過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2007年10月7日放送

特集

PR戦略

ゲスト

池上彰さん(ジャーナリスト)、眞鍋かをりさん

番組内容

4月の風物詩として定着した今年の漢字!
何となくだけど歯に良い成分として知られているキシリトール!
そして、「きっと勝つ」という響きで受験生の間でバカ売れのキットカット。

一見、何の関係もないこの3つの裏側にある共通のキーワード…
それがPR戦略!

世の中のあらゆるブームの裏側には、優れたPRを立案・実行するPR会社の存在があったのです!
今回のがっちりマンデーは、儲かる戦略的PR!
普段はほとんど表に出ないPR会社のお仕事に迫ります!
PR上手が儲かり上手!
あなたももっと上手にPRすれば儲かること間違いなし!

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あのブームの裏側にPR戦略

「あの人は自己PRが上手い!」「今回はPR不足だったな…」と日常的に使われるPRという言葉。
では、PRと広告宣伝の違いってわかりますか?
独立系PR会社最大手、株式会社プラップジャパンの矢島尚社長にお話を伺いました。

矢島社長によると、「私を買って欲しい」と主張するのが広告で、「私を好きになって欲しい」とお願いするのがPRなんだとか。

矢島社長:新聞は広告欄があり、上の方へ行くと記事がある。PRというのは記事の方に働きかける。

新聞の場合、広告スペースに関わっているのが、いわゆる広告代理店!
一方、記事の中の新商品の発表などに関わっているのが、PR会社なのです!
テレビの場合、CMはもちろん広告代理店!
一方、番組の中で取り上げる様々な情報に関わっているのがPR会社なのです!

矢島社長:テレビ局のディレクターや新聞記者など利害関係の無い方が「この商品いいよね」と話をすることによって説得力が生まれるんです。

PR会社の一番大事な仕事は、クライアントがPRしたい情報をテレビや新聞、雑誌などのマスコミにニュースとして取り上げてもらうこと!
あなたがよく知っているあの情報にもPR会社が関わっていたかも!?

では、今や日本中で知らない人はいない、そんなPRの成功例を見てみましょう!

PR成功例

▼PR成功例CASE1 今年の漢字
まずは、師走の風物詩となった今年の漢字!
清水寺の住職が、その年の世相を表す漢字を一文字書く!
これ、実はある目的を持ったPR活動だったのです!

主催しているのは、財団法人日本漢字能力検定協会。
そして、この企画を思いついたのが、協会から依頼を受けた大阪のPR会社、株式会社TMオフィスの殿村美樹社長でした。
では、そもそもこのイベントの目的は何なのか、早速、殿村社長にお話を伺いました。

殿村社長:クライアントである日本漢字能力検定協会さんから、まずは「漢字を好きになってもらいたい」との依頼がありました。それには広告でやるのではなくて、みんなで強力して漢字を好きになるような行動を起こさなければならないと思ったんです!

国民にもっと漢字に親しんで欲しいとの目的で始まったのが、このイベントだったのです。

番組スタッフ:殿村社長がこの企画を思いついたのですか?
殿村社長:そうですね、思いついたんですけど清水寺までは決められなかったですけどね(笑)

優れたアイディアで、お金をかけずに話題作り!
これがPRの醍醐味です!

そして、取材班が帰ろうとすると…

殿村社長:ちょっと待って下さい!「さぬきうどん」も私が手掛けたので是非話を聞いてもらえますか?

さすがPR会社の社長!押しが強い!

▼PR成功例CASE2 さぬきうどんブーム

殿村社長:あの時期はちょうどバブルがはじけて、みんな安くて良い物を求めていました。それで香川県の観光のPRで提案させてもらったのがきっかけです。

香川県のPRの仕事を請け負った殿村社長が企画したのが「さぬきうどん食べ歩きツアー」でした。

殿村社長:東京や関西から40〜50社の新聞や雑誌社の方に来ていただいて共同取材を仕掛けたんです。

これによって、あっと言う間にさぬきうどんは大ブレーク!
まさに、儲かるPR作戦で大ブームになったのがさぬきうどんだったのです。

▼PR成功例CASE3 キシリトール
番組スタッフ:キシリトールって知ってますか?

