過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2010年1月31日放送

特集

テルモ

ゲスト

テルモ(株) 和地孝代表取締役会長

番組内容

今日のがっちりマンデーは、体温計でおなじみの会社「テルモ」!
しかしこの体温計、テルモの年間売上げのたった1%。
実は、病院に必要なモノを作りまくっているメーカーなんです。
きっとあなたも1度はお世話になっている会社、テルモの知られざる病院ビジネスの世界にメスを入れちゃいます!

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病院はテルモだらけ!

体温計だけじゃないテルモのヒミツ!テルモの誕生は、今から90年前の大正時代。当時の日本の病院では、体温計はほぼ100%ドイツからの輸入品を使っていました。しかし、第一次世界大戦が始まり、体温計の輸入がストップ!と、その時、
「病院で使う大事なモノを、いつまでも輸入に頼ってはイカンのう」
と、立ち上がったのが、北里柴三郎博士!日本の細菌学の父と呼ばれ、ペスト菌を発見した、とってもすごいお医者さん。

北里先生は自ら発起人となり、仲間のお医者さん達を集めて「赤線検温器株式会社」を設立。テルモはお医者さんが作った会社なんです!こうして1922年、国産の水銀体温計を出荷。ドイツ製と同じ品質で、しかも安いとあって大ヒット!だから、今もテルモは、国内を代表する体温計メーカーなんです。
ところが、広報室長の羽田野彰士さんによると、

羽田野さん:体温計はテルモ全体の売上げの中で1%未満です。

体温計の売り上げは、テルモの売上げ3,027億円のわずか1%!じゃあ、残り99%は?

羽田野さん:実は、90%以上が病院で使われています。

そう、お医者さんが作った会社だから、お医者さんのためになるモノをいろいろ作っているらしい!そこでスタッフは病院へ。まずお邪魔したのはナースステーション。東邦大学医療センター大橋病院の看護師長、小林敏子さんにお話を伺いました。こちらにテルモの商品があるとお聞きしたんですが?

小林さん:はい!いっぱいありますよ。たとえばこれも、これも。
スタッフ:テルモだらけですね。
小林さん:そうですね。あとこれは注射器です。

出た注射器!テルモは注射器の国内トップメーカー。シェアはなんと60%!さらに、

小林さん:これは栄養剤が入った点滴ですね。

点滴する際に使う、この栄養剤入り輸液バッグ。これまたテルモ製!ところでこの輸液バッグ、よく見てみると…。「ポキッと前後に折る」とか、「プシュッと開通」とか、なぜかやたらと袋に擬音の文字が書いてある。これ、病院で使う製品ならではの大事な「工夫」なんです。小林さんにやってもらうと、

小林さん:上の「はずして折る」と書いてある栓をはずして、ポキッと前後に折ります。

小林さん:その後に「プシュッと開通」とあるので、両手で押してプシュッとやって、開通させて確認したら開通確認のシールをはがします。
スタッフ:間違いは起こらないですね。
小林さん:起こりません!

命に関わる病院で使う製品は、「安全である」ことが何より大事。だから、あえて手順を、分かりやすい言葉で書いてある。 細かいところまで考え抜かれていますね、小林さん!

小林さん:すごく助かってます!

続いてやってきたのは手術室。中村正人教授にお話を伺いました。ここにもテルモの商品があるんですか?

中村さん:はい、非常に多く活用しております。

手術室でもテルモを使っていた!一体どんなものかというと、

中村さん:これはカテーテルといって、心臓の血管が詰まったり狭くなったりする病気を治すときに使います。たとえば狭心症や心筋梗塞といった病気です。

こちらがバルーンカテーテル、という機器。1個13万円!直径数ミリの管を腕や太ももの血管の中に入れ、ニュルニュルと心臓の方まで伸ばしていく。狭くなった血管部分にたどり着いたら、管の先端に付いた風船を膨らませて広げるという、すごい機器! こちらも国内トップシェア!
他の機器もテルモ製だらけ。現在、全国の病院で使われているテルモの医療機器は、約1万種類!

