過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2011年10月30日放送

特集

JR九州

ゲスト

九州旅客鉄道(株)代表取締役社長 唐池恒二さん

番組内容

今回のがっちりマンデー!は、3月に新幹線が全線開通した「JR九州」!
実はJR九州は鉄道だけでなく、マンションや船、野菜など斬新なアイデアを次々展開しているのです!
そこで、今回はJR九州のアイデア戦略を大公開しちゃいます!

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大人気!観光列車とは?

九州新幹線を全線開通させたJR九州。
でも、その売上げは他のJRと比べるとかなり厳しい。
元々九州は車中心の社会、あまり電車に乗らないのです。
そのため、高速道路もキチンと整備されていて、どこへ行くにも車が便利。
普段の仕事や暮らしに鉄道を使う人が少なかったのです。
そこで、「このままではヤバイ!」と、JR九州が新幹線開通のタイミングで打ち出した作戦が「乗りたくなる観光列車」!
営業部長の古宮洋一さんにお話を伺いました。

古宮さん:列車に乗ること自体が目的になってもらう、そういう列車を作るということがひとつのコンセプトです。

見た目はもちろんのこと、車内サービスも普通の通勤列車とは全く違う!
移動の手段としてだけでなく、乗ること自体が楽しい列車。すると、その列車の出発駅までも列車でやってくるハズ、という狙いなのです!

だから現在、観光列車と言われるローカル線8種類は、その殆どが九州新幹線の停車駅と直結。
つまり、観光列車目当てに、おのずと新幹線にも乗ってくれるというワケ。
観光列車の人気が高まれば、新幹線の売上げもアップ!というのを狙っているのです。
では、一体どんな列車が走っているのでしょうか?
そこで、実際に熊本駅に行ってみると、ホームに入って来たのは…

なんと!蒸気機関車「SL人吉号」!
大正11年に作られた蒸気機関車を復活させたのです!
そのコンセプトは「高級感」。
車内に入ると天井のインテリアを始め、本革のシートで作られたボックスシートに、大正ロマンの香り漂う展望室やビュッフェなど、大人心をくすぐる高級感たっぷりのつくり。
そこで、客室乗務員パーサーの相良布美子さんにお話を伺いました。

相良さん:1ヶ月前から必死に取っていただいて、ご乗車いただいている方がたくさんいます。
スタッフ:今日、平日ですけど。
相良さん:ありがたいことに満席です。

そんなSL人吉の人気サービスは?

相良さん:このSL人吉号は沿線の方々の協力がすごくある列車で、SL人吉に向かって手を振ってくださるんです。それが一番の見所かと思います。

SL人吉号が通過すると、みんなが列車に向かって手を振ってくれるんです!
これは通称「手を振レール運動」といい、訪れる観光客を楽しませようと、沿線住民の皆さんが率先して始めたものなのです。
出発から2時間、「一勝地」という駅で途中停車すると、何故かお客さんはそのままホームへ。

相良さん:こちらの駅では10分間ほど停車がございまして、ホーム市があるんです。

そう!10分間限定のホーム市!
地酒や地元の名産品を購入することができるんです。
通勤電車では考えられない10分間の停車、観光列車だからこその楽しみ方ですね。
こんな優雅なSLの旅を2時間半満喫して、運賃はたったの2570円。

続いて、鹿児島中央駅に入って来たのは…

指宿のたまて箱号!
今年の3月にデビューしたこの列車のコンセプトは、「おとぎ話の世界」。
指宿市に伝わる浦島太郎伝説がモチーフってことで…

たまて箱の煙に見立てたミストの噴射でお出迎え!
そんな指宿たまて箱号、最大のウリを客室乗務員サブチーフの小原由理枝さんにお聞きしました。

小原さん:海を向いた一人がけのベンチです。全席指定席になっております。

たった16席しかない外向きの一人シート、絶景を独り占めできるってことで大人気!
鹿児島の錦江湾沿いを走り、運賃はたったの2070円!

続いて、熊本駅に入って来たのは…

可愛いワンちゃんのイラストが入った「あそぼーい!」。
この列車のコンセプトは、「子どもが楽しめる列車」。
連日小さな子ども連れの家族で大賑わい!
人気のヒミツは、通称「ファミリー車両」と呼ばれる3号車にあります。
そこで、客室乗務員チーフの城万紀子さんにお話を伺いました。

城さん:こちら親子シートといいまして、大人の方と一緒にお子様も横並びで座って景色を楽しめる作りになっております。

親子シートは、上りでも下りでも子どもが常に窓側になるようになっている。
さらに、砂場をイメージした「木のプール」や昔話の絵本を集めた「ミニ図書館」など、子どもが退屈してしまう移動時間を、楽しく過ごせる工夫がいっぱい!
しかも、乗務員さんが子どもと一緒に遊んでくれるサービスまであり、運賃は大人2380円・小人1190円!

