過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2008年3月23日放送

特集

儲かる元素

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、小倉優子さん

番組内容

今日のがっちりマンデーのテーマは…儲かる元素!
「何だか難しそう…関係ないや」と思ったあなた!
今、元素は意外に身近な所で、かなり儲かっちゃってるんです!
例えば、歯磨き粉に使われているのも、原子番号9のフッ素。
世の街を照らしているネオンサインも、原子番号10のネオン。
このように、たくさんの所で元素は大活躍!
今日のがっちりマンデーは、誰もがお世話になっているあの元素のヒミツ!
儲かる元素を徹底解明!

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いま絶好調の元素ランキング!ベスト5発表!

▼儲かり元素ベスト5!
第5位は、原子記号 23、元素記号V、バナジウム!

こちらがバナジウム磁鉄鉱。主な原産国はロシアで、 1gおよそ4円。

バナジウムのVでブイブイ儲かっているのは、アサヒ飲料の「富士山のバナジウム天然水」。

バナジウムには、
1:血糖値を下げる、2:動脈硬化を防ぐ、3:糖尿病を防ぐ
といった効果が期待され、「富士山のバナジウム天然水」は、大ヒット商品になったのです!
富士山の水には、バナジウムが多く含まれている事から、バナジウム天然水と命名しました。

Q:結構売れているんですか?
アサヒ飲料(株)マーケティング部関信彦さん:そうですね。2004年から毎年2桁成長で!

Q:儲かっているって事ですか?
関さん:そうですね。Vでブイブイ儲かってます!

Q:発売当初は、バナジウムという言葉は入っていなかったんですか?
関さん:2003年までは入って無かったんです。

こちらが、2003年発売当時のもの。

確かに、発売当初は「バナジウム」の文字が入っていない。
この時は、売り上げもイマイチでした。
でも、商品名に「バナジウム」と入れた翌年、売り上げはなんと3倍以上になりました!
その後もうなぎ上り!

Q:バナジウム様々ですね!
関さん:バナジウムがなかったらこの商品は存在しないですから。バナジウムでVです!本当、バナジウムVictory!

更に、バナジウムは、身近な所で活躍していました!
お話を伺ったのは、トップ工業(株)常務取締役の榊原均さん。

榊原さん:作業工具には、元素記号Vがないと話になりません!Vですね!Vと!スパナやレンチといった工具に、バナジウムはなくてはならない元素と言います。

でも、一体なぜ?

榊原さん:バナジウムが入る事によって、材料に粘り気が出るんです。落下すると折れるなど、強いだけだと折れやすいんですけれども、(バナジウム入りは)壊れにくい品物になります。

そう、工具には「粘り」が重要なのです。
工具を鉄だけで作ると、強い衝撃に負けて折れてしまう事も…。
鉄にバナジウムを加える事で、少しやわらかくなり、工具がしなりを持つようになるのだとか。
バナジウムのこの特性を活かして、高層ビルや陸橋などの建材にも多く使われているのです。
鉄にしなりを持たせるバナジウムは、工具メーカーに欠かせない元素!

榊原さん:売り上げもVと!私どもの会社もVで行きたいと思っています!

儲かり元素第4位!

▼儲かり元素ベスト5!
第4位は、原子番号 22、元素記号Ti、チタン!

こちらが粉末状にしたチタン。主な原産国はオーストラリアで、1gおよそ6円。

軽くて丈夫とあって、ゴルフクラブなどでおなじみの超人気素材!
そんなチタンを専門に製造・販売している会社、その名も東邦チタニウムへお邪魔しました。
早速、儲かりチタンを見せて下さい!

こちらが、一つ約15tもあるチタンの塊。
気になるお値段は…1000万円はするとの事!
でも、今チタン業界で一番売れているのは、このチタンじゃないのだとか。
じゃあ、どのチタンが売れているのですか?
それが、こちら!スポンジチタン!

…え?失礼ですが、ただのゴミの塊にしか見えないのですが…。
実は、チタンの塊を形成する前に作られるのが、このスポンジチタン。
先ほどの塊に比べると、溶かしやすく、加工がしやすいので、売れ行き絶好調!
特に人気の業界は、機体の軽量化が進む旅客機業界。
燃費を抑えられる丈夫で軽いチタンは大人気で、ここ4年くらいずっと、目一杯生産しているとの事!

