過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2015年4月5日放送

特集

儲かる「農協」!やればできる!ところもある! 儲かる農協のヒミツは「鶉」!←コレ、なんて読む?

ゲスト

森永卓郎さん、ウド鈴木さん

番組内容

今日のがっちりマンデーは「儲かる農協」!
農協って言うと、最近ニュースなんかで「廃止」とか「TPPで大変」とか、どうも儲かってなさそうな雰囲気が。ところがどっこい!そうでもなさそう!
そもそも農協とは、全国あちこちにたくさんある、農家さんたちのグループ。そのグループをまとめる、都道府県ごとの農協があって、さらにそれをまとめる農協がという、ピラミッド型の団体。そんな中、現場の最前線の農協は、日々の農作物づくりを頑張っていて、地方でジャンジャン稼ぎまくっている。今日はそのモ〜ウかりのヒミツにギュウっと迫っちゃいます!

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■4.0牛乳でがっちり!「浜中町農業協同組合」!

儲かる農協、まずは、北海道・浜中町にある浜中町農業協同組合。何かすごいお部屋に通されましたが、テーブルもメチャ高そう!

石橋さん:欲しかったらあげるよ(笑)。

明らかに儲かっている感じの石橋組合長。あの〜、こちらの農協は一体何で儲けてらっしゃるのですか?

石橋さん:牛乳です。特にこの成分無調整4.0牛乳ですね。牛乳の中の牛乳、まさにキングです!

どうやら、浜中町農協は4.0牛乳でがっちりらしい。そもそもスーパーなんかで良く見る牛乳パックには、3.5パーセント以上とか、3.7パーセント以上とかありますが、これは、牛乳にふくまれる乳脂肪分の割合のこと。普通は3.5%とか3.7%というのが主流なのですが、浜中町の牛乳は、それよりもググっと高めの、乳脂肪分4.0%パーセント!

この4.0牛乳を年間通して作れるのは、日本全国見渡してここだけなのですって。ところで、4%になるとどう違うのですか?

石橋さん:人間の味覚ってのはねぇ、脂肪分でウマさを感じるんですよ。

ほう、それならば飲んでみましょう。

スタッフ:甘いです!

確かにおいしかった!そして、このおいしさが、あのメーカーの目にとまった。

石橋さん:JA浜中町の牛乳はハーゲンダッツの原料としても使われています。

そう、浜中町農協の牛乳は、高級アイスメーカー「ハーゲンダッツ」の原料に大抜擢され、一躍、酪農業界きっての儲かり農協に踊り出た!いまや、生乳だけで、年間9万8千トン、89億円を売上げているのです。でもなんで、4.0牛乳は浜中町でしか作れないのか?そのヒミツを探るべく…地元の二瓶牧場、4代目、二瓶雅樹さんを直撃。4.0牛乳のヒミツ教えてください!

二瓶さん:月に1回検定員さんが入って、牛1頭ずつのデータを把握しています。なので、もし乳脂肪分4.0を切っていた場合には、すぐに次の対策を練る事ができます。

そう、浜中町農協では1頭ずつの牛の状態を細かく調べている。例えば、番号0862の牛は、今月の乳量が33.6キロで、乳脂肪分4.37パーセントでOK。すぐ下の牛は3.38パーセントだから4.0には足りない…というような感じ。

石橋さん:勘ではなく、科学的な見地に基づいた数字できちんと組み立てていったら、こういうことができるということですね。

そう、石橋組合長のポリシーは「勘に頼らず、科学で考える」!具体的にはどうしているかと言うと…例えば「MUN」という数値。これ、乳中の尿素の値を示しているもので、これで何を現すかというと、エネルギーと蛋白のバランス。5.3っていうと、ちょっと蛋白が足りない。そうして、牛乳に含まれる尿素の値を見て、1頭ずつエサのバランスを変えていく!あんまり養分をあげ過ぎても牛の健康によくないし、逆に控えていると、4.0パーセントの牛乳はとれない!ちょうどいいところを狙って牛ごとに微調整。
例えば…蛋白質の元となる配合飼料0.8キロに対してコーン0.8キロ、ビートパルプ0.8キロ…という感じに。

こうした、細かいデータに基づく繊細なケアが4.0牛乳への原動力になっている。しかも、浜中町農協が数値化したのはこれだけじゃない!浜中町農協が誇る酪農技術センターでは、牛を取り巻く環境を細かく検査!例えば、牛のエサとなる干し草の栄養値を測る!さらには、その干し草を育てるための土壌の分析なんてことまで!う〜ん、細かい。そんな浜中町農協の年間売上げは107億円!

スタッフ:組合員数はどれくらいですか?
石橋さん:182戸です。まぁ1戸当たり5000万円は超えますかね。

もう、笑いが止まりませんなぁ〜。

■鶉でがっちり!「豊橋養鶉農業協同組合」!

