過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2013年6月23日放送

特集

せまい「パイプ」業界の全てが明らかに! 太いのも!細いのも!日本のあちこちで大活躍!

ゲスト

森永卓郎さん、鈴木あきえさん

番組内容

がっちりマンデー!今日のテーマは、大好評!「せまい業界シリーズ」!
おかげさまで第16弾!満を持して、パイプ業界に大潜入!
丸かったり、長かったり、何かを流したり、通したり…パイプっぽいものは街のあちこちで見かけます。見えるトコ見えないトコ、日本のあちこちにパイプがいっぱいぷ!!想像以上に儲かっていた!
というわけで せまい業界シリーズ「パイプ」!本日は儲かりのヒミツが筒抜けになっちゃう30分です!

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儲かる「パイプ」!「ヒューム管」とは?

儲かる『パイプ』ビジネス!
まずやってきたのは埼玉県熊谷市の「日本ヒューム株式会社」。
どんなパイプを作っているのですか?

朝妻さん:ヒューム管を作っております。

ヒューム管って聞き馴染みがないのですが、一体どんなパイプなのでしょう?

案内されたのは、ずいぶんと広い敷地。その中にど〜んと鎮座していたのはコンクリート製のいわゆる土管。あっちもこっちも土管だらけ。そう、ヒューム管とは、私達がふだん土管と呼んでいるモノの正式名称でした!

朝妻さん:直径はおよそ3メートルほどになります。

それにしてもでかい。さて、この「ヒューム管」が一番活躍する場所はどこなのですか?

朝妻さん:多くは、下水道に使われます。

そう、ヒューム管が最も使われているのが地下の下水管。 日本国内だけで全長8万キロ。なんと地球を2周以上もするヒューム管が埋められているのです。そんな、かなりでかいヒューム管業界で「日本ヒューム株式会社」はダントツの国内シェア1位!パイプでがっちり儲けている会社なのです。
ところでコンクリートにする理由って何かあるのですか?

朝妻さん:強度を増すためです。下水管は地下深く埋まっているので1度壊れてしまうと修復することができないんです。

そう、下水管は一度埋めてしまったら掘り起こすのは大変。半永久的に使われるヒューム管に要求されるのはとにかく頑丈なこと。その作り方の秘密を見せてもらおうと工場に入ると…突然、大音響と共に火花が散っている機械が!

朝妻さん:これは鉄筋コンクリートの鉄筋を作っているところです。

なにやら長い鋼鉄の針金を機械が自動的に溶接して作っていたのは巨大な針金の筒!ヒューム管は、コンクリート製ですが実はその骨格として鉄筋が入っていて、鉄筋があるからこそ強度が保てているのです。さて、骨組みができたらいよいよメインイベント。続いては、巨大な車輪のような型が高速回転しています。中にはさっき見た鉄筋が!その中にコンクリートが流しこまれています。これは、回転する型の中に流しこむことで強い遠心力がかかり、コンクリートが型の内側に均等に広がっていっているのです!

こうしてコンクリを流しこむこと2時間!最後にきれいな円形のヒューム管ができるのです。こうして2時間かけて固まったコンクリートの表面を専門の職人さんがツルツルに仕上げて1日蒸らせば、ヒューム管の完成!こうして下水管は作られているのですね。
そしてさらに、日本の下水道管を支えている日本ヒュームが今、ニッポンの下水道を変える全く新しい製品を作っているとのこと。ヒューム管から出てきたのは…

西脇さん:これは下水道に光ファイバーケーブルを敷設するロボットです。

そう、ロボット!その働き方というのがすごかった!まずは「アンカー敷設ロボット」が下水管の天井部分にフックを設置。続いて「ケーブル装着ロボット」がケーブルを取り付けていきます。

でも、どうしてこんなことを始めたんですか?

西脇さん:下水管の中に大容量のネットワークを構築することができるからです。

そう、日本ヒュームのみなさんは、日頃、ヒューム管を設置しながらいつも思っていたことがありました。下水管の上部には常に空きスペースがあり、そこを何かに使えないかということです。そこで思いついたのがケーブル敷設だったのです。そもそも日本中にくまなく張り巡らされた下水道網。もしここに光ファイバーを引くことができれば様々な通信に使えるはず!

