過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2012年2月26日放送

特集

学研

ゲスト

(株)学研ホールディングス代表取締役社長 宮原博昭さん

番組内容

がっちりマンデー!今回のテーマは、「学研」!
学研といえば「科学」と「学習」が有名で、お勉強メインの地味なイメージですが、実は今、スゴク儲かっているんです!
そこで!今回は、大ヒットを連発する学研のヒミツに迫ります!

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図鑑作りの現場に潜入!

今、出版業界で静かにアツイ分野、それは・・・「図鑑」!

各出版社の図鑑の発行部数は合計で163万冊!
これは、なんと!前年比66%増!
その原動力となったのが学研なんです。
図鑑でお馴染みの学研が、とある大ヒットを生み出したのです。
そこで、図鑑・百科編集室 室長の松下清さんにお話を伺いました。

松下さん:テーマ図鑑です。

そう!テーマ図鑑!昆虫や宇宙といった従来のジャンル別ではなく、新しい切り口のテーマでまとめた図鑑のこと。

例えば、走るスピードなど様々なジャンルの1番ばかりをテーマにした「いちばん!の図鑑」や、クモはなぜ自分が作った巣に引っかからないのか?など素朴な疑問ばかりを集めた「ひみつの図鑑」。
なかでも昨年大ヒットしたのが、ジャイアントパンダやウナギ、ヒマワリなど、生物の一生を知る事ができる「一生の図鑑」。
この様な目新しさと斬新な切り口が大当たり!
なんと!この3冊だけで合計売上げは6億円を突破!

そこで、図鑑作りの現場を見せていただこうと、図鑑・百科編集室へお邪魔しました。
まずお話を伺ったのは、図鑑・百科編集室の里中正紀さん。

スタッフ:今、何をされているんですか?
里中さん:コガネムシの図鑑を作ってます。カブトムシとクワガタムシを含めたコガネムシ上科というんですが、そのグループの図鑑を作っています。

そう!ムシの図鑑のコガネムシのページではなく、コガネムシの仲間だけで1冊の図鑑を作ってるんです。
そんな里中さんの図鑑作りのお仕事は、監修の教授と何を載せるかを打ち合わせし、写真を集めたらライターと図鑑に掲載される文章を決めるという気の遠くなるような作業。
もし必要な写真が手に入らなければ、自ら撮影に出かけることもあるのだとか。

里中さん:以前、クロツバメシジミって蝶を撮りに行った際に崖を登っていたんですが、スズメバチ3種、オオスズメバチ・キイロスズメバチ・クロスズメバチに襲われたんですよ。

するとデスクの中から、里中さんが過去に手がけた図鑑が・・・

スタッフ:蛾って書いてありますよ。蛾の図鑑もあるんですか?
里中さん:この一冊で900種類くらい載ってます。もう一冊の方が・・・
スタッフ:もう一冊?
里中さん:2冊あります!

日本産蛾類標準図鑑I・II巻、お値段はなんと!一冊2万5000円(税込み)!
2巻セットだと5万円!
一体、誰が買うのでしょうか?

里中さん:だいたい研究者が買いますね、それから図書館が買いますね。あとは環境アセスの会社が買いますね。
スタッフ:環境アセスって何ですか?
里中さん:公共事業をやるときに工事をしますよね、そこで工事現場の環境をアセスメント(査定)しなきゃならない。そういう会社は、ここで何が捕れましたっていう報告書を作っていって、どういう種類の蛾がいましたって報告書を作るときに必需品って言えば必需品になりますね。

意外と全国の専門家や業者に人気の蛾図鑑。
これまでにI・II巻セットで1000部を販売!

スタッフ:コガネムシの次はどんなのを狙ってるんですか?
里中さん:次はですね、蛾の続編ですね。まだいっぱいいますので。

人気雑誌を作る編集部とは?

さて、学研の儲かりの柱は図鑑だけじゃない!