そんな儲かりチタンは、意外な場所でも使われているんです。
それが…トイレ!トイレと言えばTOTO。
という事で、TOTO(株)広報部の松原隆二さんに聞いてみました。

Q:トイレにチタンが使われているってホントですか?
松原さん:はい、ホントです。二酸化チタンというものが使われておりまして…。
そう、二酸化チタンとは、チタンと酸素の化合物。トイレで絶大な効果を発揮するんです!

二酸化チタンの効き目1:臭いを分解
用を足す時に粗相をしそうな場所に、二酸化チタンをコーティング。

飛び散ったおしっこに光が当たると、バクテリアを分解し、繁殖を防ぐから、嫌な臭いがしにくいんです。

二酸化チタンの効き目2:汚れが簡単に落ちる
おしっこが飛び散りそうな壁にコーティングをしておけば、お掃除がラックラク!

試してみましょう。
左側にだけ二酸化チタンのコーティング、右側は何もしていない普通のタイル。
そこへ油をべっとり。

でも、水をちょろっとかけるだけで、あ〜ら不思議!
二酸化チタンがコーティングされている方は、簡単に流れ落ちてしまいました!

これ、水に馴染むという二酸化チタンの性質を利用したもの。
水は、汚れの下にもぐりこみ、汚れを浮かせて落としてしまうのです。

儲かり元素第3位、第2位!

▼儲かり元素ベスト5!
第3位は、原子番号 79、元素記号Au、金!

金の主な原産国は、南アフリカで、1gおよそ3100円。
金と言えば、指輪やネックレスといった宝飾品のイメージ。
しかし、今や宝飾品よりも使われているのが、携帯電話などの基板。

金は、柔らかく、薄く伸ばせたり、電気を通しやすいので、電子回路には欠かす事のできない元素なのです。
使用済みの携帯電話は、金がいっぱい詰まった宝の山!
1tの鉱石から取れる金は5g程度なのに、1tの携帯からはナント60倍!300gの金が取れると言います!
このまま捨てちゃもったいない!という事で、これまでは、はずした基板を高温で溶かし、手間ひまかけて金を取り出していました。

ところが、その携帯の中の金を、あっという間に取り出せる技術を開発したとの情報が!
向かったのは、宮崎大学の工学部。馬場由成教授にお話を伺いました。

馬場教授:エビの殻とかカニの殻を使って、金を回収しようとしています。

エビ!?エビで鯛を釣るんじゃなくて、金を釣っているんですか?

Q:そんな事できるんですか?
馬場教授:できます!

馬場教授はナント、カニやエビの中に含まれているキトサンを使って、金を吸着させてしまうのだとか。

馬場教授が使うのは、タダ同然のエビやカニの殻。
世界の企業から注目されている技術なのです。

早速、金の取り出し方を見せてもらいました。

左の黄色い水が金を溶かした溶液、右側が吸着剤のキトサンの粉が入ったもの。
キトサンの中に金を溶かしたものを入れ、混ぜる事1分。

左は、金を溶かしただけのもの。右の水が透明になっているのは、キトサンが金を吸着して沈殿しているから。
今まで、結構時間のかかった金の取り出しが、エビやカニのキトサンを使えば、ホントあっという間!

馬場教授:これからどれくらいできるか分かりませんけど、宮崎を、宮崎大学をどげんかせんといかんと!

▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:携帯から金が取れるというのは有名な話ですが、キトサンを使うと、あんなに簡単に金が回収できるとは、すごいですね。

進藤:そして、こちらにご用意したのはチタンです。

森永さん:チタンの特性というのは、軽くて硬くて強い事なんです。ただ、やっぱり、加工はそれなりに難しいので、ちょっとコストは高くなっちゃうんですよね。

小倉さん:プラチナよりはコストは安いんですよね?

森永さん:そうですね。

▼儲かり元素ベスト5!
第2位は、原子番号 3、元素記号Li、リチウム!

こちらがリチウム鉱石。主な原産国はチリで、1gおよそ10円。

リチウムと聞いて思い浮かぶのは、リチウムイオン充電池。

携帯電話などの充電池として広く使われている、超儲かり元素!
例えば、ニッケル水素充電池より、寿命が長く、より小さい充電地が作れるのだ!
市場規模も、ニッケル水素充電池を追い抜いて、右肩上がり!

