過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2008年5月25日放送

特集

マルキュー

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)・大沢あかねさん

番組内容

がっちりマンデー、本日のテーマはマルキュー!
マルキューって何だかわかりますか?
マルキューとは、渋谷109のこと!
ここが今まさに「日本一の儲かりファッションビル」なのです!
お客さんが若い女性ばかりで、休日の来客数3万5千人、年間売り上げは283億円!
若い女の子の心をガッチリと掴んでがっちり儲ける!
今日は華やかな渋谷109のシビアな儲かるヒミツを教えます!

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マルキュー儲かり戦略1

ここ10年間、ファッション雑誌でも「マルキューファッション」として取り上げられ、若い女の子に圧倒的な人気の渋谷109ですが、1979年オープンした当初は紳士物も置いてあるフツーの百貨店でした。

80年代から順調に売り上げを伸ばしていったものの、バブル崩壊と共に売り上げも右肩下がり!
それが見事V字復活した裏には、渋谷109の大胆な戦略転換があったのです!

▼マルキュー儲かり戦略1 若い女の子をねらえ!

マルキューといえば、お客さんはほとんどが若い女性ばかり!

渋谷109の運営会社、東急モールズデベロップメント取締役常務執行役員の萩原泰章さんにお話を伺いました。

萩原さん:ターゲットは女子高校生。
17〜22歳位までの女の子にターゲットを徹底的に絞って、他社がマネできない位に差別化していこうという方針で徹底的にやってきました。

そう!徹底的に109を17〜22歳くらいまでの女の子たちが行きたくなるような店ばかりにしたのです!
それが、90年代後半に大流行した女子高生のルーズソックス、レッグウォーマー、へそ出しルック、厚底靴の流行に繋がったというワケ!
これは全部マルキュー発のブームだったのです。

ショップの店員にも、お客と同世代の女の子を起用!
これによって、流行語にもなったカリスマ店員ブームが巻き起こり、店員が着ているものをまとめて買う「全身買い」という言葉まで生まれました!

ショップ店員:とてもたくさんのお客様がスタッフの着ている服をそのまま買って行かれたりします!
多いときは1日に10人位います。

若い女性をターゲットにしたテナント戦略は大当たりしたのです!
そんなマルキューにはお客さんをワクワクさせるいくつもの仕掛けがありました!

お客さんの移動は、フロアのセンターにある上下エスカレーターの周りをぐるりと回るように設計されていて、隣の店は角を曲がらないと見えてこない仕掛けになっています!
これはワクワクしますよね!

さらに、店内に入るガラス扉に目張りがしてあるのも、マルキュー店内を隔離された別世界にするという演出からなのです!

また、各お店から流れるBGMも大きめに設定されていて、これはお客さんのテンションを上げるために利用されます!

そして、マルキュー最大の特徴はお店の大きさ!
なんと、どのお店も売り場が狭いのです!これには何か理由があるのでしょうか?

萩原さん:15〜20坪がメインなんですけど、小さな店がいっぱいあって集積があった方が、全館としてパワーを発揮します。

マルキューの平均的な店の坪数は15〜20坪。
大きな店の方が売り上げが大きいのは当たり前ですが、109はそんな単純な評価はしません!
109でもっとも大事なのは…「月坪売上」!

萩原さん:当社が賃貸しているテナントの一坪当たりの売り上げのことです。
10坪のテナントが月間1000万円売り上げたら月坪は100万円ということになります。

そう!スペースの小さな109では、同じ面積でどれだけ効率よく商品を売るかがとても重要なのです!

マルキュー儲かり戦略2

この月坪売り上げがマルキューはハンパではありません!
都内の一般的なデパートのファッションフロアの月坪平均はおよそ40万円。
これに対して、渋谷109の月坪平均は125万円!
実に3倍以上の坪効率を誇っています!

萩原さん:当社としては強いテナントをより強くということで、月坪を300〜400万円上げているテナントには拡大して、さらに売り上げを伸ばしていただきたいと思っています。

そう!売り上げを伸ばしたテナントは店舗面積を拡大!
反対に、売り上げが急に落ち込んだテナントに対しては…

萩原さん:売上が下がるということは、お客さんの支持を得られなかったということなんですね。
あまりにひどい場合は退店を要請することもあります。

一見華やかに見えて、とてもキビシイ実力主義の世界なのです!

その厳しさはこんなところにも!
朝11時過ぎ、8階にある109事務所では各お店のスタッフが一心不乱に何かをメモしています!
マウジー渋谷109店の船木明日香店長にお話を伺いました。

Q:何をメモしているんですか?

