過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2009年9月13日放送

特集

明治製菓株式会社

ゲスト

佐藤尚忠さん(明治製菓株式会社社長)

番組内容

今日のがっちりマンデーは、お菓子メーカーの「明治製菓」!
「明治製菓」のスナック菓子の「カール」にガムの「キシリッシュ」、そして、一番の稼ぎ頭「ミルクチョコレート」!どのお菓子も誰もが知っているロングセラー!
そこで今日は、明治のチョコレート工場・カール工場に潜入取材を敢行!お菓子の王様「明治製菓」の儲かりのヒミツに迫ります!

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潜入!明治のチョコレート工場

「明治製菓」がつくるお菓子といえば、「マーブルチョコ」や、キャンデーの「チェルシー」など、どれもお馴染みの大ヒットお菓子ばかり!

しかし、そんな大ヒットお菓子のなかでも一番売れているのが、こちらの「明治ミルクチョコレート」!いわゆる"板チョコ"の代名詞ともいえるこのお菓子、誕生したのはちょうど83年前の今日、大正15年9月13日!

これまでに累計28億枚を売り上げ、「明治製菓」の日本国内でのシェアはず〜っとNo.1!
そう、「明治製菓」は何と言っても"チョコ"がスゴイんです。
では、「明治製菓」のチョコは他とは何が違うんでしょうか?
そのスゴさの秘密を探るべく埼玉県にある関東工場へうかがってきました。

敷地面積30,000坪。関東工場は一回りするのにも疲れてしまうほどの広さ!
実はお菓子のなかでもチョコレートを作るのは特に難しい!
高度な技術や特殊な設備が必要なためチョコ工場はどうしてもこのような大きなものになってしまうんだとか。

最初に向かったのがこちら…

そう!チョコレートの一番大事な材料といえばカカオ豆。
ここは世界中のカカオ豆が集められている保管場所なんです。
一口にカカオ豆といっても、その原産地によって味や香りは様々!
「明治製菓」ではチョコの種類によって、使う豆を微妙に変えているんです。
例えば、「ミルクチョコレート」の場合、味にクセのないガーナ産の豆を多めに、一方、高級チョコ「ノワール」は苦味や酸味が多いベネズエラ産の豆がメインで使われているんだそうです!
しかし、ブレンドの秘密はトップシークレットなんだとか…。

そして、製造部・グループ長の藤原さんに、チョコ作りの最初の作業が行われている場所に案内していただきました。

まず最初は、巨大なマシーンでカカオ豆をすり潰し、皮を取り除く作業。
皮の部分だけエアーで吸って取り除いていくんだそうです!
そして…

こちらのお2人は、なんとピンセットで混じっている皮を1つ1つチェック!
作業をしている方も、思わず「ツライ!」と言ってしまうほどの非常に細かい作業です!

第2段階は、こうしてできたカカオに「粉乳」、「砂糖」、そして「ココアバター」を加える作業。これを練り上げると…

チョコレートの元になる、このようなチョコレート生地ができるんです!
そしてこの後、おいしいチョコレート作りの生命線とも言えるとても大事な作業が行われるんです!
その重要な作業を商品開発部の宇都宮さんが教えてくれました!

宇都宮さん:温度が一番問題です!温度が最も重要です!!

宇都宮さんによると、チョコレートは生地を固める前の温度調節がおいしさの決め手になるんだとか。一体なぜなのでしょうか?

実はチョコレートの中では原材料のココアバターが結晶になっています。
さらにこの結晶の形は6種類あり、その6種類のなかでも「5型」と呼ばれるの結晶の融点が33℃でチョコレートとして1番おいしい口解けになるんです。

だから、「5型」の結晶をなるべくたくさん作るため、正しい温度まで上げたり下げたりすることが必要なんです!これを少しでも間違うと、チョコに艶がなくなったり、舌触りが悪くなったりと、おいしくなくなっちゃう!

チョコを作っている会社はどこも、「何度まで温度を上げるのがいいのか」「そして何度まで下げるのがいいのか」を研究しながら細心の注意を払っているのです。
そこで「明治製菓」の温度を宇都宮さんに伺ってみると…

最初は企業秘密とは言いながらも、粘ってみたら少〜しだけ教えてくれました!

