過去の放送内容
2008年11月9日放送
特集
知られざる紳士服業界のヒミツ!
ゲスト
池上彰さん(ジャーナリスト)、ビビる大木さん
番組内容
今日のテーマは、紳士服業界!
その市場規模はナント、約2700億円!
そんな中、今紳士服業界では激しいシェア争いが繰り広げられ、それぞれに様々な儲かり戦略が隠されていました!
そこで今日のがっちりマンデー!!は、サラリーマンだけじゃない!女性客も殺到する紳士服業界の儲かるヒミツに迫ります!
激しいシェア争いの行方は!?知られざる紳士服業界のヒミツ!
儲かる紳士服業界のヒミツ、まずは…洋服の青山!
紳士服業界のすべての基礎、ツーパンツスーツに清涼スーツ、粗品交換サービス、完全買取りに郊外型紳士服専門店を最初に始めたのが、洋服の青山。
創業者・青山五郎は昭和49年、広島県西条の国道沿いに1号店を出店。
しかし…田んぼのど真ん中にお店を作ったって儲かるはずがない!
と、世間からまったく期待されていませんでした。
ところが、これが大盛況!
広〜い土地を安く借り、巨大な売り場面積を確保する事で大量の商品を置ける。
そして、もともと紳士服は売れ残った商品をメーカーに引き取ってもらっていました。
しかし青山は商品を全部買い取り、仕入れ値を大幅カット!
安く、品揃えも豊富とあって大人気に!
今では当たり前の郊外型紳士服専門店を最初に成功させたのが、洋服の青山だったのです!
その後も、1着買えば1枚お得なツーパンツスーツも青山!
今では常識のすそ上げ即日仕上げも青山!
シワになりにくい素材で大ヒットの形状記憶加工スーツも青山!
ぜーんぶ洋服の青山が世に広めたもの!
今では、ナント世界一のスーツ販売数を誇り、ギネスブックにも載った紳士服業界のキング!
洋服の青山は、スーツ販売世界一でがっちりです!!
▼○○できるスーツを開発してがっちり!
儲かる紳士服業界のヒミツ、続いては…コナカ!
今年、何やらものスゴいスーツを開発して大ヒットしているというコナカ。
迎えてくれたのは、商品本部の岩谷さん。
何やら別の場所に案内されるスタッフ…
スタッフ:これお風呂場ですか?
(株)コナカ商品本部部長代理 岩谷達志さん:お風呂場ですね。
すると岩谷さんが驚きの行動に出た!
スタッフ:何してるんですか!?
岩谷さん:あのー、スーツを洗ってます!
こちらが、シャワーで洗える世界初のスーツ、シャワークリーンスーツ。
でも、縮んだりシワになったり…大丈夫なんですか?
岩谷さん:大丈夫ですよ!自分で体、シャワー浴びますよね?
そのついでに上着も洗おうと!
実はこの洗えるスーツ、素材がウール100%。
もともとウールは、撥水性に優れた繊維。
さらに、コナカの特殊なコーティングを施す事で、シャワーだけで汚れが落ちちゃうんです!
そしてウール素材には、シワになっても元に戻ろうとする力が働くため、およそ6時間干すだけで元通り!
岩谷さん:どうしても垂れるので水抜けをとりあえず早くしたいと。
垂れるのを早く落とすためにですね、すそに特殊な水抜き用の穴を…
乾きにくいすそに、水抜け穴をつける単純な工夫が、干すだけで乾いちゃうヒミツってわけ。
夜仕事から帰ったサラリーマンが、サッとスーツにお湯をかけるだけで、翌朝にはまた着ていける!
アイロン掛けも、クリーニングに出す必要もない!
今年2月の発売以来、売り上げはおよそ20億円!
品薄状態が続くほどの大ヒット商品になりました!
コナカは、洗えるスーツでがっちりです!!
女性客を狙ってがっちり!
儲かる紳士服業界のヒミツ、続いては…アオキ!
近年アオキは、紳士服だけじゃなく女性客を狙った戦略で勝負!
店内をのぞいてみると、こちらにもあちらにも女性の買い物客でいっぱい!
意外にも女性客が結構多い!
そう、近年急激に増えている女性客。その理由とは…
AOKI新宿西口本店フロア店長 須釜伸子さん:リクルートの方を対象に、一式揃うようアイテムを揃えさせていただきまして。
実は、紳士服業界で初めて女性用のリクルートスーツを販売したのがアオキ。
それまで、女性用のリクルートスーツは百貨店で購入する人がほとんど。
でも、ちょっと高くて困ってた。
スタッフ:選ぶポイントってどんなとこ選ぶんですか?
