過去の放送内容
2013年3月24日放送
特集
儲かるクッションビジネス!
ゲスト
森永卓郎さん 森三中さん
番組内容
今回のがっちりマンデーは「クッション」。
実は私たちの生活にクッションは絶対に欠かせない存在なのです!
冷蔵庫の扉にも靴底にも車のバンパーもクッション!
私たちの日常生活をいつの間にか支えているのがクッション!
そこで、今回は知られざるクッション業界のヒミツに迫ります!
100億円を売り上げるクッションとは?
私たちの生活に一番なくてはならないクッションと言えば・・・
そう!布団やマットレス!
そんな必需品のマットレスが超バカ売れしている会社が、愛知県額田郡幸田町にありました。
株式会社エアウィーヴ。
出迎えてくださったのは高岡本州社長。
スタッフ:バカ売れってどれくらい売れているんですか?
高岡社長:11年度で3万枚のマットレス、12年度で15万枚ほど、5倍ぐらい!
なんと!1年で5倍に!
それでは早速、そのマットレスを見せていただきましょう。
実はそのマットレスのCMキャラクターは、浅田真央ちゃん。
最近絶好調なのも、そのマットレスのおかげ!という説もあるらしい。
で、そのマットレスが・・・
こちら!
バカ売れマットレス「エアウィーヴ」!
早速、スタッフが寝かせてもらいました。
スタッフ:結構シッカリしてますね。フワッていう感じじゃないですね。
意外と固めの感触らしい。
高岡社長:下から支えられているような、寝返りが打ちやすいんです。
スタッフ:本当だ!スッと押してくれる感じがしますね。
そう!このエアウィーブは、かつて業界を席巻した低反発マットレスの逆をいく高反発がウリ!
その秘密が?
スタッフ:ウレタンとかじゃないんですね?
高岡社長:ウレタンではないです。ポリエチレンという樹脂を固めて、それが固まって自由自在に反発します!
高反発の訳は、ポリエチレン樹脂が複雑に編みこまれたクッション材だから。
普通のウレタンは鉄球を落とすと沈んじゃいますが、エアウィーヴは・・・
沈むことなく跳ねる!
この反発力のおかげで、横になっても沈み過ぎず寝返りが楽に打てる。
だから「朝起きた時に疲れが取れてる!」と、評判になってオリンピックのアスリートたちがこぞってエアウィーヴを使用!
それがまた話題になって人気に火が付いたってワケ。
ところでこの会社、大ヒットを出すまでの歴史がちょっと変わってるんです。
スタッフ:ずっとマットレスを作っている会社なんですか?
高岡社長:違いますね!今から約6年ぐらい前からこのエアウィーヴを作り出しまして、それまでは機械をつくる、漁網とか釣り糸みたいな細い糸を成型する機械をつくっていました!
なんと6年前までは漁師さんのアミや釣り糸を作る機械を作ってた。
その釣り糸を作る機械を改良して、エアウイーヴのクッション材を開発したんだとか。
でも釣り糸からクッション材ってよく思いつきましたね?
高岡社長:元々機械の調整段階で糸を漁網とか釣り糸にする訳です。それが調整段階でこういう風に固まるんです!
絡まった釣り糸を見て、「こりゃ良いクッション材が出来るかも!」と、思ったのがきっかけなんだとか。
その作り方を見せてもらうと、まず熱々に熱したポリエチレン製の糸を水の中に落とす。
すると、くしゃくしゃに丸まりながら自然に絡まり、水で冷やされ固まっていく。
このくしゃくしゃ具合で、マットレスの反発力が決まるので、糸を落としてくスピードがポイントなんだとか。
そして、水の中からどんどんエアウィーヴが押し出されてくるってワケ。
気になるお値段は、シングルタイプで6万6150円!
ちょっとお高いような気もしますが、実力は折り紙つき。
なんと!JALやANAのビジネス・ファーストクラスのフルフラットシートに採用。
さらには石川県の老舗高級旅館「加賀屋」の232室、全室で使用っていうからスゴイ!
売上げも一昨年の11億円から昨年は55億、今年はなんと!100億円を超えると見込んでる!
つまり3年で10倍の売上げ!
スマホを守るクッションとは?
続いては岐阜県美濃市にある株式会社エクシールコーポレーション。
なんでもスマホ用のスゴいクッションを開発したんだとか。
それがこの画面保護クッション!名づけて「ぷよシート」!
エクシールコーポレーション 開発営業部の川島正規部長にお話を伺いました。
川島さん:液晶画面っていうのは押した感触が得られないガラスをタッチした、そういう感触のものですので、指で押した感覚を得たいという目的で作った保護シートです。
画面にタッチではなく、キーボードを押す感覚で操作したいという人のために作られたのが「ぷよシート」。
でも、この商品の凄さは触り心地よりも、そのクッション能力!
川島さん:中に衝撃吸収ゲルが入ってるので、衝撃吸収力が凄く高い商品です。
衝撃吸収ゲルがクッションの役割をして、かなりの衝撃を加えても液晶画面を守ってくれるんだとか。
一体、どれほどのものなのか?
川島さん:ご自身の携帯で試してみてください!
スタッフ:僕の携帯ですか?!
川島さん:はい!
と、言うことでスタッフのスマホで実験してみることに!