そしてチョコ作りには、もう1つの大事な"温度"に関する技術が!
それは…「溶ける温度」。
あまりに溶ける温度が低いとお店の中で溶けてしまい、逆に高いと口の中に入れても全然溶けず、おいしくなくなってしまう。
そんななか「明治製菓」はチョコレートが溶ける温度も自在にコントロールできる技術を持っているんです!

そこで、それぞれ30℃、34℃、36℃で溶け始める3つのチョコを用意し、除々に温度を上げてみると…

30℃になると1つだけ溶け始め、34℃になると2つ目が溶け始めました。確かに溶ける温度がピッタリ合っています!
「明治製菓」ではこの溶ける温度をコントロールする技術を生かし、平成5年に冬季限定チョコ「メルティーキッス」を発売!通常より、およそ5℃低い温度で溶けてしまう繊細な溶け具合で大ヒットに!

そしてチョコ作りは冷却の作業が終わり、ようやく完成!
やっぱりできたてが一番!……と思いきや、

藤原さん:作りたてが一番美味しいわけじゃないです。寝かせることでマイルドに仕上げます。

そうなんです!作りたてのチョコは、まだココアバターの結晶が完全に固まっていない状態のため、あの"カリッ"とした食感にはならないんです!
一番おいしいのは製造から2週間後なんだそうです!

お次はカール工場に潜入!

「明治製菓」の儲かりお菓子はチョコレートだけではありません!
「ミルクチョコレート」に負けずとも劣らない超ロングセラーといえば……「カール」!

昭和43年に発売した「カール」は、なんと国内初のスナック菓子。その「カール」の特徴といえば"あのサクサク食感"と商品名にもなっている"独特なカールした形"!
この「カール」、作り方がちょっと意外だったんです!

「カール」の原料は、トウモロコシの粉末に水を混ぜて練りこんだもの。
では一体どのような工程で「カール」は作られているのでしょうか?
製造部・グループ長の中川さんに伺ってみました。

中川さん:次の工程では、生地をカールの形に成型します。それが「エクストルーダー」という機械。これがスゴイんですよ!

こちらが、その「エクストルーダー」!この「エクストルーダー」は、1秒間に25個〜30個の「カール」を成型するんだとか!

中川さん:小さな穴から出た瞬間に、ぶわっと膨らんでカールして出てくる。それを瞬間的にカッターで切ることでアノ形になります。

そう、「カール」は油で揚げているのではなく、180℃の熱と高圧で押し出されたトウモロコシが膨らんでできたもの!膨らんで出てきたものカットしてできていたんです。
出てきた「カール」を乾燥して味つけをしたら、サクサク「カール」の完成!
年間55億円の売り上げを誇る「カール」。その人気の秘密は油で揚げるのではなく、「エクストルーダー」で作った絶妙なサクサク感にありました!

ロングセラーを生み出すヒミツとは!?

「明治製菓」儲かりの理由、それは…「ロングセラーが多いこと」!
「カール」は昭和43年発売、「サイコロキャラメル」は昭和2年発売、「ミルクチョコレート」は、なんと大正15年発売!
このようなロングセラーができれば、安定して売れるのはもちろん、工場の機械を新しく作るコストもかからないため、どんどん儲かるんです!

では、「明治製菓」は一体どのようにしてロングセラーを生み出すのでしょうか?
そこで、番組は新商品を作っている商品企画部へ突撃取材!
まずは高宮さんに、お菓子の新商品はどれくらい作られているのか伺ってみました。

高宮さん:僕がやっているのは12、3個くらいです。会社としては年間300〜400
ぐらいですね。

とにかく入れ替わりが激しいお菓子の世界!「明治製菓」だけでも年間400種類の新商品がお店に並び、そのうち翌年まで残っている商品はたったの数種類なんだとか。

そこで、新商品の発売スケジュールを見せてもらうと…ギッシリ!週ごとに5〜6個は発売しているというからスゴイ!

ロングセラーを作るための最大の条件!それは、「記憶に残る定番の味を作る」こと!
「カール」といえば"チーズ味"、「チェルシー」といえば濃厚な"バター味"といったようにロングセラー商品には『アノお菓子といえばアノ味』という決め手があるのです!

