過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2009年12月13日放送

特集

予報ビジネス

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、根本美緒さん

番組内容

今日のがっちりマンデーは、儲かる「予報」ビジネス!未来の事が予報できれば、儲かるチャンスがぐっと増えそう!そんな「予報してがっちりな会社」、いっぱいありました!日本経済の未来もバッチリ予報しちゃう30分です!

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儲かる天気予報ビジネス!

儲かる予報ビジネス!予報と言えばまずはやっぱり、天気予報!
実はこの「天気予報ビジネス」の世界は今、ぐんぐんと急成長!その市場規模、なんと300億円!儲かり始めたきっかけは、1993年の法律改正。それまで「天気予報していいのは気象庁だけ」だったのが、民間の会社も予報していいことになった!このチャンスに、様々な民間会社が天気予報ビジネスをスタート。それぞれが独自の予報を開始したのです。

そんな中で今、ダントツに儲かっているのが、「ウェザーニューズ」。ごく限られた場所の天気が分かる「ピンポイント天気」や、5分ごとの雨雲の位置が分かる「雨雲レーダーチャンネル」など、独自の人気サービスを展開。さらに、世界50か国2,000社以上にお天気予報を提供!年商はなんと、114億円!今や、ウェザーニューズは世界最大の気象情報会社なんです!
しかしこの会社、一体何がスゴイのか?ウェザーニューズの心臓部、千葉市にある「グローバルセンター」へ潜入!安部大介さんにお話を伺いました。

安部さん:気象庁さんですと「アメダス」とか「ひまわり」といった情報が並んでいると思うんですが、我々の予報センターではすべて皆さんから送られてきた情報を元に天気予報を作っているというのが、ウェザーニューズの特徴です。

実は、ウェザーニューズの天気予報を生んでいるのは、「機械」じゃなくて「人」!元になっているのは国内に限って言えば、気象庁のアメダスや気象レーダーではなく、全国に散らばるウェザーニューズの会員、「リポーター」と呼ばれる人たちが観測している情報!

ということで、リポーター2年目という中村さんのお天気観測に密着させて頂くことに!中村さんのような観測リポーターが、なんと全国各地に4万3,000人!気象庁の観測機アメダスが1,300基なので、数だけで比べれば30倍以上!
中村さん、ご近所の公園に到着すると、

中村さん:お天気リポートを選択して…

おや、ケータイに何やら打ち込んでいる様子。今の天気は…雨が「パラパラ」。体感は…「寒い」と。

中村さん:では、送ります!

え、これで終わり?簡単すぎません?いえいえ実は、ウェザーニューズにとっては、アメダスよりも気象レーダーよりも、リポーターのケータイ情報の方が、断然重要なんです!でも一体、なんでなのか?

安部さん:実は、気象レーダーって弱い雨って映らないんですよ。ところが皆さん、「傘が必要な雨だよ」とか「ポツポツした雨だな」とか、現地の人が一番ご存じなんです。

実は、アメダスや気象レーダーでは小雨程度の雨を事前に観測する事ができませんでした。雨雲が大きくなってレーダーに映った時にはもう土砂降り、なんて事がけっこう多かったんです。でも、ウェザーニューズのリポーターは全国に4万人以上。常に誰かがどこかで観測しているから小雨だって見逃さない!

安部さん:雨の降り始めは、実際はもっと早く降り始めているということもわかってきました。今まで僕たちが見てきた気象は何だったんだろうと思わせるくらい、皆さんのリポートはすごい!感動しました!

そんなすごいリポーターのおかげで、ウェザーニューズはどこよりも早く、正確に雨の位置がわかる。だから、どこよりも早い予報が出せるんです!
でも気になるのが、リポーターさんたちに払う人件費。全国に4万人以上いるとなると、さぞかし…と思いきや、なんと、タダ!リポーターの中村さん、なんでそんなボランティアみたいなことをしているんですか?

