過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2009年12月6日放送

特集

儲けのカラクリ

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、大沢あかねさん

番組内容

今日のがっちりマンデーは、今ぜったい儲かっているはずなのに、どう儲けているかがイマイチわからない!そんな、普段はだれも教えてくれない気になるアレの「儲けのカラクリ」を、徹底解明しちゃいます!

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バイク王の儲けのカラクリ!

どうやって儲けているのかイマイチわからない。そんな会社の儲けのカラクリ!まずは、最近ひんぱんにCMで目にする会社、「バイク王」!
CMの触れ込み通り、バイク屋さんの下取りより高く買い取ってくれるのが人気のヒミツ。
でも、なんでそんなことができるのか?
そこには、バイク王独自の儲けのカラクリが!
高く買い取っても儲かるのは、バイク王が、「自分で売らない」から!
実は、バイク屋さんとバイク王には買い取った後の車両の扱いに大きな違いがあるのです。

バイク屋さんの場合、下取りしたバイクは自分の店で売ることがほとんど。手元においていれば車庫代など経費が掛かるし、いつ売れるかわからない。場合によっては売れない可能性もあるのです。それらのリスクを考えて下取り価格を決めるので安くなっちゃう。ところが!バイク王買取営業部シニアリーダーの一宮亮さんにお聞きすると、

一宮さん:当社の場合は最短1週間で売上金が発生します。

この「バイクの素早い現金化」が儲けのヒミツ!バイク王では、お客さんから買い取ったバイクは営業所に一旦集められ、到着順に整備。整備を終えると、その日のうちにトラックに積まれ出発!行先は、バイクのオークション会場!

持ち込んだバイクはその日のうちに競りにかけられ、中古バイク屋さんが落札。お店で売るより安い値段でしか売れませんが、「すぐ現金になり、絶対に売れ残らない」というメリットが!一台一台の儲けは小さいけれど、現金を早いサイクルで回すことで、バイク王は大きな利益を生んでいるのです。バイク王の買い取り現場をみると…

バイクの走行距離やキズなど60項目をくまなくチェック。手に持った携帯パソコンにバイクの状態を打ち込み、本部に送信。ここまでわずか15分!バイク王では全国の中古バイクの相場をリアルタイムで把握。さらに統一の査定基準があるので、その時に一番高い金額が出せるのです。待つこと5分で、もう査定結果が!
今回のバイク買取額は13万円で交渉成立。お客さんも満足そう!すると、ポーチをごそごそと探る、今回の査定を担当した樋口さん。中からなんと現金が!本当に現金を回しているんですね!

一宮さん:バイク王は、現金をぐるぐる回してがっちり!

クレジットカードの儲けのカラクリ!

どうやって儲けているのかイマイチわからない。そんな会社の儲けのカラクリ!続いては、買い物をする時に使うクレジットカード。皆さん一枚は持っていますよね?それもそのはず。日本全国で発行されているクレジットカードの数は3億枚以上!年間のカードでの支払額はなんと39兆円!でも、カード会社って一体ナニで儲けているのか?
三菱UFJニコスIT事業部大根優美さんによると、カード会社の一番の儲けは、お店からもらえる手数料!

1万円の買い物をした場合、お客さんからカード会社に引き落とされるのは1万円。でも、カード会社からお店に支払われるのは約9,700円。この差額の約300円がカード会社の儲けなんです。お店は現金払いよりもちょっと損をするけど、そのぶんお客さんが増えるのでカード会社と契約するってわけ。ただこの手数料の300円、まるまるカード会社がもらえるわけではないんです。
VISAカードならアメリカのVISAにブランド料を支払ったり、お客さんからの口座引き落とし手数料を払ったり…と、色々ひかれちゃう。さらに、意外にかかるのがカードで支払うときのピッとやる機械の手数料。

キャッシュカードでも他の銀行のATMを使うと手数料を取られますよね?これ、クレジットカードでも同じ。お店にあるあの機械、実はいろんなカード会社が設置していて、たとえば三菱UFJニコスのカードを三井住友VISAが機械を置いている店で使うと、お金を払わないとダメなんです。お店で指定のカードを使えばポイントが2倍にアップすることがあるのは、カード会社間の手数料が無い分をサービスで付けているからなんです。
そんなクレジットカード会社が目をつけ始めている儲かりジャンルが。それは、ネットショッピングの世界!

不景気の影響で消費がどんどん落ち込む中、ネットショップでお金を使う人は右肩上がりで増加中! しかも、支払いの方法はカード払いがとっても多い!だから、ネットショップで自分のカードを使ってもらうために今、いろんな工夫が!
たとえば、三菱UFJニコスがやっているのが「POINT名人.com」。このサイトを経由してネットショップに行き、カードで支払えば通常よりも多くポイントがもらえるというサービス。実はここにも儲けのカラクリが!