ぷよシートを画面に貼付け、スマホを地面に置いたら上から鉄球を落とす!
果たして・・・
スタッフ:あっ!割れたっぽい!
しかし・・・
スタッフ:大丈夫だ!スゴい!
シートに跡が付いただけで、しっかりクッションしてくれてます!
さらには、金槌で叩きまくっても大丈夫!
では一体、何でこんなシートが作れたのかというと、エクシールコーポレーションは、もともと家具の転倒防止のためのクッション材などを作ってた会社。
このクッション材は、ウレタンゲルと呼ばれ、極めてエネルギー吸収性が高く、受けた衝撃を一瞬で分散させることができる。
これをスマホの画面保護シートに採用したってワケ。
発売は昨年の春、絶好調のスマホブームに乗っかってがっちりなんです!
世界シェア80%のクッションとは?
兵庫県明石市に世界シェア80%を誇る"あるクッション"を作っているシバタ工業株式会社がありました。
その製品が、このかなり大きめの黒くて曲がったゴムのようなものらしいのですが・・・
一体、何のクッションなのでしょうか?
シバタ工業 商品企画の鎌田浩也課長にお聞きしました。
鎌田さん:タグボート用のクッション材になります。船を押すためのタグボートの大きな力をクッションで受け止める役目をする製品です。
そう!港で小回りの利かない大きな船を直接押して、接岸させたりするタグボートの防舷材と呼ばれる部分のゴムを作って世界No.1なのがシバタ工業なのです!
特別に作っているところを見せてもらうことに。
まずは特殊なゴム作り、タグボートのクッション防舷材で一番大事なのが・・・
鎌田さん:耐久性と強度が非常に重要とされています。
タグボートの防舷材に一番必要なのは、スゴい圧力がかかっても絶対に割れたりしない硬さと、力が抜けた時にすぐに元通りになるゴムの柔軟性。
そんなゴムにするため、ヒミツのレシピで薬品を投入する。
この特殊なゴムがシバタ工業にしか作れないってことらしい。
加工しやすいようシート状に伸ばしたら、手作業でゴムを貼り付けていく。
この棒状のゴムを船の舳先の形に合わせて曲げていくらしい。
では、タグボートのクッション、防舷材がどの様に活躍しているのか、実際のお仕事現場を見せていただきました!
コンテナ船の向きを変えるため船を押す!
あれ?防舷材の前にはタイヤが・・・
もしかしてこれがあれば防舷材がなくても大丈夫なのでは?
早駒運輸株式会社の岡本大介船長にお聞きしました。
岡本さん:防舷材だけだと硬いんで跳ねてしまうんです。もう一つ軟らかいゴムとしてタイヤを付けているんです。
まずはタイヤで柔らかくタッチする。これは相手の船を傷つけないための配慮なんだとか。
スゴイ圧力を受け止めているのはやはり防舷材なのです!
シバタ工業は船の防舷材だけでなく、接岸するとき用の岸側につけた防舷材でも業界トップクラス!
さらにはこんな形をした防舷材も!
どんな時に使うクッションかわかります?
実は、タンカーが2隻並んで原油を積み替える時などに、接触を防止するための防舷材。
そんなシバタ工業は防舷材だけで年間35億円の売上げ!
世界初のスゴいクッションとは?
続いては、何でも世界初の技術でスゴいクッションを開発した会社があるってことで、神奈川県大和市の株式会社静科へ。
早速、クッションを作っているところを見せていただきました。
緑のスポンジみたいなのが材料のようですが、一体何のクッションなんでしょうか?
高橋俊二専務にお聞きしました。
高橋さん:音を静かにさせるためのクッション材を、ハニカム構造体の中に入れて出来た世界初の防音パネルになります!
世界初!ハニカム構造を採用した防音パネル!
名づけて「一人静」。
ポイントは音を吸い込むためのクッション材。
実は街の花屋さんでよく見かける吸水用のスポンジなのです。
高橋さん:吸水スポンジは水を吸うために無数な迷路の様な細かいミクロの穴が空いているんですけど、実はそこが水を入れなければ空洞になるので、音がその中で迷って静かになるのには持ってこいなんです!
従来の防音材には、ウレタンやグラスウールなどが使われていましたが、それよりもこのスポンジ、空洞のきめが細かく吸音性に優れているらしい。
これをハニカム構造の紙に押し込むことで、強度と防音性を併せ持つパネルが出来上がるってワケ。
この性能が最大に生かされるのが床置きタイプ。
「一人静」は頑丈なので、上で飛び跳ねてもぜんぜん大丈夫!
2階の音がうるさいのって大迷惑ですよね?
そこで、そのままの状態で飛び跳ねるのと、「一人静」を敷いた状態で飛び跳ねるのではどれほど差があるのか比べてみました。
すると、「一人静」を敷いた状態ではかなり音が小さくなった!
さらに材料の吸水スポンジは低い音を吸収するのが大得意。
「一人静」の防音性を、低周波発生装置を使って検証しました!
すると、ほぼノイズのカットに成功!
では、この「一人静」の一番のお得意様は?
高橋さん:基本的に工場に納めることが多いですね。機械音の対策や環境対策が多いです。
パネルにして使えるので、機械をすっぽり包んで防音!なんてことができる。
現在フル回転で増産中!ってことは・・・
高橋さん:がっちりです!