過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2009年8月9日放送

特集

儲かる数式

ゲスト

八田亜矢子さん、森永卓郎さん(経済アナリスト)

番組内容

今日のがっちりマンデーは、「儲かる数式」!
って、学校で習った一次方程式とか三角関数とか微分積分とかっていうアレ…?
「数式なんて覚えても社会では役に立たない…」なんて思ってる人も多いはず。
しかし!上手く使えば世の中には「儲かる数式」がたくさんあるのです!!

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「a2+b2=c2」でがっちり!

「儲かる数式」、まずは「a2+b2=c2」!
およそ2500年前に、数学者ピタゴラスが考えたといわれるこの数式。「三平方の定理」とも呼ばれ、中学生の時、みなさんもしっかりと勉強したはず!

例えば、このような直角三角形の場合、「a」が3cm、「b」が4cmだとすると…
「a2+b2=c2」の数式に当てはめると、3 2+4 2=「c 2」で、「c」の長さが分かっちゃう!
つまり、2辺の長さが分かっていれば、残りの辺の長さが分かるっていう数式!

実は、この数式のおかげである大ヒット商品が生まれていたのです!
それは…

そう、カーナビなんです!
こちらは、「パイオニア」のカーナビ担当・枝久保さん。
実は、「パイオニア」は世界で始めてGPS搭載のカーナビ販売した会社!まさにカーナビの"パイオニア"なんです!

パイオニアの「カロッツェリア」は、なんと18年連続で世界No.1の売り上げを誇るカーナビなんです!
そんな"儲かりカーナビ"ができたのは、「a2+b2=c2」のおかげ。

カーナビが現在いる位置を割り出すために、人工衛星を使っているということは何となくご存知の方も多いはず。
実はこの位置確認をする時に、儲かり数式「a2+b2=c2」が使われていたのです!
どういう事かと言うと…

運転中の加藤さんのカーナビは、人工衛星の電波を受信すると、"人工衛星"から"加藤さんがいる位置"までの距離をすぐに割り出します。でも、コレだけでは加藤さんが、どこにいるのかは分かりません。
そこで登場するのが「a2+b2=c2」!

衛星から地上の距離は常に一定なので、この数式を使えば、まずは三角形の底辺になる部分の距離は分かります!でも、まだ「この円のどこかに加藤さんがいる」ということしか分かりません…。
そこで…

枝久保さん:衛星を3つ使って自分の位置を割り出すんですね!

そう、カーナビは現在位置を知るために、3つの衛星からの電波を受信してるんです!
なぜかというと…
まず、先ほどの説明のように、1つ目の衛星から電波を受信すると、儲かる数式「a2+b2=c2」を使って、1つの円のどこかに加藤さんがいることが分かります。

さらに、もう1つの衛星から電波を受信すると、また「a2+b2=c2」を使って計算し、加藤さんがいる位置が2ヵ所に絞られます!

そして、最後に3つ目の衛星からの電波を受信。またまた「a2+b2=c2」を使って計算!
すると、加藤さんの居場所が判明!!

枝久保さん:どんどん、どんどん核心に迫っていくと。

こうして、儲かる数式を3回も使うことで、現在地を割り出していたのです!
「a2+b2=c2」。この数式のおかげで「パイオニア」はカーナビ売り上げ世界トップの座を手にすることができたんです!
「パイオニア」は「a2+b2=c2」で"がっちり"なんです!

「楕円」の数式でがっちり!

儲かる数式続いては…コチラ!

この数式のおかげで、ある革新的な医療器具が生まれたんです!
それが…

こちらの、「結石破砕装置」!この「結石破砕装置」、全く手術しないで腎臓や胆のうにできた結石を壊してしまう装置。
患者さんはベッドに寝ているだけ!後はこの装置が振動を起こして、体の中にある結石だけを木端微塵に破砕。
これを可能にしたのが先ほどの数式なんです!では一体どんな数式なのでしょうか?

