過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2011年3月20日放送

特集

らでぃっしゅぼーや

ゲスト

らでぃっしゅぼーや(株)代表取締役社長 緒方大助さん

番組内容

今回のがっちりマンデーは「らでぃっしゅぼーや」!
有機野菜の宅配サービスで創業以来、右肩上がりの急成長!その年間売上げは、なんと!223億円!そんな「らでぃっしゅぼーや」には、知られざる儲かり戦略があった!!
そこで今回は、「らでぃっしゅぼーや」の儲かりのヒミツに迫ります!

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らでぃっしゅぼーやの不思議な儲かりのヒミツ!

「らでぃっしゅぼーや」で扱っている商品は、お肉にお魚、ラーメンや調味料など実に様々ですが、その儲かりの中心は…

野菜の宅配サービス!
毎週一回、野菜をお家に届けてくれるのですが、その売り方がちょっと変わっているんです!そこで、農産部の森﨑秀峰さんにお話を伺いました。

森﨑さん:野菜を詰め合わせて届けるのがメインの商品になっています。野菜の種類が違ったり、量が違ったりで39種類のセットを作っています。

「らでぃっしゅぼーや」は、「ピーマン1個・にんじん1本・キャベツ1玉」の様に、個別に注文するのではなく、一人暮らし用のSSサイズ、2〜3人用のMサイズ、3〜5人用のLサイズといった具合にコースで頼むスタイル!また、値段もそれに合わせて決まっています。

例えば、今回伺ったお宅が頼んでいるのはSサイズ。
野菜7種類と果物2種類、オプションで卵を付けて1回2527円。
これが毎週届くので、月額10108円。
少々お高い気もしますが、おいしく新鮮な有機野菜を、そこそこの値段で届けてくれるとあって大人気!

そんな「らでぃっしゅぼーや」の会員数は、サービスを開始した1988年からグングン伸び続け、昨年末には10万世帯を突破!
そして、『野菜を仕入れる・箱詰め・配送する』このそれぞれの工程に「らでぃっしゅぼーや」ならではの作戦があるのです!

らでぃっしゅぼーやの儲かり作戦1 「100%契約農家」

商品の野菜は「らでぃっしゅぼーや」が作っているわけではなく、全国の農家と契約をして集めているのですが、その契約内容に儲かりのヒミツがあるらしい。
そこで、入社19年目の農産部グループリーダー・潮田和也さんに同行させていただきました!

スタッフ:何をしに行くんですか?
潮田さん:トマトの北岡さんという生産者がいるんですけど、栽培の内容の確認ですね。

潮田さんは週に一回は、どこかの契約農家を訪ね、大事な仕事をしているのです。
やって来たのは、高知県東洋町のトマト農家。生産者は北岡智哉さん。

潮田さん:今年は病気少ない?
北岡さん:少ないですね。
潮田さん:欠乏症くらい?
北岡さん:カリ欠(カリウム欠乏)が、この辺砂地なんで。

挨拶もそこそこにトマトの出来具合を細かくチェック!

そして、こちらは「らでぃっしゅぼーや」と農家が交わす契約書、「野菜を1キロいくらで買うか」という売買の契約なんですが、最大の特徴は、その値段を収穫が始まる半年前に決めちゃうってこと!
何故かと言うと、野菜の価格は市場で上がったり下がったりする、だから普通の農家だと収穫しても売る時にならないと幾らになるか分からない。
しかし、「らでぃっしゅぼーや」なら、半年前に値段を決めてもらっているので、収入が計算でき、落ち着いて野菜作りに専念できるのです!

決まった値段で買うことを条件に「らでぃっしゅぼーや」は、ちょっとだけ安くおいしい有機野菜を買う事ができる!お互いに嬉しい仕組みなんです。
しかし!農家には厳しいハードルも!
それは…

契約書の中には、有機野菜で使用が認められている「どんな農薬を使っているのか」など、事細かに記入する欄があるのです!
さらに、畑の場所まで完全に把握!
つまり、この場所にある畑では、北岡さんがトマトをどんな風に作っているのかが丸分かり!

