過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2008年10月12日放送

特集

ターゲット限定ファッション誌

ゲスト

池上彰さん(ジャーナリスト)、りょうさん

番組内容

今、とっても景気が良いのは…ファッション誌業界!!
中でも売れてるファッション誌には、共通の特徴が!

文教堂渋谷店 横山英樹店長:昔は20代女性全部みたいな、働く女性のためにとかあったんですけども、どんどんどんどん狭くなっていってますね。

そう、これまでのメインターゲットは20代〜30代の女性。
しかし今絶好調なのは…更にターゲットを絞った「限定ファッション誌」!

今日のがっちりマンデーは、普段ファッション誌なんて読まないお父さんもちょっとビックリの販売戦略がぎっしり詰まった30分です!!

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小・中学生限定で大成功!儲かる限定ファッション誌のヒミツ

限定ファッション誌、まずは…小・中学生限定で大成功!
それがこちらのファッション誌!
…ってごちゃごちゃしてて、どこにタイトルがあるかわからない!

「ブランド中学生」じゃないですよ〜!正解は…ココ!

「ニコラ」!…ロゴはモデルの女の子に隠れちゃってますけどね。
 
「ニコラ」を作っているのは(株)新潮社。
なんと、新潮社で一番売れている月刊誌が「ニコラ」なんです!

ニコラ編集部を訪ねてみると、なんともファンキーな編集長、松本美帆子さんがお出迎え!

松本編集長:今、実売で今年の夏は16万部いくかなという感じで。

「ニコラ」の定価は450円。
という事は、本の売り上げだけで毎月7200万円!
広告収入も合わせると、軽〜く1億円を突破しちゃう!!

▼「ニコラ」儲かりのヒミツ(1) ごちゃごちゃ
実は、タイトルがわからない表紙も作戦のうち!
ごちゃごちゃなのは表紙だけじゃありません!

「これでもかー!」と、写真や絵が詰め込まれてる!
でもこれ、読みにくいのでは?

松本編集長:これ、読み切れないように作ってますから。

…え?読み切れなかったらダメじゃん!
でも、この「ごちゃごちゃ」が重要な儲かりポイント!

松本編集長:一つに、立ち読みできないっていうのがあります。
1日で読みきれないぐらい情報量入れて、買って帰ってもらおうってのがまずあったんです。

ごちゃごちゃしてて読み切れないから買って帰る。
立ち読みで済まされないためのニコラの作戦だったのです!
試しに、こちらのページに載ってるバッグの数を数えると…

1、2、3、4…あぁ〜!!多すぎる!!何と、54個!!
更によーく見ると…一つ一つにちゃんと説明が付いてる。
文字の大きさは1ミリちょっと…って、小さーい!

読者の女の子に聞いてみると…

読者の女の子:発売日に買ってバーッと読んで、次の日から寝ながらじっくり読みます。来月号が出るまで!

でも、あまりに細かすぎてこんな苦労も…

Q:編集してても大変じゃないですか?

松本編集長:ホント終わらないんですよ!
なんか写経みたいですよ。
自分で作っておいて、細かすぎて終わらないって、なんか泣きながら…(笑)

▼「ニコラ」儲かりのヒミツ(2) 1色刷り
読み進んでいくと表れる、地味〜な1色刷りのページ。
ここにも売れるヒミツが!

松本編集長:1色ページは人気が高いですよ。
恋バナみたいな、放課後に集まってワキャーって言う感じのイメージが1色なんですけど。

女の子が、興味はあるけど人に聞きづらい情報が満載で、「nicola保健室」なんてページも。
これを目当てに買う子もいるらしいんですが、なんで1色なの?

松本編集長:文字ベースの物だったりとか、体験談とかは、1色の方がその記事に集中できる。

ファッションページの派手〜な色合いとメリハリをつけて読者を惹きつけるため、わざと1色なんです。更に、

松本編集長:もちろん、ご予算的な事もあるんですけど…

編集長、一石二鳥?

