過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2012年4月1日放送

特集

おらが県こそNo.1 第7弾!『和歌山県』

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、HIROさん(安田大サーカス)

番組内容

今日のがっちりマンデーは、おらが県こそNo.1第7弾!「和歌山県」
なんだか地味な印象で、凄いモノなど無さそうな県にも、実は日本一がたくさんある!
そこで!今回は、和歌山県が誇る"日本一の産業"を紹介いたします!

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備長炭

和歌山県の日本一情報を求めてスタッフが向かったのは和歌山県庁。
企業振興課の宮崎泉課長に、和歌山県に日本一のものがあるのか伺いました。

宮崎さん:世界一のものがあります!

というわけで、和歌山が日本一、いや世界一のものがあるという場所へ向かう事に。
迎えてくれたのは、紀州炭工房の辻恒治社長。

スタッフ:こちらで和歌山が日本一のものを作ってるって聞いたんですけど?
辻社長:はい。備長炭です!

備長炭といえば、うなぎ屋さんや焼鳥屋さんが使ってるアレ!
でも、そもそも備長炭って、どんな炭でしたっけ? 辻社長にお話を伺いました。

辻社長:簡単に言いますと、ウバメガシや樫の木を使った、釜の外で火を消した炭を備長炭といいます。

でも、どうして和歌山県でそんなに備長炭ができるようになったんでしょうか?

辻社長:こういう木は和歌山県の紀伊半島に、すごくたくさん自生しているからです。

古くから和歌山県に自生していた、このウバメガシの木。

しかし、その多くが潮風や砂に打たれて、幹はグニャグニャに育っていました。
なので、家具や建築資材としてはイマイチ使いづらかったんです。
そこで江戸時代、苦肉の策で思いついたのが、「炭を作る」という作戦。これが大当たり!
では、この備長炭、どうやって作っているんでしょうか?

まずは、工房にある直径4メートルの巨大釜に原料となる木を入れます。
釜の入り口で火を焚いて、蒸し焼きに!

中の温度は250〜300℃。いわば、超高温のサウナ状態!

ある程度、木の水分が抜けたら、「ネラシ」と呼ばれる2度焼きの作業。
ここで難しいのが釜の中の温度調整!
焼きすぎると炭化してボロボロに、焼きが足りないと空洞ができて、出来の悪い炭になってしまいます。
中がみえない釜の温度調整は、煙の色や香りが頼り。
白い煙の色が無色に近づいてくと、中の木の炭化が順調に進んでいるサインなんだとか。
良い炭と呼ばれるものは、固く引き締まった火持ちがするもの。
こうして完成した良質な備長炭は、微妙な温度調整がしやすい!
だから、火加減が大切なうなぎ屋さんや焼鳥屋さんで重宝されているんです!
今や備長炭は2位の高知県に2倍以上の差をつける、堂々の日本一にして世界一に君臨しています!

麻雀パイ

続いて向かったのは、県中西部の御坊市にある大洋化学(株)という会社。
迎えてくれたのは、経営企画グループの松山弘樹さん。
こちらでは、一体何を作っているのでしょうか。

松山さん:麻雀パイです!多分、日本一です!

最近調べてないらしいですが、おそらく今も、大洋化学が麻雀パイの圧倒的なシェアNo.1メーカー。
でも、和歌山県とマージャンって、正直全く結びつかないんですが…。
松山さんにお話を伺いました。

松山さん:この麻雀パイの元になる原材料は、プラスチックの一種であります「ユリア樹脂」っていう樹脂なんですけど、最初はそれを使って、衣服のボタンを作っていたんです。

そもそも、この御坊市周辺は、大正時代からボタンの製造が盛んな地域でした。
大洋化学でも1954年の創業当初は、「ユリア樹脂」というプラスチックを使い、衣服のボタンを作っていました。
しかし、毎日毎日ボタンばかり作っていても儲からない。
何かこの「ユリア樹脂」で他のものを作れないかと考え、目をつけたのが、当時流行の兆しのあった麻雀パイ!
元々、麻雀パイの材料は、象牙と竹。でもこれ、けっこう傷がつきやすかったんです!
そんな中、1963年に発売された「ユリア樹脂」製の麻雀牌は、丈夫で長持ち!
一気に、業界のスタンダードになっていったのです。
では、その「ユリア樹脂」製の麻雀パイ、どのようにして作られているんでしょうか?
原料となるのは粉末の「ユリア樹脂」。

まず背の部分となる青い粉を型に入れセット。

「ユリア樹脂」に熱と圧力を加え固めます。
そして、いったん型から外し、真ん中に磁石をセットします!

これ、現在、主流の「全自動麻雀卓」で、パイをひっくり返すためのパーツ。
さらに、麻雀パイの表面になる白い粉を上にかぶせ…

先程と同じく熱と圧を加え、型から抜けば、色白の麻雀パイが!
後は、ひとつずつ手作業で色付け。

にじんではみ出した部分をふき取ると、完成!
大洋化学の麻雀関連商品の売り上げは、昨年でも37億円なんだそうです!

たわし

県の北西部にある、海南市に、和歌山県が全国に誇る日本一の産業があるとのこと。
情報をもとにやってきたのは、髙田耕造商店。
迎えてくれたのは、髙田耕造商店・髙田英生社長。
こちらで作っている和歌山県が日本一のものを伺いました。

髙田社長:たわしです。恐らく国内シェアNo.1です!

そう、ここ和歌山県は大正時代から日本のたわし製造を牽引。
これも最近調査してないので断言はできないそうですが、スポンジや化学繊維のものも含めた、日本のたわしの8割をここ海南市が作っているんだとか。
でも、どうして和歌山県でたわしなんでしょうか?