このリチウムを使って、最新の技術開発をしていると聞きつけ、がっちりスタッフは日産自動車の研究所へ。
さっそうと現れたのは、日産自動車(株)開発担当の上野貴文さん。

上野さん:こちらが昨年、我々が開発した、高性能リチウムイオンバッテリーです。世界一と言っても、差し支えないです!世界一です!…ちょっと世界一は言い過ぎかも。一応世界一だと思います。

多分、世界一小さいリチウムイオンバッテリーは、電気自動車やハイブリッドカーに使われています。

上野さん:リチウムイオンの場合は、まだまだ小さくなる可能性があると思います。

どんどん小さくなる可能性を秘めた、リチウムイオンバッテリーは、これまでの常識を超えた社内空間を可能にしました。あっという間に小さくなった携帯のバッテリーと同じように、超小さな自動車用バッテリーが誕生する日も、そう遠くないのかもしれません!

儲かり元素第1位!

▼儲かり元素ベスト5!
堂々の第1位は、原子番号77、元素記号Ir、イリジウム!

こちらがイリジウム鉱石。主な原産国は南アフリカで、1g当たり1600円。

この元素で儲けているのは、茨城県にあるフルヤ金属。
イリジウムで儲かっているかどうかを、社員の皆さんに聞いてみると…
「イリジウムはがっちり儲かっています!」
「がっつり儲かってます!」との声!
確かに儲かっているご様子。

でも、イリジウムって一体?
社員の方によると、イリジウムは宇宙からの贈り物との事なんですが…?
そうなんです!
イリジウムは、大昔、隕石が地球に落ちた衝撃のおかげでできた元素。
隕石の衝撃は、地中のマントルまで達し、マントルに含まれているイリジウムが、外に飛び出したと言われています。
そのため、イリジウムの世界の年間採掘量は、たった4t。
とっても手に入りにくい元素なんです!
つまり、イリジウムは量が少ないので非常に貴重という事。
だから儲かっているんです!

そんなイリジウムを使って、フルヤ金属さんは何を作っているのかと言うと、イリジウムルツボ。
イリジウムで練った、何の変哲もないゴミ箱みたいな容器ですが…。
しかし、これがないと作れないものがあるんです。
それが、人工結晶。

何に使うのかというと、基板に人工結晶を入れる事で、携帯電話の通話で起こる雑音を抑える事ができるのです。
この人工結晶は、およそ2000℃に熱して作られます。
そのため、5000℃まで耐えられるイリジウムルツボじゃないと、質のいい物を作る事ができないのです。
だから、この人工結晶は、イリジウムルツボじゃないと作れないというわけ。
ちょっとおしゃれなゴミ箱に見えるこの容器、一体おいくらなのかと言うと…ナントこれ一つで1500 万円!!

けど、年間たった4tしか採掘されないイリジウムで作るルツボ、たくさん作る事はできませんよね?

(株)フルヤ金属取締役郷文明さん:実はヒミツがあるんです。当社の特殊な技術によってリサイクルし、また新品にしてお返しする事ができます。それによって、がっぽり儲けるという事でございます!

そう、イリジウムの新品で儲けているわけではないのです。
フルヤ金属の儲けのヒミツは、イリジウムのリサイクル!
使用したイリジウムルツボも、フルヤ金属のリサイクル技術で、新しい商品に生まれ変わります。
この技術を持っているのは、フルヤ金属だけ!
新しい商品は、1年も経たないうちに消耗していまいます。

そのリサイクル費用は約300万円!
つまり、交換するだけで十分がっちり!
埋蔵量が少ないイリジウムだからこそ、リサイクルは欠かせません!

更に…!スリッパや衣服など、工場内で付着した微量のイリジウムも、洗濯後の水の中から金属を取り出して回収!
ここまでやって、年間およそ100gのイリジウムを集める事ができるのだとか。
イリジウムでがっちりですね!

▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:携帯電話が小型化した事に、一番大きく貢献したのは、電池が薄くて小さくなったという事なんです。小さい電池を作れば作るほど、車体が軽くなりますから、車の燃費は良くなるわけですね。

加藤:それを最初に開発したところは、相当儲かるでしょうね。

小倉さん:どこのメーカーになりますかね?

加藤:日本の自動車メーカーは、その部分で一歩進んでいる事は確かですよね。

森永さん:そうですね。

進藤:それでは、今後注目の元素を教えて下さい。

森永さん:それは、ニッケルです。ニッケルは、100円玉硬貨に25%含まれているんです。実は、半導体を作る時、ニッケルは絶対に必要な元素なんです。確実に需要があるんですけど、今まで散々掘ってきちゃったので、あと40年分しかないんです。

加藤:100円が40年後にはいくらになりそうですか?

森永さん:1000円ぐらいになると思います。だから、とりあえず貯金箱に100円を入れておくといいですね。

加藤:そのネタ、セコロジーで使って下さい!

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