こちら、2011年の書籍売上年間ランキングベスト10を見てみると、学研の本がなんと3冊もランクイン!
なんで学研はこんなにベストセラーが作れるのでしょうか?
営業推進副本部長の福山通彦さんにお話を伺いました。

福山さん:雑誌の中の特集ページですね。

昨年大ヒットした「カーヴィーダンス」をはじめとする三冊も学研!
実はダイエット専門雑誌「FYTTE」の特集から誕生した本なのです。
学研の雑誌は他の出版社と比べると、テーマが独特でちょっとマニアック。
例えば、超常現象好きだけを相手にした雑誌「ムー」や、家庭菜園ファンだけに向けた専門雑誌「野菜だより」など、かなり絞り込まれているので独自の情報を提供でき、その道のファンから根強い支持を得てるってワケ。

ということで、いよいよ雑誌編集部へ!
まずはBOMB編集部 統括編集長の石井大輔さんにお話を伺いました。

スタッフ:どんな雑誌を担当しているんですか?
石井さん:「BOMB」という完全アイドル雑誌です。

今年創刊32周年を迎えるロングセラー雑誌「BOMB」!

スタッフ:アイドルは好きなんですか?
石井さん:逆に聞きたい!嫌いな人いるんですか?そう思ってやってます。好きだから、何千枚も撮った写真の中から、どれが一番カワイイかを徹夜して選ぶみたいなこともできるんです。

この道一筋15年!毎日毎日アイドルの水着姿を見てきた結果、今や服の上からでもブラジャーのサイズを見抜けるようになったのです!

続いてお邪魔したのは、アニメ専門雑誌「アニメディア」の編集部。
まずはアニメディア編集長の吉岡勇さんにお話を伺いました。

吉岡さん:「アニメディア」というアニメの情報とキャラクターを紹介する雑誌です。

創刊30年を誇るアニメ専門雑誌「アニメディア」。
季節やイベントに合わせたオリジナルの書き下ろしイラストがマニアの間では大人気!
アニメディア編集部の水野二千翔さんにお話を伺いました。
水野さんはどんなに忙しくても週に20本はアニメを観るそうで、ガンダムがきっかけでこの世界に入ったんだとか。

スタッフ:ガンダム好きの方って多いんですか?

水野さん:多いというか義務教育みたいなもので、みんな観て通ってるんですよ。特に男の子は!

続いてやって来たのは雑誌「ムー」の編集部。
「ムー」といえば心霊現象やUFOなど、数多くの超常現象を取り上げるオカルトマニアたちにとってはバイブル的存在。
早速、ムー編集部編集長の土屋俊介さんにお話をお聞きしました。

スタッフ:霊とかって見たことありますか?
土屋さん:いくつかありますよ、女の人の霊とか。

そんな土屋さんは、学研社屋に3ヵ所ある神棚の位置を決めるという大事な役割を果たしたスゴイ人。
そして、不思議雑誌「ムー」には突出したヒット企画があるんです。

土屋さん:宝くじ必勝の付録です!

そう!宝くじ特集!
くじを入れるだけで効果があると言われる付録が付いた昨年8月号は、売り出すや否や即完売という大ヒット!

読者以上の熱いスピリットとマニアックな情報を併せ持つプロの編集マンたちに支えられ学研の出版部門の売上げは、なんと325億円を突破!

学研の儲かりを支える意外なお得意様とは?

学研の隠れたベストセラー「学研まんが 日本の歴史」。
全17巻、その発行総数は、なんと累計631万部!
こんなに売れるのは、学研に不可欠なあるお得意さんの存在があるから!
それが・・・

そう!図書館!
確かにどこの学校の図書室や図書館に行っても「まんが日本の歴史」や、図鑑・辞典もある。
それらはもちろん図書館が買っているんです。
では一体、どのように売っているのでしょうか?
そこで、学校・図書館促進課 課長の小枝清裕さんに同行し、図書館への売込み現場を見せていただくことに。
向かったのは鎌倉市立第一小学校の図書館。
すると、そこには小枝さんの到着を待つ一人の男性が・・・

