過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2013年7月21日放送

特集

意外と知らない?でも超ビッグ組織!3兆円を生み出す「生協」がベールを脱ぐ!

ゲスト

日本生活協同組合連合会 会長 浅田克己さん

番組内容

がっちりマンデーも放送開始からまる9年!これまでにたくさんの会社を取材してきましたが、今日のところが間違いなく日本一関わっている人数が多いはず!その名は「生協」!
今ではコープと呼ばれることも多い生協ですが日本の国民の5分1以上、2700万人が加入している超巨大組織。その年間総売り上は3兆3000億円!
でも、生協って何と聞かれると、会社なのか何なのか分からない方も多いはず
今日のがっちりマンデーは、そんな誰もが知っているけどナゾの組織、コープ、生協の秘密に迫ります!

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生協の儲かる商品開発のヒミツとは?

全国に2700万人ものお客さんがいる巨大組織「生協」。
何でそんなに人気なのか。まずは今年で生協に入って16年の浦郷さんにどうやって生協の商品を注文するのか、見せて頂くことに。がその前に、冷蔵庫の中をチェック。コープのヨーグルトにウーロン茶、調味料もコープとコープマークの付いた商品がいっぱい。

ではそんな商品をどうやって注文しているのか?

浦郷さん:商品の番号が書かれている注文用の紙に欲しい数を書き込みます。

そう、週に一度届く結構分厚い生協の商品カタログの各商品に付いている番号を見ながら発注表に欲しい数を書き込んでいくってわけ。もちろん電話やネットでも注文出来るのですがこの紙を直接生協の配送担当者に手渡す人が多いのだとか。

ここから先も続々と出てくる生協の儲かりテクニックは後ほどご紹介するとして…次にスタッフがやってきたのは生協の心臓部、東京の渋谷駅から歩いて5分の「日本生活協同組合連合会」、略して「日本生協連」。
「コープみらい」や「パルシステム」など、全国に300以上ある生協のまとめ役。生協全体の総売上げは、なんと3兆3000億円なり。
ここの1番のお仕事は何なのですか?

矢野さん:コープ商品の開発というのがあります。

そう、コープ商品と呼ばれる生協独自の商品を、いろんなメーカーと一緒に開発して全国の生協に卸す、というのが日本生協連のメインの仕事。

そんなコープ商品の第1号は、1960年発売の生協バター。自社工場を持たずに商品をメーカーに作ってもらうという、今全盛のPB(プライベートブランド)を50年以上前から始めていたのです

現在生協のコープ商品はおよそ4000品目。生協ユーザー以外の人はほとんどご存知ないと思いますが、どれもこれもかなりの売上げ!そして、もちろん売れるにはワケがある。
例えばニンジン50%配合のジュース「ミックスキャロット」。生協で一番売れているジュースなのだとか。日本で初めてのニンジンベースの果実ミックスジュースでこれまでに32億本を売上げるコープを代表する商品。子供でも飲みやすい味が売れている理由なのだとか。

そしてこれもバカ売れ、年間550万食を販売する冷凍の「骨取りさばの味噌煮」。魚は食べたいけど骨があるから嫌だ!という組合員の声を受け、人の手で小骨まで完全に取り除くという手間隙かけた一品。
コープ商品は食品だけじゃない。オリジナルのトイレットペーパー「コアノンロール」。コアがノン 、つまり芯がないトイレットペーパー。これも組合員の、最後に出てくる芯がじゃまって声からつくられた商品。そして、もうひとつの売りポイントは…

矢野さん:普通のトイレットペーパーよりも長い2倍以上の130メートル巻いてあります。

普通のよりもギュッと硬めに巻いているから長く使える。さらにお尻を拭くのにそんなに幅はいらないわよねってことで、少しだけ狭くしている分、お安くできたのだとか。

このように生協のモノづくりは、お客さん、つまり組合員の声をものすごく大事にしている。その分商品開発の現場はかなり大変。
どう大変なのか、コープ商品を一緒につくるメーカーさんとの打ち合わせを覗かせてもらいました。打ち合わせのお相手は、チーズケーキミックスを作っているメーカーさん。どうやらパッケージに載せる内容が議題のようですが、やっぱり聞こえてくるキーワードは組合員がどういう商品を望んでいるのかってこと。
1番多かったのが、「いろんなレシピをもっと知りたい」っていう意見だったらしい。それを受けて打ち合わせを何度も何度も繰り返す。メーカーの人も大変ですが、そこまで組合員の声にこだわるのにはワケがありました。

メーカーの方:商品開発の時点から組合員さんの意見を元に作っているので、実際に商品になったときにロングセラーになりやすいんですよ。

そう、生協で人気商品になれば宣伝広告なしで国民5人に1人いる組合員に長く売れ続けるってこと。今回は中身ではなく10年以上大きな変更をしてこなかったパッケージの大リニューアルだそうです。

そして商品が出来上がると次に行われるのが、ベテランの組合員さんをモニターにした試食会。こういう試食会はメーカーでもけっこう普通に行われていますが生協のそれは真剣さが半端じゃない!やたら張り詰めた空気の中で黙々とパスタを食べる組合員のマダムたち。

千葉さん:この試食会の評価で開発が中止になったものもありますので緊張します。

そう話すのは開発の千葉さん。今回は2種類のたらこパスタのソースの試食。片方は今売っているコープ商品で、もう一方が試作品。もちろんそれは知らされないまま一口ずつ食べてはレポートに書き込んでいく。これがまたかなり辛辣だった。
「くせはないがパンチもない」
「たらこの味がほとんどない」
…って厳しい〜!!
それもそのはず、こちら組合員のマダム達は試食のプロ!