女性客:値段ですよ値段!安いのよ♪
スタッフ:百貨店のスーツとかっていうのは?
女性客:高いですよ!
紳士服で得たノウハウで、質のよいお手ごろ価格の女性用スーツを販売しているアオキ。
さらに、紳士服専門店に女性客が集まるもう一つのヒミツが…
須釜さん:最近はご夫婦で、またご家族でご来店される事が多いです。
そう、男性客の7割が女性と一緒にご来店。
男性客:あんまり一人では来ないですねー。必ず妻と一緒に。
スタッフ:奥さんがお付き添いして買いに来る理由ってありますか?
付き添いの女性:変なもの買ったら困るから!
スーツを選んであげたりアドバイスするのが奥様。
アオキはその奥様、そして女性客のハートをがっちりつかもうと、目につきやすい入り口近くに、あえて女性専用のコーナーを設置。
バッグ、パンプス、アクセサリーなどのついで買いを狙っていたのです。
アオキの女性用商品の売り上げは右肩上がり!
今後も女性客に期待がかかりそうです!
ツープライススーツとオーダーメードスーツでがっちり!
儲かる紳士服業界のヒミツ、続いて…オンリー!って、皆さん知ってます?
実は、紳士服業界では超〜有名な会社!
中でもオンリーの会長・中西浩一は、紳士服業界のカリスマ的存在!
早速、そのオンリーが手がけているザ@スーパースーツストアに入ってみると…
スタッフ:会長様で?
(株)オンリー代表取締役会長兼社長 中西浩一さん:うん、町内会長兼会社の会長。エライすいまへん!
あら〜…カリスマっていうより、気さくなおっちゃん!?
ところでこちらのお店、スーツはどれも値段が二つしか書かれていませんが、何で?
中西会長:ツープライスの店とかゆう事で。
店行ったら高いもん売りつけられるんちゃうかって非常に心配やと。
それをね、わかりやすく正直にやろうという事で。
ツープライスとはつまり、店内に2種類の値段のスーツしかないという、紳士服のまったく新しい売り方!
リーズナブルな19000円のスーツと、お財布に余裕のある方には28000円のスーツ。
単純明快な料金設定が、サラリーマンに大ウケ!
そんな中西会長、値段の決め方も斬新!
中西会長:僕の枕元にね、一休さんが降りてきたんでね!
スキスキ大好き♪あの一休さん!
ほな一休さんがこう言わはりました、『わしの名前使え』て!
同じイッキュウやから1万9千円でスーツを売ったんです!
スタッフ:そんなんでいいんですか?
中西会長:そうそう!ほんだらものすごくね、スーツが売れましてね。
こりゃ〜新右衛門さんもビックリだ!
スタッフ:結構これが業界で主流になりつつあるぐらいって事なんですかね?
中西会長:なんかねー僕もねー、そんなつもりでやった訳やないんでっけどね、どっかで皆さんやられるんでね。
そう、コナカはスーツセレクト、はるやまはパーフェクトスーツファクトリーと、今ではほとんどのお店でツープライス制を展開。
そんなツープライス制を実現する安さのヒミツとは?
中西会長:工場で作る方は、年間平均して仕事がある事が一番ありがたいんです。
閑散期もね、仕事をお願いする、作ると。
そうすると、例えば一着作るのに一万円かかるものが、暇なときもずっと平均したら8千円でできますよと。
つまり、暇な3月4月と9月10月には安く作ってもらえるから、トータルで安くスーツが仕入れられるってわけ。
さらに、オンリーの安さのヒミツ、それは売り場。
中西会長:全部初めてなんですけど、身長で売り場を作った。
これは175cmの人の売り場なんです。
そう、オンリーのスーツ売り場はすべて、身長と体型別に分けた陳列。Yは細身の体型。
ABはがっちり体型と、
お客さんは一目で自分に合うスーツの売り場がわかるから、「あのサイズ持ってきて!」って事がなくなり、接客スタッフも少なくできるから人件費も削減!
だから、スーツのコストも下げられるってわけ!
今オンリーがイチオシするスーツ、それは…オーダースーツ!
オーダースーツって言えば、世界に一着!
サラリーマン憧れのスーツ!
オンリーではそんなオーダースーツが、ナント3万円代で作れちゃうっていうんですが、その安さのヒミツが…
中西会長:これ、ゲージ服!誰でも測れる。
ゲージ服とは中西会長が考案した、着るだけで簡単に採寸できる服の事。
普通オーダースーツの採寸は、熟練のテーラーがメジャーで測るのですが、これが結構難しい!