潮田さん:要するにトマトを出したら北岡さんて分かっちゃう訳ですから、北岡さんも下手な事ができないわけです。

実際にお客さんに届く野菜セットの箱に同封される紙には、野菜の名前の横に、作った農家の名前と住所まで載っているのです!
でも、これは相当なプレッシャーなのでは…

北岡さん:僕らからすると、逆にお客さんの存在が見えるので、そこがやりがいになるし、「ありがとうございます」って言って採れます。

こうして収穫された野菜が集まるのが、東京都板橋区にある首都圏センター。
ここでは、野菜の目利きには一家言ありそうなお母様たちが、箱詰め作業の真っ最中!

実は、この野菜の箱詰め作業には、ビックリする仕組みがあるのです!

らでぃっしゅぼーやの儲かり作戦2 「野菜は選べない!」

例えば、Mサイズの箱詰めをしているラインを見てみると…

なんと!チンゲンサイを入れる担当の人が、同じ野菜セットに違う野菜を入れ始めました!
一体どういうことなのでしょうか?農産部の土屋孝治さんにそのワケを伺いました。

土屋さん:同じパレット(セット)の数を、同じ野菜で揃えられない場合があるので、いくつかの品目を組み合わせて会員様にお届けしています。

そう!「らでぃっしゅぼーや」では、同じコースを頼んでも、届く野菜が違ったりする!
ある人はチンゲンサイだったり、ある人はベカ菜だったり…つまり、何が届くか分からない!
実は、このやり方にも、ちゃんとしたワケがあるのです。
それは…

野菜や果物は、どうしても採れる量が多かったり少なかったりと不安定。
だから、内容を決めてしまうと、もし足りなくなった場合、欠品ってことに!
また、どこからか仕入れようとすれば、高いものを無理矢理買うことになってしまうのです!

土屋さん:組み合わせてムダなく届けることもできますし、臨機応変に対応します。

どちらか1品という幅を持たせれば、採れた野菜の中で補えるからコストダウンになる!
あえて野菜を選べなくしているのには、こうした理由があったのです。
でも、もちろん入れる野菜は、ただ適当に組み合わせている訳じゃない!
農産部の池田有紀さんにお話を伺いました。

池田さん:私も主婦と母親業をしておりますので、やはり色んな野菜を摂りたい、そしてバランス良く摂りたいですね。

実は「らでぃっしゅぼーや」では、過去の配送データを見て、ほうれん草が3週連続で入っていたら、4週目には他の野菜で栄養のバランスを取るなど、主婦目線の優しい心遣いが箱の中に詰まってるのです!
採れた野菜をムダ無く、しかもバランスも考慮したセットを作っています。
こうして出来上がった野菜セットをお客さんに届けるのは、もちろん配送スタッフですが、ただのドライバーじゃない!

らでぃっしゅぼーやの儲かり作戦4 「ドライバーが売りまくる!」

そこで、ドライバー歴1年・大須悠さんの配送に同行させていただきました。
まず、一軒目のお宅に到着!商品をお渡しし二軒目へ、と思いきや…

なんと!営業してます!
そして、次のお宅でも…

大須さん:パレット(野菜セット)の内容が新しくなったんですよ。お値段も1500円からっていうのが出始めたので、もし宜しければぜひ。

さらに、次のお宅では…

大須さん:今週で最後で、来週お持ちする分って配送料無料なんですよ!
お客さん:買います!プレーンヨーグルトとウインナー1つお願いします。

売り込み成功!
そう!「らでぃっしゅぼーや」のドライバーは、営業も頑張る!
ただ「運ぶ」だけじゃないのには、カラクリがあるそうなんです。
そこで、営業部営業企画課の東向曜さんにお話をお聞きしました。

東向さん:契約としては、売上げに対する比率でお支払いしているので、商品をプラス1品でも買ってもらうことによって、ドライバーの実入りに返ってくるんです。

物流だけの運送会社では、箱の大きさ、重さに応じた運送料金が収入源ですが、「らでぃっしゅぼーや」では、運送料プラス関連販売の売上げ金額の何%かを支払うという契約!
つまり、営業が成功し、売上げが上がれば上がるほど、ドライバーも儲かる!だから頑張るってワケ!
そのためドライバーには、運転の上手下手もさることながら、営業向きの爽やかさが要求される。
これが、「らでぃっしゅぼーや」の売上げアップに繋がっているのです!