中村さん:ひとつひとつの道具が非常に優れていますね。使いやすいです。

「お医者さんが作った会社」の「お医者さんのための道具」だから、「お医者さんの欲しいモノが作れる」!だから、日本の病院はテルモだらけなんです。

テルモ製品の生産現場に潜入!その1

体温計だけじゃないテルモのヒミツ!どうやってテルモの製品は作られているのか?スタッフが向かったのは、山梨県にあるテルモの甲府工場。早速、作業着に着替えて、クリーナーでホコリを取って、エアシャワーでまたホコリを取ったら、いよいよ生産ラインへ。

ここで生産されているのは注射器!1mlから50mlの注射器を、40台以上の製造機で毎日生産。技術課の吉川信さんによると、

吉川さん:年間8億本以上作っています。日本全体で年間約12億本使うと言われているので、日本の約6割以上の注射器をこの工場で作っています。

こちらは注射「針」を作っているところ。五寸釘のように見えますが、これ全部注射針。 その年間生産量は、10億本!完成した注射器は箱詰めされて、箱ごと完全滅菌。こうして、毎日テルモから安全な注射器が全国に届けられるのです。
続いてやってきたのは、テルモでも限られた社員しか入れない開発棟。ここからはテレビ初公開!

まるで宇宙で作業しているみたいですが、一体何を作っているのか?開発技術課の小田誠さんによると、

小田さん:プレフィルドシリンジを作る場所です。

「プレフィルドシリンジ」とは、薬剤があらかじめ注射器に入っている製品のこと。こちらでは、新しい薬剤にはどんな注射器が合うかをテスト中。この薬剤にちょっとでも菌が混じると全く実験にならない。だから、こんな厳重な装置の中で作業が行われているんです。何だかとっても大変そう!
クリーンスーツを着た研究員がさらにもう一層の防御シートの中に入るという、超厳重な二重構造!作業しているひとにトランシーバー越しで話しかけてみました。中はどんな感じですか?

研究員の方:慣れるまでは大変ですが、慣れてしまえば楽しんで仕事をやっています!

テルモ製品の生産現場に潜入!その2

体温計だけじゃないテルモのヒミツ!続いてスタッフがお邪魔したのは、静岡県にある愛鷹工場。あれ、こちらには結構たくさん人がいますね〜!いったい何を作っているんですか?生産部の藤島仁さんにお聞きすると、

藤島さん:カテーテルの製造を主に行っています。

そう、ここは「カテーテル」という細いチューブ状の医療機器を作る製造ライン。みなさん、顕微鏡を覗き込みながら作業中。匠の技を持つという、生産課の佐野まゆみさんにお話を伺いました。
テルモには37、8年もいらっしゃる佐野さんが作っているのは、診断用カテーテル。カテーテルの中でも作るのが難しい種類のモノなんだとか。今どんな作業をしているんですか?

佐野さん:チップのハンダ付けです。

ハンダ付けならそんなに難しくなさそうですが、チップを見せていただくとめちゃくちゃ小さい!

なんとこちらのチップ、大きさたったの0.8mm。このチップに2本の線をハンダ付けするって、どうやって?では、これからまゆみさんの匠の技をご覧ください。と、肉眼では何をやっているのかさっぱり分からないので、手元を拡大したモニターで、どうぞ!

まず、チップを溝にセット。そして線をチップの上に置いたら、いよいよハンダ付け!一見簡単にやっているように見えますが、配線の太さは0.05mm!髪の毛より細い!

佐野さん:ハンダの量とコテの当て方で、上手に付くか付かないか決まります。

こうして、2つの線がくっつかないように見事なハンダ付けが完了!見せていただくと、

小っちゃ!こちらの工場では、数十種類のカテーテルを年間1,000万本生産しているそうです。ニッポンの病院を支えるテルモ製品は、こうした人たちの手によって支えられていたんですね。

▼スタジオにてお話を伺いました。
進藤:こういった医療機器は海外にも出ているんですか?
和地さん:売上げの半分は海外で、160か国で製品を販売していますので、ほぼ世界中といっていいんじゃないでしょうか。

加藤:海外と日本ではどちらの技術が優れているんですか?
和地さん:発想は特にアメリカが優れているところがあります。モノづくりの技術は日本が優れていますね。

テルモが誇る世界最大の「すごい場所」に潜入!

体温計だけじゃないテルモのヒミツ!病院ビジネスで快進撃を続けるテルモ!そんなテルモが、ちょっと変わった場所を作ったというので、がっちりマンデー!!経済予報士見習い補佐の水野が突撃!