このネットショップ、三菱UFJニコスのカードだと、さらにもらえるポイントがアップするようになっている!ということは、ポイントにつられて、POINT名人.comで三菱UFJニコスを使っちゃう!当然、三菱UFJニコスは儲かるってわけなんです。

スタジオにてお話を伺いました。
森永さん:ネットショッピングに関してはもっと儲かる仕組みがあって、ポイントが2倍になるケースでは、ポイントアップ分はネットショップ側が負担してくれるので、カード会社側は負担しなくて済むんです。

加藤:ネットショップ側もお客さんに来てほしいから負担するというわけなんですね!

進藤:そして、バイク王!

森永さん:バイク王の一番のポイントは「在庫を持たない」ということで、これはあらゆるビジネスで一番の儲けのカラクリなんです。在庫は持っていれば持っているだけ場所代がかかったり金利がかかったりと、赤字が出る要因ばかりなので、在庫を持ったらすぐ売ることが重要なんですね。

クックパッドの儲けのカラクリ!

どうやって儲けているのかイマイチわからない。そんな会社の儲けのカラクリ!続いては、今、ご家庭の奥様がおそらく一番使っているウェブサイト。それが、料理レシピ検索サイト「クックパッド」!

たとえば、この季節にぴったりの「白菜」を使った料理をしたいとき、クックパッドで「はくさい」と入力するだけで、「白菜」料理のレシピがなんと1万3,000件以上も出てくる!レシピを見てみると、出来上がりの写真に加え、調理手順の詳しい説明も。現在利用者数はなんと800万人!
このサイトを作ったクックパッド株式会社、本年度の売上げはなんと11億円。でもこのサイト、レシピを検索して見るのには1円もかかりません。じゃあどうやって儲かっているのか?ひとつめのポイントは、実はこのレシピが「すべて投稿」されたもの、ってこと。

自分が作った料理をみんなにみせたい奥さんがどんどん書き込んでくれるので、レシピがドンドン増えていく。今やそのレシピの数、65万件!しかも、元手はタダ!
そんなクックパッドが儲かっているのには、別の「儲けのカラクリ」が!ひとつめは広告収入、そしてもうひとつが「有料会員制」!この「クックパッド」、レシピを見るのはもちろんタダですが、1か月297円払って有料会員になると、検索した料理が人気順に見られる!無料で使っていた人が、「297円ならいっか」と有料会員に。
現在、有料会員は全体の7%ぐらいですが、800万人の7%だから、これだけで約2億円の儲けがあったとか!
まだまだあります、クックパッドの儲けのカラクリ。広告事業部の山口豪志さんにお聞きすると、

山口さん:レシピコンテストというものがございます。

クックパッドはサイト上で「レシピコンテスト」というイベントを主催。これは、「パンを使ったもの」や「レモン果汁を使ったもの」といった、一つの食材をテーマにした自慢のメニューを一般の奥様たちから募集するというもの。このコンテストに、またまた儲けのカラクリが!実はこのコンテスト、企業から頼まれてやっている!テーマの食材は、もちろん依頼した企業のモノ。クックパッドにはその企業から、1つのコンテストに付き450万円の手数料が入ってくる。なんで企業はそんなにお金を払うのか?そこにはちゃんとメリットがあるんです。

メリット1
一回のコンテストで数百のレシピが送られてくるので、クックパッドにその食材のレシピが増える。つまり、検索で自社の食材がひっかかる可能性が高くなり、売上げアップにつながるんです!

メリット2
その食材の意外な使い方がわかる!

山口さん:たとえば焼肉のタレも、その用途のために作られているタレですが、実際に毎日料理されているお母さん方に、「こうやって食べたらもっとおいしいのに」「こういう使い方があるんだよ」といった新しい発見をご投稿いただいているんですね。

たとえば森永乳業さんの場合、「クリープ」でコンテストを開催。コンテストの反応を森永乳業リテール事業部の樋口和也さんにお聞きすると、

樋口さん:粉末なのでそのままケーキにかける等をある程度予想していましたが、たとえばグラタンなどにご活用いただいて、我々もすごく勉強になりました。

なんと200件の「クリープ」を使ったレシピ投稿が!その内容は、お菓子はもちろん、クリープを使った親子丼や、クリープパスタ。そして最優秀賞に選ばれたのがなんと、「クリープの生ハム巻き」!このコンテストのおかげで、クリープのサイト閲覧数は3割増しとかなりの効果が!

