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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2010年11月21日放送

特集

せまい業界シリーズ第11弾!「ドア業界」

ゲスト

宍戸開さん・森永卓郎さん(経済アナリスト)

番組内容

がっちりマンデー、今日のテーマはせまい業界シリーズ第11弾!「ドア業界」!
儲かっているかさっぱりわからないけど、実は儲かっている業界を紹介するこのシリーズ。今回紹介する「ドア業界」も実は儲かっていました!ドアの年間総出荷額は約2200億円!誰もが毎日使うものだから、いろいろな会社が技術力を競い合っています!
そこで今日は、そんな「ドア業界」の儲かりのヒミツに迫ります!

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ドア業界の雄「YKK AP」が誇る最新技術とは!?

まず、ドア業界最新の儲かり事情を探るべく番組が伺ったのは、年間総売上げ3000億円を誇る、ドア業界の雄「YKK AP」。
早速、商品企画部の杉本さんにお話を伺ってみました!

杉本さん:業界的な言い方をすると、「開口部」というジャンルの中に、窓もあるしドアもあります。一般の方はあまり耳にすることがないと思いますが、我々の業界では一般的に使っている言葉です。

杉本さんによると、開けたり閉めたりする部分のことをまとめて「開口部」といい、ドアはその中の1つ!だからシャッターや窓なども「開口部」。
このような「開口部」において、最も大切なことは「防犯」です!

こちらは、「YKK AP」ご自慢のドア、その名も「EXE(エグゼ)」!
このドアには、世界最高レベルの技術が至るところに搭載されているといいます。

例えばこちら、鍵穴の「ユーロプロファイリングシリンダー」は…

杉本さん:普通だと一回転すれば鍵が開くと思うんですけど、こちらの場合、一回転の状態ではまだ開かず、さらにもう1回まわして鍵が開くんです!

そう!2回転させないと鍵の開け閉めが出来ないんです!普通90度〜360度で開け閉めしますが、これだとピッキングされてしまう可能性があるんです。
しかし、この「ユーロプロファイリングシリンダー」は2回転(720度)させることで、どうにもこうにも開かない仕組みになっているんです!
そんな「EXE」のお値段は…なんと157万5000円!!

そして、さらにもう1つ「YKK AP」が誇る最新技術がこちら!
なんと扉に指をかざすだけで、ドアが開きました!

杉本さん:これが鍵なんです!「ピタットキー」といいます!

なんと、杉本さんの指先に付いているコレが鍵!直径は1センチ、厚さは0.8ミリ!
これこそ、「YKK AP」の技術の結晶「ピタットキー」!なかにはICチップが入っていて、その信号をドアが認証して開くようになっているんです!
同じ仕組みのカードキーはこれまであったものの、こんなにコンパンクトにしたのは「YKK AP」が初めて!

この「ピタットキー」、携帯電話に貼ったり、車の鍵に貼ることが可能で、「何でも鍵にできる」と大好評!売れ行きも絶好調なんだそうです!

日本の自動ドアの歴史を作った「ナブテスコ」の最新自動ドア!

続いて番組が訪れたのは、兵庫県神戸市にある「ナブテスコ株式会社」。
ここでは、一体どんなドアをつくっているのでしょうか?社長の三代さんに直接お話を伺ってみました!

三代社長:自動ドアでございます!

そう!「ナブテスコ」は、自動ドアのシェア国内50%、年間売上げ400億円を誇る会社!

みなさん、このシールに見覚えがありませんか〜?「自」と「動」の間のこの文字こそ、ナブテスコ製品の証なんです!

三代社長:うちでは年間6万5000台作っていますよ!

では、なぜ「ナブテスコ」が自動ドアのトップメーカーになれたのでしょうか?
それは…
今では当たり前になった、ドアが横にスライドする「引き戸タイプ」の自動ドアを作った会社だから!

1950年頃主流だったのは、こちらのような「開き戸タイプ」の自動ドア。しかし、これだと、反対側にいる人が勢いよく開いたドアにぶつかってしまうなんていう欠点もありました…。
ならばと、1961年、「ナブテスコ」の前身「ナブコ」が、日本の伝統的な襖や障子と同じ「引き戸タイプ」の自動ドアを開発!
ちょうどこの頃、全国各地に大型スーパーが増えたのとあいまって、「引き戸タイプ」は日本中に広まったのです!

