過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2009年11月29日放送

特集

レンゴー

ゲスト

レンゴー株式会社代表取締役社長 大坪清さん

番組内容

今日のがっちりマンデーは、段ボール市場の国内シェアNo.1「レンゴー」!その生産現場を訪ねてみると、身近にあるけど意外と知らない段ボールの秘密が!段ボールの原料は段ボール?めったに見られない段ボール作りの現場を大公開!さらに、段ボールのデザインがすごいことに!
スタジオには、代表取締役社長の大坪清さんが登場!あまり知らない段ボールのすごさを徹底解明します!

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段ボール作りの現場に潜入!

段ボール業界No.1レンゴー!がっちりマンデー!!経済予報士見習いの岡村が向かったのは、埼玉県川口市にあるレンゴー東京工場。

案内していただいたのは、番組を毎週観てくださっているという工場長の藤田宏司さん。工場に入るとまず、音のすごさにびっくり!しかしこれ、実は儲かりのヒミツに関係があるんです。それは、この工場の1番の特徴が「とにかく速い」ということ!

あらゆる機械が高速で動いているので音がすごいんです。段ボール原紙が段ボールシートになるまで100mのラインをたった15秒で駆け抜けます。では、実際に段ボールができるまでをご紹介。

段ボール作りは簡単に言うと、3枚の紙をくっつける作業。

まず、中しんと呼ばれる真ん中のくねくねした紙と外側の紙をくっつけます。現場を見せていただくと…

岡村:すごい勢いで回っているんですけど、速すぎて見えないですね!

残念ながら秒速6.6mで高速回転しているため、どうなっているのかわからない!一体何が行われているかというと、

まず中しんが2枚の歯車に挟まれて波型に。このとき、上の歯車の中は真空状態なので、中しんが歯車にぴったりくっつく。さらに、この状態のままのりをつけて外側の紙と貼り合わせ、片面段ボールが出来上がり!

この歯車、段ボール専用の特殊なモノで、出来上がった波型はy=sinθという数式で表される曲線を描く。きれいな曲線は頑丈な段ボールを作るポイント!

続いて、出来上がったモノにもう片側の紙を貼り合わせ、

高速移動のまま製品の大きさに切断!

あっという間に段ボールシートが完成!1日に長さおよそ20kmの段ボールが作られているのです。

段ボール改革でがっちり!

段ボール業界No.1レンゴー!みなさん、段ボールって昔からずっと同じで、特に変わっていないと思っていませんか?ところがどっこい、3年前に重大な改良が行われたのです!ぱっと見た感じでは何も変わっていないようなのですが、

昔のモノより1ミリ薄くなっている!って、たった1ミリ?でも、これがけっこうすごいこと!

そもそも段ボールの始まりは、電球を包むボール紙包装でした。

ここが段になっているから段ボール!その後、箱型の段ボール箱が作られ、生産量も増加。その当時から、日本の段ボールの厚さは5ミリが主流でした。ところが3年前、大坪社長が「4ミリにするぞ!」と宣言。社員の反対を押し切り、厚さ4ミリの段ボールを作り始めたのです。一体1ミリで何が違うんでしょうか?

藤田さん:運賃効率ですね。たくさん積めるというメリットがあります。

段ボールは中が空いているので、とってもかさばる商品。だからお客さんに運ぶ運賃がかかってしまう。段ボール業界では、「運ぶ距離が100kmを超えると採算が合わなくなる」と言われているほど。レンゴーもわざわざ全国に工場を造って輸送距離を短くしているくらいなんです。

それがわずか1ミリ薄くなっただけで同じ運び賃で25%多く運べる!これは相当大きい!
でもちょっぴり心配なことが。

岡村:ただ、薄くなると強さのほうはどうなんですか?
藤田さん:強さはほとんど変わらないんです。

5ミリを4ミリにしても強さはそんなに変わらない!薄くなるとその分、波の数が増えて強度が増すため、4ミリでも大丈夫なんです。4ミリの段ボールに岡村+女性AD(合わせて約100kg)が乗っても…

全然ビクともしない!