▼「ニコラ」儲かりのヒミツ(3) モデルかわいい
ニコラに登場するモデルの女の子たちは、ほとんどが読者モデル。

松本編集長:昨日まで同じクラスだった子が、夏休み過ぎたらモデルになってとか、そういう子がまたかわいいって言って大人気になったりとか。
自分もモデルになれるかも?という身近さが人気の理由。
こちらは、現在大人気の高屋敷彩乃ちゃん。

普通っぽさがいいんだとか。
ニコラでは、読者とモデルの交流を深めるべく、変わったイベントも。この日はなんと、大食い大会!

モデル達と読者が参加して、おいしい物を食べまくり!

読者の女の子:モデルがすごい近くで見れて、かわいくてー!

でも、ファッション誌で大食いって何のため?
実はこの様子、その後「ニコラ」に掲載されるんです。
大食い大会以外にも例えば運動会の様子などを掲載!
モデル達が普段見せない表情が見たくて、ついつい買っちゃう!
こうして小・中学生限定にした「ニコラ」は、発行部数16万部で絶好調!

アラフィー限定で大成功!儲かる限定ファッション誌のヒミツ

限定ファッション誌、続いては…50歳前後限定で大ヒット!
集英社が昨年創刊した「エクラ」、780円。

ターゲットをアラフィー、50歳前後に絞ったんですが、そんなファッション誌って売れるの?

集英社「エクラ」編集部 南方知英子編集長:この年代は、non・noとかan・anが創刊された時にちょうどティーンエージャーで、雑誌に接し慣れた世代です。

日本初のファッション誌、ananが創刊されたのが、1970年。
その時15歳だった女性が、現在53歳に。
「そんなアラフィーのためのファッション誌が欲しい!」という声にこたえて誕生したのが、「エクラ」なんです。

▼アラフィー(Around50)にウケるポイント(1) 特集主義
「エクラ」には、毎号必ず特集を掲載。
でも、これってよくあるやつですよね?

南方編集長:読者層の年齢が高いというのもあるんですけれど、皆さんやはり色んな事を既にご存知で、生半可な事では満足して頂けないんですね。

そう、内容が何しろ奥深い!!
例えば、「エクラ」に載ってるあるカーディガン。
お値段704,550円なんですが、それだけじゃなくて、作っている会社の歴史を紹介したり、生産工場についてももちろん取材。
更に、生地の素材となる珍しい動物について、名前や大きさなどの情報まで!
アラフィーを納得させるには、これぐらい徹底しないといけない!
更に…!読者の年齢を考えて、すっきりとしたレイアウトに。

先ほどの「ニコラ」と比べると…

大人の女性は、余裕が大事ですよね。

▼アラフィーにウケるポイント(2) 通販と連動
通常のファッション誌の収入は、雑誌の売り上げと広告収入の2本柱。

でも「エクラ」には、3本目の柱が!それが…通販!

その名も、「極上通販エクラプレミアム」!
取り扱う商品は、ネックレスが299,250円、ボストンバッグが102,900円など、結構いいお値段なんですが…

Q:売れ行きは好調なんですか?

ブランド事業推進室 磯田裕子さん:そうですね、右肩上がりだと思います。
最高記録をどんどん更新しているところです。
一度に100万ぐらいお買い求めになった方もいらっしゃいます。
それと、キャリーバッグ!
20万40個ですと…800万近くですね!これだけで!

さすがアラフィー!金払いも絶好調!!

ファッション誌にのっかってがっちり!

更に、好調なファッション誌にのっかって儲けちゃってる会社が!千葉県の幕張にある(株)スタートトゥデイ。
昨年度の売り上げは、85億円!!