その秘密を探るべくやってきたのが東海大学。
そこにいらっしゃったのは…

テレビでもお馴染みの数学者・秋山仁先生!
秋山先生によると、この数式、実は楕円を表すもの。しかも、この楕円にはとっても奇妙な性質があるそうなんです!
それを、秋山先生に実験で見せていただきました。

出てきたのは楕円形のビリヤード台。

秋山先生:楕円ビリヤードというのは、どこに打っても、必ずもう1つのボールに当たる。適当に打ってもちゃんと当たるわけ!

スタッフがやっても当たり、真横に打っても当たる!どこに打っても、もう1つのボールに当たりました!
なぜかというと…

楕円には「焦点」と呼ばれる点が2つあり、『1つの「焦点」からスタートしたものは必ずもう1つの「焦点」向かう』という奇妙な性質があるんです。
どこにボールを打っても必ずもう1つのボールに当たったのは、その奇妙な性質を利用していたからなんです!

しかし、正確な楕円でないとこの奇妙な性質は現れません。その正確な楕円を作れるのはこの数式だけ!しかも、2つの「焦点」の正確な位置も割り出しちゃうという超スグレものなんです。

では、「結石破砕装置」は、この楕円の性質をどのように使っているんでしょうか?
またまた秋山先生に実験で説明してもらいました!

用意したのは一部分が黒く塗られた風船と、中心に電球がついている鏡張りのお椀。

秋山先生:この風船を電球にかざす。そして焦点の位置で割れるんですね!

つまり、「結石破砕装置」のお椀は楕円の一部。振動が出る部分を「焦点」の1つとし、
もう1つの「焦点」に患者さんの結石を合わせる。
そして振動を起こすと、結石に振動の力が一点集中!結石だけを破砕できるんです!

振動が一点に集中するため、体の他の部分は全く傷つかない!
この革新的な技術は、あっという間に世界中に広まったのです!それを可能にしたのが、楕円を表す数式だったんです!

そして、数学をこよなく愛する秋山先生から一言。

秋山先生:「儲からないんじゃないの?別に数学なんか知ってても」って感じてる方も多いと思うんだけど、大いに儲かる可能性もある!!

スタジオでは森永さんが私たちの身の回りに潜む数式を教えてくれました。

森永さん:似たような仕組みが我々の生活のなかにもあるんですよ。

森永さん:放物線って分かります?2次関数。
「y=ax 2」。こういう放物線の形になってるんですよ。この放物線も「焦点」が1つに集まるんです。光でも電波でも集まるですよ。
これは何かって言うと、「パラボナアンテナ」なんですよ!形が!

儲かる数式「クロソイド曲線」って!?

続いての儲かる数式はコチラ!

この数式は、1744年に数学者・オイラーという人が考えたといわれる「クロソイド曲線」と呼ばれる謎の数式…。
実はこの数式、みなさんも1度は行ったことのあるアノ場所で大活躍しているんです!
それは……「高速道路の出入り口」!

一般道と高速道路を結ぶインターチェンジの、ココとココに使われているんです!
一見すると、ただの緩やかなカーブにしか見えませんが…?
そこで、東日本高速道路関東支社の加藤さんにお話を伺いました。

加藤さん:それが無いと、交通事故が大変増えると思います。

「クロソイド曲線」がないと交通事故が増える!?一体どういうことなんでしょう?

加藤さん:あの曲線は、車にかかる"飛び出そうとする力"を低減することができます!

つまり、「クロソイド曲線」がないと、突然急なカーブに入るため、曲がりきれなくて超キケン!
そこで、「クロソイド曲線」を入れることで、速度を落としながらカーブに入り、後はハンドルを切ったままで自然に曲がれるようになるのです!

そもそも、「クロソイド曲線」とは除々にカーブをキツくしていく曲線のこと。ちょっとずつ微妙に角度を変えていくため造るのがとっても大変なんです!

