過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2011年6月26日放送

特集

JIN‐仁‐に出てくる儲かりそうなアレ!!

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、小出恵介さん

番組内容

今回のがっちりマンデーは、人気ドラマ「JIN‐仁‐」と勝手にコラボ!
JINと言えば、現代の医者が江戸時代にタイムスリップし、様々な技術を駆使して大活躍する物語。でも、ちょっと気になるのが、ドラマの中で仁先生が次々と作る、あの道具やあの薬!アレってホントは誰がいつ作ったの?やっぱりすごく儲かったの?って事。
そこで!今回は、現実世界の人たちに徹底リサーチ!
もうひとつの「JIN‐仁‐」の世界をお届けいたします!

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ドラマJIN‐仁‐に出てくるアレ「ペニシリン」

「JIN‐仁‐」に出てくる儲かりそうなアレ!!
まず始めは、ドラマ「JIN‐仁‐」の、至るところで活躍するアノお薬!

そう!ペニシリン!
ドラマの中では、仁先生が江戸時代に実在するものを利用し、上手く工夫して作り出したお薬!
病気のおいらんに注射したり、町娘が大ヤケドした時は点滴したりと大活躍!
でもあのペニシリン、仁先生のいない現実世界では、いつ?誰が?どうやって誕生させたものなのでしょうか?
そこで、スタッフがやって来たのは、明治ホールディングス株式会社!
明治と言えば「カール」や「きのこの山」でお馴染みのお菓子メーカーですが…
実はお菓子の明治は、医薬品も作っており、うがい薬の"イソジン"は、こちらの商品。
兄弟会社の「MeijiSeikaファルマ」では、今でもペニシリンを扱ってるらしい!
そこで、学術部長の髙橋義三郎さんに、その歴史についてお聞きしました。

髙橋さん:フレミングというイギリスの学者さんが、ペニシリンを発見されたんです。
世界初の抗生物質となります!

ペニシリンが実際に発見されたのは、仁先生が作った約60年後の1920年代の事。

イギリスの細菌学者アレクサンダー・フレミングが、アオカビの中から見つけ出した、世界で初めての抗生物質。
抗生物質というのは、微生物の働きを使って、病原菌をやっつけるお薬の事。
そんな抗生物質ペニシリンは、第二次世界大戦中に、兵士達の感染症の治療で大活躍したんです。

髙橋さん:フレミング先生が発見してノーベル賞を受賞されています。

そんなペニシリンが、明治製菓で製造され始めたのは1946年。
では一体、何でお菓子の会社がペニシリンの製造を始めたのでしょうか?
薬品生産副本部長の大西由孝さんにお聞きしました。

大西さん:ペニシリンの発酵に必要な糖類だとか、器具を持っていたからなんです。

そう!お菓子の会社が持っていた甘い糖や機材が、ペニシリン作りにピッタリだったのです!

ドラマでは、みかんにできたアオカビを、イモの煮汁と米のとぎ汁に混ぜ、ペニシリンを取り出していました。
では、お菓子の明治では、どのように作っていたのでしょうか?
当時の貴重な写真を見せていただきました。

大西さん:これが食品会社で使っているシロップ瓶なんですね。

ペニシリン作りに使ったのは、終戦後工場で唯一焼け残っていたシロップの瓶。
その中にゼラチンを入れてアオカビを培養し、ペニシリンを作っていたのです。
こうしてペニシリンの製造に成功した明治製菓は、1946年11月、粉末のペニシリンを発売!
化膿止めに効くペニシリン軟膏や、結膜炎に効くペニシリン目薬など、様々な商品が誕生し、ペニシリン関連商品は、巨大儲かり市場となったのです!
ところが、そんなペニシリンにも弱点があったんです。
それは…

髙橋さん:だんだんペニシリンを使っていくうちに、ペニシリンの効果が少し弱まる、あるいは効きにくくなった細菌で感染症が発生してくるんです。

ペニシリンのような抗生物質には、使い続けるうちに、それに打ち勝つ菌が生まれ、効かなくなってしまうという特徴があるんです。
すると、さらに強力な抗生物質が次々と開発され、次第にペニシリンの出番は減っていったのです。
しかし!

大西さん:これを元に色々な薬が作られているんです!

そう!ペニシリンからスタートした抗生物質市場は、なんと!今では3000億円と超巨大市場に成長したのです!

ドラマJIN‐仁‐に出てくるアレ「ヤマサ醤油」

「JIN‐仁‐」に出てくる儲かりそうなアレ!!
続いては、前回シリーズ第7話で、仁先生最大のピンチを救ったヤマサ醤油。
ドラマの中では、当主の濱口儀兵衛さんという人が、仁先生を強力にサポート!
では、実際のヤマサ醤油は、当時何をした会社だったのでしょうか?
そこで、スタッフが伺ったのは、千葉県銚子市にあるヤマサ醤油株式会社。
出迎えてくださったのはR&D管理室の三好健太郎さん。

三好さん:ドラマに7代目社長が出させて頂いたということで取材に来て頂いたと伺っております。

なんと!ドラマに登場したのは、実在した人物!
ヤマサ7代目当主・濱口儀兵衛さんは、ヤマサ醤油をグッと大きくしたスゴイ人なんです!
ヤマサ醤油の創業は、江戸時代初期 1645年。7代目が活躍するのは不況に見舞われていた江戸時代末期。
当時、不況対策として、幕府から「醤油の値段を下げなさい!」とのお達しが!
なんと!値下げの対象の中に入っていた1つが醤油だったのです。
しかし、7代目は、幕府と決死の交渉!
その結果、「最高級の醤油は値段を下げなくてよろしい」と、最上醤油の称号を獲得したのです。

今も残る"上"の字はその証!
この醤油を江戸に大量に売ることで、ヤマサをメジャーな醤油メーカーに成長させたのです。
そして、こんなことも…

三好さん:当時、江戸に種痘所という伝染病を研究している幕府の機関がありまして、火事になったときとか、総計700両に及ぶお金を寄付して、再建や運営を手伝ったと聞いています。

なんと!幕府のお玉ヶ池種痘所が火事になった時、700両をポンと寄付!
それが現在の東京大学医学部の前身だというのですから、日本医学の恩人でもあったんです!
そんなヤマサ醤油は、醤油の製造だけでなく、最先端の抗がん薬や抗ウィルス薬なども作って世界で活躍中!
現実の世界でも、お醤油造りが医療の分野に活かされているんです!