こちらの会社、もともとインターネットで洋服を販売していたのですが、思いついたのが…ファッション誌との提携!
ファッション誌を読んでいて欲しい商品があった場合、お店を調べて買いに行くのが普通の方法。
そうすると、売り切れでガッカリ!なんて事も…。
でも、スタートトゥデイが運営する「ZOZORESORT(ゾゾリゾート)」というサイトを使えば大丈夫!

まず、「掲載雑誌一覧」というところをクリックすると、提携している雑誌が登場。
掲載された商品がズラーッと出てくるので、あとは欲しい商品を選んで購入するだけ!
現在提携しているファッション誌は、全部で12誌。

雑誌側にとっては、ネット上で雑誌のPRがタダでできるためお得!ネット側にとっても…

スタートトゥデイ 前原正宏さん:右肩上がりで…グーン!

雑誌と提携した事によって、売り上げは急上昇!

5年前と比べるとなんと20倍に!!

前原さん:儲かってます。間違いないです!

▼スタジオにてお話を伺いました。
加藤:あのネットのやつはうまい事やりましたね〜。

りょうさん:そうですね〜。
あんまり近所にお洋服屋さんがなくても、雑誌を見て頼めばすぐ来ますからね。

加藤:地方の方も全然買えますもんね。
あれはすごい伸び率ですね、池上さん。

池上さん:伸びてますね〜。
要するに今は、雑誌自体の売り上げよりも通信販売で儲けようというところが増えているんですね。

進藤:「エクラ」もそういうパターンで成功しているバージョンだと思いますが…

池上さん:その通りですね!
雑誌というのはこれまで、購読料と広告収入という二本柱だったんですね。
ところが今、その両方が落ちてきている。
そうすると、通信販売の収入も入れて、三本柱で支えていこうという事です。

加藤:しかも50代の方だと、ある程度お金に余裕ができている人も多いでしょうよ〜!

池上さん:そうですね。

加藤:それに比べてですよ!この「ニコラ」!

りょうさん:私の小学校6年生の姪っ子が夏休みに家に遊びに来た時に、「ニコラ」を持参してきたんですよ。
彼女が寝てからちょっと見たんですけど、1色刷りページはすごい興味がありますね。

さらに狙いを絞った儲かるファッション誌のヒミツ

限定ファッション誌、続いては…
先ほどのニコラよりもっと小さい、キッズ限定のファッション誌!
やってきたのは大阪。

Q:こんにちは!どんな雑誌を作られてるんですか?

アンジュパブリッシング 長谷浩二編集長:「マリア」って言います、子どものファッション誌です。

この「マリア」は、子供服のファッション誌では唯一の月刊誌。

5年前に創刊した時は、関西地区のみの地方誌だったのですが…全国の子供服のショップに頼み込んで「マリア」を置いてもらったところ、問い合わせが殺到!
創刊から11ヵ月後、ついに全国誌に!
現在、発行部数11万部を誇る、儲かりファッション誌になりました!!
何で「マリア」ってタイトルかって言うと…

長谷編集長:タイトルすごい悩んでいたんですよ。
お好み焼き屋さんでお好み食べてまして、浜崎あゆみさんの「♪M」が流れていたんですね。
それ聞いて、その瞬間に「マリア」や〜みたいな、そんな感じ!

う〜ん、さすが大阪的発想ですね〜!
しかし、売れたのはノリだけじゃない!

▼「マリア」儲かりのヒミツ カタログ作戦
マリア成功の第一は、商品カタログのような誌面構成にあります。

一つ一つの商品がはっきり見えるようにレイアウトしているのには、こんな理由が。

長谷編集長:子どものファッション誌ってのはネタは子どもなんですけど、読者はお母さんになるんですね。
お母さん達に正確に物を見せる、これですね!

マリアを読んでるママさん達にとって重要なのは…載っている商品が買えるか買えないかという事。
いくら良い情報でも、売り切れてたら意味がない!

