過去の放送内容
2008年11月2日放送
特集
地方でがっちり儲ける!
ゲスト
森永卓郎さん(経済アナリスト)、MEGUMIさん
番組内容
今日のがっちりマンデーは、大好評企画第6弾「地方でがっちり儲ける」シリーズ!
円高・株価低迷で大ピンチの日本経済…
地方はなおさらヒドイことになっているのでは?
いえいえ、地方でもがっちり儲かっているところもあるんです!
地方がっちりシリーズ、地方が元気なら日本も元気になる!
商品流通の革命!?
日本の地方でがっちり儲ける!まずは、千葉県千葉市稲毛区。
場所を貸すだけで年商120億円と聞き、やってきたのは千葉の稲毛区にある「わくわく広場小仲台店」。
看板には「地元農産物直売」と、ちょっと地味なのではと思いきや、実はこのわくわく広場、千葉・神奈川を中心に50店舗を展開し、年間120億円を売り上げる日本一の儲かり農産物直売所だったのです!
でも、なぜそんなに儲かるのでしょうか?
それは、この店のシステムがちょっと変わっているから!
朝の7時半、近所の農家の方が続々と店にやってきます。
そして、自ら商品を並べている!
つまり、お店は仕入れの必要がなく、値段を決めるのも持ってきた農家の方本人!
さすが、直売だけあって、値段もかなり安い!
では、この値段をどうやって決めているかというと…
農家の方:適当!どうやって値段付けるってオラが見て付ける!
やっぱり適当!というわけで、値段決めなどの商品管理もなし!
そして、もし売れ残ったらどうなるかというと…
高品謙一さん((株)タカヨシ専務取締役):売れ残りは基本的に農家の方がお持ち帰りいただいて、ほとんど我々の在庫負担というのはありません。
つまり、店が在庫を抱える心配もなし!
高品さん:毎朝採れたての野菜を地元の農家さんが店頭に畑から直接運んでいただく、我々がやっているのは場所を貸すということです。
場所を貸すだけ!?ということは…
Q:何もやってない?
高品さん:何もやってないですね。レジだけくらいですかね。
わくわく広場は生産者に場所を提供して販売を代行するだけ!
その販売代行の手数料、約2割が店の儲けになるのです。
今では商店街のパン屋さんや、お弁当屋さんもこのシステムに参入!
Q:持ってくる時間帯は?
業者の方:決まってないからバラバラです。
その日、店に何が並ぶかはすべて生産者任せ!
そして、その生産者が…
農家の方:また野菜使うから!
サンドイッチの材料をここで揃えるものは揃えちゃう!
帰るときはお客さんに大変身!
こりゃ、儲かりますよね!
このわくわく広場、今から8年ほど前までは雑貨や日用大工品を売る普通のホームセンターでした。しかし…
高品さん:我々負け組になっちゃいまして、会社が潰れるか潰れないかの瀬戸際になったもので、何かないか何かないかと色んなことに取り組んできて、その中のひとつがたまたま農産物直売という形だったんです。
ホームセンターの片隅で始めた農産物直売が人気を集め、一気に業種転換して大成功!
現在、フランチャイズも含めて50店舗を運営!この先も…
高品さん:生産者さんはまだ無限にいます!
パン屋さんやケーキ屋さんもいっぱいいますので、そういったところに出店してもらえば、お互いにWin-Winの形が取れるのかなと思います。
農産物だけでなく、商品流通の革命ともいえるこのシステム!
タカヨシのわくわく広場はどんどんチェーン展開してがっちり!
地域のお客様を第一に!
続いては、福岡県北九州市。123年間、黒字経営の理由とは!?
吉田清春社長:うちはもうチェーン展開ということはしませんね。
門司だけでやっていきたいと思っております。
とおっしゃるのは、北九州市門司に店を構える明治18年創業「宝石・めがねのヨシダ」の四代目、吉田清春社長。
創業以来なんと123年間、ずっと黒字経営が自慢のお店なのです。
でも、失礼ながら、ちょっとレトロでこじんまりしたこのお店が、どうして123年間も黒字を続けてこられたのでしょうか?
吉田社長:地域の人に喜ばれることをしよう、地域の人だけが私たちの店を支えてくださるというのが私の家訓といいますか、5代目に残す自分の思いです。
当たり前のことを言っているように聞こえますが、めがねのヨシダのお客様サービスはハンパじゃない!
4万円もするマイセンのカップを使ったコーヒーサービス!
おつりの1000円札はすべてピン札を用意!
おじいちゃんの形見の金縁メガネをペンダントに無料リフォームなんてサービスも!
Q:よく来られるんですか?
お客さん:はい、大好きなお店ですから!
