過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2011年8月7日放送

特集

修理の神様

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、眞鍋かをりさん

番組内容

今回のがっちりマンデー、テーマは「修理の神様」!
世の中には「もう使えない!」ってモノをスゴイ技で直す「修理の神様」がいるんです!
そんな修理業界は意外と大きく、国内12兆円の巨大市場!
そこで!あるゆる業界で活躍する「修理の神様」と、その神ワザをご紹介いたします!!

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昔懐かしの機械を修理する神様!

一人目の「修理の神様」に会うためにやって来たのは、山口県宇部市にある株式会社SBC。
実はこちらの会社、"ある機械"の修理を行っており、全国から依頼が殺到中というスゴイ会社なんです!
では一体、何を修理している会社なのでしょうか?原田幸昌社長にお話を伺いました。

原田社長:ワープロ修理でがっちりです!

そう!SBCが修理しているのは「ワープロ」。
今時、ワープロの修理を依頼する人なんて本当にいるのでしょうか?
と、思いきや…

年代モノのワープロが所狭しと山積みに!
こちらは全て、全国からやって来た物で、なんと!修理待ちのモノだけで200台もあるんです!
そこで、修理が終わり引取りに来たお客さんにお話を伺ってみました。

お客さん:文書を作るとか、そういう時にはワープロが早いしありがたいんです。ものの見事に修理して頂きまして、それ以来ここのファンなんです。

そう!ベテランの方を中心に、パソコンよりもワープロって人が結構多いんです。
現在、殆どのメーカーは、ワープロの生産を終了、修理も受け付けていないんです。
そのため、評判を聞きつけた人たちが、SBCを頼ってやって来るのです。
そんな原田社長のワープロ修理技術は神の域!
1985年発売の東芝「Rupo」だろうが、1981年発売のNEC「文豪」だろうが、メーカーを問わず直しちゃう!
そこで、その華麗なワザを拝見させていただくことに。

修理するのは1999年に発売された富士通の「OASYSLX-C500」。
なんでも、文字の印刷が出来なくなってしまい、修理の依頼が来たそうです。
それでは、修理スタート!
原田社長、修理開始と同時にワープロを裏返し、なれた手つきでネジを外します。

スタッフ:めちゃくちゃ速いですね?
原田社長:電動ドライバーもありますけど、手で回した方が速いんです。
スタッフ:なんでですか?
原田社長:感触で、これ以上回すとプラスチックが壊れるとか分かるんです。

そう!古いワープロはプラスチックが劣化している事が多いので、手作業で優しく扱うのがポイント。

実は原田社長、1995年にパソコンの修理屋さんとしてスタートしたのですが、近所から持ち込まれるのはワープロの方が多かった。そこで、独学で研究して直していくうちに、ワープロ修理のワザを身に付けたのです。

すると原田社長、あっという間に故障箇所を特定!

原田社長:これが悪い壊れている"ヘッド"です。コピー用紙に当たってますので、摩擦で削れてきちゃうんです。

インクを紙に写す「ヘッド」と言われるパーツを取り除いたら、新品と交換して修理が完了!
原田社長によると、持ち込まれるワープロの故障の大半は、ヘッドの磨耗が原因なんだそうです。
では、この修理でお値段はいくらなのでしょうか?

原田社長:平均が2万円〜5万円の間くらいです。

でも、修理する時は新品の部品が必要ですよね?メーカーがワープロの生産を終了しているのに、何故SBCに部品があるのでしょうか?

原田社長:メーカーが撤退する時に在庫を買い占めちゃったんです。

なんと!メーカーに直接連絡を取り、部品を買い占めちゃったんです!
おかげで今でも全国から引っ切り無しに修理の依頼が舞い込むってワケ!
だから、最初は社長一人でやっていた会社も、あまりの忙しさに現在は11人へ増員!
全国の根強いワープロファンの要望に応え続けることで、SBCの年間売上げは…

なんと!1億円!

国宝・重要文化財を修理しちゃう神様!

続いて「修理の神様」を求めてやって来たのは、福岡県直方市にある株式会社はせがわ美術工芸。
では一体、こちらにはどんな「修理の神様」がいるのでしょうか?
白木弘美会長にお話を伺いました。

スタッフ:何をする会社なんですか?
白木会長:日本の伝統的な神社や建造物の修復をやっています。

はせがわ美術工芸では、歴史ある装飾品を修理しているのです!
しかも、清水寺や太宰府天満宮など、国宝級の建物の装飾品を直す、かなり責任のあるお仕事!
なにを隠そう白木会長自信も職人さんで、担当は金箔貼り!

この道60年の会長の手に掛かれば、デコボコした彫刻もご覧の通り!
しかし、はせがわ美術工芸には、そんな会長も一目置く修理の神様がいるという!
それが…

こちら!この道40年、彫刻担当の船津忠弘さん!
船津さんのお仕事は、木製の彫刻を復元すること。
例えば、江戸時代後期に作られた鳳凰の彫刻。

実は、この部分にも右側同様、元々羽が付いていたのですが、劣化によって折れて無くなってしまったのだとか。
こうした歴史あるモノを修理する場合、大きな問題があるそうなんです。
それは…

船津さん:設計図がないので、自分で考えて宙で絵を描くワケです。見た感じの想像で絵を描いて、ミシンでくりぬいて彫っていくワケです。

なんと!船津さんは、設計図無しで当時のデザインを再現しちゃうんです。
船津さんの頭には、鳳凰や龍など数百もの彫刻のデザインがインプット済み!