そんな「引き戸タイプ」の誕生から50年の間に、次々と進化を遂げてきた自動ドアですが、ついにこれまでの概念を打ち破る革新的な自動ドアが!それが…

三代社長:「パニックフリードア」といいます!パニックになって、みんながドアから脱出したいという時に役立つんです!

一見、普通の自動ドアのようにしか見えないのですが…

三代社長:例えばこういう風に!みなさんが外に脱出されたいという時には、手動で一気に手で開けられるんです!

そう!普段は「引き戸」の自動ドアですが、いざという時には手で押せば「開き戸タイプ」の普通のドアのように開けられる優れもの!
日本の自動ドアの歴史を作ってきた「ナブテスコ」。これは快進撃がとまりませんね〜

ドア業界よりもさらにせまい「ドアクローザ」業界とは!?

せまい「ドア業界」のなかには、さらにせまい業界があります。例えば、ドアノブ・ちょうつがい、そしてもう1つ、ドアになくてはならないのが…

これ!!皆さん見たことはあるけど、詳しいことはわかりませんよね〜
そこで番組スタッフがやってきたのは、広島県府中市にある「リョービ株式会社」。早速、建築用品部の石田さんにお話を伺ってみました!

スタッフ:あれをつくっていのはこちらでよろしいですか?
石田さん:そうです!
スタッフ:名前とかはあるんですか?
石田さん:あれは「ドアクローザ」と言います!

なんと石田さんは「リョービ」に勤めて23年!ドアクローザの開発一筋の方!

石田さん:ドアクローザがないと、バタンバタンと閉じるということで、音がうるさいだとか、小さいんですがたくさんの機能を含んでいるんです!

そう!ドアクローザの役割は、ドアを安全かつ静かに、そして確実に閉めること。
では、一体どのような仕組みなのでしょうか?

ドアクローザの中身には、太いバネとピストン、そして黄色いネバネバした油が。この粘り気のある油が、バネとピストンをゆっくりと動かすので、ドアが静かに閉まるという仕組みなんです!
さらに、ドアをただゆっくり閉めているだけではなく、閉まる時に3段階の動きをこなしています!

閉まり始めは速く、そして閉じ際が近づくとゆっくりに、最後は再び加速してドアがカチッと閉まるまで押し込む!
それぞれ赤色の部分が「第一速度区間」、青色の部分が「第二速度区間」、緑色の部分が「ラッチングアクション区間」と呼ばれ、それぞれの速度をドアクローザがコントロールしているのです!

そしてこの速度、ドアクローザの側面に付いているこの3つのネジで調整できるのです!
実際に右上の「第一速度区間」のネジを締めてみると、通常よりもかな〜りゆっくりと閉まるドアになりました!
この「ドアクローザ」、気温によって油の粘り気が変わるので、粘り気がゆるくなる夏場はスムーズになりすぎたり、かたくなる冬場は動きが悪くなることも。
これからの季節、ドアクローザの動きが悪くなったら、この3つのネジを要チェックです!

「リョービ」は、創業当時から、アルミ合金を加工する「ダイカスト」という技術で車のエンジンパーツを作っていた会社。
昭和30年代初頭、日本のドアクローザは鉄製のものだけで、重く、錆びやすく、耐久性もありませんでした。そこで昭和38年、錆びずに軽い、アルミのダイカスト技術を持つ「リョービ」が、ドアクローザ業界に参入!
耐久性抜群の製品で、日本のドアクローザのシェアはダントツトップ!
「リョービ」は、ドアクローザで"がっちり"なんです!

▼スタジオでは、森永さんにお話を伺いました。
森永さん:ダイカストというのは、金型に溶けた金属に押し込んで、圧力をかけて精密な形を作る技術なんです。私の好きなミニカーのほとんどもダイカスト製法です!単純なようでハイテクな技術なんですね!

お店で見かける「スイングドア」のヒミツ!

皆さん、スーパーなどでよくこのようなドアを見かけませんか?店員さんが荷物を運ぶ時に使うあのドア。現場の人たちにも「使いやすい」と評判のこのドアの名前は「スイングドア」!
なぜ、お店のバックヤードへのドアがこの「スイングドア」かというと…荷物を運ぶ人たちが簡単に開けることの出来るドアだから!
番組ではそのヒミツを探るべく、製造元の「株式会社ユニフロー」に伺ってみました!
早速、工場長の狩野さんにお話を聞いてみると…

狩野さん:おかげさまで、全国のシェアが8割近く!もう"がっちし"です!!