こうした楽しい観光列車の数々、作るのに結構お金が掛かりそうですが、作り方にも一工夫があるのです!
実は、これらの車両、内装はピッカピカでも車両自体は結構年季の入った中古車両。
車体を塗り直し、内装をリフォームしたものなのです。
こうすることで、新車両を買うよりコストをかなり抑えられる!
しかし、中古車両のリフォームにはある問題点があるそうなのです。
小倉総合車両センターの中山嘉明所長にお聞きしました。

中山所長:この車両自体が20年以上経っているので、だいぶ歪んできているんですが、そういった中でつくり付けていくので、そこが一番苦労します。

車両の強度を落とさずに、上手く作りこむのが腕の見せ所なんだとか。

こちらの観光列車「A列車で行こう」も、25年物の車両の内外装をリフォーム!
新型の観光列車として生まれ変わりました。
ちなみにリフォーム代はいくら位なのでしょうか?

中山所長:2両で1億円くらいですね。

新車だと2両4億円は越えるところを、内装リフォームだけで安く抑える!
しかも、その列車の人気がなくなったら、また新しい内装で新たな列車を作っちゃう。
観光列車の頑張りが新幹線の売上げにも貢献しているのです!

JR九州もう一つの顔とは?

九州新幹線と、観光列車が話題のJR九州ですが、実はスゴイのは鉄道だけじゃない!
そこでスタッフが伺ったのは、鹿児島本線の新宮中央駅。
出迎えてくださったのは、事業開発本部の中尾聖さん。

スタッフ:結構、いろんなことを頑張っているとお聞きしたのですが、何を頑張っているんですか?
中尾さん:マンションです。

そう!JR九州は、マンションもやってる!

中尾さん:鉄道以外の事業の中で不動産部門が稼ぎ頭になっています。昨年はマンションの販売戸数で九州ナンバー1になりました。

なんと!不動産事業はJR九州の中でも稼ぎ頭!
九州で一番マンションを売っているのはJR九州なのです!
でも、これは一体どういうことなのでしょうか?

中尾さん:社有地の中に利便性の高いところがあったので、そこを有効活用していこうというのがひとつのきっかけだったんです。

鉄道会社ということで、駅に近い土地には事欠かない!
そこを上手く利用し、駅から近くて便利な駅チカ物件を建設、販売戸数を延ばしてきました。

例えば、鹿児島本線千早駅にある駅チカマンションは、鉄道の操車場だった所を開発!
人気の駅チカ物件をきっかけに、今では九州全土にマンションを建てまくり!
その売上げ、マンション事業だけで、なんと!120億円!

続いて伺ったのは、大分県大分市の平野に広がるビニールハウス!
出迎えてくださったのは、JR九州ファーム大分の森勝之社長。

スタッフ:こちらでJR九州さんが作業されていると聞いたんですけど。
森社長:はい、農業をやっています。

なんと!JR九州は農業もやっている!
昨年、JR九州ファームと言う農業専門の会社を設立。
まだ始まったばかりのJR九州ファームの主力商品はニラ!
では一体、なぜJR九州が農業を始めたのでしょうか?

森社長:休んでいる土地、耕作放棄地が増えていってますので、九州を元気にするために農業が立ち上がろうと!

九州は元々農業の盛んな地域でしたが、高齢化や過疎化が進み、たくさんの農地が使われないまま放置状態に。
JR九州はそこに目を付けたのです!

森社長:ニラだけで売上げ1億円を目指してます!

続いて向かったのは、博多港。
出迎えてくださったのは、ビートル主席船長の原田浩一さん。

スタッフ:電車だけじゃなく色々頑張ってると聞いたんですけど、何をされているんですか?
原田さん:船です!

そう!JR九州は船もやってる!
その名もJR九州高速船ビートル。
ビートルは、博多から韓国・釜山までを約3時間で繋ぐ国際線!
最近は韓流ブームの波に乗り、平日にもかかわらず乗船率は70%近い!
その人気のヒミツは、とにかく運賃が安いこと。
普通席が片道13000円、グリーン席でも16000円。
飛行機は時期により運賃が変わることがありますが、ビートルは年中同じお値段。
さらに、機能面でも特徴が!
それは…

船酔いしないってこと。
海面から2m浮き上がって突っ走るビートルは、波の影響を受けにくく快適!
安さと便利さがウケ、昨年の売上げは、なんと!25億円!

▼スタジオでお話を伺いました。
進藤:さらなる今後の展開って何かお考えなんでしょうか?

唐池社長:まずは3月に開業しました九州新幹線をきちっと育てること、それを軸に観光列車の数を増やして、新幹線の効果を九州全域に拡大していくことです。

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