続いての儲かる農協は、愛知県・豊橋市にある「豊橋養鶉農業協同組合」。
どうやらこの鶉を扱っている農協らしい。営業部の葛山さん。ここでは、一体何を?

葛山さん:ウチは、鶉(うずら)の卵になります。
スタッフ:うずら?
葛山さん:そうです。うずら専門の農協になりますので、うずらの卵だけです。

豊橋養鶉農協は、うずらの卵一本だけに絞った専門農協。実は「うずら農家」は全国にわずか30軒ほど。その半数以上が豊橋近辺に集まっている。つまり、国産うずらの半分以上のシェアを、豊橋養鶉農協が握っているのです。そんな豊橋養鶉農協はうずら専門という独自性を活かして、いろんな儲かりアイデアを実現。例えば…お値段のはる機械が必要なうずらの孵化ですが、これを、農協が一手に引き受けることで、手間とコストの節約に!1週間に90羽が巣立つひなを農家さんが買って手塩に掛けて育て、卵を産ませるのです。

そんな中、うずらの卵の加工場に行きました。うずらは出荷数の半分以上が、生ではなく、ゆでたまごなどの加工食品として食べられているのですって。巨大な筒でゴロゴロ回され、殻にヒビが入ったら、下にポトッ。あっという間に真っ裸。ゆでたまごのできあがりです!

さらに、うずらの生卵の出荷工場にもやって来ました。人の手で1つ1つ選別され、パック詰めに!この仕分け作業にも「うずら」のプロ、豊橋養鶉農協ならではのノウハウが。

葛山さん:白と黒のブチの部分のコントラストがメリハリあった方が良い卵です。

そう、うずらは「卵の模様」で良し悪しがわかる。模様がくっきりしている方が良い卵。あまりないのが悪い卵。試しに割って比べてみると…確かにちょっと違う。

今やうずら出荷量、1日で約40万個!まさにうずらを知り尽くした豊橋養鶉農協が、この度、大ヒット商品の開発に成功!

葛山さん:うずらたま5くん、今皆さんに食べてもらってますね。

「うずらたま5くん」は、「サクラチップ薫製味」と「みそ味」があり、1袋200円。

葛山さん:週に1万袋ぐらい出ております。

これまで加工品は「ゆで卵」でしか販売してこなかったうずらを、なんと「煮卵」として改良。サイズが手頃で、ビールのおつまみにもぴったりってことで、現在、バカ売れ中なのです。今後の「うずらビジネス」大注目です!

▼スタジオでお話を伺いました。

加藤:すごいね。鶉だけの農協。
ウドさん:知らなかったです。まさに世にも不思議なですね。
加藤:(鶉の卵を食べて)良い味付けだわ。本当にビールが欲しいね。
森永さん:鶉って別の産地ではなかなか出荷できないんです。しかも、わざわざ全国に売れるように株式会社も作っていますからね。
加藤:ちゃんと地元の人が儲かるようにしてるんですね。

■お米でがっちり!「梨北農業協同組合」!

続いての儲かる農協は、山梨県、韮崎市にある「梨北農業協同組合」。
さっそく梨北の儲かり教えてください。堀川組合長!

堀川さん:私どものブランド「梨北米」です。

梨北農協は「梨北米」っていうお米でがっちり。とは言うものの、正直耳なじみないような…。

堀川さん:まあ後発ですから…一流産地といいますか、これまでの産地に追いつけ、追い越せという意気込みでやっています。

堀川さんいわく、「梨北米」は、まだそんなに有名じゃないけど、確実にグイグイ来ている、お米のニューブランドなのだとか!誕生のきっかけは2004年。食糧法という法律が大幅に改正され、今まで、農協をまとめる全国団体「全農」に卸していたお米を、地域の農協が直接買ってもいいようになったこと。

そして、「魚沼産コシヒカリ」のような全国のおいしいお米のブランド化が一気に進んだのです。ところが、梨北農協のある、山梨県北部、峡北地域は、南アルプスからの雪解け水の恩恵で、おいしいお米がとれるにもかかわらず、イマイチお米の産地として有名じゃなかった!なので、地域お米のブランド化よりも、個人販売に走る農家が続出!梨北農協の米事業がバラバラになりかけたのです。このままじゃやばいということで、梨北農協がとった秘策が…農協による買い取り。

農家さん:結構良い値段で買取りして頂いてます。

そう、お米を全農に卸すよりも、農家さんが個人で売るよりも、高い値段で梨北農協が買い取ったのです。

しかもその買い取り方が潔かった!お米というのはそもそも、非常に販売が難しくて、通常の所は危険率ということである程度売れる予想をたてて、低めに仮渡し金を払われている。つまり、農家さんが収穫して農協にお米を卸す際、その米の値打ちの何割かしかもらえないってルール。これを仮渡し金といい、1年後、お米が売れれば、残りのお金がもらえる。この仕組み、売れ残ると農家にはダメージが大きいし、収穫してすぐに現金収入が入らないから、やりくりが大変。そこで…

