過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2008年12月21日放送

特集

回転業界

ゲスト

田北浩章さん(『週刊東洋経済』編集部長)、眞鍋かをりさん

番組内容

今日のがっちりマンデー!!は…大好評!
せま〜い業界シリーズ第7弾!これまで、ねじ業界、ポンプ業界、磁石業界と、皆さんの知らない企業、気にもかけない業界を徹底取材してきました。

そして今回、満を持してお送りするのは…歯車!
そして、ベアリング!
二つ合わせて、回転業界!…って大丈夫?

ところが!その業界規模は8600億円!
実は儲かっちゃってる業界なんです!

今日のがっちりマンデー!!は、せま〜い業界シリーズ、回を重ねて第7弾!
あなたの知らない回転業界の世界が、今日明らかに!

■放送内容をシェアする

儲かる歯車のヒミツ!〜初級編〜

せま〜い業界シリーズ、回転業界!
まずは、歯車!歯車が誕生したのは紀元前・ローマ時代。粉をひく水車に使われていました。
その後歯車は、ねじ、ベアリングと共に、機械の三大要素と言われ、重要な部品となったのです。

5円玉にも、日本の三大産業の象徴として、農業は稲穂、

水産業は水、

工業には歯車がデザインされてたって、知ってました?

そんな歯車の儲かりのヒミツを求めて、がっちりスタッフがやってきたのは、埼玉県川口市にある小原歯車工業。こちらで作っている歯車は、なんと歯車業界最多の4500種類!歯車のトップメーカーなんです!

小原歯車工業(株)小原敏治社長:歯車がないと、世界が崩壊してしまいます!

と語るのは、4代目の小原敏治社長。歯車の役目って、何?

小原社長:歯が次々とかみ合って、モーターからの力を次の歯車に伝えるわけです。人間と一緒ですね。伝達が大事ですよね♪

そう、歯車の役目は力を伝えること。例えば、30枚の歯がついた歯車と10枚の歯がついた歯車。30枚の方を1回転させるだけで、10枚の方は3 回転もしちゃう!歯車が、速度を3倍に変えてくれたってわけ。とはいえ、一口に歯車と言っても、使い道によってたっくさんの種類が!そこで…

▼小原歯車工業Presentsきっとあなたも出会ってる!暮らしを支えるナイス歯車その(1)
小原社長:平歯車です!コレ、普通の歯車です…。普通の歯車ですけれども、一番ウチで売れている!どんな機械にも使われますし、もう、ザ・歯車!

歯車界のキ〜ング!
平歯車!

回転スピードを変えたり、小さな力で大きな動力を生み出す!
工業機械から家電製品、おもちゃまで、中をのぞいてみるときっと平歯車が使われているはず!

▼きっとあなたも出会ってる!暮らしを支えるナイス歯車その(2)
小原社長:ラック&ピニオンです!

回転する力を直線方向に変える歯車、ラック&ピニオン。
使われているのは、皆さんもご存知のアレ。
DVDやCDを出し入れする開閉トレイ。
この裏側に、ホラ!ラック&ピニオンが使われてる!

さらに、ドームの屋根の開閉にも採用されています。

▼きっとあなたも出会ってる!暮らしを支えるナイス歯車その(3)
小原社長:ウォーム&ホイールです!

このねじみたいなのが、ウォームと言われている歯車。何に使われているかわかりますか?テニスのネットを張る道具、ハンドルを軽〜く回すだけで、キレ〜イにネットを張れちゃう優れもの!

▼きっとあなたも出会ってる!暮らしを支えるナイス歯車その(4)
小原社長:傘歯車です!傘のようなカタチしてますね!

傘歯車が使われているのは、コーヒーミル。
軽〜い力で豆が挽けるんです。そうそう、かき氷器も同じ仕組み。

ちょっと変わった歯車でがっちり!

色んな形をした歯車。でも実はまだ初級編!歯車業界にはもっと特殊な儲かり歯車があるということで、がっちりスタッフが向かったのは、新潟県長岡市にある長岡歯車製作所。

(株)長岡歯車製作所 営業・技術部 加納孝樹さん:いらっしゃいませ!