しかし、「明治製菓」のロングセラーお菓子には、もう1つ大事な共通点が!
それは…

忘れられない「独特のデザイン」!そこで「ロングセラーには良いデザインが絶対に欠かせない!」と語るデザインセンター長の本間さんにお話を伺いました。

本間さん:お菓子って8割以上はお客様の衝動買いなんですね。だからデザインがカッコいいとカッコ悪いとか二の次で、自分の一番のアピールポイントをどれだけ早くお客様にお話できるかが大切です。

そう、お菓子の世界はとにかく超短期決戦!
お菓子の棚に立ったお客さんが、買うお菓子を決めるまでには10秒もありません!
そのため、思わず手に取りたくなるようなインパクトのあるデザインが最も重要なのです。

▼明治製菓のお菓子はココが違う1
『ロゴに隠されたメッセージ』!

最近、なんとも可愛らしい、このようなデザインに生まれ変わった「ミルクチョコレート」。実はこのロゴの1文字1文字にも、こっそり大事なメッセージが隠されているんだとか!

本間さん:デザインが美味しそうなんです。「m」は生クリームっぽくポニョンとして、「e」はニコニコ笑ってる感じじゃないですか?
そして「iji」は、なんとなく真ん中がお母さんで2人の子供が寄り添っている感じです!

と、ロゴのデザインにもちゃんと意味があるんですね!

▼明治製菓のお菓子はココが違う2
『見たことのないカタチ』!

こちらは、明治の「アポロチョコ」!
かつては、チョコといえば板チョコが当たり前。しかし、人類初の月面着陸に成功したアポロ11号の人気にあわせ、宇宙船をイメージした三角チョコを作ったところ、その独特の形がウケて、大ヒット!
さらに、この「アポロチョコ」を利用して大ヒットした商品もあるんだそうです!

本間さん:アポロの型にチョコを入れて、そこに"焼き物"を差した人がいるんです。そして型から外したら"キノコちゃん"みたいな!

そう!何気なく「アポロ」にクラッカーを付けてみたら、キノコのような形に!

こうして生まれたのが、こちらの「きのこの山」!この「きのこの山」も、独特のカワイイ形で不動のロングセラーとなったのです。

▼明治製菓のお菓子はココが違う3
『こだわりの色』!

例えば、この「チェルシー」には、一見するとキャンディーとは思えない、斬新な黒いパッケージが使われています。
このように、「明治製菓」のお菓子といえば、インパクトのある色使いも大きな特徴!
しかもそのこだわりがハンパじゃない!

本間さん:キシリッシュには、色んなヒミツがあります。

キシリトール入りガム「キシリッシュ」。
右側が一昨年まで使用していたデザインで、左側が今年新しくしたデザイン!一体どこに違いがあるのでしょうか?

本間さん:白が違うでしょ〜白が!この白がぜんぜん!
売れる"白"なんですね!

そう、「キシリッシュ クリスタルミント」のイメージカラーは白!しかし、この"白"でアピールするというのが、なかなか難しかったんだそうです。

本間さん:今までは品質保持のために、ラップをしていたんですが、ラップによってちょっと白が曇ってしまってました。

従来のパッケージだと、箱に透明なビニールを被せるため、どうしても白色が曇ってしまうんです。そこで新しいパッケージには、白をもっと輝かせる細か〜い工夫が!

本間さん:デザイナーが考え付いたことがあるんです。ビニールを剥くと、銀の箱になるんです!この銀の箱の上にビニールを乗せると白がくっきりするんです!銀の上が一番効果があるんですよ!

そう!白をくっきり見せるためには、白い箱を使うのではなく、銀色の箱に白いビニールを被せるという逆転の発想!

本間さん:ものすごい小さい物で競い合っているなかで、これは"白"が命ですから、"白く"なくてはいけないんです!

このように、ロングセラーを生み続ける「明治製菓」の強さのヒミツは、目立たない所にもこだわり続ける、現場の地道な努力にあるんです!

▼スタジオでは、佐藤社長にお話をお伺いしました。
加藤:1年続くお菓子って何個くらいあります?

佐藤社長:自信を持って出すんですが、「ウケない」というのが、率から言ったら圧倒的に多いです。

加藤:すごい商売ですよね〜

佐藤社長:菓子っていうのは、とにかく「新しいものも食べてみたい!」という需要をふまえてやる。そのためには、1回やってみて「どうでしょうか?」と伺いを立てるのも重要ですよね。

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