男性:知ってます!歯が丈夫になるとか。
女性:虫歯を防ぐ!
女性:お医者さんが「歯に良い」って薦めてる

正確では無いものの、みんな良いイメージを持っているキシリトール。
白樺などの木から採れる虫歯になりにくい甘味料のことですが、なぜこんなにキシリトールのイメージはいいのでしょうか?
そこにもPR会社が立てた綿密な戦略があったのです!

では、やはりガムなどのお菓子メーカーがPRの依頼主なんでしょうか?
プラップジャパン・チーフラーニングオフィサーの茅島秀夫さんにお話を伺いました。

茅島さん:そうではなくて、ガムの素材なっているフィンランドの素材メーカーが我々のクライアントだったんですね。
マスコミで記事が掲載されるというのは、いつでも掲載されるわけではないんですよ。
やはり大事なターゲットの時期というものがあって、我々が一番大事にしたのは歯の衛生週間です!

例えば、歯の衛生週間にキシリトールをアピールするイベントを行なう。
そうするとマスコミも記事にし易いというワケ!
このPR戦略大成功の結果が、キシリトールのイメージUPと関連商品の大ヒットに繋がったのです!

PR成功例

▼PR成功例CASE4 タマちゃん騒動
多摩川に突如現れた、アゴヒゲアザラシのタマちゃん。
連日ワイドショーで大々的に報道され、なんとも平和なネタにみんな夢中になったの覚えていますよね!
なんと、あのタマちゃん騒動にも、PR会社がしっかりと絡んでいたのです!
でも、タマちゃんがPRのクライアントってワケではないですよね?

プラップジャパン公共企業体広報部の本間竜一さんにお話を伺いました。

本間さん:もちろんそうですね。タマちゃんからお金が貰えたら一番よかったんですけどね。今回のケースの場合は国土交通省の京浜河川事務所が我々のクライアントでした!

なんとPRのクライアントはお役所だったのです!

本間さん:タマちゃんが有名になっても国土交通省には何のメリットも無いんです。
しかし、タマちゃんを媒介、あるいはきっかけとすることによって川に足を運んでいただく機会が増えたり、「国土交通省は川でこんな事をやっているんだ」という事を知っていただくきっかけ作りが出来たと思っています。
全体的に国土交通省のイメージアップに繋がったのではないでしょうか。

たしかにタマちゃんの出現で、「日本の川は意外と綺麗なんだな」なんて思いましたよね!

PR会社のアイディアで国土交通省のHPにタマちゃんコーナーを開設。
これが1日のアクセス数12万件と大ヒットしたのです!
上手にPRすれば日本中が沸き立つようなブームが起こせてしまうのです!

そこで、我ががっちりマンデーのある重要なPRを依頼しました。
会議室に集まってきたのは、プラップジャパンの精鋭PRマン達!
アイディア出しのPR戦略会議の始まりです!
ホワイトボードには、我らが加藤浩次とみのさんの写真が!

さて、今回はどんなPRを依頼したのかと言うと…
そう!加藤浩次をみのもんたにするPR会議を真剣に考えていただきます!

まずは加藤浩次のイメージを捉えるためにいくつか挙げてみることに。
「番組がニュースっぽくない」「みのもんたは自分の意見をすごく1本通すけど、加藤さんにはそこまで強いものがまだ無い気がする」「知識と目線は私たち一般市民と同じ」「勉強はできないけど賢そう」「ジャーナリストとしては物足りない感じがする」「品性・知性・品格が無い」などと、なかなかボロクソ…

さて、このように様々な意見が出ましたが加藤浩次をみのもんたにするPR戦略とは一体どんなものでしょうか?