船木店長:昨日の売り上げが今の時間になると全部出るので、毎日他のライバル店の売り上げも全部メモします。

そう!毎朝集計される前日の各店舗の売り上げをメモしていたのです!

船木店長:同じビルに100店くらいお店が入っているので他のお店がどれくらい売り上げているのか、昨日売り上げがよかったら「何が売れてよかったのか」というのを自分たちも実際に見に行って検証します。

全店舗の売り上げをあえて公開することで、各テナントに競争意識を持たせる!
これも109の儲かり戦略のひとつなのです!

ここで、昨年10月〜今年3月までの渋谷109、月坪売り上げベスト3のテナントをご紹介します!
改めて言いますが、都内の平均は40万円。
109 全店平均は125万円という金額を踏まえつつ、第3位は1階から入ってスグという絶好の立地で売り上げを伸ばす「ミツマルレイラローズ」は、月坪324万円!

第2位、売れ筋はデニムとプリントTシャツの「ロデオクラウンズ」は月坪339万円!

そして第1位は、月坪なんと406万円で6階に16坪のテナントを構える「ワンスポ」!

ワンスポディレクターの吉田尚美さんにお話を伺いました。

Q:意外と大きいお店ですね!これで月坪1位はスゴイですね!

吉田さん:ここは4月19日にリニューアルオープンしたばかりで、月坪が1位だった時は9坪しかなかったんですよね。

そう!ワンスポは月坪売り上げが伸びたおかげで4月にリニューアルオープンしたのです!

吉田さん:混んでお客様に迷惑をかけてしまうくらい人気が出たので、109さんの方からお話を頂いてお店が広くなりました!

このように、月坪売り上げがアップすれば、9坪のお店が一気に2倍近くなることもあるのだとか!

萩原さん:1年間にリニューアルや新規店舗導入も含めて109の場合は50店舗くらいが変わっています。
これくらいやらないと流行のスピードについていけないし、これまでの成長はなかったと思います。

1年間で約半分のテナントがリニューアルオープンする109。
人気のテナントが増えて店の売上が伸びれば、そのテナント手数料で109も儲かっちゃうのです!

そんな厳しい競争が繰り広げられる渋谷109ですが、一方で新しいブランドを全力で応援するのもマルキュー流!

マルキュー儲かり戦略3

新しいファッションブランドを世に出したい!
でも店を出すお金がない!
109はそんなヤル気はあるが資金の無い若い経営者を募集!
最初は賃料を相場の半分に設定してお店を出させるのです。

萩原さん:どこかで売れているお店を入れるのではなく、109から新たなブランドを出したいんです!
109から育って、大きな会社になってもらいたい。
そういうテナントを入れる事に徹底的にこだわってきました。

マルキュー発で全国区ブランドになったのが、6階の「ココルル」。
現在、全国に21店舗を展開中。

ココルル渋谷109店の中尾桂子店長にお話を伺いました。

中尾店長:やっぱり全国の中でも、109にあるココルルというのは全店を背負っているようなものなのですごく大事ですね。

109で人気が出れば、一躍全国区になれるのです!
新規参入のブランドにとって渋谷109への出店は最大のチャンス!

さて、ひとくちにマルキューファッションといってもそのテイストは実にバリエーション豊か!
たとえばコチラ、地下2階にある「リップサービス」の特徴は、ドキッとするほどのセクシーさ!

リップサービスファン:シンプルだけど、露出が多いので大人っぽさとかエロさが出ます!

この大胆に開いた胸元!
女子高生憧れのチョット大人のブランドです。

反対にスポーティなテイストなのが、先ほど紹介した「ココルル」!

ココルルファン:あんまり女の子女の子してなくて動きやすい!

ホントに動きやすいかは別として、このダボっと履くパンツがココルル流なのです!

コチラ5階の「マウジー」は、やや大人路線!

マウジーファン:かっこいい!マルキューの中では大人っぽいと思います!

ターゲットはマルキューではちょっと高めの25歳以上!

コチラは5階のリズリサ!ここはなんと言っても…

リズリサファン:イメージはお姫様みたいな!いつまでも女の子らしいみたいな感じ!

お姫様気分といえば、このフリフリのフリルがポイント!

様々なファッションが若い女性を魅了する渋谷109!
でもマルキューの儲かりはビルの中だけではないのです!

きっと皆さんも1度は目にしたことがあるはず、コチラのイベントスペースは大盛況!
この空間、1日のレンタル料は63万円!

さらには、ビル正面の広告スペース!