迎えてくれたのは、営業・技術部のイケメン、加納孝樹さん。

スタッフ:長岡歯車さんの歯車って、どんなものですか?
加納さん:変わった歯車を作ってるんですよ。丸くない歯車!

スタッフ:丸くないんですか?
加納さん:丸くないです!

丸くない歯車!?早速見せていただくと、

加納さん:こんな歯車です。こちらは楕円形二葉歯車という歯車で…

長岡歯車製作所が得意としているのが、丸くない、非円形の歯車。
こちらの歯車以外にも、タマゴ型や

四角いやつ、

さらに、おむすび型の歯車も!

これ、どんな動きするか想像できますか?回してみると…ちゃんとかみ合ってる!
しかし、この複雑に回る歯車、なんでまん丸にしないのか?

まん丸だと、かみ合う歯車それぞれは、一定のスピードでしか回転しない。
ところが、楕円だとかみ合う場所によって、スピードを早くしたり遅くしたり、力を強く伝えたり弱く伝えたり、色んなことができちゃう。

加納さん:こういった動きの中で例えばですね、紙を切る時、グッと力をゆっくり切りながらいく。仕事を終わった後(紙を切り終わった後)は素早く戻る。それで生産性の効率を上げたりですとかしてますね。

そんな丸くない歯車が大活躍している、ちょっと意外な場所が…。

加納さん:実はこの非円形歯車は、田んぼの中で革命を起こしているそうです!

それってどういうことかと言うと、

井関農機(株)新山浩之さん:こちらです!田植機です!

そう、田植機の苗を植え込むここに、5つの丸くない歯車が使われているんです。

これが実物。丸く見えますが、微妙に楕円形。
しかも軸がずれてる。

こんなにずれてても、ちゃ〜んと回るんです!

それまで、苗を垂直に植え込むことができなかった田植。

ところが、5つの丸くない歯車を使うことで、苗の植え込みがすべて垂直になったのです!

これが、20年前に開発された田植機の大発明!この丸くない歯車、他にどんな製品に使われているんですか?

加納さん:他にもあえて言いたいんですけれども、これは私どものお客さんのヒミツのところありまして…

発注元の企業にとって、どんな形の歯車をどんな組み合わせにしているかは、真似されたら大変な企業秘密!ってことは、いっぱい作っている長岡製作所は、

加納さん:コレでがっちりです!

儲かるベアリングのヒミツ!

せま〜い業界シリーズ、回転業界!グルグル回るベアリング!ところで、ベアリングって見たことないんですけど、一体どんなもの?

ということで、がっちりスタッフが向かったのは、ベアリング業界No1メーカー、日本精工!実は、日本精工のベアリング売上高、国内市場5000億円中、3890億円!海外の売上高を加えると、7720億円!これは、世界でもトップクラス!

総合研究開発センターの村上保夫さんがお出迎え!早速ですが、ベアリング見せて下さい!

日本精工(株)総合研究開発センター 村上保夫さん:コレがベアリングです!コレが回って、いろいろな機械部品を支えると。

ベアリングは、リングの中にボールがはさまって回転する部品。
このリングとボールが回転することで、あらゆる摩擦を減らしているのです。
例えば、車体の重さを支えながら、動力をタイヤに伝えているのもベアリング。

もしベアリングがなければ摩擦が生じ、およそ4割の動力しか伝わらない!歯医者さんで使うドリルにも、ベアリングが使われている。その回転数は、1分間に50万回転!このドリル、実は早く回れば回るほど、痛みの少ない治療ができるのです!

だから、ベアリングの品質がとっても重要に!また、車の燃費がよくなったり、エアコンの電気代が安くなったり、実はぜ〜んぶ、ベアリングが摩擦を減らしてくれているおかげ。だから、回転する機械すべてにベアリングが使われているといっても過言ではありません!