岡村:薄くなって強くなっていいことだらけじゃないですか!
藤田さん:はい、だから売れているんですけどね。

4ミリ段ボール売れ行き好調!社長、4ミリにして良かったですね!

古段ボールの再利用でがっちり!

段ボール業界No.1レンゴー!さらにもうひとつ、レンゴーの大事な儲かりのヒミツが、原料!

レンゴーの段ボールの原材料は、ほとんどが古段ボール!その割合、実に97.8%!古段ボールをたくさん使えば環境に優しいのはもちろん、パルプを使うより当然安上がりなので、その分儲かる!それにしても97.8%ってすごい数字!一体どうやって?

おじゃましたのは、古紙の回収を専門に行う株式会社大久保。こちらは、家庭やスーパーなどから段ボールを回収しレンゴーに売るのがお仕事。集めた段ボールはギュッと圧縮して固まりに。1個あたりおよそ1トン!そのときの古紙の価格にもよるらしいのですが、1トン当たり1万円以上で売れるんだとか。結構なお値段!

ここが大事なポイント!回収業者さんが頑張って集めてくれることがレンゴーにとってもありがたい。だから、ある程度のお金を払って原料を確保しているのです。こうして回収された段ボールは再びレンゴーの工場へ。レンゴー八潮工場の工場長、西村修さんにその様子を見せていただきました。

岡村:これは何をしているんですか?
西村さん:これは、段ボールの一度使った古紙を溶かしているんです。

でっかいバケツのようなモノに、古段ボールを入れて溶かし、それを何度もろ過して不純物を取り除く。

紙の繊維を取り出したら薄く延ばして紙ロールが完成!これが再び段ボールになるんです。ということは?

岡村:一番最初に段ボールを作ってしまえば、
西村さん:永久に回っていきます。

みんなが得するループを作るから、レンゴーも得するってことですよね!

スタジオでお話を伺いました。
加藤:古紙が1トン1万円以上って言っていましたが。

大坪さん:レンゴーへ入るのは1万5,000円以上です。

加藤:なんで変動するんですか?

大坪さん:古紙は生産物じゃなくて発生物ですよね。段ボールの使用量が減るとそれだけ古段ボールの価格が上がるんですよね。農産物と同じようなものですね。

進藤:会社のいろんな声を遮って改革されたのが4ミリの段ボールなんですけれども。

大坪さん:みんな反対されましたけれどもやっぱり正しかったんですよね。

進藤:さらに2009年4月、1,000人の派遣社員を正社員になさったんですよね。

加藤:単純に考えれば人件費が増えてしまって会社の負担が増える気がするんですが?

大坪さん:それをカバーするような生産性が向上したり、ロス率が下がったりプラスの要素が出てきました。

加藤:でも反対もあったでしょ?

大坪さん:いやまあ、「えいやー」でやったんですけどね。

加藤:会社ってトップが「えいやー」でやらないと?

大坪さん:進まないでしょうね。

段ボールのデザインのヒミツ!

段ボール業界No.1レンゴー! 段ボールを作るときに大事なのが、形や大きさのデザイン。工場のラインの最後に来ると、

きゅうりの箱が出てきました。組み立ててみると、

こんな感じ!見たことありますよね?

岡村:箱の形は何種類あるんですか?
藤田さん:数えきれないくらいです。1点1点違う種類が出てきますので、それに合わせて型を作って段ボールを作るんです。

段ボールは、入れる商品によって形や大きさがバラバラ。箱によって切り方が違うんです。

製品ごとにたくさんの型が。東京工場だけでも型の数ざっと500枚!これをデザインするのもけっこう難しい。たとえば、

番組で用意したこちらの「がっちりワイン」。

岡村:このワインを割らずに運べる段ボールって作れますか?絶対割ったらダメなんですよ!がっちりワインなんで!