というわけで今、このロボットを使ってのネットワークづくりが始まっているのです。現在は各地の下水処理場の間の通信に使われていますが、地下を通っているため台風や地震といった天災に強い。今後はいざという時、普通の通信網の予備として使えるように全国に範囲を広げていくとのこと。そんな日本ヒュームは、ヒューム管を含めた昨年度の売上げ306億円!お金がいっぱいぷなのです。

儲かる「パイプ」!ねじれにくいホースでがっちり!

儲かる「パイプ」ビジネス!
続いてやってきたのは富山県黒部市にある「株式会社トヨックス」という会社。
一体どんなパイプを作っているのですか?

森さん:ホースです。

そう、トヨックスは、おなじみの園芸用ホースを中心に、工場で使われるホースや自販機の中で使われるホースまでありとあらゆるホースを作って国内シェア7割とぶっちぎり!
そんなトヨックスには3年前に開発した、とんでもない儲かりホースがあるという。一体どんなホース?

森さん:ねじれにくく水がスムーズに通るような構造になったホースです。

トヨックスの儲かりホースはねじれにくい「トヨフィットホース」!

一見ごくふつうのホースですが、従来のホースが伸ばしているうちに水が出にくくなるのに比べて、トヨフィットホースの勢いはそのまま。ホースを確認してみると、トヨフィットホースは、ほぼ真っ直ぐなのに対し従来品は途中でねじれたり折れてしまったりで、水が出なくなっちゃいました。
なぜトヨフィットホースはねじれないのでしょうか?

森さん:編み方が非常に特殊な構造になっていまして、ねじれようとする応力が一か所に集中するんじゃなくて均等に力が分散するんです。

どういうことかというと、まず従来のホースは格子状に糸が入っている。この形は、金網や強化ガラスでも使われていて、頑丈なのだけど伸び縮みしづらいのでねじるとポキ!

一方、トヨフィットホースは、ストッキングやセーターにも使われているような網目で伸縮自在。ねじってもしなやかに変形し、折れにくい!

この強くてねじれにくいトヨフィットホースを含めた昨年の売上げは73億円!凄すぎです!
トヨックスは、耐圧ホースでがっちりですね!

儲かる「パイプ」!「シームレスパイプ」とは?

儲かる「パイプ」ビジネス!
続いてやってきたのは東京丸の内にある「新日鐵住金株式会社」。
実はこちら、鉄業界で国内1位の「新日本製鐵株式會社」と3位の「住友金属」が合併してできたぶっちぎり1位の製鉄メーカーなのです!
鉄のパイプでNO.1の会社、一体どんなものを作っているのですか?

服部さん:東京スカイツリーに使われたパイプを作っております。

そう、新日鐵住金の鉄パイプはあのスカイツリーの柱にも使われているのです。よく見ると確かに丸い。

パイプって、中にものを通すだけじゃなくて"支える"のも得意なのですね。でも服部さん、柱がパイプってことは中がスカスカだし、634メートルもの高さを支えるにはちょっと頼りない気がするんですけど。

服部さん:パイプにするメリットは中を中空にできるので重量が軽くなることなんです。

そう、こういった高い建造物の場合、柱が鉄骨だったりコンクリートだったりすると、それ自体が重すぎて支えるのが大変。その点パイプなら中が空洞で軽いから、土台が小さくてもOK!しかも円形だからどの向きからの力にも強い!
服部さんによるともうひとつ、今、新日鐵住金が世界的に儲かってるパイプがあるのだとか。これは見なければ、というわけで和歌山製鐵所へ。噂の儲かりパイプってどんなものなのですか?

永瀬さん:弊社で製造しておりますシームレスパイプです。

シームレスパイプ?見た感じフツーのパイプに見えますが…。

永瀬さん:シームレスパイプというのはその言葉のとおりシーム(継ぎ目)がないということです。

そう、ふつう鉄パイプを作る場合、材料の鉄板をクルッとおり曲げて、合わさる部分を溶接します。だからどうしても、パイプに「継ぎ目」が出来てしまう。
しかし、シームレスパイプにはこの「継ぎ目」がない。これが今、世界中のとある場所で引っ張りだこだとか。それはどこで?

