過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2007年9月30日放送

特集

儲かる地方自治体 第2弾

ゲスト

蟹瀬誠一さん(明治大学教授・ジャーナリスト)、スザンヌさん

番組内容

今回のがっちりマンデーは儲かる自治体特集!
加速する少子高齢化や過疎化、未だに残る古い体質や効率の悪い運営など、多くの地方自治体には景気の悪いイメージが…

しかし、前回そんなピンチを乗り越え、儲かる地方自治体へと大変身したケースをお伝えしました!
今回はその第2弾!
全国には儲かっている元気の良い地方自治体がまだまだあるんです!
財政難を吹っ飛ばせ!
そんな儲かる地方自治体を大公開します!

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町のみんなで一致団結!湯布院温泉

儲かる地方自治体!
まずは、大分県由布市湯布院町。
人口1万人、1千メートル級の山々に囲まれた小さな田舎町です。

名峰、由布岳を町のどこからでも出来る湯布院は雑誌や旅行会社が行なう、行ってみたい温泉地ランキングで毎年のように人気ナンバー1を獲得しています。
しかし、一昔前までは、巨大旅館が立ち並び、団体客で賑わう、隣の別府温泉に圧されていました。

小さな温泉宿しかなかった湯布院は宿泊者ゼロの日が何日も続くほど寂れていました。

そんな湯布院を儲かる温泉地へと変えた立役者の一人、旅館組合顧問玉の湯会長の溝口さんに当時のお話を伺いました。

溝口さん:土曜も日曜も関係なく、お客は来ませんでした。
雨が降れば雨漏りする状態で、とても旅館として成り立つものではありませんでした。

そんな湯布院がなぜ全国でも人気の高い温泉地に生まれ変わったのか?
そこには数々のピンチをチャンスに変えた、町ぐるみの取り組みがありました!

▼ピンチをチャンスに変える その1
30年前にエコ!?

湯布院に最初のピンチが訪れたのは今からおよそ30年前、なんと町にダム建設計画が持ち上がったのです。
山々に囲まれた盆地の湯布院はダム建設にはもってこいの地形でした。

更には、近隣にゴルフ場建設計画まで浮上したのです。

溝口さん:当時は、施設を造ったり、自然を壊してゴルフ場を建てるという時代に、湯布院の皆さんは環境と大事にしようと一致団結しました。

これは全国にアピールする大きな要素です!
町は環境保護という、この時代には誰も取り組んでいなかったテーマをいち早く全国に訴え、建設中止を勝ち取ったのです!

しかし、湯布院に更なるピンチが!

1975年、大分県中部地震。この地震によって倒壊した隣町のホテルが新聞に掲載され、湯布院の町までもが壊滅したように報道されてしまったのです!

ピンチをチャンスに変える その2
町のPRに馬車!?

地震のマイナスイメージをなんとか払拭しようと、ここでも町が一致団結!

溝口さん:テレビや新聞に広告を出すお金がもったいない、それならそのお金で代わりに何か出来ないかと考えました。それで考えついたのが、馬車だったんです!

なんと工面したお金で町に馬車を走らせたのです!
するとこれが大当たり!
目新しさに各地でテレビ局がこぞって取材に訪れ、町の復活をアピールすることに成功しました!

しかし、馬車を走らせた本当の狙いは別のところにありました!

溝口さん:動く動物を映像で捉えた後ろが、風景として映し出されるんです。

そう!馬車の走っている様子を撮影することで、自慢の田園風景が紹介されることを狙ったのです!
この狙いも見事的中しました!
このPR作戦の成功により、温泉地としてのブランドを確立しました。

しかし、1990年、町は最大のピンチを迎えます!
世はバブル最盛期、お金の余った不動産業者が湯布院にリゾートマンション計画を持ち込んできたのです。湯布院町4000世帯に対し、計画されたマンションは3500世帯!
まさに、町の中に町をもう一つ町が出来てしまう途方もない計画でした。
不動産業者は田んぼ一反(300坪)に対し、1億円もの値をつけ、容赦ない用地買収をけしかけてきました。

当時について、油の坪まちづくり協議会代表の太田洋一郎さんにお話を伺いました。

太田さん:このままではダメだという事で、取り締まる条例を早急に作らなければいけなかった。試行錯誤した結果、平成2年9月に『潤いのあるまちづくり条例』ができました。

ピンチをチャンスに変える その3
町を守る条例を作る!

町は不動産業者に対して、独自条例を作ることで対抗しました。
どこからでも由布岳が望めるようにと高さ10メートル以上の建築物を規制。
更には、床面積1000平方メートルを超える大きな建物にも規制をかけ、横にも縦にも制限を設けたのです。この条例により、計画は中止せざるを得なくなり、町は守られたのです。

溝口さん:一番良かったのは町の人が団結して、その条例を守ってくれたことです。仲間の仲がすごく良かった。

今や日本一の温泉町と言われる湯布院!
その最大の特徴は、「町がひとつの温泉宿」であること!
そこには湯布院のこんな鉄則がありました。

▼鉄則1 売り上げ公開

湯布院の温泉宿は、組合に対して売り上げを完全に公開!
誰がどれだけ儲かっているかが一目でわかる仕組みになっています。

溝口さん:なぜあの宿はあそこまで営業利益を伸ばせたのかなど、各々分析をします!
そのようにして節約のノウハウや、これからの展開の参考にします。

これにより宿同士が切磋琢磨!
町全体をひとつの温泉宿と考えることで、更なるレベルアップ!

