過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2010年8月8日放送

特集

ゼンリン

ゲスト

株式会社ゼンリン 髙山善司 代表取締役社長

番組内容

今回のがっちりマンデーは、地図でお馴染みの「ゼンリン」。
なんと!09年度の売上は517億円!もちろん地図業界ナンバー1。
そこで、地図でがっちりな会社「ゼンリン」の儲かりのヒミツに迫ります!

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地図業界ナンバー1ゼンリン 歴史と儲かりのヒミツ!

地図業界ナンバー1企業「ゼンリン」の儲けの柱は住宅地図。
なんと!その年間売上は80億円!
そんなゼンリンの住宅地図の特徴は、なんと言ってもお家の1軒1軒が名前まで細かく載っていること。
マンションの場合でも、巻末に住んでいる人たちのリストが掲載されています。
しかも、北海道稚内市から沖縄県西表島まで、全国1750の市区町村をほぼ100%網羅!
ここまで細かい情報が載っているのは、日本のみならず世界でもゼンリンの住宅地図だけなんです!
だから1冊の値段も少々高く、例えば東京都世田谷区の住宅地図は19950円。

そんなゼンリンは1948年、大分県別府市で創業。
しかし、創業者の大迫正冨が最初に手がけたのは純粋な地図ではなく、大分県別府市の観光案内用の小冊子「年刊別府」と「観光別府」でした。
その小冊子は大ヒットだったのですが、その理由は「中身が素晴らしかったから!」と、言うよりは・・・

おまけでつけていた別府温泉街の地図のおかげ。
大迫社長が温泉宿の名前を1軒1軒調べて載せたところ、観光客から「分かりやすい!」と大好評!
そこで大迫社長はなんと!地図だけを作る会社に方向転換。
地元九州を皮切りに1軒1軒詳しく載っている地図を作っていったのです。
そんなゼンリンの地図作りには、当時から現在までずっと変わらないことがひとつあります。それは・・・

とにかく歩いて作ること!
調査スタッフと呼ばれる人たちが全国をグルグル歩き回って地図を作っているんです。
そこで、調査暦10年の高口文昭さんに同行させていただきました。

スタッフ:何を調べているんですか?
高口さん:間違っていたり、新しくなっていたり、家が建っていたりしていないかを調べています。

そう、建物が新しく建ったり、無くなったりすると当然地図を変えなくてはいけない。
そのため、ゼンリンの調査スタッフは歩いて街を調べているんです。
東京のような都市部では年に1回、地方でも3〜5年毎にキチンと歩いて調査しています。

この日の高口さんの調査は、京成小岩駅付近200m×300mの1区画。
もともとある地図を見ながら、変わったところを細かくチェックしていくのですが、効率良く回るためには、大通りを中心にできるだけ同じ道をダブらないで歩くのがポイントなんだとか。
すると、これまでの地図に載っていない新築の家を発見!

高口さん:住宅地図のお名前の確認で回らせてもらってます。サワは古い澤に、田んぼの田でよろしいでしょうか?

新しく建った家や、表札の無い家には、聞き込みをして確実な情報をゲット!
さらに、可能な限り正確な地図を作るために、こんな苦労も・・・

高口さん:こちらの建物の奥の部分に建物がありますよね。建物ができているようなので路地に入ります。

色んな方向から建物を見て、目分量で家の形を書いていくのも大事なお仕事。
自分の目で確認できる情報を、しっかり地図に反映させていく!
こうした調査スタッフの地道な作業によって、ゼンリンの精密な地図が完成するのです!
そんな調査スタッフの数はなんと!年間のべ約28万人!
1日あたり約1000人が日本のどこかを歩いているんだとか。
ちなみに高口さんの場合、1日の歩行距離はなんと20kmになるそうです。

そして、現場の調査が終わり、手書きで修正された地図は、全国から福岡県北九州市にあるゼンリンテクノセンターに集められます。
ここは膨大な調査データが集中するゼンリンの心臓部!
そして、手書きのデータをもとに地図の修正をするのですが、これが気の遠くなるような作業。

オペレーターの雪竹さんが、なにやら地図の上を機械でなぞっていますが、一体何をしているのでしょうか?DB制作一部の野中茂さんにお聞きしました。

野中さん:これはハンドデジタイザと言いまして、この機械で地形の入力や文字の入力を行っています。

例えば、新しく建物が建っていた場合、ハンドデジタイザを地図の上に置くと、パソコン画面にも同じ場所が表示され、簡単に直すことができる。
では一体、どの辺が難しいのでしょうか?