中村さん:でも好きですねー、これは!

そう、リポーターさんは、とにかくお天気が大好きなお天気マニア。タダで観測しているだけでなく、毎月315円の利用料を支払って、知りたいお天気情報をもらっているんです。
さらに!ウェザーニューズには、そんなお天気好きなリポーターさんたちをもっと集めてしまう、上手な仕組みが!それが、「ポイント制」!これ、1日リポートする毎に、10ポイントがもらえる!2,000ポイント貯めると、

中村さん:ウェザーニューズで頂ける物で、湿度と気圧と風速が測れるんです。勲章のようなものですね!これを持っていたら同じ物を持っている人に会えるかもしれないっていう。会ったことないんですけど!

リポーター心をくすぐる、特製の携帯型お天気観測キット!しかも、観測キットを使った時の計測データも送ってもらうので、ウェザーニューズは、またまたより正確な観測情報も手に入っちゃう!よくできた仕組み!
そんなお天気予報でがっちりなウェザーニューズですが、意外なところに儲けのポイントが!

安部さん:普通の天気予報だけでなく、企業様向けのサービスが半分を占めています。

実はウェザーニューズ、ビジネスの半分は企業向け。お得意様は、JRや高速道路、コンビニや航空会社などなど。でも、テレビでも見られるお天気情報を、なぜわざわざウェザーニューズから買うんでしょう?コンビニやスーパーなどを担当している商業気象グループの武井弘樹さんにお聞きすると、

武井さん:気温だけでなく、体感指数を提案させていただいています。その時に陽が射しているのかいないのか、湿度が高いのか低いのか、それで同じ温度でも体感が大きく変わってくるんです。

ウェザーニューズがコンビニやスーパーに売っているのが、この「体感指数」情報。リポーターからのデータを元にはじき出された体感指数が、コンビニなどでは特に大事なんです。なぜ大事なのかと言うと、

武井さん:2月でも前日と比べて気温が3度5度上がると、かなり暑く感じるんですよ。それで春や夏を感じる商品に手が伸びるんです。それでたとえばコンビニさんでしたら、冷やし麺をいつ頃から投入しようかとか、ということになります。

他に、冬場でも暑さを感じればビールの在庫を増やしたり真夏でもおでんをお店に並べたり、体感指数を元に仕入れる商品を変えたりする、とっても大事な情報なんです!
さて、お天気に関するさまざまな情報を提供する企業向けサービスですが、このウェザーニューズを一番利用している「ある職業」があります。それは、船乗りさん!

ご覧ください、こちらの世界地図。赤や黄色の印、これ全部ウェザーニューズと契約している船が、今、どこにいるかを表したモノ。7つの海のすみずみまで、なんと世界4,000隻の船舶に、海のお天気情報をお届け!世界シェアは80%!
しかもウェザーニューズは、ただお天気情報だけを提供しているわけじゃない!航海気象グループの横川一夫さんにお聞きすると、

横川さん:海が大荒れですと、そこで非常に燃料を使ってしまうんですね。無駄な燃料を使わないようサポートさせていただいております。

船舶会社が安全にスケジュール通り運航するために一番必要なのは、「波」の情報。そこで、ウェザーニューズでは、世界の気象衛星から集めた天気図や風の情報をもとに、細かいエリアごとの「波」の状況を計算。それを元に、波の高さに応じたエンジンの回転数、さらに、燃料費を抑えるための最短ルートまでを、船に教えてあげる!だから、世界中の船乗りから絶大な信頼が寄せられ、がっちり儲かるってわけ。

そして、ウェザーニューズは遂に来年、北極海を観測する独自の人工衛星「WNI」の打ち上げを予定。成功すれば、地球規模の観測ができちゃう!これでまた、ますます儲かっちゃうかも!

安部さん:ウェザーニューズは、天気予報でがっちり!