そこで!長谷編集長は…掲載する商品を全部、発売される前の物にしちゃったんです!
そうすれば、ママ達が「マリア」に載っている商品を買いたいと思った時、売り切れてる心配はまずないって訳。

このカタログ作戦、ファッション誌は売れる、読者は服を買いやすい、メーカーは発売前の宣伝になると、いい事づくめの新しいスタイルなんです!

限定ファッション誌、続いては…地域限定で大成功!
やってきたのは名古屋。
この地方で爆発的な売れ行きのファッション誌があるという。
街の女の子に聞いてみると…

Q:よく読む雑誌は何ですか?

女の子:スパガ!
2、3日前にスパガを見て、今日買い物に行って赤のチェックのワンピ買おうと思って買ってきたの!

名古屋の本屋さんには、全国の有名ファッション誌と並んで…ありました!こちらが通称「スパガ」!

東海地方限定販売の「東海スパイガール」420円。

星野書店近鉄店 西脇義高店長:非常に売れていまして、号によっては「CanCam」とか「JJ」とか「ViVi」とかよりもたくさん売れる号はよくあります。

名古屋で、並み居るファッション誌を尻目に一等賞になる事も!

スパイガール編集部 伏屋三嘉子編集長:東海スパイガールでがっちりです!

こちらが東海スパイガールの編集長、伏屋さん。

伏屋編集長:売れ売れです!売れ売れですよ!売れてます!

スパイガールの特徴はなんといっても、地域密着性!
…確かに、全国誌には東京のお店しか載せない事が多い。
でも、スパイガールはとにかく、地元のお店を紹介。
東京や大阪のお店はひとつも載せないという徹底ぶり!

更に人気のページが!

伏屋編集長:一般の街を歩いている女の子達が登場するページなんです。
まず見るのはみんなこのページなんですよね。

スパイガールには、街で見かけた普通の女の子がいっぱい載ってる。
すると、地元ファッションの微妙な流行の変化がわかるって訳!
10月号には、街で撮った女の子を紹介するコーナーに、なんと20ページも!
99人の女の子が載っています!
他の雑誌と比べても分量が多い!

伏屋編集長:自分の知り合いが出ていれば買うだろうし、娘が出ていたらお父さんが買うだろうし、自分の孫が例えばごく小さいところでも出てて、近くのコンビニで20冊ぐらい頼んで買ったとか…いう話はよく聞きますけどね。

親・兄弟はもちろん、親戚や知り合いも買えば結構な売り上げになる!
地域限定だから情報も偏ってる!
例えば、髪型にしても名古屋は今でも巻き髪ブーム!
こっちも巻き巻き、あっちも巻き巻き!
モデルさんの撮影現場にお邪魔すると…やっぱり巻いてます!

スパイガール専属モデル 平田香織さん:普通の巻くコテは3種類で、あとストレートにするやつが1つあります。

スパイガール専属モデル 森岡栄美さん:地震の時にコテ持っていかんと心配でどうしようと思って!

巻きに命かけてる!

▼スタジオにてお話を伺いました。
加藤:いや、すごい!これは絞りに絞ってますもんね!
地域を決めちゃった上で、そこにいる人に売るっていう…あの編集長はやり手ですね!

池上さん:やり手ですね。と同時に、東海3県という適度な大都会ですよね。
東京ほど大きくない、だから地元の情報が載ってる、地元の人が出てくる。
ちょうどいい規模なんでしょうね。

加藤:これは考え深いですね。
50歳以上の女性、小・中学生ターゲット、名古屋だけターゲット、そして子どもだけですからね!
それが売れてるっていうんだから!

池上さん:そうなんですね。
もうとにかく、広く一般向けの雑誌っていうのは今、成り立たないですね。

加藤:そうしたら、30代後半のファッション誌とか作ってほしいですね。
ピタッとしたTシャツなんてもう着れませんよ、私ー!
このぐらいの体型のファッション誌が欲しいんです!
世の中に一番多いと思いますよ、このぐらいの体型!

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