過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2010年1月17日放送

特集

国立博物館

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、櫻井翔さん

番組内容

今日のがっちりマンデーは、日本が誇る4大国立博物館に特別に許可を頂き、その知られざるお仕事の裏側に潜入!普
段は絶対に見られないお仕事シリーズ第1弾!潜入「4大国立博物館」の裏側!

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東京国立博物館の裏側!

普段は絶対に見られない、4大国立博物館の裏側!日本には東京、京都、奈良、九州の4つの国立博物館が!それぞれに独自の特徴があるんです。

まず、なんといっても…不動の王者「東京国立博物館」、略して「東博」!東博はとにかく、お宝がすごい。その収蔵品の数は11万点と日本一!ふだん展示されているのは、この膨大な収蔵品のごく一部、およそ20%だけ。なのでこの11万点を残らず見てもらうのは大変な作業なんです。

▼普段は見られない東博のヒミツ「収蔵品をグルグル展示替え!」
東博では、この収蔵品の展示替え作業が、年に大小合わせて300回以上!普段は絶対に見られない展示替えのお仕事を、特別に撮影させていただきました。今回は、陶磁器からガラスの工芸品への展示替え作業。あろうことか、最も壊れやすいモノ!これは緊張します。しかし陶磁器担当の学芸員さんの動きを見てみると、案外すいすいと運んでいる?

学芸員の方:そっとしていることが安全かどうかはまた別な問題です。

そう、無駄のないスムーズな動きで、必要最低限にしかモノにさわらない!箱もあらかじめ準備しておくのが鉄則!もちろん、時計や指輪も外して作業します。
陶磁器が片付いた所で、ガラス担当の学芸員、上席研究員の後藤健さん登場。何やら陶磁器などが写ったカラーコピーを持っていますが?

後藤さん:このモノをここに置くぞと調整する段階なんです。モノをいじりたくないので、先にどの作品がどの位置にくるのかを調整して決めておきます。そうするとモノを出してから「さあどこに置く?」ということにならないので。

モノの写真とにらめっこ。何度も並べ直しながら考える!数時間後、やっと展示作業が終わりに。
すると、暗闇で展示品を熱心に見つめる人物が。実はこの方、東京国立博物館が誇る照明のプロフェッショナル、企画課デザイン室長の木下史青さん。この日は「国宝 土偶展」の照明の最終調整。展示物の魅力や特徴をひとつひとつ最大限に引き出すべく、照明を微調整していく大変な作業。土偶、怖くないですか?

木下さん:あんまり怖くないですね。照明を下から当てると怖いですよ。こういう展示をする場合もあるんですよ、仁王さんとか。

ある展示品は、ずいぶん高い所から照明が。なぜそんな所から当てるかというと、「どこから当たっているかわからないけど光っている」というのがいいからなんだそうです。

木下さん:すごい今回ディスプレイよかったねっていうのは失敗なんです。なんかわからないけど作品がきれいに見えたねってのはOK!脇役ですからね。

平常展から特別展まで、ひとつひとつの展示が、スタッフのみなさんの細かいお仕事の積み重ねなんですね。

九州国立博物館の裏側!

普段は絶対に見られない、4大国立博物館の裏側!続いてやってきたのは、福岡県太宰府市にある九州国立博物館、略して「九博」!こちらの九博、まだ4年前に出来たばかりの新しい博物館、ということでちょっと弱点が。それは、まだまだ収蔵品が少ない!ってこと。
そこで、面白くなきゃ博物館じゃない!と、これまでの博物館の常識を破る斬新な企画を連発!
たとえば、絶対に見られなかった博物館の倉庫、「収蔵庫」が見られるバックヤードツアー。今までは絶対に触ることができなかった展示品をあえて子どもたちに触らせる「体験型展示」!新しい博物館らしい新しい試みで、今、大好評なんです。そんな九州国立博物館の、一番の秘密兵器がこちら。