でもゲージ服があれば、若いスタッフでも簡単に測れる!
例えば、すその長さも袖の長さも、ゲージ服に数字が書いてあるから、メジャーなんて必要なし!
上着の長さもジッパーで簡単に調節。
完成後のスーツがイメージができるとあって、お客さんにも大好評!
さらに着丈を測る際、手が届かずなかなか難しかった…!ところが、
ゲージ服の後ろにメジャーがついているので、簡単に測れちゃう!
ゲージ服を使う事で、採寸時間も人件費も大幅カットできるとあって、手軽にオーダースーツが作れちゃうんです!
ツープライススーツとオーダースーツで、オンリーの快進撃はまだまだ続きそうな予感!
▼スタジオにてお話を伺いました。
加藤:オンリーやるじゃないですか!あの社長の感じだとなんかやらなそうな感じでしたけど。
一休さんが降りてきて、イッキュウ、19000円にしてるんですよ!?
大木さん:ノリですもんね!
加藤:あれは逆に選ぶ側にしてみたら、幅狭められてる感じがするんですけど。
池上さん:いや、これがね!
最初に例えば新聞の中に広告が入ってるでしょ?
「○○円〜」って書いてあるじゃないですか。
そうすると、客を呼ぶのがこの金額で、「行ってみたら実はもっと高いんじゃないの?」っていう思いがあるんですね。
でも「二つしかない」っていう事であれば、「あっ!だまされる事はない」って安心して行けるわけですよ。
加藤:回転寿司の皿の色と一緒ですね。
この色は○○円みたいにはっきりしてる。
進藤:あれが主流になっちゃった?
池上さん:駅の側に「スーツ○○」っていう、簡単に入れるお店が並んでるでしょ?
あれがそうなんですよ!新しい業態なんですよ!
進藤:いろんな種類のスーツがありましたけど、コナカのシャワークリーンスーツ。
加藤:あれすごいよ!!
池上さん:サラリーマンって、クリーニング出すほどもないんだけど、ちょっと洗えたらなって思いを持つんですよね。
そういう期待に答えてますよ。
大木さん:あと花粉症の時期なんかいいですよね、花粉症の人は。
帰ったら落とせますもん。
池上さん:こうやって見てくると、それぞれサラリーマンの気持ちをよーく汲み取ってますよね。
例えばツーパンツスーツってあるでしょ?
サラリーマンって上着はそうでもないんですけど、下はすぐにーヒーこぼしたり、雨が降ると下だけヨレヨレになったりするんですよ!
加藤:電車とか乗ってるとね!
池上さん:そんな時に、とりあえずパンツだけもう1枚あるといいなっていう期待に応えてます。
加藤:その辺ニーズに合ってるんだなー!
西日本を拠点にがっちり!最新紳士服ビジネス!
儲かる紳士服業界のヒミツ、続いては西日本を拠点にがっちりの紳士服はるやま!
岡山市に本社を構えるはるやまは、紳士服業界の中で数々の画期的なスーツを開発している会社なのです!
これまで、一般的なスーツの重さよりおよそ200gも軽い業界初の超軽量エアスーツや、銀メッキ繊維を使用した静電気防止スーツなど、数々のアイデアスーツを開発!
そんなはるやまのスーツが、今年世界から注目を浴びた場所が…北京オリンピック!
日本代表選手団が着ていたオフィシャルスーツが、はるやま製だったのです!
これまで、森英恵やKENZOなど超有名デザイナーが手掛けていた公式スーツですが、今回、紳士服業界初!
はるやまのスーツが採用されたのです!
そして、上着の開発が主流だった紳士服業界において、あえてはるやまは、ズボン重視を打ち出した!
その心は…?うかがったのは、開発担当の平田さん!
はるやま商事株式会社商品部副部長 平田伸人さん:あのー…大きい声では言えないんですが、足が長〜く見えるスーツです!
足が長く見えるスーツ!?
平田さん:こちらのマネキンが着てます。
これが脚長スーツです!
すごくスマートに脚が長く見えると思います!
こちらがはるやまイチオシ、その名も「脚長スーツ」!
脚が長く見えるスーツのヒミツは…
平田さん:一つ目は、腰のヒップ位置をあげております。
どうしてもウエストが大きい人は、それだけで脚が短く見えがち。
お尻のシルエットをキュッとあげる事で、印象が大きく違ってくるのだとか。
平田さん:それから、脚が長い人はひざの位置がすごく高いんですね。
ですから、ひざの位置のポイントを少しあげてそこからストレートにふる事で、視覚効果でポイントが上がって脚が長く見えると。
確かに、脚が長い人ってみんなひざから下が長い!
