過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2010年12月12日放送

特集

カルピス株式会社

ゲスト

カルピス(株) 代表取締役社長 山田藤男さん

番組内容

今回のがっちりマンデーは、「カルピス」。
誕生して91年を迎える超ロングセラー!昨年度の売上げはなんと!1056億円!
出荷本数年間2000万本!でも、カルピスは飲むだけじゃないって知ってました?
カルピスが調味料?!ストレス緩和??
そこで今回は、国民的飲料カルピスのヒミツに迫ります!!

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ロングセラー カルピス儲かりのヒミツ!

カルピスって昔からずっとあの味ですよね。
それもそのはず、誕生は今から91年前の1919年。キッカケは、内モンゴルにありました!
元々商社マンであったカルピス創業者の三島海雲が内モンゴルを訪れた際、現地の人々が飲んでいる「ジョウヒ」と呼ばれる牛乳を発酵させた飲み物を飲んだところ、長旅で崩していた体調は元気一杯に!
そこで「これは日本でも売れそうだ!」と思い、帰国後この新しい飲み物作りに挑戦!

そして4年後、日本初の乳酸菌飲料カルピスが誕生したのです!
ラムネが1本8銭だった当時、1円60銭と割高だったのですが、薄めて飲むというおトク感がウケて大ヒット!
こうして現在、乳酸菌飲料ナンバー1となったカルピスですが、誕生から91年間変わらないのが『味』!
そこで、そのヒミツを探るべく、群馬県館林にあるカルピス群馬工場に潜入!
建物の中に入ると、まず最初に目に飛び込んできたのは…

巨大なタンク!
群馬工場マネージャーの郷野丈洋さんにお話を伺いました。

郷野さん:これが生乳を受け入れるタンクです。生乳とは搾りたての牛のお乳のことですね。

そう!カルピスの原料は搾りたての牛乳。

その牛乳をこちらの機械に入れてぐるぐる回転させる。すると、牛乳の脂肪分が取り除かれ脱脂乳に!そして、ここからがカルピス作りの本番!
すると再び巨大タンクが…

郷野さん:こちらは先ほどの分離した乳を、カルピス菌を添加して発酵をかけるというタンクです。

カルピス菌とは乳酸菌の一種。
これが巨大タンクの中で牛乳と混ざると、発酵乳という状態になるんです。
でも、ただ混ぜるだけだったらカルピス菌さえ手に入れば、誰にでも作れるのでは…?

郷野さん:時間と温度を管理して発酵をかけるんです。そこがノウハウになっています。

カルピス菌のような乳酸菌は、温度や発酵させる時間の長さがちょっとでも狂うと働きが変わってしまうので、全然違う味になる!だから簡単には真似ができないのです!
今ではコンピュータで管理しながら、常に一定の味になるように制御されている。
そして、大きなタンクの隣に並ぶ小さなタンク。これは何をする機械なのでしょうか?

郷野さん:こちらのタンクが、カルピスの大事なカルピス菌を保存しておくタンクです。

そう!こちらのタンクはカルピス作りの命!カルピス菌が入ったタンクなんです!

郷野さん:カルピス菌が無くならないように、発酵しているカルピスの中からこの機械に戻して繋げていくんです!

カルピス菌は、老舗のウナギ屋さんの秘伝のタレに似ていて、代々受け継いでいく!
発酵乳を作る際、一度全部カルピス菌を使ってしまうのですが、発酵させることで数が増える!
そして、全部を製品にしないで、ちょっと残しておき、次に使うまで保存しておくんです。
こうして同じカルピス菌をずっと使っているから、味もずっと変わらないんです!
実はこのカルピス菌、どこでどうやって見つけたのかは、カルピス社内でも誰も知らない謎。
もし無くなってしまうと、同じものを見つけるのはほぼ不可能なんだとか。
そんなできたてのカルピスを特別にいただいちゃいました!

スタッフ:全然カルピスじゃないんですけど!
郷野さん:まだ作ってる途中の段階のものなので、カルピスは2回発酵することによって作られています。

あの味を出すためには、もうひとつの大事な作業があります。

郷野さん:ここが二次発酵を行う二次発酵タンクです。

同じ様なタンクですが、除いてみると1回目よりも激しい泡が!

郷野さん:これが二次発酵で出てくる香りの素、炭酸ガスです。

実は、カルピスの素、カルピス菌は乳酸菌と酵母菌で出来ていて、2回目の発酵では酵母菌が活躍するのです。酵母菌といえばお酒を造る時などに使う菌。カルピスにはお酒造りのノウハウが生かされているのです。
カルピスを2回発酵させるのは、数ある乳酸菌飲料の中でもカルピスだけ。こうして独特の味が、年間2000万本も生産されています!
そして、この工場ではカルピス以外にも隠れた人気商品が製造されています。
カルピスを作るために脱脂乳を取り出したのですが、残った脂肪分を使ってある物を作っているんです。それは…

カルピスバター!お値段は450gで1418円と、ちょっとお高いですが、あっさりとした味わいで、フランス料理店などのシェフが好んで使っているという隠れたヒット商品なんです。

郷野さん:他社さんのバターは北海道の牛乳を使って作っているところが多いんですが、カルピスの場合は本州の乳を使って作っていますので、色が白いんです。

北海道の牛と本州の牛では、食べているエサが違うため、それが色に表れるそうなんです。

カルピスのピンチを救った商品とは?

