水のパイプはこんなところにも。
やって来たのは久米島海洋深層水開発株式会社。

ここで作っているのは、沖縄名産の海ぶどう!
では、深層水があると何が違うんでしょうか?
養殖場長の仲道司さんにお聞きしました。

仲道さん:ツブの付きですね。今、高密度にいいモノができているんですけど、水温が25度以上になると、この感覚が開いてきます。海ぶどうは食感が命なので、ツブツブが多い程、プチプチっとした食感が多く頂ける。
   
そこで、冷たい深層水を取り入れ、夏でも水温を24度以下に調節しているのです。
ツブツブがびっしり詰まった美味しい海ぶどうを真夏でも作る事ができるようになったのです。

仲道さん:売上げは3億6千万ぐらいです。

久米島では、まだまだ海洋深層水が大活躍!
地元のスーパーに行ってみると・・・

海洋深層水のミネラルウォーターや塩はもちろん。
海洋深層水を使った豆腐まで!
さらに、スパ施設「バーデハウス久米島」では、海洋深層水の温水プールまであるんです!
浮力が大きい海水だと、体への負担も少なく運動しやすい。
さまざまに活躍する久米島の海洋深層水ですが、今後さらに儲かりが期待されているのが・・・

こちらの建物!
暖かい海面近くの水と冷たい海洋深層水の温度差を利用すれば、発電ができちゃう!
もちろん使うのは水だけなので、とってもクリーン!
現在発電できるのは、100kwとちょっと少ないですが、今後は久米島全域をまかなう電気を発電しようと計画中!
そんな久米島の海洋深層水は、20億円も生み出したっていうからすごい!
久米島は海洋深層水でがっちりです!

◎ワインでがっちりな奥尻島!

続いての儲かる島は、北海道は函館から北西に120kmのところにある奥尻島。
広さは、東京23区の4分の1程度。
人口は約3000人。
そんな奥尻島を儲かる島にしているというのが株式会社海老原建設。
裸一貫から会社を立ち上げた、海老原孝社長にお話を伺いました。

海老原社長:奥尻ワインを作っています。

そう!奥尻島の儲かりビジネスは「ワイン作り」!
あれ?建設会社がなぜワインを製造しているのでしょうか?

海老原社長:22年前、北海道南西沖地震ですよね。あの時、津波が来ましたから。

1993年、北海道を襲った大地震で奥尻島に津波が押し寄せました。
多くの船が流され、島のメイン産業だった漁業もどうにもならない状態になったのです。

海老原社長:漁師を辞めた人とかいました。

漁業以外にも、島の人々が儲けられる仕事を作りたい!と、海老原社長はあるフルーツに目をつけたのです。

海老原社長:一番人手間のかかる仕事は何かと模索していった中で、ブドウを作ると人手間が非常に必要だという事がわかってきまして、まずブドウを作ってみようと!

ブドウ作りは枝の形を整えたり、余分な葉っぱを取ったり、収穫は1つ1つ手積みだったりと、とにかく人手がかかる!
でも、いいモノができれば高く売れる可能性も!
これこそ、今の奥尻にピッタリなのでは!?というワケで素人の建設会社がブドウ作りに挑戦したのです。
まずはとりあえずブドウの木を植えてみた海老原社長。
ところがここで、奥尻島のある問題が・・・

海老原社長:当初、水はけが悪かったです。

そう、奥尻島は広く粘土層に覆われ、水はけが悪かった。
そこで社長が目を付けたのが・・・

普段、建設業でよく使っていたパイプ。
側面には無数の小さな穴があるので、これを畑の下に埋めれば、畑に溜まった水を穴から取り込み、水はけがよくなるはず!
もちろん工事作業はお手の物。
自前の重機と技術をフル活用して、広大な畑にパイプをどんどん埋めていったのです。
そして、次々にブドウの木を植えたところ、いいブドウがどっさりとれた!
そこで海老原社長は、さらなる儲かりを思いついたのです。

