過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2012年11月18日放送

特集

せまい業界シリーズ第14弾 ボタン業界!

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、矢口真里さん

番組内容

今回のがっちりマンデーは、せまい業界シリーズ第14弾!「ボタン業界」。
日々の暮らしの中で押さずには生きていけないボタン!
ということは儲かっているに違いない!
そこで!今回は、「ボタン業界」のヒミツを探ります!

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タクト式ボタンでがっちり!

儲かるボタンを求めて、まずやって来たのは東京大田区にあるアルプス電気株式会社。
出迎えてくれたのは、営業企画部の今村夏子さん。
では一体、こちらではどんなボタンを扱っているのでしょうか?

今村さん:ウチはこのボタンを作ってます!こんなに薄いのにボタンなんです!

こちら、普段直接目にすることはありませんが、色んな機械の中に入ってる「タクト式ボタン」!
例えば冷蔵庫や洗濯機、温水洗浄便座や体重計、携帯ゲーム機などに使われてる。

中にはいってるのは、アルプス電気!
なんと!ボタンの種類は実に600以上!その年間売上は2689億円と業界No.1!
では一体、何でアルプス電気のボタンはそんなに売れてるでしょうか?

今村さん:1日10000回押しても10年は持つボタンです!

そう!アルプス電気のボタンはとにかく壊れにくい!
丈夫なボタンを追求するため、何万回にも及ぶ過酷な耐久テストが行われるのです。
そこで、ボタン品質管理一筋10年の森静江さんにお話を伺いました。

森さん:やはり世界一だと思ってます!自信をもって!

とにかく種類が多く、カタログにはもちろんずら〜っとボタン!
例えば携帯電話のボタン「SKRW」に50万サイクルって書いてあるのは、50万回押しても大丈夫ですよって意味なんです!
携帯ゲーム機に使われる「SKRR」に至っては、驚きの500万回保証!
毎日1000回連打しても13年は壊れない。
そんなスゴいボタンを一体どうやって作っているのか?
そのヒミツを探るべく、アルプス電気 角田工場へ。
案内してくださったのは、坂本二三生工場長。

坂本さん:こちらがゲーム機のボタンを作ってる機械です。いかに早く作るかが我々のポイントになっています。

皆さんも良くご存知の携帯ゲーム機に入ってるボタンは、なんと!年間10億個も作っているんです。
アルプス電気ではこれまで様々なボタンを1200億個も生産してきた!!
そんなボタン作りのこだわりは何なのでしょうか?

坂本さん:フィーリングや感触、いかに気持ちのいい押し方ができるか?この2つが大きいと思います。

そう!アルプス電気ではボタンの「押し心地」を徹底研究!
電化製品のボタン毎に大体どれくらいの押し心地が調度いいのかを調べまくってる!
押す力の単位、1ニュートンはおよそ98gのイメージ。

例えば、携帯電話のここのボタンが1.6ニュートン、横に着いてるボタンはポケットの中で押しちゃわない様、ちょっと重めの3.5ニュートン、携帯ゲーム機のボタンは、子どもでもシッカリ押せるように軽めの1ニュートンといった具合に使うところに合わせて違う押し心地を提供!

坂本さん:もっと軽い方が良い、もっと重たい方が良いというのは、メーカーさんによって違いますので、それぞれに全部合わせ込んでます!

全く同じ形状のボタンでも、メーカーの好みによって、微妙に押す重さを作り分けているんだとか!
さらに、ボタンによって、微妙に押した時の音も違う!
もちろんこれもメーカーからのオーダーに対応したもの。

音の大きさを決めるのは、ボタンの中にあるこれ!
板バネの厚さ!
板バネの所を厚くすると重い音が、反対に薄くすると軽い音が、さらに板バネをゴムに変えると音が出ないんです。
工場長いわく、音に一番うるさいのは自動車メーカー。
静かな車を目指す国産メーカーは音無しを求め、逆に海外メーカーは低い重厚感のある音を欲しがるんだとか。

券売機のボタンでがっちり!

儲かるボタン業界、続いてやって来たのはネッツエスアイ東洋株式会社。
一体、どんなボタンを作っているのでしょうか?
ネッツエスアイ東洋株式会社 事業部長代理の畠山昌浩さんにお聞きしました。

畠山さん:ウチはこのボタンでがっちり儲けてます!

そう!こちらで作っているのは券売機!
ネッツエスアイ東洋は、食券から利用券、入場券など、とにかく色んな券売機のボタンを作っている会社。

畠山さん:牛めしで有名な松屋さんの券売機は全て私どもが提供させて頂いてます!

特に食券のボタンでがっちり稼いで、年間売上は約10億円!
そんなネッツエスアイ東洋のボタンには、券売機ならではのスゴいこだわりが!
ネッツエスアイ東洋 技術マネージャーの大月勇治さんにお聞きしました。

大月さん:このボタンは真ん中だけではなく、どこを押しても確実に反応します!

そう!どこを押しても確実に反応する!そのためにチョッとした仕掛けがあるんだとか!
それは・・・

ちょっとだけ角度を付けてセリ出させてる!
これはテコの原理で、どこを押しても反応するための工夫。
券売機のボタンは、いかに消費者が押しやすいかがポイントなのです!
さらにこの角度にはもう一つ理由が・・・

大月さん:ボタンに角度をつけないと下の方が視認性が悪くなるんです。

メニューが見にくいと、お客さんは押してくれない!券売機としては致命的!
でも、あまり角度をつけすぎると、今度は照明に反射して見えにくくなる。
ということで、試行錯誤を繰り返し、やっと見つけた調度いい角度が・・・

大月さん:13.5度になっております!それがピッタリでした!