▼普段は見られない九博のヒミツ「最新設備のお宝ドック!」
国内唯一、最新鋭の解析機器による「文化財の健康診断」!日本中の博物館や研究機関がお宝を持って来て、最新マシンでの分析を依頼するほど。
今回、特別に見せていただいたのが、文化財専用X線、CTスキャン。触ったり分解したりすることができない、超デリケートなお宝に、強力なX線を当てる事ことで、目にみえない内部構造までが一目瞭然!
この日は、徳川家のお宝を調べに、徳川美術館の関係者の方が。

スタッフ:お名前をお伺いしてもよろしいですか?
徳川さん:徳川義崇と言います。尾張徳川の末裔です。

ひかえい!このお方をどなたと心得る!尾張徳川家代22代当主であり、徳川美術館館長、徳川義崇氏なるぞ!頭が高い、ひかえおろう!

スタッフ:背が高いんですね。皆さん背が高いんですか?
徳川さん:比較的大きい人が多かったようですね。祖父も明治生まれで180cm以上ありましたから。

そんな徳川さんが今回検査するのは「初音の調度」というお宝。3代将軍家光の娘、千代姫が嫁入りした際に持参した嫁入り道具。お宝を傷つけないように、布に包んだまま検査にかけることに。

そしてこれがCTスキャンの映像!金で描かれた表面の細かな絵柄から文字まで、くっきりと浮かびあがって見えます!さらに、

徳川さん:断面をスライスしてみると、画びょうみたいに突き刺して留まっているのか、接着剤で留めてあるのかが一目瞭然でわかるんですね。

他にも様々な最新機器が。たとえば「超高精度デジタルスキャナー」は3億画素という精密さ。とにかくミクロなレベルでスキャン出来るので、非常に微細な蒔絵の絵柄もグングングングン拡大出来る。蒔絵の様子が細部までくっきり!
「3次元デジタイザ」は、お宝のデータを立体で完全保存できちゃう!そのデータを使えば立体のコピーまで作れちゃうんです。国宝級のお宝をお持ちのかたは、九博にどうぞ!

▼スタジオにてお話を伺いました。
加藤:昔のモノを今の科学で解析していくことっていうのは、すごいことですよね!

櫻井さん:あそこまで精密にスキャンできるというのはすごいですね。

加藤:スキャンできるということは、復元も可能ということですか?

森永さん:そうなんです。博物館が火事になったり盗まれたりしても、データさえあればほぼ同じものを作り出すことができます。

京都国立博物館の裏側!

普段は絶対に見られない、4大国立博物館の裏側!続いてスタッフが訪れたのが、歴史と伝統の都にたたずむ京都国立博物館、通称「京博」!
ちょうどこの日は、「THE ハプスブルク」のオープニングとあって大盛況!お客さんでごった返していました。しかし我々スタッフが目指したのは、人気の全くない建物。その建物こそが、京博が世界に誇る「文化財保存修理所」!

▼普段は見られない京博のヒミツ「修理技術がすごい!」
文化財保存修理所は、傷んでしまった絵画や古文書、仏像等を次の世代に伝えるために独自の技術で修理する施設。もともと京都は、歴史的な建物やお宝が多く眠る場所。そのため、こうした貴重な文化財を守る技術を古くから受け継ぐ、修復士や工房がたくさん。そんな優秀な工房を集め、30年前に出来たのが京博の「文化財保存修理所」なんです。
普段は絶対に立ち入ることが許されない場所!しかし今回は特別にその修復作業を見せていただきました。

作業していたのは、奈良東大寺に伝わる 国宝「東大寺文書(もんじょ)」の修復。
今回は、この文書一枚一枚の黒い点、紙の虫食いを埋めていく作業。和紙の厚さから、漉の目(すのめ)に至るまで、文書にぴったり合う和紙を選んでいきます。
学芸部副部長の赤尾栄慶さんによると、

赤尾さん:この和紙は修理所の中で、修理用に漉いた物を使っています。特別にそういう場所を作りました。

中には文書にライトを当てている方も。何をされているんですか?