海老原社長:やってるうちにいいブドウだってことが分かって来まして、だったらいっそのこと、ワインまでやっちゃおうと。

そう!ワイン作り。

実は北海道奥尻島と聞くと北の方に思えますが、世界的なワインの名産地、フランスのボルドー地区とほぼ同じ緯度。
ワイン用のブドウ作りにピッタリの場所だったのです。
そこで7年前にワイン作りを開始!
それまでは建設現場の作業員だったという株式会社奥尻ワイナリーの菅川仁常務。
海老原社長から、いきなりワイン作りの責任者に抜擢されたそうなんですが・・・

菅川さん:失敗すれば1年をムダにしてしまうぐらいのプレッシャーがあります。

強烈なプレッシャーに、押しつぶされそうになりながらも、必死に勉強を重ね、ワイン作りに励んだ菅川常務の努力が奥尻ワイン誕生として結実したのです。
するとこれが、予想をはるかに上回る高評価を受け、全国から注文が殺到!
この奥尻ワインの高い評価には、島ならではの理由があったのです。

菅川さん:潮風を浴びて育ちますので、ほんのり潮っぽさ、スイカに塩を足すと甘くなる様な味わいです。

潮風を程よく浴びた奥尻島のブドウは、表面にミネラル分がたっぷり付着している。それをそのまま絞るから、風味にほんのりしょっぱい独特の味が加わるらしい。
評判が評判をよび、初年度1000万円だった売上げは右肩上がり!
昨年は6千万円を突破!
これからもブドウ畑をどんどん増やし、今年の目標はなんと!1億円!
近い将来3億円越えを目指します!
そんな奥尻島はワインを作ってがっちり!

◎ロベでがっちりな八丈島!

続いての儲かる島は、東京から南に300km、伊豆諸島にある八丈島。
奥尻島の半分くらいの大きさで、人口は約8000人。
そんな八丈島は、あるモノで儲かっているんだとか。
まずは島の人に聞いてみることに。

スタッフ:八丈島が儲かってる物があるって聞いたんですけど。

島民:ロベかな!?

ロベとは一体何なのでしょうか?
八丈町役場 産業観光課長の奥山拓さんに聞いてみることに・・・

奥山さん:これが"ロベ"です!売上げは8億ちょっとですかね。八丈島はもうロベでしか支えられてないと言っても過言ではありません!

ロベとは、フェニックスロベレニーというヤシ科の植物だから通称「ロベ」。
キレイな緑とツヤが特徴で、しおれにくく長持ちするので、入学式や卒業式、贈り物の花束の飾りとして、全国のお花屋さんにひっぱりだこ!
国内のロベ生産のシェアは、八丈島が約9割とほとんど独占状態!
しかし、なぜ八丈島でロベづくりが盛んになったのでしょうか?
そこには知られざる歴史がありました。

奥山さん:これが大正8年に導入されましたロベの原木です。

大正時代から生えているというロベの樹が!
そもそもロベは、東南アジアのラオスが原産の植物。
大正8年に横浜植木会社という園芸会社の社長が輸入して、八丈島で栽培を始めたんですが、これがおもしろいように育ったのです。
八丈島は、以外にも夏場は30度以下、冬でも10度くらいと、比較的気温が安定している。
この、暑すぎず寒すぎない気温がロベにはピッタリだったのです。
では一体、ロベはどうやって作られているのでしょうか?
ロベを育てて50年の喜田孝さんに同行させていただくことに。
山の中を進んでいくと・・・

喜田さん:ここが自分のロベ畑です。

そこにはロベの樹が元気よく生い茂り、もはやどこからが林で、どこからが畑かも分からない。
苗を植えて収穫できるまでには5.6年かかる。
年中収穫出来るのがロベのいいところで、一本の樹から年間30枚ほどの葉がとれます。
そして収穫した葉っぱは、1枚あたり20円程で売れるんだとか。
そんなロベ栽培のポイントとは?

喜田さん:植えてしまえば手付けず!

なんと!ロベの栽培は、まったくの手間いらず!

唯一重要なのは、たっぷりの水やりなのですが、八丈島は降水量が全国でも3番目に多い場所なのでこれも必要ない。
結果、ほぼほったらかしで育っちゃう!
植えとけば勝手に大きくなるので、八丈島の農家の半分はロベを育てているんだとか!
喜田さんはあちこちに10ヵ所、約9000坪のロベ畑を持っている。

喜田さん:稼ぎは年5〜600万円。時には1000万円以上稼いだこともある。

そんな八丈島はロベでがっちり!

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