堀川さん:仮渡し制度は使っていません。危険率を見ないで米を買い取っています。

梨北農協は、米を買い取ったら、その場で全額払うというシステムにしたのです。すると、峡北地域のおいしいお米が、梨北農協にどんどん集まり始めた!そうなってくると今度は、このお米をちゃんと売らなければ。もし売れ残ったら、農協は大赤字!そこで、梨北農協は、大胆なPR作戦に打って出たのです。テレビCMを作ったり、地元のサッカーチームや、女子バスケチームのスポンサーになったり、おしゃれなブランドロゴを作ったりと、積極的にブランド化を図った。

甲斐の国だけに、そのかいあって、2004年に立ち上がったニューブランド「梨北米」は急成長!ここ10年の売上げの伸び率は魚沼産コシヒカリを凌駕する勢い。

▼スタジオでお話を伺いました。

加藤:梨北米についてですが…高く買うというのは真逆の発想ですよね。
森永さん:絶対売れるという強い確信があるんでしょうね。
進藤:今日はその梨北米をご用意しました。
ウドさん:農家の息子として厳しくチェックしますね。…ウマい!!
加藤:早いわ!

■農協の名医でがっちり!「糸島農業協同組合」!

続いてやって来たのは、福岡県糸島市。糸島農業協同組合が運営する「糸島アグリ」ってとこに、地元の農業を支えるスゴイ人がいるらしい。なんだかホームセンターみたいなお店ですが、スゴイ人ってどちらに?

古藤さん:はい!

出てきたのは、糸島農協が誇るスゴイ人、古藤俊二さん。

なんでも、このお店を作った立役者なのだとか!そもそも農協には、農家さんが必要な種や肥料、農具などを揃えて売るという大事な役割がある。それを「糸島アグリ」では、より便利に効率化を図って、地元の農産物を盛り上げて来たのです。では、糸島アグリはどんなお店なのか。見てみると…肥料は全部で700種類!農薬だけで500種類!種も600種類というものすごい品揃え!

そして、糸島アグリ一番の売りが「お悩み相談コーナー」!

農家さん:すいません、土壌分析をお願いします。
古藤さん:なんば植えんしゃっと?
農家さん:トマトです。
古藤さん:前は、なんば作っとうしゃっとかい?

野菜農家の安田さんは、春菊を作っていた畑で、新しくトマトを作りたいと相談に。古藤さんは、安田さんが持ってきた畑の土を、なにやら調べ始めた!そして…

古藤さん:ミネラルのケイテツの20kg入りを1袋出しときますね。

最適な肥料をずばりアドバイス。実は古藤さん、農協の職員でありながら、試験農場で様々な品種や肥料を試す研究者でもあるのです。

古藤さん:見る、聞くまでは誰でも出来ますが、試す事が大切なんですよね。

だからプロの農家さんのお悩みにもずばり答えが出せる!そしていつしか…

農家さん:糸島で一番ですから。Dr.コトーです。

あの有名マンガの名前が付いちゃった!さらに古藤さん、その知識を活かして、農家さんのために商品開発まで買って出た!中でもイチ押しは「すてなんな君」。

古藤さん:"捨てるな"を糸島弁で"すてなんな"と言うところから生まれました。

どんな商品かと言うと、ダンボールの箱に、微生物入りの土と、発酵剤が入っていて、生ごみを入れてかき混ぜると微生物の働きで肥料が出来上がるってわけ。こうした古藤さんのオリジナル商品、どこでどうやって生まれるのか?そのヒミツを探るため、付いていくと…古藤さんの自宅に到着。そして屋根裏部屋に。ここで日夜、商品開発に励んでいるという古藤さん。

現在開発中なのは…

古藤さん:鈴とキラキラとを合わせたものです。

コレは鈴の音とテープの反射を利用したイノシシよけらしい。

古藤さん:名前は"イノシシ来んちゃん"にしようかな。

地元愛とあくなき探究心で、糸島の農業を支える古藤さん!

▼スタジオでお話を伺いました。

加藤:すごいですねえ。"見る、聞くは誰でもできるけど、やることが大事"っていい言葉ですね。ネーミングのセンスは別にして(笑)。
森永さん:でも、イノシシは深刻な問題ですから、商品は良さそうですよね。
進藤:森永さん、次の儲かる農協はどこでしょうか?
森永さん:JAあいら伊豆です。だいだいマーマレードとだいだいマドレーヌが売りです。

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