このワイン用の段ボールをデザインするのが、パッケージ・デザイン部の大谷昌義さん。ただ箱を作ればいいというわけではない!

大谷さん:割れないようにするのが一番だと思っていますので、ビンの周りに空間を設けて、落とされても割れないようにしようと思っています。

こうした割れ物やパソコンなどの精密機械の場合、外と直接触れないように上手く収めるのがポイント。

もうひとつ、紙に無駄がないようになるべく小さい面積の長方形で作るのが腕の見せ所!大谷さんがパソコンとにらめっこしてデザインした結果、設計図が完成!設計ができたら早速、試作品作りに取り掛かります。サンプルカッターを使って図面通りに段ボールを切り取ります。

あっという間に完成しました!でもちゃんとできているのか?1枚のシートを組み立てていくと、見事な立体の箱が!ワインを入れてみると、ピッタリ!

段ボールがワイン箱に変身!持ちやすそう!完成したらもちろん、割れないかチェック。50センチの高さから落としてみました。やってみると結構な衝撃が!がっちりワインは大丈夫なのか?

岡村:割れてない!

ワインが割れないようにちゃんと段ボールがクッションになっている!実験成功!こうして日々新しいデザインが。

そして、デザインと言えば形だけじゃなく、表のプリントも重要。最近では段ボール箱が売り場に直接積まれているお店も多いですもんね。そこでレンゴーは、メーカーの代わりに表面のデザインもやっちゃう。写真をきれいにプリントするのもお手のもの!そんなレンゴー、パッケージ・デザイン部の佐藤聖子さんに得意技をお聞きすると、

佐藤さん:バーチカルデザインですね。

バーチカルデザイン?箱がひとつだけだとさっぱりわかりませんが、

積み上げてみるとマルコメ君が縦につながっている!これがバーチカルデザイン!絵が縦につながっていると、横に動くお客さんの目線が縦に動いて足が止まる。これが売上げアップにもつながると大好評なのです!もちろん、デザインが採用されれば段ボールも買ってもらえて、レンゴーもがっちり!

段ボールの意外な使い道でがっちり!

段ボール業界No.1レンゴー!物を運ぶのに大活躍の段ボールには、意外な使い道があったのです。しかもこれが結構儲かっているらしい。段ボールが使われていると案内されたのは、地下の建設現場。大成建設株式会社の坂田司さんにお話を伺いました。どこに段ボールがあるんですか?

坂田さん:空調のエアを送る筒ですね。これが段ボールで出来ています。

これ、段ボールにアルミニウム箔をコーティングした空調ダクト。その名も「コルエアダクト」!これまでは金属製でしたが、徐々に段ボール製が増えているのだとか。人気のヒミツは、作業を見れば一目瞭然。ぺったんこのまま持ち込み、その場で組み立てられるし、何て言っても軽い!通常は4人でやる作業も2人で楽々!工事のスピードアップにもつながります。

金属製のものと重さを比べてみると、およそ5分の1!さらに、金属製のダクトは保温材を巻きつけないと空調の役割を果たさなかったのに対し、段ボールの場合、すきまが保温材と同じ役割を果たすので、必要なし!さらにさらに、

坂田さん:今までよりは全体で2割くらいは安くなると思います。

コルエアダクトのお値段は1m6,600円から。まだまだ段ボールの使い道は広がりそうですね!

スタジオにてお話を伺いました。
加藤:物を運ぶときに、レンゴーから段ボール以外のものが出てくる可能性はあるんですか?

大坪さん:あります。たとえば、おにぎりをむいていったらのりが自然にくっつくシステムはレンゴーの特許なんです。サンドイッチの包装で斜めにむいたら食べられるシステムもそうなんですよ。

加藤:へー!段ボール以外もやっているんですね!

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