雪竹さんに伺ってみると・・・

雪竹さん:東京だと、こちらでは想像できない道路の複雑な形状とかもあるので、この一枚で3〜4時間かかります。

そう、東京の道路も札幌の建物も全部北九州で直しているんです!
一昔前までは手書きの原本に直接修正液をつけて直していたんですが、1984年にパソコンを導入!
デジタル化によって、地図の中の情報を項目別に保存して、必要なものだけを使い、色んな種類の地図が簡単に作れるようになったんです。

例えば、こちらのデータは道路だけですが、他にも住宅の形だけのデータや、建物の名前だけのデータなどもあります。
だから、駐車場と道路のデータを組み合わせて簡単に「駐車場マップ」を作れちゃったりするんです!
このように必要な項目だけを組み合わせれば、お客さんのニーズに合わせた便利な地図を作れちゃうってワケ!
つまり、地図のオーダーメイドが可能なのです!
では、そんなゼンリンの住宅地図を一番買ってくれるお得意さんは誰だかわかりますか?
それは、お役所関係なんです。
地元に密着しているお役所や交番などが、ゼンリンの住宅地図最大のお客さん。
常に最新の情報を必要とするため、ほぼ毎年買ってくれる!
そこで、実際にどんな風に役立っているのか、川崎消防署を尋ね見せていただきました。

すると、まず目に飛び込んできたのは、この大きな地図!
これ、もちろんゼンリンの住宅地図。
また119番がかかってくると、画面が通報を受けた周辺の住宅地図に切り替わり場所を特定!
救急車や消防車の迅速な出動にゼンリンの地図が一役買っているのです。

さらに、こちらの丸の中に「30」って書いてある消防署ならではの地図データ、これは消火栓の場所を表しているんです。
ちなみに数字は給水口の直径を表しているんだとか。
これは消防署が調べて、ゼンリンの地図データと組み合わせたのです。
この様に住宅地図はさまざまな場所で大活躍!

アナログからデジタルへさらなる進化を遂げています!

ゼンリンが住宅地図を作りながら蓄えてきた地図に関するいろんな情報。
これが今、さまざまな分野でがっちり稼ぐベースになっているんです!

例えば、パソコンや携帯電話で自由に見ることができるYAHOOやGoogleのデジタル地図、これもゼンリンの地図データを使用しているんです。
そしてもうひとつ、地図情報なしには作ることができないカーナビ!
なんと!TOYOTAやHONNDA、NISSANの純正品に使われているのも、SONYやSANYOなどのカーナビメーカーに使われているのもゼンリンの地図!
そんなカーナビにおけるシェアは70%以上!
年間売上はカーナビだけで115億円!と、がっちり!

そして再び、調査スタッフの高口さんが登場!
実は、家の名前だけではなく、カーナビ用の情報も調べていたのです!
すると高口さん地図上にピンクのペンで何かを記入しました。これは一体??

高口さん:ピンク情報と呼ばれています!

ピンク情報?何だか怪しい響きですが・・・
実は、建物の入口を記入していたんです。
カーナビを使っていると「目的地周辺に着きました案内を終了します」って言われ、結局良く分からないってことありますよね?
実はこれまでのカーナビは、目的地を住所にあわせて設定しているだけなので、その近辺に来たところで案内を終了してしまうんです。
そこで、地図の中に建物の入口の情報を加えることによって、目的地をピンポイントで設定できるようになることを狙っているんです。
まだ実用化はされていませんが、現在既に全国あちこちの建物の入口を調査中!
早ければ来年にもカーナビがもっと便利になるかもしれません。
それもこれも、足で街を歩いているからこそ調べることができるゼンリン独自のデータなのです。
ところが!実は足だけじゃなくて車でも調査を行っているんです。
それが・・・

車の上にカメラを搭載したゼンリンの秘密兵器「タイガーアイ」。

この車は360度に設置された5台のカメラと、上向きに設置されたカメラの計6台で街を撮影!
では一体、どんな映像が撮れているのかというと・・・

このように6枚で目に見える範囲をフルカバー!
そしてこの6枚の映像をつなぎ合わせると・・・

ぐるっと回して見ることができるんです!
そして、この画像を基に作っているのがカーナビの3D画面。
カメラで撮った画像を合成すれば、街がとってもリアルに表現できるんです。

カーナビ画面と、実際の場所を比較してみると、生えている木まで再現されています。
走行していて目印になるものを、現実に近づけることによって、さらに道に迷わなくなるんです。
このようにパソコンやカーナビで大活躍のゼンリンの地図ですが、最近ちょっと意外なものにまで使われているんです。
それは、デジカメとビデオカメラ。
カメラに地図って、ピンときませんが・・・?
そこで、コンテンツ営業課の川口崇さんに伺ってみました。

川口さん:ビデオカメラには地図データを、デジタルカメラには位置情報を提供しています。

例えば、浅草の雷門の前で記念撮影すると・・・

なんと!「カミナリモン」の文字が!
実は、カメラにGPS機能が搭載されていて、どこで撮影したかが分かる。
さらにゼンリンがこれまの地図作りで手に入れたランドマークと、その位置情報がデータで入っているので、2つの情報を照らし合わせて場所を特定することが出来るのです!
この機能、写真をパソコンで保存するときにとっても便利!
国や都道府県、市区町村、場所と細かく分類して保存ができたり、写真を撮った位置を、地図上に表示することもできるんです。
そんな位置情報サービスは、いろんな業界に引っ張りだこ!

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