13.5度というベストな角度に行き着いた!
さらに・・・

大月さん:メニューとメニューを離したい時にダミーブロックを配置できます!

そう!メニューを見やすくするためダミーブロックというものがある!
これで、ボタンがたくさんあってもメニューが探しやすくなる。
券売機のボタンは、とにかく見やすくして、お客さんにいかに「たくさん」押してもらえるかが勝負!

エレベーターのボタンでがっちり!

儲かるボタン業界、続いてやって来たのは、大田区蒲田にある株式会社オリエンタル工芸社。
出迎えてくださったのは、オリエンタル工芸社 杉本享社長。
一体、ここではどんなボタンが作られているのでしょうか?

杉本社長:エレベーターの押しボタンを作ってます。

そう!オリエンタル工芸社が作っているのはエレベーターのボタン!
丸いボタンや四角いボタンなど、色んなエレベーターのボタンで年商は約2億円。
そんなオリエンタル工芸社のこだわりは?

杉本社長:やっぱり乗り心地より押し心地!エレベーターってそういうものですから。

「乗り心地よりも押し心地」をモットーに、ボタン作りは全て職人さんによる手作業!
この時、重要になってくるのが?

杉本社長:ほとんどのボタンは0.5mm〜0.7mmぐらいにしてますね。

それは、ボタンのストローク!
0.5mm〜0.7mmの間に設定している。

杉本社長:人間が押して一番気持ちの良いストロークがそれくらい。

さらに、0.5mm〜0.7mmにはもうひとつ理由が!
エレベーターといえば、ワイヤーに吊るされた箱。
ボタンにストロークが無いと、人が乗り降りする時に揺れて、スイッチONなんてことに!
そこで、あえて隙間を持たせて誤作動しないように揺れから守っているのです。
さらに杉本社長は、新しいボタンにも次々と挑戦!!
それが・・・

業界の常識を打ち破る、8cm×8cmの超ドデカボタン!
これが、病院や福祉施設で「見やすい」「押しやすい」と評判に!
しかもこれ、ただ大きいだけじゃなく、目の不自由な方でもボタンを押したことがわかるように大きな音まで付けたのです。
その他にも「足で踏む」ボタンや青や緑のLEDを使ったボタンなど、新作を続々リリース!
そして、最近のお気に入りが・・・

こちら!
完全防水ボタン。

杉本社長:水の中にずっと入れっぱなしでも、1年間2年間入れてても大丈夫!

実はこれ、料理の湯気で結露が溜まっちゃう配膳用エレベーターのボタンとして大活躍。
そんな杉本社長のボタンへの飽くなき挑戦はまだまだ続きます!

電気のオンオフボタンでがっちり!

儲かるボタンを求めて次にやって来たのは、パナソニック株式会社。
出迎えてくださったのは、パナソニック株式会社 パワー機器ビジネスユニットの岡村幸彦さん。
早速、お話をお聞きすると・・・

岡村さん:待ってました!ウチの社員研修でWBSとがっちりマンデーは見るように言われてまして、本当に楽しみにしてました!こちらでは照明用のスイッチを作ってます!

パナソニックといえば、元々「電球用ソケット」に代表される家の配線器具を作ってきた会社。

昭和13年に発売した、初の照明用ボタン「埋込トクトルスイッチ」は、日本中のご家庭にバカ売れ!
以来、電気の「オンオフ業界」では、ずっとダントツナンバーワンを守り続ける、まさに業界のキングなのです!
日本国内にあるパナソニックのボタンの数は・・・

岡村さん:大体10億個ぐらいが付いてるんじゃないですかね?

なんと!国内だけでも10億個!
では、そんなに売れているボタンの秘密ってなんなのでしょうか?

岡村さん:このサイズというのが、規格で決まってます!ですから我々はこの中で色んな変化や良さを出しています。

実は照明用ボタンは、枠のサイズが規格で決まってる。

7×12cmの小さなタイプと、12×12cmの大きなタイプの2種類。
昔は各メーカーが好き勝手に色んな大きさで作ってましたが、枠のサイズを同じにしてドンドン取り換えできるようにしたってワケ。

岡村さん:この狭い中で熾烈な戦いをしているんです。

そんな小さな戦場でパナソニックが革命的な新商品を生み出したんです!

岡村さん:操作する面を大きくしています!大きくすることによって、色んな機能的な商品を入れることができてます。

そう!かつては小さかった電源のボタンを2000年に一新!
ドデカボタン「コスモシリーズ」を発表!
すると、ボタンが大きくて「押しやすい」「見つけやすい」とたちまち大人気に!
しかも、ボタンが大きくなることで、新たなビジネスチャンスも生まれたんだとか・・・

岡村さん:「とったらリモコン」と言いまして、取ったらリモコンになります!
他にも人が近づくと勝手に明りが付く「かってにスイッチ」や、ボタンを開けたらタイマーが出てくる「あけたらタイマー」などなど、照明ボタンの可能性をどんどん拡大!
そして、パナソニックのボタンは海外でも大人気。

岡村さん:これサウジアラビアに出してますけどキンキラのものが好まれますね。やっぱりオイルマネーということで!

お国にあわせて様々なカタチでがっちり儲けてる!

例えば、タイではレンガ作りの家が多いため、レンガを1つ外して付けられる横型ボタンが好まれ、ベトナムでは1個の枠にボタンを詰め込めるだけ詰め込んだ欲張りタイプが大人気。
そしてインドでは、ボタンとコンセントをなぜかセットにしたタイプが人気。
そんなパナソニックのボタンは、これからも世界中でもっともっと押されまくりそうです!

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