スタジオにてお話を伺いました。
根本さん:私も実はウェザーニューズのサイトに登録しているんですけど、「○○さんの情報です」と名前付きで載るので、それが楽しくて投稿するんだと思いますよ!

加藤:あと体感温度なんですけど、確かに夏が終わって秋にちょっと肌寒いときに、真冬より全然暖かくても「鍋食べたいなー」って思いますもんね!

森永さん:たとえば遊園地や動物園も体感温度によってお客さんの入りが全然違うんですよ。

加藤:そういったところにも情報を卸しているというわけですね!

進藤:ウェザーニューズの今後はどういった可能性があるんでしょう?

森永さん:人工衛星を打ち上げることによって、たとえば北極海の氷の状態がわかるんですよ。今まで北極海経由で船舶の輸送はできなかったんですが、きちんと観測できればそれが可能になるんですね。時間が短縮できるし燃費も良くなる。こんな良いことはないんです!

加藤:観測リポーターが世界に広がったら大変なことになりますよね?

森永さん:世界中にお天気マニアはいますから、可能性はありますよ!

渋滞予報でがっちり!

儲かる予報ビジネス!続いては、渋滞予報!これから迎える年末年始の帰省ラッシュ。誰もがうんざりするのが、交通渋滞。そんな渋滞を予報して、がっちりなビジネスがあるんです!向かったのは、さいたま市岩槻区にあるNEXCO東日本道路管理センター。高速道路の管理運営をしている会社です。迎えてくれたのは、

原山さん:渋滞予報士の原山と申します。

NEXCO東日本管理事業部、「渋滞予報士」の原山さん!予報の的中率は8割というスゴ腕!ずばり、渋滞を予報できれば儲かるんですか?

原山さん:そこはちょっと難しい部分があるんですけどね。ただ、渋滞によって日本全国で年間あたり10兆円くらいの社会的な損失があります。

なんと渋滞による経済損失は年間10兆円!でも、渋滞を上手く予報して少しでも無くすことができれば、すごい儲かりビジネスになるってこと。そんな夢の技術を実現したすごい
「カーナビ」があるらしい!

こちら埼玉県和光市にある、ホンダ。ちなみにホンダは何を隠そう、世界で初めてカーナビを開発した会社なんですよ!車でのご登場は、企画開発ブロック・リーダーの田村和也さん。すごいカーナビあるって聞いたんですけど?

田村さん:ありますよ!ホンダの「インターナビ」というナビゲーション・システムです。売れてます!

このホンダのカーナビが、ハンパじゃない!何がすごいのかと言うと、

田村さん:目的地に到着するまでの到着時間がものすごく正確に出せます。数分の誤差で到着予想時間が提供できます。

たしかに、出発前にルート設定をおこなっても、走っている途中でどんどん到着時刻が変更になって、「意味ないじゃん!」ってカーナビってありますよね?でも、インターナビの到着予測の誤差は、たった数分。なぜ?

田村さん:普通のカーナビは「VICS」という公共の交通情報を使って計算するようになっています。私たちのカーナビはさらにお客様から提供いただいた情報を元に、VICSが提供していない道路もカバーして到着予想時刻を求めることができるんです。

VICSとは、高速道路や主要な一般道に設置してあるセンサーで、渋滞情報をカーナビに送信してくれる公共機関のシステム。しかし、このVICSだと、高速道路や幹線道路の渋滞情報しかわからない。

ところが!ホンダは、インターナビを付けて走っている車から情報提供を受け、自動的に細い道でも渋滞情報を送るシステムを作ったのです!ということは、

田村さん:お客様からの情報を合わせる事で、VICSの約8倍の面積の交通情報を使うことが出来ます。

情報が多いから、より正しいルートを選んでくれる!
そして極めつきが、「渋滞予測機能」!各車両から集められた渋滞情報は、ホンダのセンターでデータベース化。過去のデータをもとに、細かい道にいたるまで、いつ、どれくらいの渋滞が起きそうか、これからその道を通ろうとする車に送信されるのです。

例えば、午後3時に赤坂を出発する車が、午後4時頃に横浜を通過する予定だとします。するとインターナビは、「横浜は今は全然渋滞してないけど、4時頃になると急に渋滞し始めるはず」という情報をセンターからキャッチ。なるべくその渋滞にはまらないようにルートを考えてくれる!