さて、クックパッドが企業を相手にやっているビジネスはもう一つ。それは、「たべみる」というサービス!これ、クックパッドが蓄えたデータベースを、企業に売る!というもの。日本全国に800万人以上のユーザーを持つクックパッドには様々なデータが集まる。

山口さん:白菜とか鍋とかって、実はお彼岸のあと、9月末ごろから検索が伸びてくるんですね。そこから意外とロングランで2月半ば、バレンタインくらいまで鍋や白菜の検索人気が高いんです。そういった、「何となくイメージはわくけど実際はどうなんだろう?」というデータを出せるのが「たべみる」というサービスです。

このデータを使えば、いつ、何処で、何が、どれだけ検索されたのかがキーワードごとにわかるので、それに関連した商品の売れる場所が予想できる。これは企業にとってノドから手が出るほど欲しい情報!
クックパッドは、そんなおいしい情報を売って儲けているんです。うまい!

YouTubeの儲けのカラクリ!

どうやって儲けているのかイマイチわからない。そんな会社の儲けのカラクリ!最後は、世界中からのいろんな映像がいつでも見ることができる、動画共有ウェブサイト「YouTube」。

2005年に誕生したYouTubeは、わずか4年弱で今や、全世界で月間4億2,600万人が利用するお化けサイトに成長。でもこのYouTube、どうやって儲けているのか?GoogleのYouTube担当、シニアプロダクトマネージャーの徳生裕人さんに聞いてみました。

徳生さん:基本は広告ベースなのでお金のやり取りは表向きには存在しません。

YouTubeの儲けの基本は広告収入。広告は目立たないのがその特徴。

検索結果ページにある、この右側の部分が広告。検索したら、そのワードに関連した映像広告がでてくるんです。

そして今、YouTubeの新たな儲けのテーマになろうとしているのが、「著作権」!
あれ?一時は、無断で映画やアニメの映像が載って裁判になったりしていたのに。YouTubeは、その著作権を持つ人を相手に、新しい広告ビジネスをやろうとしているんです。それは「コンテンツIDシステム」!

まず、YouTubeは著作権侵害映像を自動的に探知するシステムを開発。これ、画面が多少ゆがんでいても探知できちゃう優れモノ!そして、著作権に触れる映像を見つけたら、映画会社や音楽会社に即連絡!ここから先に「儲けのカラクリ」が!
権利者はYouTubeから、連絡が来ると、「削除する」と「そのまま残す」どちらかを選べるんです。「削除する」ってのはわかるけど、「そのまま残す」ってなんで?

徳生さん:これに似たものを見つけたら全て削除してくださいと指定することもできます。その場合はアップされた瞬間にYouTube側で削除します。一方で、こういうコンテンツだったらアップされていてもいいけれど、その代わり広告を出して収益がこちらに来るようにしてくださいというオプションも設定できます

「残す」を選ぶと、その映像の横に広告が付くようになります。著作権を持つ人はその広告料の一部をGoogleからもらえる!だから、結構「残す」場合が多いんです。
企業にしてみると、思わぬ広告料がもらえてうれしいし、YouTubeにとっても、映像の種類が増え、見る人が増えることで、広告主からの広告料が増える!

徳生さん:YouTubeとしては、再生ページは契約関係がクリアになったものにのみ広告を出すようにしていますので、すべての著作権をお持ちの方とそうした関係を築いて、YouTube上の著作権がクリアになっているというのが私どものゴールです。

YouTubeも映像の権利者も、どっちも儲かるシステムなんです!

スタジオにてお話を伺いました。
森永さん:YouTubeはシステムにお金がかかって元々大きな赤字を出していたんですね。それが、Googleに買収されてから急速に収益を伸ばして、経営状態が良くなっているんです。それは、今まで著作権を持つ人と敵対関係にあったのが、Win-Winの関係、両方とも良くなるという仕掛けを作ったのがすごく大きいですよね。

加藤:これからどうなっていくんですかね?

森永さん:著作権を持つ人が映像のすべてを開放しているわけではなくて、その一部を開放していることでまず広告収入を得られますよね。さらに、それをYouTubeで見た人がその映像のすべてを見たいと思ったら、その映像のDVDを買ってくれるかもしれないですよね。

加藤:そういった宣伝の効果にもなるというわけですね!

進藤:そして、クックパッドもすごいですね!

森永さん:あのデータのすごいところは、検索ワードの組み合わせもわかるところなんですよ。たとえば「白菜」に関心を持っている人はこういう調味料を使っているんだということもわかるので、いつどこで何が売れるかというのが属性別にわかるというのが大きいんです。

進藤:森永さん、あと一歩で儲けのカラクリができそうなビジネスを教えてください!

森永さん:それは「動画素材販売ビジネス」です!今、パソコンでオリジナル作品が簡単に作れるようになっているんですが、アフリカのライオンや南米の大自然など、個人だと撮影できないような映像素材を集めて、たとえば課金制にしてサイトで配布すれば、ものすごく儲かると思います!

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