門司では皆さん大概ここじゃないですか。
こんなお客さんたちに一番ウケているのが…
吉田社長:「高い宝石・高いめがねを買っても、着けていく場所がない」とお客様からよく言われるんですよ。
ということは、つけていく場所まで提供できればお客様が喜んでいただけるんじゃないかなと思い、ディナーショーやバスツアーを企画しています。
バスツアーやディナーショーを企画してお客様を招待!
たしかに、めがねとアクセサリーがキラキラしているような…
そして、めがねのヨシダ、毎朝開店前の儀式が…
社員一同:お客様おはようございます!毎度ありがとうございます!
宝石・めがねのヨシダは地域のお客様を第一にがっちり!
手作り高級ハンガーでがっちり
続いては、兵庫県豊岡市。勝負服に使いたい逸品とは!?
こちら、東京青山にある青山ツインタワー。
この中のあるお店が、今回の主役。
店内のハンガーにはまだ洋服が掛かってようですが…
中田修平さん(中田工芸(株)営業課):こちら中田ハンガーといいまして、木製ハンガーのショールームです。販売もしております。
たしかに、ハンガーに値段が付いてる…8400円!?
こちらのハンガーはなんと12600円!
普段、無料で貰えることもあるハンガーが、どうしてこんなにお高いのでしょうか?
この木製ハンガーを作っているのが兵庫県豊岡市にある中田工芸(株)。
62年の歴史を誇る木製ハンガー専門メーカーで、年間300万本を生産!百貨店やホテル、アパレルショップなどで使われていて、その国内シェアは軽く50%を超えているのだとか!
そして、後姿がダンディなこのお方が…
中田幸一社長:私が社長の中田です!
中田工芸の2代目、中田幸一社長。
スタッフが普段使っているハリガネのハンガーを差し出すと…
中田社長:これはちょっとまずいですね。
これでは洋服が可哀想ですね。
もう、これだけで、肩のラインにハンガーのあとがくっついてしまって、シワが入ってしまいます。
ハリガネのハンガーと比べると、高級木製ハンガーに掛けた方がシュッとして見える!
でもこれ、1万円のジャケットが2万円のハンガーに掛かっている図、ちょっと悲しい…
中田社長:これは1本1本すべて手作りで作っております、職人技がこのハンガーに凝縮されています。
というわけで、工房にお邪魔すると、1本ずつ手作りしている!
こちらのベテラン職人さんが作るハンガーは、1枚の板から削り出すというなんとも贅沢な材料の使い方で、その最高額はなんと33600円!
ハンガーの材料はヨーロッパから輸入した高品質のブナ。
創業当時は近くの山から木を切り出して作っていたのだとか。
そして、この9月に発売したばかり、中田オリジナルの新型ハンガーがコレ!
アナトミーハンガー、13600円!
メンズ、レディースに関係なく使えるのが特徴で、意外とシワになりにくく、アパレルメーカーからは、新しい洋服の見せ方ができると評判なのだそうです。
もしかして、バカ売れしたら儲かっちゃいますね?
中田社長:私としてはこのハンガーを儲かりハンガーと呼びたい。
▼スタジオにてお話を伺いました。
森永さん:高い服を売ろうと思ったら、ハンガーもそれなりに良い物を使わないと、やっぱり服が可哀想ですからね。
加藤:わくわく広場は、みんなに安く提供できる場所ですもんね。
森永さん:謙遜して「レジだけ・場所貸しているだけ」とおっしゃっているんですけど、そう簡単にできるビジネスではないんですよ。
農家を一軒一軒回って、どうぞ出品してくださいとお願いをして、初めてあのビジネスが出来上がるんですよね。
加藤:あと、宝石・めがねのヨシダ!
森永さん:わくわく広場とまったく逆のビジネス展開ですよね。
でも、わくわく広場と共通しているのは、やっぱり人と人とのコミュニケーションなんですよ。
進藤:宝石・めがねのヨシダは「地域密着というよりは地域貢献だ」ということで、社員全員で街の落書きを消しに行くなど色々となさるそうです。
ホンモノを超えた!?
続いては山口県宇部市。ホンモノを超えたカニカマとは一体?
やってきたのは、山口県宇部市にある(株)ヤナギヤ。この会社、何の会社かというと、蒲鉾・豆腐・海苔などを製造するための食品加工機械を作っている会社なのです。
そんな食品加工機械の中で、ヤナギヤ一番の売れ筋が…このカニカマ製造機!
なんでも、日本生まれのカニカマが今全世界規模でブームになっているのだとか!