そこで脚長スーツは、ヒップとひざの位置を上げる事で、長く見えるような視覚効果を狙ったのです!
年間5万着売れれば大ヒットの紳士服業界において、脚長スーツはナント!25万着を販売!
平田さん:大ヒットで、ありがとうございます!!
業界に新風を巻き起こすはるやま!
秋が来ても冬が来ても、ず〜っと春爛漫!?
はるやまは脚長スーツでがっちりです!!
他とはちょっと違う商品でがっちり!
そんな大手4社とはちょっと違う商品で急成長している会社があるという。
そこでがっちりスタッフが向かったのは、奈良県広陵町にある岡本株式会社。
こちらで作っているのは、
岡本株式会社奈良工場製造課 永長克美さん:靴下!岡本株式会社は靴下を作っています!
スタッフ:靴下?
永長さん:靴下です!
そう、岡本は靴下専門メーカー。年間520万足を生産し、年商ナント236億円!
靴下の販売数では、日本一を誇るトップメーカーなのです!
早速その靴下を見せていただくために、工場へうかがおうとすると…
永長さん:靴下がビュンビュン飛んでるんですよ!
はっ?靴下がビュンビュン飛んでる!?
どういう工場なのか?中に入ってみると…
ん?何か今飛んだ!何か黒い物体がヒュンと!ひょっとして今のが?
永長さん:これ靴下が飛んでるんです!
スタッフ:靴下が飛んでる!?
永長さん:はい!
半透明な筒の中をエアポンプで吸い込まれて、ポットン!
ホントに工場の中を靴下が飛び交ってる!
名づけて、靴下シューターライン!
でもこれ、遊んでるわけじゃないでしょ?
永長さん:今までは人が運搬してたんですけども、効率よく次の工程に靴下を運ぶために、空を飛ばしてるんですよ!
靴下の製造工程は大きく3つに分かれ、この間を靴下シューターラインで結んでいるのです。
まず機械でおよそ6分間編んでいくと、筒状の靴下が出来上がる。
次に、その先っぽ、つま先部分を閉じる機械に投入。
そして、最後の工程へ飛んでいきます!
仕上げは、プレスで形を整えて完成!
今まで、すべての工程を人が運搬すると、一足およそ15分かかっていましたが、靴下シューターラインは3分の2に短縮!
低価格の中国製品に負けない生産数を誇り、数々の有名メーカーの靴下も生産!
岡本は靴下でがっちりです!!
▼スタジオにてお話を伺いました。
加藤:へぇ〜!!岡本さんっていう会社自体僕は知らなかったんですけど、靴下でそんなすごい事になってるんですねぇ〜!
池上さん:いわゆる有名ブランドのものを作ってる。
いわゆるOEM生産と言って、自社でも作ってますけれども、よその有名なブランドをこの靴下の会社は作っているという事ですね。
進藤:そういう事で2位がグンゼ、3位が福助と
加藤:大手を押しのけて1位!シューターのおかげですよ!
大木さん:という事はわれわれも、岡本製の靴下を知らず知らずのうちにはいてるって事ですね!
池上さん:その可能性が非常にありますね!
加藤:あれなんかすごいでしょ〜脚長パンツ!
大木さん:あれいいですね〜!
いよいよ見え方までを気にしてくれてるって事ですもんね!
加藤:そうそう!ヨーロッパ人が着るとスッとして見えるけど、日本人が着るとちょっと野暮ったく見えてしまう。
でも、あの脚長パンツをはくと、東洋人、日本人でも、シュッと見えるという!
進藤:では最後に池上さんにうかがいたい事がございます。
今後の紳士服業界、さらなる飛躍の可能性がありますでしょうか?
池上さん:あります!日本っていうのは高温多湿ですよね?
ヨーロッパですと湿度が低いですから、スーツで蒸し暑いなとか裏地を薄くしてくれっていう発想がないんですよ。
日本は高温多湿の夏でもスーツを着なければいけない。
そのために、非常に涼しくなるようないろんな工夫がしてあるわけですね。
いわゆる東南アジア諸国というのは、これからどんどん発展していきます。
そうすると、スーツを着なければいけないって人が増えてくるわけですね。
その時にどんなスーツがあるかっていうと、日本の高温多湿でも着られるスーツ!
これが注目を集める!
加藤:気候が全然違うもんなー、ヨーロッパとかとな。
池上さん:そうなんですよ。
だからこそ日本の技術がこれから生きてくると!
広がりますね、間違いなく!