スタッフ:みなさんはどれくらい試食をやられているのですか?
試食会参加者:私は3年目です。
試食会参加者:私は4年目です。毎日口にするものは責任をもって協力したいと思って参加しています。

なるほど、組合員が本気で商品作りに参加しているからコープ商品は長く売れ続けるってことなのですね。

生協が誇る日本一の宅配システムのヒミツとは?

年間1兆6000億円を売上げる生協の宅配。
おそらく日本で1番大量に商品を宅配しているってことで、いかに効率よく仕分けられるかがとっても大切になってくる。なので、生協には日本最先端の商品仕分けセンターがあるのです。千葉県にあるシーエックスカーゴ野田流通センター。
関東近郊3つの生協の宅配商品を仕分けるところらしいのですが、どの辺がスゴいのか、教えてください野嵜課長。

野嵜課長:棚から商品を取って来るのではなく、撒いていくというのが大きな違いです。

ん?商品を撒いていくってどういうこと?
早速見せて頂くと一列に並んだパートさんがモニターを見ながら商品を箱に入れています。2と表示されたここでは焼きそばを箱の中に2個入れる、の繰り返し。
1と表示されたこちらではプルーンを箱の中に1個入れる、を繰り返しています。

野嵜課長:画面に従って入れていくだけなので、考える必要がないんです。

まあ確かにこれなら間違えることはなさそうだけど、普通なら注文に合わせていろんな商品を箱詰めするはずですよね。とかいっているうちに、1種類の商品しか入っていない箱は、スゴいスピードで移動して行き着いた先は、何層にもなった巨大なタワー。どうやら、この中で商品の箱を並び替えているような。

野嵜課長:さきほど種まきをした仕訳商品をラックにしまい、注文を頂いた方に合わせた形にしています。

そう、注文商品をまずパートさんの手で1種類ずつバラバラに箱に入れ、いったん巨大タワーに。それを機械がお客さんの注文通りに並び替えているってわけ。

タワーから並んで出た箱は最後にまたパートさんの手で出荷用の箱にまとめられる。種を撒いて回収。これが生協最新の種まき仕分けシステムで機械が商品を自動で仕分けるから、集品のミスが出ない。これまでは商品の棚から人が持ってきて箱に詰める人海戦術だったので、けっこうミスがあった。更には商品を選ぶのが人じゃないから作業もスピードアップ。 以前は10分間に1200人分の荷物しか出来なかったが最新のシステムでは1700人分を送り出せるようになったのです。

ここでも画面の指示通り目の前に流れてきた商品をただ箱に詰めていくだけ。集品ミスはほぼゼロ、スピードもアップ、人件費も節約。そんな最新のシステムが生協の配達を助けていたのですね。

そして流通センターから、各地の生協に送られた荷物を、お家まで運ぶのが、生協の配送担当者、通称「生協さん」。この生協さんの仕事にも、様々な儲かりテクニックがありました。

先程の浦郷さん家にも届いたみたいですね。宅配は原則週1回。同じ曜日の同じ時間に同じ生協さんが配達してくれます。この週1っていうのが大事なポイントなのです。週に1回だから結果まとめ買いになる。
配達の回数が減る分コストが下がり商品の値段も下げられる。さらに配達の曜日も決まっているから、ある特定の曜日に注文が殺到するなんてことがない。ということはその日のためだけにたくさんのスタッフをスタンバイさせる必要もない。つまり人件費も節約できるってわけ。
ほかの組合員の方にも聞いてみると…、1週間分の食材ということでかなりの量を買っています。でも週に1回だけの配達って不便じゃないですか?

組合員の方:1週間で献立のメニューも考えながら頼めるのでちょうどいいです。

なるほど、週1スタイルは奥様のライフスタイルに合っているみたいですね。そしてこちらでは団体でお持ちかね。これ近所の人が集まってまとめて配達してもらうという生協昔ながらのスタイル。通常200円程かかる配達量料がまとめて配達してもらえばタダになるってことで今でも全体の4割がこの共同購入なのだとか。ここで生協さんが、おススメ商品を紹介します。

生協さんはただ商品を運ぶドライバーじゃなくって腕利きのセールスマンなのです。これに対して組合員の皆さんは?

組合員の方:言われると買いたくなっちゃいますよね。

おおう!これはもう既に何個かは売れそうですね。実は生協さん達、配達前におススメ商品の試食をして味の確認までしているからスゴい!さらにこのセールスもうひとつポイントがあって、毎週必ず同じ人が配達に来るっていうのがデカい!

組合員の方:生協さんが、すごくハキハキしていて、みんなファンなんです。

なるほど。生協さんをはじめ、人とのつながりも儲かりのヒミツなのですね。

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤:生協さん好評でしたね?

浅田会長:週1回必ず買うので、人間的な触れ合いは大事です。人間的にも磨かれる仕事ですよ。

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