▼スタジオでお聞きしました。
加藤:違うのが来るんですよね?そして、何が来るか分からないんですよね?お客さんの反応はどうなんですか?

緒方社長:「キャベツと思ってたのに白菜が来たから、お好み焼きを作ろうと思ってたけど、また鍋か…」って言うんじゃなくて、その白菜を使って別の料理をしてみよう!と、楽しんでいただけると、ありがたいですね。

加藤:例えば、大根がスゴイ豊作で市場の価格が下がりますよね。でもらでぃっしゅぼーやさんのやり方だと、値段を先に設定しているので値段は一緒ですよね。これってスゴイ不利じゃないですか?

緒方社長:逆もあるんですよね。市場が高くなった時は、逆に我々は割安で買っていただいてます。これはよくお客様から聞く話なんですけど、ひとつひとつを見ると、確かにスーパーで売っているモノよりも高く感じるけど、1年間通してみると、結果として支出はそんなに多くなかったっておっしゃる方が結構いますね。

らでぃっしゅぼーやの変わったビジネス!

伺ったのは、会議中の「らでぃっしゅぼーや」本社会議室。
そこでは、「紫つくね芋」「ルバーブ」「チーマディラーパ」などなど、意味不明の言葉が飛び交っていますが、一体何の会議を行っているのでしょうか?
農産部の高平誉之さんにお聞きいたしました。

高平さん:伝統野菜と言われる野菜なんですけど、栽培がされなくなってしまった野菜を復活させようという狙いで「いと愛づらし野菜」という形で当社は販売しています。

「らでぃっしゅぼーや」では、その地方でしか採れない珍しい野菜を、毎年100種類選び販売しています。
例えば、東京の細長いかぶ「東京長かぶ」や、長崎の太いゴボウ「大浦ゴボウ」、長野の丸いなす「小布施丸なす」など、見た目は変わっているけど味は折り紙付き!
でも、こんな珍しい野菜を、どうやって探しているのでしょうか?
再び、農産部グループリーダーの潮田さんにお聞きしました。

潮田さん:情報源は色んな資料から探すこともありますし、生産者から情報が来ることもあります。

珍しい野菜は、資料や生産者から探しているそうなのですが、実はもうひとつ、珍しい野菜をみつける場所があるそうなんです。
それは…

そう!種屋さん!
地方の小さな種屋さんにまで、情報の網を張っているのです。
例えば、埼玉県にある「野口のタネ」さんには、「バナナピーマン」に「えんぴつ茄子」、「スイートポテト南瓜」に「でぇらい西瓜」、「タイガーメロン」など、聞いたことも無い野菜の種がたくさん揃ってる!
こちらのご主人も伝統野菜を残したいと、この商売を始めたそうなんです。
こうした地道な取り組みによって、こんな成果も。

潮田さん:例えばだだちゃ豆なんかも「らでぃっしゅぼーや」では20年前から扱ってますから、地方から出てきて世の中に知られる、そういうのが1つでもできればなぁという思いでやってます。

今でこそメジャーになった、だだちゃ豆ですが「らでぃっしゅぼーや」では20年前からずっと扱ってきたんです。
そこで、実際に珍しい野菜を作ってもらっている所があると言うので、伺ってみることに。
やって来たのは群馬県のとある畑。一体、こちらでは何を栽培しているのでしょうか?
早速、見せていただくことに!すると出てきたのは…

国分人参!
群馬県高崎市の国分地区で開発され、昭和30年代には全国の人参の8割を占めるほど広まったのですが、収穫作業が大変な上、形も不揃いにしか出来ず、流通に向かないため、今やほとんど見ることも無くなったのですが、契約農家の方に作ってもらうことにしたのです。

▼スタジオでお聞きしました。
加藤:「いと愛づらし野菜」は儲かってますか?

緒方社長:儲かんないです。でも、本当はこんなに面白い野菜もあるし、おいしい野菜があるんだよって、普通の人参も売るんですけど、こういった野菜も紹介し続けて、こういう食とかを次世代に伝えていくっていうことが究極の目的ですから、そのために収益を上げる、売上げを作るってことは大前提になります。だから利益を出し続けなきゃいけないんです。

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