ヤナギヤはこの製造機で…
柳屋芳雄社長:世界中で70%くらいウチの機械が出ています。
国内でもほとんどウチの機械だと思いますけどね。
とおっしゃるのは、3代目の柳屋芳雄社長。
現在、世界17ヶ国にカニカマ製造機を輸出。
世界シェア70%、国内ではほぼ100%のシェアを誇っているのです。
カニカマ製造、1番のポイントは色付けの技術。
社員の方:フィルムに紅い色のすり身を塗りつけて、製品に巻きつけることによって、かにの甲羅から剥いた時のカニの肉のような色にします
包み込むフィルムに食紅を混ぜたすり身をつけておいて、表面に色を写すことでより本物に近い見た目になる。
そして、カニカマの中身も…
柳屋社長:最初はスティックで真っ直ぐだったんですが、今はどんどん極細繊維で斜めになり、より本物に近い形になってきました。
これが、皆さんよく知っているベーシックなカニカマ。
そして、こちらが最新のカニカマ!
カッティング技術の向上で中の繊維が複雑に絡み合い、本物と比べても、本物より美味しそう!
柳屋社長:本物に近いモノは鮮魚コーナーに置いてあるので、販売方法も本物に近くなってきていると思いますね。
カニカマが鮮魚売り場に?
宇部市内のスーパーへ行ってみると、本当にカニカマが刺身と一緒に並んでいる!
山塚達也副店長(マックスバリュ恩田店):お客様もたまに間違われることもあるくらいです。
注意書きとして「カニではありません」という表示が必要なくらい食感としても味としてもカニに近いものはあると思います。
と、ヤナギヤは本物を超えるカニカマ製造機で…
柳屋社長:これからも世界のカニカマを征服するぞ!がっちり!
漁業の革命的システム
続いては、大阪府吹田市。日本全国の衰退する漁業を救う!
早朝6時、やってきたのは大阪府吹田市にある(株)旬材。
出迎えてくれたのは西川益通社長。
Q:「日本一漁師を知る男」と言われていると聞いたのですが?
西川社長:誰が言うたんですかね!?
西川社長はこれまで25年間、漁船を造って全国の漁業者に売る仕事をしていました。
そんな中、漁師さんたちのつながりで生まれた事業がありました!
社長が見入っているのはお魚の映像!?
西川社長:この画面を見て欲しい魚があれば、ここからオーダーがかけられる。
Q:リアルタイムの映像ですか?
西川社長:そうです!
旬材は全国25の漁協と提携して、ネット動画で産地から魚の映像を配信。
これを見て、全国のスーパー・レストランなどが直接漁協から買い付けるという仕組みを作ったのです!
例えば、1万円分の魚が売買されたとしたら、旬材の取り分は漁業者の販売価格の2%(200円)と、スーパーなどバイヤーの購入価格の10%(1000円)の、合わせて1200円!
これで、年間15億円売り上げているのだとか!
特に力を入れているのは「すそもの」と呼ばれる、漁獲量が少なかったり、希少種で市場に出回らない地元の魚。
西川社長:非常に漁獲量が少ないとか、なじみがない魚は通常流通の中には乗ってこない。
こういう魚をこのシステムで直接買い付けしていただく。
これまでは販売ルートがなく、売ることが難しかった「すそもの」を都会の店に直接販売することができる!
これ、漁師さんにとってもお店にとっても革命的な魚流通システムなのです!
現地の漁協の方に、直接お話を伺ってみましょう!
岡本直樹さん(和歌山県南勝浦漁協販売(株)):こちらに映っているのはカジキになるんですね。
こういうのは結構一般的じゃないと思うんですけど、刺身で食べたら美味しいんです!
実際ダイレクトに魅力をお客様に伝えられるのがいいと思ってます。
Q:この映像を見てレストランの人が「欲しい!」って言ったら注文が入りますか?
岡本さん:そうですね!旬材さんの仕組みでがっちり!
と、日本の漁業を活性化させる新しい試みは大阪から始まっていました!
旬材は全国の漁業者と消費者を直に結んでがっちり!
▼スタジオにてお話を伺いました。
加藤:これはまだ拡がりますね!
森永さん:これ、実は漁業者の方にも大きなメリットがあるんですよ。
漁師の方って、魚を採ってきて漁協で競りにかけますよね。
そうすると、どれだけコストが掛かっても自分と全然関係のないところで値段が決まってしまうんですよ。
ところが、このシステムは漁師の皆さんが値段を主張することができるんです!
進藤:そして、カニカマを頂いてきました!
一同:すごいリアル!!
進藤:来年ブレイクしそうな地方がっちりを教えてください!
森永さん:島ビジネスです!
今年の夏、色んな島がものすごい観光客を集めたんです。
私、最近Yahoo!オークションで無人島って検索すると結構出てきて、それを買おうとしてるんですよ。