独特の味がウケ、絶好調だったカルピス!
しかし、一度会社が潰れかけるほどの大ピンチがあったんだとか!
時はバブル絶頂期の1980年代後半。この頃、自動販売機の増加と共に、大手飲料メーカーがジュースの分野に力を入れ始め種類も増加!
すると、水で薄めて飲まないといけないカルピスは、自販機で売ることができず営業利益が激減!1988年からは赤字に転落…
当時を知る商品開発センター長・岡本正史さんにお話をお聞きしました。

岡本さん:会社の方は頭打ちな感じがあり、どっちに向かって進むんだろうという切迫感がありました。

このままでは会社が無くなってしまう!そんなピンチを救ったのが…

ご存知!カルピスウォーター!
1991年に発売されると、1年目は400万ケースの発売予定だったのが、なんと!2000万ケースを売る大ヒット!

営業利益も見事V字回復!
でも、カルピスを水で薄めるだけならもっと早く作れば良かったのでは…?

岡本さん:ただ薄めただけだと、作ってしばらく置いておくと、乳のタンパク質がだんだん沈んでいってしまうんです。

カルピスは暫く放置しておくと沈んでしまうため、最初から薄めて売ることができなかったのです。そこで…

岡本さん:乳のタンパク質の粒を大きくしない、沈みにくいように粒を小さくて商品を作ったんです。

沈殿していた原因は、牛乳に含まれるタンパク質が水より重いためであることを突き止め、粒を小さくすることによって軽くし沈殿しないように改良!カルピスウォーターの開発に成功したのです!
こうして、「カルピス」「カルピスウォーター」のおかげでロングセラー商品の地位を確立し、売上げ1056億円(09年度)を達成するまでに成長したのです!

売上げアップのための大胆戦略!

カルピスの売上げをもっと増やす作戦が、東京本社で練られているらしい。
そこで、がっちりマンデー!経済予報士見習いの岡村仁美が潜入!
お邪魔したのは社員食堂。早速、お食事中の社員さんにお話を伺ってみることに。

岡村:こちらでカルピスを使った「何か」が行われていると聞いたのですが。
社員さん:カルピスを使ったメニューを食べています。肉じゃがもカルピスを使って作られています。

社員の皆さんが食べているのは、肉じゃがにサバの味噌煮、そしてナポリタン。
実はコレ、全部カルピス入りなんです。
でも、サバの味噌煮にカルピスってあまり美味しそうな感じがしないのですが…
取り敢えず岡村が試食してみることに。

岡村:口に入れた瞬間、ほんのり酸味がする気がしますね。美味しいです!

意外にも味噌とカルピスが合う!これがカルピスを売るための戦略なのでしょうか?
そこで、社員食堂で料理を作る西洋フードの山口晴生店長にお話をお聞きしました。

岡村:何か儲けに繋がったりはしていますか?
山口さん:そうですね!カルピスのホームページに掲載されておりますので、そちらを見ていただいてると思います。

そう!カルピスを飲み物としてだけじゃなく、調味料として売るための戦略だったのです!
サバの味噌煮に入れれば魚臭さを消してくれたり、カレーに入れれば辛さを抑えて味をまろやかにしてくれたりと、調味料としても優秀なカルピス!これをホームページ上で紹介して売上げを拡大しようってワケなんです。
さらに、相模原にある研究所では、新商品開発のための努力が、日々行われているのです。
そこで、発酵応用研究所の井上香織さんにお話を伺いました。

井上さん:カルピス社が持っている色んな乳酸菌の中から健康にいい特別な乳酸菌を見出してきたり、あるいは乳酸菌が作り出す体にいい物質を見つけたりしています。

カルピス菌も乳酸菌の一種ですが、他にも種類が無数にあって全部働きが違う。
カルピス菌は牛乳と混ぜればカルピスになりますが、そこに違う乳酸菌や原料を当てはめたら、どんな働きが生まれるのか研究しているのです。

そこから生まれた代表商品が、13年前に発売されたトクホ商品「アミールS」。

井上さん:乳酸菌が作り出した成分のラクトトリペプチドというのが、有効成分なんですけど、こちらが血圧を下げる作用があります。

18年前、ある乳酸菌がラクトトリペプチドという成分を作り出し、血圧を下げる働きを持っていることを発見!しかも、原料はカルピスと同じ牛乳で、作り方も殆ど一緒なんです。
この様に、新しい乳酸菌が見つかればどんどん新商品ができて儲かるってワケ!
では、今一押しの乳酸菌は何なのでしょうか?

井上さん:最近はストレスを緩和させる作用のある乳酸菌を見つけました。
スタッフ:名前は何て言うんですか?
井上さん:え…名前言っていいのかな…

この世紀の大発見!一体どんな菌なのでしょうか?

▼スタジオにて山田社長にお聞きしました。
山田社長:ストレスを色んな方法で測った時に、明らかにストレスが落ちてきたんです。今はどうやって商品化するかという段階です。

進藤:乳酸菌って儲かるんですか?

山田社長:これはまだ研究の歴史が浅いんです。だから新しい乳酸菌が発見される可能性があるわけです。探り当てたら一攫千金の可能性が大きいです!

加藤:乳酸菌、カルピス菌が体にいいことは分かったんですけど、料理に入れるのは若干の疑問があるんですよ。そんな変わるものなんですか?

進藤:そこで、今日は野菜スティックを準備しました。

山田社長:マヨネーズにカルピスを足して召し上がってください。

加藤:美味い!

進藤:美味しい!これ我が家でします!

加藤:今後カルピスはどうなっていくのでしょうか?

山田社長:世界中に広めたいです。現状10%位の海外での売上げを半分以上にしたいです。

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