加藤さん:だからあの数式がないと、"経験"と"勘"で曲線を作ることになります。

インターチェンジは立地条件によって、その形や大きさはバラバラ。しかし、数式を使えば、どんなインターチェンジでも正確な「クロソイド曲線」が作れちゃう!というわけなんです。
全国1000ヵ所以上あるインターチェンジ。それをスムーズに乗り降りできるのも"儲かり数式"のおかげだったんです!

さらに、意外な場所にも「クロソイド曲線」が使われていました!
それは…『ジェットコースター』!
そこで、番組が訪れたのは「よみうりランド」。

こちら「よみうりランド」の名物コースター「MOMOnGA(モモンガ)」は世界初の"立ち乗りループコースター"として大人気なんですが…

この大ループの入り口部分のココに、「クロソイド曲線」が使われているんです!

ループコースターも、インターチェンジと同じように、この曲線が入っていないと、突然ループに突入してしまうので、体へのショックが強すぎちゃう!
でも、「クロソイド曲線」が入っているおかげで、安全にスリルを味わえるいうわけ!

楽しく絶叫できるのも、長くて複雑なこの儲かる数式のおかげなんです!

高層ビルに隠された儲かる数式!

儲かる数式続いては…

と、突然のご登場は一級建築士の三町さん!
実は、都心に建ち並ぶ高層ビルは数式のかたまり!一体どんな数式なんでしょうか?

三町さん:それは"構造計算"の数式です。

そう!日本中が大騒ぎになった「構造計算」という言葉を覚えている方も多いはず!
この「構造計算」とは建物を安全に建てるために必要な"柱の大きさ"や"床の強度"といった数値を割り出してくれる計算のこと。
例えば、現在建築中の44階建てタワーマンション。その「構造計算書」を出していただくと…

スタッフ:ぶ厚いですね〜!こんなにあるんですか?
三町さん:これが1冊目。その?ですね。

すると、三町さんのデスクの下からは次々と「構造計算書」出てきて……なんと全部で10冊!5000ページ以上にもなるんだとか!
そこで中身を見せてもらうと…

数字がぎ〜っしり!!

ところで、「構造計算」で使われている数式とはどんなものなのでしょうか?
例えば…

こちらの数式で何を求めるかというと…

三町さん:ビルの外壁についているガラス窓の厚みを求める数式ですね。

そう、これは窓ガラスの厚さを求める数式!

三町さん:建物の高い所と低い所では、当然高い所の方が風圧が大きくなりますし、場所場所でガラスに必要な厚みが変わってくるんです!

先ほどの数式の「W」は風圧力、「A」は窓ガラスの面積、「t」は窓ガラスの厚さ。
最大風速の基準は東京が「34m/秒」、沖縄は「46m/秒」で、窓ガラスの面積が同じ場合、数式に当てはめると…

窓ガラス厚さを立ちどころに出してくれるんです!

その他にも、「柱の強度を求める数式」や、「外壁の強度を求める数式」、「床の厚さを求める数式」まで、その数なんと100種類以上!!
このように、いくつもの数式を駆使して、建物の強度を割り出していたのです。

スタッフ:もし構造計算の数式が無かったら…?
三町さん:この東京にビルが建つことができない!と言えると思います。

超高層ビルが建ち並ぶ東京。ここでも儲かる数式が大活躍していました!

さらに、スタジオでは森永さんから身の回りに潜む数式を教えていただきました。

森永さん:銀行の窓口で使われている数式です。何だかわかりますか?
加藤:整理券を取ってから、呼ばれるまでの時間を計算…
森永さん:正解です!!
「W」が「待ち時間」で、「ρ」っていうのが「窓口の利用率」、「ts」っていうのが、お客さんが来て処理をするのにどれだけかかるかっていう「処理時間」をこれで計算してるんです。
加藤:スゴイですね!
森永さん:昔は、窓口ごとに並ばせてたんですね。でも最近は、1ヵ所に並んで空いた所に行かせましょうね。となってる。「そっちの方が時間が短くなるよ」というのがこの式から出てるんですよ。

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