永瀬さん:地中深くに埋蔵されている石油や天然ガスを掘り出す時に使う目的で使われています。

そう、石油やガスの採掘に欠かせない「パイプ」。でも地下数千メートルに及ぶ過酷な条件下では継ぎ目のあるパイプだと、そこからヒビが入って石油やガスが漏れてしまう危険性があります。しかし、このシームレスパイプなら継ぎ目がないので当然ひびも入りにくい!イコール安全!というわけでエネルギー資源を効率よく確保したい各国からじゃんじゃんオファーが殺到中なのですって。
では、継ぎ目がないって一体どんな作り方なのか?工場で見せてもらうことに。
でかい構内で、向こうの方からおよそ1200度の真っ赤な鉄の塊がやってきました!

それを上から押さえてググっと奥に押し込みながらピアサーという機械で、中央に穴をあけるそうです。

衣笠さん:このピアサーのところでは高交叉角拡管穿孔法という方法を使っております。

この、舌をかみそうな高交叉角拡管穿孔法、簡単にいうと鉄の棒の真ん中にピアサーというドリル状の機械で穴をあけながら、同時に外側をローラーで伸ばすという方法なのです。この時難しいのがローラーの角度。パイプに対してローラーの角度が浅すぎると伸び幅が安定せず、厚みがバラバラになる角度が深過ぎるとパイプに傷がつく!長年の試行錯誤の末たどりついたのがローラー角20度ジャストなのだそうです!

新日鐵住金ご自慢のシームレスパイプは、世界各国で売れまくり!
シームレスパイプでがっちりですね!

儲かる「パイプ」!「紙管」でがっちり!

儲かる『パイプ』ビジネス!
続いてやってきたのは茨城県土浦市にある「三協紙業株式会社」。
すごく儲かっているパイプを作っているって聞いたのですが。

山口さん:それは、紙管のことですね。

工場長の山口さんによると作っているのは『紙』でできたパイプ。「紙管」!
紙のパイプというと…実際の製品を見せてもらうと、そこには大小様々な紙のパイプが!ん見た事があるものもかなりありました。

スタッフ:これは、セロハンテープですか?
山口さん:そうですね、セロハンテープの一番内側の部分ですね。紙の部分を紙管といいます。コロコロの中の部分もそうです。

そう、三協紙業はセロハンテープや食品用のラップの芯。さらに誰もが一度は手にする卒業証書入れまで、およそ600種類の紙管を作ってがっちりな会社なのです。それにしても何故わざわざ柔らかい紙でパイプを作るのでしょう?

山口さん:紙は、非常にコストが安いという事。それから軽いという特徴があるからです。

そう、軽くて安くてリサイクルがしやすいのが紙の魅力。しかも柔らかいかと思いきや、体重110キロのスタッフが乗っても潰れない。一体どうしたら紙をこんなに固くできるのか?

秘密は作り方にあるというのでラップの芯を作る工程を見せていただくことに。材料は紙のパイプ専用の紙『紙管原紙』。この紙、普通の紙よりも繊維同士が複雑に絡まっているため破れにくくなっています。そして紙のパイプを固くするのに欠かせないのがノリ。何枚もの紙を貼り合わせる時に特殊なノリを使うのです。ガスバーナーで乾燥させることにより強い粘着力を発揮します。この後、紙管原紙をなんと6層に微妙に角度をずらしながら重ねて巻き付けて完成です。

こうして固い紙のパイプが完成するわけですが、そこには不可欠の職人技がありました!勤務歴34年の佐倉さん。現在何をしているのですか?

佐倉さん:のりの塗布量を手の感覚で確かめています。

指先の感覚だけでのりの量を確認。多すぎても少なすぎても固いパイプは作れないそうです。そして紙管原紙のロールが途切れそうになると佐倉さんのスゴ技炸裂!

山口さん:ロールが2千メートル位しかないので次のロールにつながないと機械を止めなきゃなりません。

途切れるロールの端をギリギリでつかまえ、新しいロールの先端にテープで繋ぎ、さらに余った部分を切り取る!1秒掛からない世界。まさに目にも止まらぬスゴ技です。
そんな職人さんの腕にも支えられ三協紙業で生み出される紙管の売り上げは31億円!こりゃスゴイ。三協紙業は紙管でがっちりですね!

▼スタジオでお話を伺いました。
進藤:今後儲かりそうな「パイプ」は何ですか?

森永さん:「マグマ発電用」のパイプです。今の地下発電は熱い水蒸気を目標に地下を掘っていくんですけど、実はその下にマグマがあるんです。その近くまで、掘り進めて熱くなっている岩に水を通せばそのまま熱い水蒸気が出て発電に繋げることができるんです。

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