これまでもhitomiの巨大看板や、オロナミンCで石原裕次郎と、渋谷の街を驚かせてきました!
この広告スペース、2週間単位の契約でウン百万円 (制作費別)も掛かるそうです!
渋谷のランドマークとして1年先まで予約が埋まっているそうです!
これは儲かる!

▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:渋谷109の広告スペースは私の仕入れた情報によると2週間で500万円だそうです。
流行に敏感な若者がしょっちゅう見る場所というのは、なかなか無いですからね。

大沢さん:安いのに可愛いのが1番の魅力なんですよね!
お店も結構コロコロ変わるんですよ。

森永さん:実は各フロアごとに超人気店を必ず配置しているので、フロアごとの売り上げはほとんど変わらないんです。
普通デパートは増床して売り上げを伸ばしますが、109は1979年のオープン以来ほぼ増床していないので面積的には変わっていないんですよ。
それがあの急激な売り上げ増を達成したというのは月坪をどんどん高めていくという発想がまたよかったんだと思います。

マルキュー売り上げベスト3

渋谷109のレディスウェアは計80ブランド。
その中で最も売れているのはどこでしょうか?
マルキューテナント月間売り上げベスト3(昨年10月〜今年3月平均)

第3位は「ギルフィー」で6700万円!
こちらのブランドもマルキュー発で全国区になりつつある超有望ブランドです。

第2位は「マウジー」で8000万円!
ターゲットは25歳以上、購買力のある大人の女性の支持がランキングに反映されました!

そして、マルキュー売り上げNo.1ブランドは「セシルマクビー」。
1ヶ月で1 億2900万円。

まさに渋谷109のリーダー的存在!
8年連続で売り上げNo.1を誇っています!
そのヒミツを探るべく、まずは接客術を拝見!

ショップ店員:今日はお休みなんですか?学校とか?頑張ってますね!

ショップ店員:大人っぽい感じですよね!おいくつ位なんですか?
私とあんまり変わらないです!いくつ位に見えますか?

…と、フレンドリーな接客でお客さんのハートをがっちり!

この方が、セシルマクビー渋谷109店の馬場真理子店長!
何やら店の外から店内の様子をチェックしているようですが、おもむろにディスプレイを直し始めました。

Q:表をウロウロしていましたけど、一体何をしていたんですか?

馬場店長:お客様が今何を求めているかを見ています。
あとは客層を見ています。
それを見てディスプレイを変えたりしていました。

時間帯によって客層にあわせて素早く商品を入れ替えるのは当たり前!
さらにセシルマクビーがスゴイのは商品開発のスピード!

こちらが渋谷にある本社のショールーム。

セシルマクビー商品企画部ディレクターの名越万理さんに商品の発注現場を見せてもらいました。

名越さん:型おこしてもらいたいんで、どれくらいでできますか?

A:だいたい10日間くらいでできますね。

名越さん:いつも1週間位でやってもらっているので1週間に詰めてもらっていいですか?
結構急いでいるので…できますよね?

厳しい言葉を投げかける名越さん、モチロンこれには理由がありました!

名越さん:商品も生き物なので店頭に1日でも早く出したいんです。
若いお客さんは敏感なので時間との戦いになっています。

商品はおよそ2週間程で入れ替えられ、1ヶ月もすると全商品がゴッソリ変わっているのが当たり前!
このスピードが、流行の移り変わりの激しいギャルの世界で生き抜くためには必要なのです!

▼マルキュー新戦略

そして、これからのマルキューの新戦略が渋谷109−2で始まっていました!それはマルキューメンズ!
今、このビルのフロアをメンズファッションが席巻中なのです!

その中には、マルキューファッションのカップルが仲良くお買い物!
今このメンズフロアの売り上げがドドーンと急増しているのだとか!

萩原さん:109メンズはワイルド・セクシー・ゴージャスというコンセプトのテナントを集めて、109メンズ自体を事業として拡大できればいいと考えています。

萩原さんの言う、ワイルド・セクシー・ゴージャスはこんな感じ!

▼スタジオでお話を伺いました。
大沢さん:109のフレンドリー接客はお友達感覚で買いやすいです!

森永さん:それが若い人に受け入れられるということをわかったのが、109の管理側のすごいところなんです。

進藤:109の次に来る流行発信基地を教えて下さい!

森永さん:それは池袋のサンシャインシティです!
あそこにギャル系のお店がドンドン集まってきているんです。
もうすぐ東京メトロ副都心線が開通して、渋谷から池袋が急行だと11分で行けるようになるんです。
そして、池袋のもう1つ進んだところはオタク系の女性が結構集まっているんです。

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