ドラマJIN‐仁‐に出てくるアレ「輸液」

「JIN‐仁‐」に出てくる儲かりそうなアレ!!
続いては、前回シリーズ第2話で、コレラが蔓延したとき、仁先生が患者さんを脱水症状から救うため、水に砂糖と塩を混ぜて作った…

そう!経口輸液という液体。
あまり聞き慣れないこの液体、現代では一体誰がどうやって作っているのでしょうか?
そこでスタッフがやって来たのは、徳島県徳島市の大塚製薬株式会社。
大塚グループの大きな事業のひとつが「輸液」なのです。
そんな輸液の歴史を、能力開発研究所・松本江里子さんにお聞きしました。

松本さん:大塚グループ発祥の地が徳島県鳴門市でして、当時ここは塩田だったんです。その塩を使って塩化化合物の製造販売でスタートしました。

その昔、現在研究機関がある鳴門市には、東京ドーム109個分の広大な塩田が広がっていました。
この塩田からとれる塩を使い、お薬の素となる化学原料を作ったのが、大塚製薬のルーツ。

松本さん:塩化化合物の製造の知識・技術を使いまして点滴液、「輸液」を製造販売したのがスタートです。

大量に摂れる塩をフル活用し、さらに事業拡大! 1946年、水に塩分を混ぜた"輸液"の製造を開始!
今では手術後、点滴での水分補給や栄養補給など、医療現場には欠かせないものに!

これを口から飲めるようにしたのが、「経口輸液」なのです。
そんな輸液市場は、現在、なんと!1300億円!
その中において大塚のシェアは、なんと!48%!業界では「輸液の大塚」と呼ばれているんだとか!
こうした医薬関連以外にも、カロリーメイトやオロナミンCといった栄養補助食品を扱っている大塚製薬!
その中でも超メジャーな飲み物と言えば…

そう!ポカリスエット!
実は、ポカリスエットの誕生にも輸液が深く関わっているんです。
そこで、31年前にポカリスエットを作った生産本部顧問・髙市晶久さんに伺いました。

髙市さん:飲む輸液という発想がヒントとなってできたのがポカリスエットです!

そう!ポカリスエットは「飲む輸液」がヒントになっていたんです!
水や塩分などを、手軽に効率よく補給するために作られたポカリスエット。
髙市さんは、1000点以上の試作品を飲み、現在の味にたどり着いたそうです。
そんなポカリスエットは、今や全世界で11億本飲まれてがっちりです!

ドラマJIN‐仁‐に出てくるアレ「遠心分離機」

「JIN‐仁‐」に出てくる儲かりそうなアレ!!
続いては…

遠心分離機!
ドラマでは、血液の入ったガラス管を、木製の樽の中にセットした後、グルグルと手回しして、血の中に混ざっていた色んな成分を分離させ、血液型を調べられるのに使用していました。
江戸時代にこんなものが!って思うくらいスゴイ機械でしたが、仁先生がいない現実世界では、どうなっているのでしょうか?
そこでスタッフがやって来たのは、「遠心分離機」の専門メーカー、大阪府堺市にある松本機械製作所!
早速、取締役工場長・梅川宣裕さんにお話を伺いました。

梅川さん:スウェーデンのグスタフ・デ・ラバルさんが、遠心分離機を開発されて日本に入って来たんです。

世界初の遠心分離機は、仁先生の時代からおよそ10年後のスウェーデンで、グスタフ・デ・ラバルさんという人が、牛乳から脂肪分を取り出すために開発!
その後、遠心分離機はどんどん進化!
そして…

梅川さん:これはドラマに出てきた遠心分離機の現代版です。

では一体、どの様に使うのでしょうか?実際に、石灰で白く濁らせた水を遠心分離機にかけていただきました!
すると…

およそ2分で水と石灰がくっきり!
一体、どういう仕組みになっているのでしょうか?

梅川さん:試験官自身が遠心力によってグーっと横に向いてくるんです。バケツに水を入れて回してもこぼれないじゃないですか?それと同じ理屈なんです。

そう!ものスゴイ速さで回転させることで、物質には外に飛びだそうとする力が働く!
物質の粒が重ければ重いほど、飛び出そうとするので、外側に重い物質、内側に軽い物質と分かれるのです。
現在、病院での血液検査や、研究機関の微生物観察などでバリバリ活躍中との事!
そして、さらなる進化バージョンがあるそうなのです。
それが…

こちら!

梅川さん:これが横型の"JMP"という機種になります。ジャパン・マツモト・パワーの略です!取引先については、日本の製薬会社さんのほとんどの工場に、私共の機械を納入させてもらってます!

JMPは、最新の洗濯機を真似て作った横型ドラム式!
質の良い粉末を作ることができる松本機械製作所の遠心分離機は、大手製薬会社の70%が採用!
現在、全国各地でグルグルと2000台が稼働しています!
皆さんが飲んでる"アノ胃薬"も、松本機械製作所の遠心分離機で作られたものかもしれませんね。

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