次にPR戦略の例が挙がりました。
「現場を知るために、今一番のトピックを加藤さんが取材しに行く」「大学とかで勉強をしたりして、お笑いから何かを払拭しなければいけない」「一般の人と話すのもアリだと思う」

そして一時間にも及ぶ議論の結末は…
「加藤浩次はみのもんたになるべきかと言ったら、全員それは違うという結論に到りました!加藤浩次流の報道の仕方で番組を作ればいい」となりました。

▼スタジオでは引き続きPR戦略についてお話を伺いました。
進藤:まずは、お〜いお茶!こちらはパッケージの側面に一般の方から募集した俳句の受賞作品を載せることでお金をかけずに販売促進に結びつけたPR戦略なんです。
次に、キットカット!これは元々、九州で「きっと勝つ」という響きが受験生の間で話題になり、ゲン担ぎ商品としてPRして大成功したんです!
池上さんに質問ですが、ブームを作るというのは具体的にどういう事を積み重ねていくんですか?

池上さん:雑誌は編集長の交代のタイミングが要チェックです。
雑誌は編集長が代わった事をある程度アピールする。
そうすると、その新しい編集長は今までとは違う何か新しいことがやりたい。
そんなところにPR会社が情報を売り込むとすぐ飛びつくんです。
これがPR会社によるブームの作り方です!

加藤:それを我々が雑誌を通して見ているんですね!

謝罪会見まで手伝うPR会社1

耐震強度偽装、リコール隠し、食品に異物混入など、度重なる不祥事でここ最近よく目にするのが謝罪の記者会見。

でも、今回のテーマはPRのはずですよね?
企業の謝罪会見とPR会社ってあまり関係なさそうな気もしますが…

その点についてプラップジャパン・チーフラーニングオフィサーの茅島秀夫さんにお話を伺いました。

茅島さん:企業には「危機」が起きたりしますよね。その時に、きちんと自分たち状況を説明していかなければいけません。しかし、なかなかそういう訓練を日本の企業はされていないので、その準備を我々PR会社がお手伝いしています。

不祥事が起きたときにマスコミへの対応が適切でないばかりに、問題が深刻化してしまう場合もあります。
そう!PR会社のお仕事の一つにこの非常時のサポートというのがあるのです。
PR会社の社内に特別な部屋があると聞き、がっちりマンデー経済予報士見習いの川田亜子が行ってきました!

川田:ちょっと…ここ記者会見場ですよ!

社内に記者会見の練習用スペースが作られていたのです!

川田:実際に企業の社長がこちらにいらっしゃって謝罪の練習をするんですか?
茅島さん:謝罪というかここで記者会見の練習をするんですよ。

現在、月に10件以上の謝罪会見のシミュレーションが行なわれているのだとか…それでは記者役の方は一体誰なのでしょうか?

川田:エキストラの方ですか?
記者役社員:いいえ、社員です

なんと記者役は全員プラップジャパンの社員の皆さん!
それで、この日はこれから行なう謝罪会見のシミュレーションのために集まってもらったのです。

その設定が…
「がっちり食品の冷凍ハンバーグにそば粉が混入。それを食べたそばアレルギーの幼い子どもが病院に運ばれ重体」というかなり真剣な設定

そして、今回がっちり食品の社長役をやって下さるのは、がっちりマンデーの杉村和彦プロデューサー(以下P)!普段はとっても恐いベテランのテレビマンの杉村Pなのですが…
まずは記者会見前の打ち合わせ。事故の状況確認から記者会見に臨む心構えなども綿密にレクチャーを受けます。ところで、謝罪会見で一番大事なポイントは何でしょうか?

茅島さん:問題が起きて何とか逃げようではなく、きちんと対処することが大事!つまり、腹をくくるということです。

杉村Pはどこまで腹がくくれたのか…謝罪会見の始まりです!

謝罪会見まで手伝うPR会社2

杉村P:本日はお忙しい中恐縮です。
昨日9月20日弊社の冷凍ハンバーグを食べたお客様10名が倒れられて、福祉保険局からその指摘を受けました。

▼事故の状況をまず説明して、いよいよ質疑応答です!

杉村P:目視ではありますが、袋が破れてないか損傷がないかということはしております。品質管理も充分しております。

記者役社員:その「充分している」とはどういう観点で充分なんですか?
実際に今こうやって子どもさんが倒れているわけですよね?