そんな摩擦を減らしてくれるベアリング、最大のヒミツが、リングにはさまっているボール。

村上さん:地球の中で一番丸い!コレ以上丸いものはない!というぐらいまん丸に仕上げています!
スタッフ:言い過ぎじゃないですか?
村上さん:言い過ぎではございません!

ベアリングの精度を左右しているこのボール。これは丸ければ丸いほど、摩擦がなくなる。
作り方は、研磨剤とボールをおよそ2週間延々と、とにかくこすり合わせ、鏡のように磨くだけ。
パチンコ玉とベアリングのボール、一見同じように丸く見えますが、表面のツルツル具合を2000倍にして見ることができる新円度測定装置では、パチンコ玉はこんなにデコボコ!一方ベアリングのボールはまん丸!

丸さのレベルが全然違うんです!
そのため、日本精工のベアリングボールは、真っ直ぐ転がるだけじゃなく、どれだけ弾ませても同じ動きをするという。
そこで日本精工にはこんなおもちゃも。

ベアリングのボールを落下させると、すべてのボールが同じ放物線を描く、常に一定の動きで同じ場所に弾むから、美しいメロディーを奏でるんです!

そんなベアリング技術を使って、ちょっと変わったベアリングを作っているのが、品川に本社があるTHK!

枡田アナ:一体どんなベアリングでがっちりなのか、探ってきたいと思います!

営業技術統括部のナイスミドル、小磯信雄さん。

枡田アナ:早速ですが、ベアリングを見せて頂いてもいいですか?
THK(株)営業技術統括部 小磯信雄さん:コチラになります。
枡田アナ:コレがベアリングですか?
小磯さん:はい。コレが我々が作っているベアリングです。直線で動くベアリングになります。

ベアリングに使われているボールが回転して台をスライドさせている、LMガイド。
回転しかできなかったベアリングが、これのおかげで直線の動きもできるようになったのです!

これを使って大活躍しているのが、半導体の製造装置。
ミクロン単位の精密さと、すべるような動きが必要不可欠!この動きを使って、

小磯さん:数百トン、数千トンの重さにも耐えられます。
枡田アナ:ビルの重さにも耐えられるということですか?
小磯さん:はい。

大活躍しているのは、ビルや家の基礎の部分。家を宙に浮かせるように滑らせることで、地震の揺れを抑える免震装置として、威力を発揮しているのです。
しかも、ベアリングなら摩擦が少ないから、数千トンの重さでも良く滑る!

震度7の大地震では立つこともできませんが、ベアリングを入れた免震装置を使うと、

枡田アナ:えっ?さっきとコレが同じ揺れとは思えないぐらい!あっ、立てますね!

この免震構造で、震度7の揺れも震度3程度まで抑えることができるとか。

小磯さん:THKはLMガイドでがっちりです!

▼スタジオにてお話を伺いました。
一同:すごいですねぇー!

進藤:THKのベアリングですけれど、どういうところに使われているんですか?

田北さん:半導体製造装置ってまさにカクカクカクという風に動いてますけど、もっと直線的な動きのものであればUFOキャッチャーの簡単なやつ。あと、駅のホームの自動ドア。あれ開きますよね?基本的に摩擦って摩耗しちゃいますから、取り替えなきゃいけない。それはコストになりますから。だから摩擦しないベアリングだと、メンテナンスの回数が減るからコスト削減になると。

進藤:それでは最後に、加藤さんに伺いたいことがございます。次に来そうな回転業界は何でしょうか?教えて下さい。

加藤:ちゃんと聞いて下さい。来週、朝7時から「大がつちりマンデー!!」というのをやるんですよ!朝7時から!日本経済を回している社長さんがドバーンと出ますよ!

眞鍋さん:何ですかそれ!回転にかけた番宣じゃないですか!

加藤:違いますよ!日本経済を回している人たちがいっぱい来るんですよ!いつもより30分早くなっているので気を付けて下さい。

■放送内容をシェアする

このページの先頭へ戻る

Copyright© 1995-2024, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.