スタッフ:あれ?今日はお一人じゃないんですか?
小枝さん:書店さんがいないと私どもは学校に入れませんので。

図書館営業は書店さんとセットで行くのが基本のスタイル。
小枝さんたち出版社の営業担当が本の説明をして、書店さんが注文を受けるのです。
学校の通用口に車を止めた小枝さん、まずはワゴン車から箱詰めの本を次々と校舎へ運び入れます。
そして、全部を運び終えるとテーブルに次々と本の入った箱を並べはじめました。
学校の図書館で本の購入を決めるのは、多くの場合が先生たち。
先生に見てもらうため、図書館営業はサンプルを持ち込んで売り込んでいくのです。
小枝さんのこの日のオススメは「ほんとのおおきさ水族館」。
ところが・・・

スタッフ:今の売れ筋ってどの辺りなんですか?
小枝さん:今年は「トリックアート図鑑」が、部数はダントツですね。残念ながら・・・

残念?一体どういうことなんでしょうか?

スタッフ:これあかね書房って書いてますよ。
小枝さん:残念ながらウチじゃないんです。
スタッフ:これって全部が学研の本ってわけじゃないんですか?
小枝さん:じゃないんです。これは児童図書十社の会っていう会に加盟している出版社10社分の見本を持ってきてます。

そう!図書館営業の営業体制はかなり特殊。
売り込み先の学校や図書館は全国に約7000ほどあり、普通に営業していたのではとても回りきれない。
そこで考えられたのが、ライバル出版社同士が協力するという作戦。
例えば、A県が学研ならB県はあかね書房といった具合に、それぞれの出版社が担当エリアを決め、ライバル会社の本も一緒に売るのです!

スタッフ:どうですか?学研じゃない本をオススメしないといけない気持ちは?
小枝さん:まずは良い本が図書館に入るのが前提になりますので、要望が強いものはオススメしないと我々の仕事になりませんよね?
スタッフ:2冊で学研と他社でお客さんが悩んでいたら?
小枝さん:ウチです!

そして、いよいよ先生が現れ営業を開始!
この日、本を選ぶのは5年生担任の松下先生と山?先生。

スタッフ:今日はどんな本を探してますか?
松下先生:やはりイラストばかりに注目ではなく、文章を読んで自分で想像してイメージが沸くような本がいいかなと思います。

そんな先生たちが真っ先に手にしたのは、残念ながら他社の本。
しかし、小枝さん・・・

小枝さん:今だいぶ巻数出てますけど、宮西さんの絵はウルトラマンの絵もあるんですけど、今こちらになってるのが多いですね。

もちろん小枝さん!他社の本もキチンと説明!
どの学校へも持ち込む本は同じセット、営業担当は他社の本もしっかり勉強しているのです。
すると・・・

小枝さん:これも今年はよく出ますね。「ほんとのおおきさ水族館」、これ動物もあるんですけど。

さりげなく薦めた本は小枝さんイチオシの学研の図鑑。

小枝さん:観音開きになってるのがあるんですけど、もっとリアルなのが後ろにもあるんですけどシャチの口です!全容は分かるんですけど、ここの部分って分からないですよね。

説明にもついつい熱がこもります!
すると、先生たちのリアクションも上々で、無事お買い上げ決定!

スタッフ:結構、露骨に学研の本を薦めてましたよね?
小枝さん:ちゃんと均等にやってますよ。先生の話を聞いて何が欲しいかっていうのは聞いておかないといけないので、それに合ったものはウチの商品がわかりやすいですよね。

小枝さんいわく、学校の教え方のトレンドにあった上手い品揃えをするのが、図書館営業の腕の見せどころなんだとか。
結局、この日の売上げは全35種類52冊、そのうち9冊が学研の本でした!
こうした、コツコツだけど確実な図書館の売上げが学研の大きな儲かりの柱になっているのです。

▼スタジオでお聞きしました。
進藤:学研の売上げの中で図書館の占める割合というのはどれくらいですか?

宮原社長:金額的には10億下回るくらいですけれども、ただ同じ一冊を売るにしても図書館で売る一冊というのは、思い入れも違いますし、たくさんの子がその背景に控えてますからウェイトは非常に大きい形で促進しています。

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