船津さん:この作者が作ったような感じで、私も一緒になって作っていくんです。

船津さんの彫刻の極意、それは「なりきる」事!
戦国時代の作品は力強く!京都で作られた作品は優しく、といった具合に、作者の癖や時代背景、作られた場所の違いまで、作品の雰囲気と合わせながら作業していくのです。

例えば、こちらの作品の場合、作りに勢いがあるため、あえて淵や彫り込みを荒く作るんです。
作業が完了したモノを見てみると…

見事、羽が蘇りました。
そんな船津さんや、白木会長が活躍する「はせがわ美術工芸」の年間売上げは、なんと!10億円!

CMでお馴染み"あの会社"の修理の女神!

続いてやって来たのは、大阪府堺市にあるタケモトピアノ株式会社。
CMでは、「ピアノ売ってちょうだい」と、お願いばっかりしているけど、何をして儲けいている会社なのか知らない人も多いのでは?
そこで、竹本功一会長にお話を伺いました。

竹本会長:非常に高品質なんですよ、日本のピアノは。だから修理済みのピアノを輸出しています。

そう!タケモトピアノは、お客さんから買い取ったピアノを日本国内では売ってない!
買い取ったピアノを修理してピカピカにし、100%海外に輸出して儲けている会社なのです。
そんなタケモトピアノにとって、修理部門は正に会社の心臓部!
その心臓部の工場に、「修理の女神」がいました。
それが…

こちら!
篠原菜摘さん、若干21歳。
でも、ピアノ修理の腕前は折り紙つき!
YAMAHAのアップライトピアノ、このピアノにはある故障箇所があるそうなんですが…

篠原さん:鍵盤を抑えて戻ってこないんです。

そう!鍵盤を叩いても跳ね返ってこない。
実は、この手の故障は結構多いそうなんです。

篠原さん:湿度とか温度変化にもあんまり強くないですし、直し方はいっぱいあると思います。

精密に作られたピアノは、故障原因を特定するのが難しい!
まずは篠原さん、どこが壊れているのかチェックを開始!
一体、何をチェックしているのでしょうか?

篠原さん:鍵盤の方が悪いのか、こっちのアクション側の方が悪いのかというのを調べています。

故障の原因が、鍵盤部分なのか、弦を叩いて音を出すアクションと呼ばれる部分なのかを調べる。

このアクションという部分の故障で、鍵盤が動かなくなったりすることが結構多いそうなんです。
篠原さん、慎重に手で触ってくまなくチェック!
すると…

篠原さん:ここら辺が悪いんで、ごっそり取っちゃいます!

なんと!篠原さん、鍵盤を4本根本から引っこ抜いちゃった!
すると篠原さん、ピアノの中をジッと見つめ…

篠原さん:この中身を見るとフロントキーピンと言うんですけど、斜めになってるのわかりますか?

確かに4本の内、右から2番目と一番左のピンが少しだけ曲がってる!
この曲がったピンと鍵盤の裏側の穴とが接触して、動きを鈍くしていたのです。
そこで、曲がったピンを専用の工具で直すと…

ご覧の通り真っ直ぐに!
鍵盤もちゃんと戻るようになって修理が完了!
修理にかかった時間はわずか10分。
この工場では、篠原さんをはじめ、28人の技術者が1ヶ月に1600台のピアノを修理しています!
そんなタケモトピアノは、ピアノ修理だけで年間売上げ、なんと!30億円!

洋服お直しの神様!

続いてやって来たのは、ビックママというお店。
実は、ビックママはお洋服の修理をしてくれるお店で、今年の売上げを10億円と見込む急成長の会社!
では一体、どんな修理の神様がいるのでしょうか?
六本木ヒルズ店の嶋田洋子さんにお聞きしました。

嶋田さん:本社の方でお直しをして、また店舗に戻ってくるので、こちらではちょっとできないので、工場で!

ビックママはお洋服の修理をお店ではなく工場でやるらしい。
そこで、仙台市内にあるビックママ本社へ。
早速、ビックママが誇るお直し工場に潜入!
ここでは、店舗で職人さんが作業するこれまでのスタイルを、工場にまとめることで効率アップ!
さらに、その他にもメリットがあるそうなのです。
そこで、守井嘉朗社長にお話を伺いました。

守井社長:仙台という土地や人件費が安い場所で縫い物を集約してやろうと。裾上げはスゴく上手とか、その人たちを集中して育ててやっていく事が唯一のメリットなんです。

そう!「丈詰め担当」、「ほつれ直し担当」と、それぞれの作業のプロがお直しするという新しいスタイル!
そんな工場の中に、「修理の神様」がいました!
それが…

こちら!
伊藤年子さん、この道一筋40年!
伊藤さんは、あらゆるジャンルのお直しをこなすスゴイお直しの神様!
そこで、どれくらいスゴイのか、お直し歴3年のリサさんと比べてみることに。
やって頂いたお直しは、スーツやジャケットに多い、ボタン穴のほつれ。
それでは、修理スタート!
伊藤さん、まずはボロボロになった糸を、糸切り鋏を使い華麗なる手さばきでドンドン取り除いていきます。
すると伊藤さん、1分もしない内に糸を全て取り除き、ボタンホールを縫う作業へ突入!
そして、開始からおよそ10分…

伊藤さん:はい終わりました!

なんと!伊藤さん早々とフィニッシュ!

10分間、リサさんがどんなに頑張っても、下半分しか縫えなかったのに、伊藤さんは全て縫っちゃいました!
キチンと縫う事が、ボタンが外れにくくなったり、ほつれの防止にも繋がるのです!

守井社長:伊藤さんの世代が最後の職人さんの世代というか、彼女たちがいてくれたおかげで、何とかやってこれたと思います。

洋服のお直し業界では、伊藤さんのようなスゴ腕の職人さんがドンドン減っているという守井社長。
だから、一箇所に職人さんを集めて、若い世代に技術を伝え残していくという意味合いもあるのです。

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