髙田社長:たわしの原料となる貴重な「シュロ皮」が多く採れるんですよ!

和歌山県は気候が温暖で、斜面が多く水はけが良いため、たわしの原料となる良質なシュロの木がよく育つ!
ここで、その「シュロ皮」を使った、たわし作りを拝見!
まず、網状になっているシュロの木の皮を、

毛さばき機を使ってまっすぐに!
続いては、「シュロ皮」を50枚ほど束ねて裁断!

そして、束ねたシュロ皮をキレイにセットして、ねじる!

ドンドンたわしっぽくなってきたところで…

髙田社長:これを、こういうふうにして(U字に曲げて)、これで完成です

このような上質なたわしを作ることで、この辺りのたわし産業が発達!
それに伴い、自然と周囲にバス用品や洗濯用品などの家庭生活用品を扱う会社が急増!
海南市は年間売上げ516億円という、一大水回りゴシゴシ地域へと発展したのです!
今や貴重となりつつあるシュロの木の皮。
これまた貴重な凄腕の皮むき職人さんがいるとのことで山間部へ行ってみる事に!
迎えてくれたのは、「シュロ皮」剥いて半世紀以上!大久保政美さん、御年84歳!
軽い足取りで山道をスイスイのぼって行く大久保さん。
ここで大久保さん、突然歩みを止め、上を確認。どうやら、シュロの木を見つけたようです!
すると、木の棒を斜面に突き刺し固定して木と結びつけ、その棒を足場にしてシュロの皮をはぎ始めました!

安定した姿勢で、皮を次々とはいでいく大久保さん!いやはや御見それしました!
「シュロ皮」のたわしを武器にした髙田耕造商店の昨年の売上げは、3億円なんだそう!

梅干し

和歌山県のNo.1を求めて、県の南西部に位置するみなべ町へ。
迎えてくれたのは、(株)紀州ほそ川の細川清社長。
さっそく日本一のものを聞いてみました。

細川さん:梅干しです!和歌山県は梅干しが日本一なんです!

そう和歌山県といえばやっぱり紀州南高梅!
梅の収穫量は、2位の群馬県を10倍近く引き離しダントツ!

でもなんでここまで梅がスゴいのか。
話は江戸時代まで遡ります。
元々和歌山県は斜面が多く、平坦な土地が少なかったため、お米があまり獲れなかった。
そこで、当時の紀州藩の役人だった、安藤直次が、「年貢、米じゃなくて梅でもいいよ!」と、斜面でも育ちやすい梅での年貢をオッケーにしたんです!
というわけで、次々と梅の木が植えられていったってわけ。
それでは、年間700トンを出荷する、紀州ほそ川の梅干作りを拝見!
まずは、梅を塩に3か月以上漬け込みます。
続いて、まだしょっぱいだけの梅を、4日程天日干し!梅の肉の旨みを凝縮させます。
そして、大事なのが「返し」と呼ばれる作業。
今、表になっている部分をひっくり返し、裏側にもまんべんなく日光を当てる。

適当にひっくり返すと、梅同士がぶつかったり、容器にくっついたりして傷が付き、商品価値は半減。けっこう難しい作業なんです!
その後、「大きさの選別」や「漬け込み」といった工程を経て、作業は終了!
昨年の売上げ7億円って、梅干だけでご立派です!

蚊取り線香

和歌山県が誇る日本一のラストを飾るべく、県の北西部、有田市の山間の町の工場へ。
迎えてくれたのは、大日本除虫菊株式会社紀州工場の工場長・和田智さん。
さっそく、何が日本一なのか聞いてみました。

和田さん:蚊取り線香です!和歌山県は蚊取り線香が日本一です!

キンチョーブランドでおなじみ、大日本除虫菊株式会社。
実は、金鳥の蚊取線香は、全部和歌山県内で作っています!
だから、蚊取り線香生産のNo.1ってワケ!
しかし、どうして、わざわざ和歌山県で作るのか、和田さんに伺いました。

和田さん:私どもの創業者が和歌山県出身だったからです。

そう、金鳥の蚊取り線香を和歌山で作るのは、金鳥の創業者、上山英一郎さんが、和歌山の出身だったから!
1880年代中頃、英一郎氏は、当時のアメリカで、ノミ取り用に使われていた除虫菊と出会い、その種を譲り受け、日本に持ち帰ります。
そして、和歌山県にある実家の庭に種をまいて、蚊取り線香の生産を始めたのです。
こうして、1902年。世界初の渦巻き型蚊取り線香は、「和歌山県」で産声をあげます。
すると、これが、またたく間に大ヒット!
和歌山が生んだ超ロングセラー商品となったのです!
それでは、蚊取り線香の製造過程を見せていただきましょう。
ベルトコンベアに載った緑色の物体を一気に打ち抜き渦巻き型へ!

あれ?意外と単純作業では!? しかし!大変なのはここから!
打ち抜いた渦巻きを2日間かけて乾燥させます。
そして、一枚ずつ乾かしていた蚊取り線香を、女性たちが手作業であっという間に揃えちゃう!

しかも、ただ揃えているだけじゃないんです!
よーく見ると、なぜか拾われなかったものが…。
実はこれ、たまにどうしても出ちゃう、欠けたり歪んだりしている不良品。
それを、すごいスピードで線香を拾いながら、チェックしちゃうっていうから、スゴイ!
渦巻き型をしている蚊取り線香は、機械が不良部分を読み取るのが難しいため、ここで長年働いている熟練の女性たちによる、手作業じゃないとダメなんだとか。
紀州工場の凄腕マダムがチェックするのは、一時間に1人平均5000枚!
1日にすると3万枚!
スーパーマダムたちに支えられ、約120億円と言われる蚊取り線香市場で、キンチョーが占めるシェアはなんと7割!

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