杉村P:現在調査中ですので、まだ確定はしておりません。

記者役社員:いや、今は品質管理のことについて何が充分か聞いているんですよ!
それ答えて下さい!

▼ここまでの応答について茅島さんに指摘して頂きました!
茅島さん:クライシス(危機)が起きた場合に「我々は管理を充分にやっていた」と言うでしょ?
でも充分にやってなかったから問題が起きているわけ!
だから「充分にやっていた」は謝罪の記者会見では禁句です!

では、引き続き質疑応答に戻ります。

記者役社員:人の命に関わることをお宅の都合で会見を遅くするってどういう企業姿勢なんですか?

杉村P:申し訳ありません。

記者役社員:なんか先程から表情が少し笑っているように見えるんですが今回のことについてそんな態度でいいんですか?

杉村P:いえ、充分反省するところは反省しております。笑ってはおりません。

▼ここまでの応答について茅島さんに指摘して頂きました!
茅島さん:人によって緊張すると口角が上がってしまうことがあります。
それは自分では指摘されるまで気付かないんですよ!
このクライシス(危機)の記者会見の場で指摘されるのは最悪ですよね。

では、引き続き質疑応答に戻ります。

記者役社員:今の気持ちを言って下さいよ!

杉村P:大変申し訳なく思っています。

記者役社員:申し訳ないって…あんたは全然そういう風には見えないんだよ!
お宅の他の商品も危ないんでしょ?これは会社ぐるみでやったことなんじゃないですか?

杉村P:いえ、会社ぐるみではございません。

▼ここまでの応答について茅島さんに指摘して頂きました!
茅島さん:今「会社ぐるみ」って言いましたよね。
記者のネガティブな「会社ぐるみ」という言い方をオウム返しで杉村Pが言ってますよね。
その部分だけを切り取られて、あたかも彼が発信した言葉のように新聞の見出しになったり、テレビではその場面だけが映されたりするんです。

では、引き続き質疑応答に戻ります。

杉村P:専門ですのでその辺は信頼してやっています。

記者役社員:それで充分な品質管理に値するんですか?

杉村P:それはノーコメントとさせて下さい。

記者役社員:ノーコメントってどういうことですか?ここで会見やってるわけでしょ?

▼ここまでの応答について茅島さんに指摘して頂きました!
茅島さん:今「ノーコメント」って言いましたよね。
これを我々はトレーニングの中で禁句と言っているんです。
あなた達に話す必要がないから「ノーコメント」。
でも、お詫びの会見のときにこれではまずいですよね。

ここで20分間の記者会見は終了!杉村Pに感想を聞いてみると…

杉村P:きついね〜

杉村P、放心状態!
終了後、会見をビデオでチェックしながら反省会をしました。

▼引き続きスタジオでお話を伺いました。
進藤:記者会見のときは何を思っておけばいいですか?

池上さん:つまり、この場を取り繕うと思ってはいけないんですよ。
悪いことをしたわけですから、とにかく何としてでもお詫びをしなければいけない。
ずっとこの気持ちを持ち続けることですね。
追及する方も、相手が心からお詫びをしていることがわかると次第に追及するテンションが下がってくるんです。

加藤:PR会社はまだまだ伸びる企業ですか?

池上さん:最近では選挙のときにPR会社が各政党のバックについて、どういう風に売り込んだらいいかというのをやっていますね。

進藤:では、これからこれをPRすればきっと儲かるというのを教えて下さい!

池上さん:それは、日本です!
日本を売り込む!例えば、東南アジアで日本というのは非常に進んだイメージはあります。
でも、その一方で戦争について反省していないのではないかというマイナスのイメージを持った国もありますよね。
そういう国に対して、「戦後の日本はこんなに平和な国になったんですよ」ということをもっとアピールしていく必要がある。
本当に日本が素晴らしい国と考えていれば出来るわけですよね!
だから、我々も本当に日本が良い国に思えるようにしていかなくてはいけないですね。

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