こうした「細かい道路」の、「未来の渋滞」までも予測するから、インターナビの到着時間は誤差が少ないんです!

「ココにお店を出せば儲かる」予報でがっちり!

儲かる予報ビジネス!最後は、「ココにお店を出せば儲かる」予報!モノを売るお店やチェーン店にとって、どこにお店を作れば一番儲かるのか?というのは、ノドから手が出るほど知りたい情報!その「ココにお店を出せば儲かる」予報が、おそらく日本で一番得意な会社があるんです!それは、

なんと、マクドナルド!ご存じ、日本最大の外食チェーン店ですが、お店の出し方にもダントツのノウハウを持っている会社だったのです!では、一体そのノウハウとは?コミュニケーション部・部長の蟹谷賢次さんにお聞きすると、

蟹谷さん:こちらの「マックGIS」です!

この「マックGIS」、マクドナルドが開発したソフトで、一見、普通の地図に見えますが、マクドナルドがこの不況の中、今年過去最高益を生み出した陰の立て役者なんです!このマックGIS、とにかく情報量がハンパない!例えば、ある場所にお店を出そうかどうしようか?となったときにまずに調べるのが、お店の前の「交通量」。

蟹谷さん:例えばココをクリックすると、車の交通量がここに出てきます。

全国の主要な道路なら、昼の間に通る車の量が1日何台か、クリック一発でわかっちゃう。さらに、1日の駅の利用者数から、近くにある学校の生徒の数まで、これらのデータを総合して分析すれば、1日に来店するお客さんの数が予測できちゃう!しかも、それだけじゃない!

蟹谷さん:500m単位で、ここにある商業施設の販売金額がまとめられます。

マックGISでは、全国を500m四方に区切り、そのエリアにあるスーパーやコンビニなど
商業施設全部の売上げを計算。つまり、そのエリアで、どれくらいモノが売れているのか、「儲かるエリア」なのかが分かる!さらに、住んでいる人、働いている人の数、男女の割合、年齢層、学生の数、はては、そこに住んでいる人たちの収入がどれくらい、なんてことまで分かるのです!だから、

蟹谷さん:店舗数は実は増えていないんですね。店舗を減らして増やしていくという。でも、売上げはアップしているんです。

実は、最近のマクドナルドはお店の数は増えていないのに売上げだけが上がっている!これもマックGISのたまもの!あまり儲からないお店はやめて、儲かりそうな場所に出店!だから1店舗あたりの売上げがグングン伸びる!マックGISこそが、今のマクドナルドの大躍進を支えている、陰の秘密兵器だったのです!

スタジオにてお話を伺いました。
進藤:マックGISには、ライバル店の売上予測のデータまで入っているそうなんです。

加藤:なるほど!他店舗の間に出店すればそこのお客さんを吸い上げられるとか、そういったことなんでしょうね!

進藤:そして、渋滞予報!

加藤:実際に走っている車の情報だから信用できますよね。日本の天気と渋滞の予報は世界No.1なんじゃないですか?

森永さん:そうですね、技術は世界一ですからね。

進藤:森永さん、これを「予報」すれば儲かるというものを教えてください!

森永さん:それは「宇宙天気予報」です!「太陽黒点の数と景気変動は連動している」という説があって、たとえば太陽黒点の数が変化して異常データになったときにエルニーニョ現象が起きて、そうすると経済活動においても、不況になるなどの変化があるんです。だから、太陽黒点の動きを予報できれば儲かるビジネスになるかもしれませんよ!

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