水野:おお、病院!?

なんと病室に、手術室、X線造影室まで!テルモさん、とうとう病院を作ったんだ!でも、ベッドの上をよく見てみると、お人形?これ、どういうこと?クリニカルサポートチーム・リーダーの星野早苗さんにお聞きすると、

星野さん:みんな患者さんでなく看護師や医師が研修のために来ていて、模擬病院として運営しています。

そう、こちらはテルモが造った世界最大の模擬病院!その名も「メディカルプラネックス」。総工費、なんと40億円!一体、どんな研修が行われているのか?まずは、病室で行われる看護師さんの研修を見てみると、

看護師:吉田さん、どうしたの?
患者ロボット:う〜、苦しいー。
看護師:苦しいの?

患者さんの容態が急変したときに、どんなふうに対処すべきかを学ぶ研修。人形から出ている声は、別室のマイクで講師さんが患者になりきって熱演!患者さんの人形も胸を膨らませて「スー、ハー」と息をするなど超リアル!
と、容態を確認した看護師さん、

看護師:すみません、吉田さんが呼吸困難を訴えているのでどなたか来てもらえますか?

と、応援を要請。すると、2人目の看護師さんが登場し、心電図をセット。本物の人間そのものの数値が表示される。ここでさらに3人目の看護師さんが、救急カートを搬入!カートに積まれた医療器具も、すべて本物。もちろんテルモ製!

どんどん緊迫していく現場!するとそこにドクターが到着。看護師さんは、患者の容態と、ここまでどんな治療をしたかを報告。ここで研修終了。

星野さん:一人だとひとつのことしかできませんよね。まず呼吸が悪いんだったら呼吸の確保とか気道確保など。その間にどんどん患者さんの容態が悪くなっていきますから、応援が必要になります。

どんなに学校などで勉強しても不測の事態が実際に起こると、落ち着いて対応するのはやっぱり大変。そこで、実際に起こりうる緊急事態をなるべくリアルに再現し、どう対処するかを経験してみることで、どんな状況にも冷静に対応する力を身につけることができるのです。

続いてやってきたのは、患者さんの血管にカテーテルを通して治療する、手術の練習をする部屋。緑の布の下に患者が寝ているという設定でカテーテルをゆっくり押し込んでいくと、モニター上でカテーテルが進んで行くというすごい仕組み!なんですが、ここで水野が副センター長の深水淳一さんに、

深水さん:では一度、やってみますか?
水野:えっ?無理です無理です!

何事も経験ということで、水野がカテーテル手術に挑戦!今回、治療する箇所は心臓付近の狭くなった血管。

水野:あ、なんか変な方向に行っちゃいましたよ!三角マークが出てきましたけど。
深水さん:これは「ガイドワイヤーの向きが逆に行っているんじゃないですか、このままだと頭の方向に行ってしまいますよ」というアラームですね。ガイドワイヤーの向きを少し変えて曲げてやると下向きに行きますので、そのまままっすぐ進めてください。

ようやく、心臓近くに到着。水野、お疲れさま。
カテーテル手術は、機器自体がどんなに進歩しても、お医者さんに技術がないとかなり難しい!そこでテルモでは、カテーテル手術のシミュレーターを置くことでお医者さんがトレーニングできるようサポートしているんです。

深水さん:テルモの商品は、人に使ってもらって初めて役に立つ商品だからなんです。

医師が使いこなせなければ、どんなに製品が優れていても何の意味もない。だから、まずテルモの製品に親しんで使いこなしてもらうことが第一なんだそうです。
現在、テルモの模擬病院に世界中から年間1万人が訪れている!テルモを使いこなし、テルモを欲しがるお医者さんがまだまだ増えそうですね、和地会長!

▼スタジオにてお話を伺いました。
和地さん:先端医療の開発というのは10年単位の時間が必要で、かかるお金も半端ではないんです。そうすると、収益を確保しないと先端医療の開発ができないんです。ですから私はチャンドラーの言葉をモジって、医療の会社というのは「高い収益力をあげなければ生き残れない。しかし社会に貢献しなければ生きる資格がない」と、新入社員のときから教え込んでいます。

加藤:素晴らしい!それはもう会長自身の言葉ですよ。儲かっていないと次の技術に行かないんだから、医療機器メーカーは儲かっていいと思います!

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