いろんな台車がガツンとぶつかるスイングドアは、強度を持たせるために実はけっこう重いんです。表面はアルミやステンレスですが、中身はなんと「木」!だからドア一枚30kgもあるんです!
そして、この重さには大きな意味があるんだとか。

狩野さん:開いていきますと、真っ直ぐに上がっているのではなくて、内側に倒れかかったように持ち上がってるんですね!

たしかに!少しだけ斜めになっています!でも、一体どうしてなんでしょう?

狩野さん:倒れていることによって、手を放すと元に戻るんです!ドアの重量そのものを使っているんですね!

荷物を台車で出し入れする時には、まず手がふさがってしまっていて。一回一回立ち止まってドアの開け閉めなんてやっていられません!だからちょっとだけドアを傾けて、ドア自体の重さで閉まるようにしてあるんです!
この傾きの角度はピッタリ3度!これは壁とドアを繋ぐ支点を上下で微妙にズラすことで生まれています。
では、なぜこの単純な造りの「スイングドア」が、シェア80%を獲得できたのでしょうか?石橋社長にお話を伺ってみました!

石橋社長:ドアは全て受注生産で、お客様のサイズに合わせた形で注文を取っています!大手のライン上で作るドアとはちょっと違いますね!

そう!どんな荷物を運ぶのかによって、ドアの重さや大きさ、硬さが微妙に違う!
水を多く使うキッチンなどでは、ボディの中身を木ではなく耐水性のある樹脂にしたり、重い台車やフォークリフトなどを使う工場では、足元にゴムを付けたりと、どんなに難しい注文もキッチリこなすことで、「ユニフロー」は、スイングドアの業界トップシェアを保っている!

石橋社長:大手さんでは、これは儲からないかもしれないですね!

「ユニフロー」は、スイングドアで"がっちり"なんです!!

タクシー用自動ドアのヒミツを大公開!

続いてやってきたのは、名古屋市内から車で40分程のところにある「トーシンテック」!
早速、専務取締役の榊原さんにお話を伺ってみると…

榊原さん:これ!これなんです!タクシーの自動ドアです!

そう!「トーシンテック」が作っているのは、タクシーの後部座席の自動ドア!

榊原さん:今走っているタクシーの10台のうち9台は私どもの自動ドアを付けていただいております!ですので、ほぼ私どものドアと言って間違いないと!

そこで、なかなか見ることの出来ないタクシードアの裏側を見せていただきました!

榊原さん:手動式の手で開けるドアを作っているラインです!自動ドアと言っても、運転手さんが手で操作することによって自動で開くんです。

そう!タクシーの後部座席は、運転手さんが手でレバーを引っ張ることで開いている!つまり、「手動式自動ドア」なんです!
その仕組みはというと…

運転席のレバーに接続された金属棒が、助手席まで伸びていて、そこで向きを変えて後部座席へとつながり、ドアに直接くっついています!
この仕組みのおかげで、運転手さんが狭い場所で少しだけ開けたり、お客さんが乗った後にゆっくり閉めたりと、微妙が操作が可能なんです。
それにしても、金属棒だけで開け閉めしているなんて以外に簡単なつくりなんですね?

榊原さん:つくりは単純です!しかし、シートを全部上げて、そこに取り付けますので、どちらかと言うと面倒くさいんですよ〜

そう、座席とボディの間に設置する金属棒は、狭い隙間を通すのでけっこう大変!
今では当たり前になったタクシー用自動ドアですが、日本中に広まることとなったきっかけは、1964年の「東京オリンピック」!海外からのお客様へのサービスとして、東京のタクシー会社が採用し、一気に広まったのです。
国内のタクシーを制覇したと見た「トーシンテック」は、勢いに乗って海外にも売り込みを開始!その結果、1973年には香港、1995年にはマカオのタクシーにも「トーシンテック」の自動ドアが!
現在は、2016年のオリンピック開催地・ブラジル進出を計画中!

「トーシンテック」は、タクシー自動ドアで"がっちり"なんです!

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