赤尾さん:縦横に、ヘラで押した線が見えますよね?今で言う罫線と一緒で行が曲がらないようにしているんです。

うっすら昔の人がつけた罫線も、紙の情報として消えないように、きちんと確認しながら修復していきます。和紙を穴埋めして厚みが増した部分を削り、表面をキレイに平らにする作業もあり、緻密な力加減が必要。目も酷使する大変な作業です。
ちなみに古文書の修復が出来るようになるには、約10年もの修行が必要。

次に拝見したのは木造彫刻の修復。直しているのは12世紀頃の薬師如来座像。寄せ木造りの仏像を、30パーツほどに一度分解!再び美しくしっかりと組み合わさるように、つなぎ目をきれいに修復します。美術院 主任技師の丸山正明さんにお話を伺いました。

スタッフ:この細かい木片も必要不可欠なモノですか?
丸山さん:そうですね。仏像のどこかに入る場所があります。

細かな木片のひとつひとつも貴重な文化財。絶対に無くしてはいけません。美術院 所長の藤本?一さんによると、

藤本さん:金剛力士なんて3,000パーツくらいありますから、我々は小さいカケラがそこに置いてあっても、これはこの部分やなってわかります。

木造彫刻の修復技術を覚えるのにもおよそ10年。その技は受け継がれていきます。京都という伝統の町で、伝統的な技術を守る姿勢が、京博の特徴だそうです。

奈良国立博物館の裏側!

普段は絶対に見られない、4大国立博物館の裏側!最後にやって来たのは、「奈良国立博物館」、略して「奈良博」!さっそく学芸部長の西山厚さんに奈良博の売りを直撃!

西山さん:一番代表的なのは「正倉院展」です。世界で一番混んでいる展覧会なんです。1日の平均入館者数を計算すると世界で一番混む展覧会です。世界一ですよ!

そう、奈良博最大のイベント、それが「正倉院展」!昨年も、1日2万人のお客さんで賑わった世界一の展覧会!なんでこんなに人気なのか?実は正倉院展は、ただの展覧会ではありません。天皇家の倉庫である「正倉院」の、年に一度の虫干しに合わせて行われる、国家的イベント!確かに、正倉院展はすごいですが、奈良博の最大の特徴、それは!

▼普段は見られない奈良博のヒミツ「仏像がすごい!」

奈良博の大きな特徴が、国内最大の仏教美術、特に仏像がメインの博物館である、ということ。なので、収蔵品のほとんどは、お寺から預かっているものなんです。元々博物館が、奈良のお寺のお宝を守るために設立された、という経緯があるので、お寺とは切っても切れない特別な仲。そんな奈良博には、毎年欠かす事の出来ない、大事なお仕事が!
年が明けて1月4日。博物館のスタッフがお出かけ。一体どこに行くのか?

西山さん:この周辺の寺、神社、それと正倉院事務所に新年の挨拶回りです。今日から毎日、あっちこっちあっちこっち行きます。

そう、お寺や神社等への挨拶回り!「営業」が大事なお仕事!館長の湯山賢一さんも、

湯山さん:奈良博はそれが仕事ですから。

とのこと!

最初にうかがったのが、春日大社!なじみのない奥座敷に通されると、まずは、1,000年保管される台帳に名前を記帳。スタッフもせっかくだからと記念に記帳!
そこへ宮司の花山院弘匡さんが登場!

花山院さん:明けましておめでとうございます。旧年中は色々と御祭りもございましてお世話になっております。

年始のあいさつが終わると、話題は奈良博との企画について。

花山院さん:御祭を楽しんでいただいた後に展示も見ていただいて、神社の奥深さを知っていただける本当にいい機会だとは思うんですけれどもね。

湯山さん:広報宣伝というのは私ども国立博物館にとっても一番至らない、足りない点でありますので、その辺はもっと頑張らないといけないなと思うんですけれども。

と、まるで営業マンのような奈良博の方々。
この日は8件の挨拶周り。これがひと月は続くというから大変!こうした皆さんの営業努力があってこそなんですね。

▼スタジオにてお話を伺いました。
加藤:特に奈良博は神社やお寺があっての、というのがあるみたいですね?

森永さん:そうですね。仏像などを奈良博が借りているときは、奈良博から神社やお寺にお金が支払われるんです。奈良博はその仏像をお客さんに見てもらって人があつまるので、神社やお寺にとっても奈良博にとってもWin-Winの関係になっているんですね。

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