▼鉄則2 客の囲い込みをしない!
普通の温泉宿では自分の旅館が満室の場合、お客様を断るだけしかできません。
でも、湯布院はココからが違います!

「湯布院玉の湯、宮崎でございます。
おかげさまで本日は満室となっていります。
宜しければ、私どもがお勧めさせて頂いているお宿で亀の湯別荘さん、
山荘村田さんというお宿がございます。
もし、宜しければそちらのお宿に空室があるかどうかお尋ねさせて頂きますが…」

このように、自分の宿が満室のときは別の宿を紹介するのです!
町を訪れるお客さんを逃がさないことが重要と昔から自然と行なわれていることだとか!

▼鉄則3 宿のレシピを公開!
自分のところのレシピは人に教えないのが常識の料理の世界で、湯布院ではその垣根を取り払いました!玉の湯料理長の山本照幸さんにお話を伺いました。

山本さん:若い人から料理長まで集まり、それぞれ1つの料理を持ち合ってお互いに試食し合います。そして、意見交換するんです。

レシピを教え合う勉強会を開いたりするなど、町全体で料理のレベルアップを計っているのです。

危機に対し、常に町がひとつにまとまって取り組んだ湯布院!これからも進化し続けます!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤:あの会長さんは30年前にエコや環境について考えるなんてスゴイですよね!

蟹瀬さん:今から考えると本当に時代を先取りしていて、実はあのような温泉の原点は日本じゃなくてドイツにあって、あの方々が視察へ行って取り入れたんです!
ドイツでは有名なバーデン・バーデンという温泉休養地があって、そこへあの方々が行って感じたのが『男ばかりの客、大宴会、もうそんなのでは隣の別府温泉に勝てない。
ヨーロッパみたいに心も身体も本当に癒される場所を実現しよう』ということなんです。そんなアイディアをいち早く持ってきたのがスゴイよね。

進藤:最近の湯布院さんには悩みが1つあって、それが交通渋滞!
とても人気があって色んなところから人が集まるとどうしても渋滞が起きてしまうんです。

加藤:だからといって、渋滞を無くすために道路を広げるのもダメですしね。

蟹瀬さん:道路を広げてしまったら、もう景観が変わってしまう!
景観は大事にしないといけないから、それこそ逆手に取って車の乗り入れ規制をして馬車だけにするとか!その地域だけの特別な交通機関を作れば、それが、また町の魅力になるかもしれない。

鉱山の町からリサイクル産業で復活へ!

儲かる地方自治体!続いては、秋田県大館市と小坂町!

人口8万人の大館市と人口7000人弱の小坂町、隣接する2つの自治体はかつて鉱山として大儲けしていました。

秋田県小坂町の川口博町長にかつての儲かりぶりを伺いました。

川口さん:ピークの頃は県財政の8倍の商いをしていたので、およそ5〜6兆円の商いをしていたと思います。

小さな町ひとつで、なんと5兆円もの大儲け!

しかし、1980年代に入ると鉱石は底を尽き、鉱山は閉鎖に追い込まれ、同時に町も転げ落ちるように衰退していきました。財政は大赤字に!その当時の様子を秋田県大館市の小畑元市長に伺いました。

小畑さん:平成6年には全ての鉱山が閉山してしまいました。
これからどうやって食べていったらいいか…
今では夕張市のことについて色々言っていますが、大館市も同じでした。

それがなぜか、数年後には黒字に転換!
儲かる自治体へと大復活を遂げたのです!
でも、一体どうやって?

小畑さん:時の通産省の鉱山課へ行くと、課長さんがリサイクルを勧めてくれたんです!

そう!町が大復活を遂げたキーワードはリサイクルでした!
でも、リサイクルってそんなに儲かるイメージないですよね。実は大館市と小坂町にしか出来ない特技があったのです!

川口さん:山の鉱石から金や銀を取り出して工業製品を作り出しました。
残念ながら、今は鉱石が無くなってしまったので、今まで作った工業製品から金や銀を取り出しています!
山の鉱石から都会の鉱石へとシフトしています。

ここでのリサイクルとは、いらなくなった工業製品から鉄やアルミニウムなどの資源を取り出すこと!
一方、鉱山も鉱石から鉄や金などを取り出すことが重要な技術!
つまり、リサイクルも鉱山も資源を取り出すことでは全く同じなんです。
大館市と小坂町にはそのノウハウと設備が整っていたため、新たな投資をすることなく、すぐに始められたのです!

▼リサイクルで儲ける その1
大館市のとある倉庫。
ここには東北各地から冷蔵庫や洗濯機などの家電製品が集められます。
これを1つ1つ手作業で、資源に出来るものと出来ないものに分解!

そして、資源に出来るものを巨大な粉砕機に送り、粉々にします。
その中から強力な磁石を使って鉄だけを取り出すのです!

1年間で2400トンの鉄を回収。
無料で集めてきた産業廃棄物から、およそ1億円の儲けが出るのです!

その中でも1番儲かると言われているのが、携帯電話!
ある貴重な金属が回収可能らしいのですが…

川口さん:小坂町では携帯電話から金を取っています。
山の鉱石から金を取り出す技術と携帯電話から金を取り出す技術は非常によく似ているんですよ。

携帯電話から金を取り出す!では、どのくらいの金が取れるのでしょうか?
小阪精錬の山崎信男社長にお話を伺いました。

山崎さん:携帯電話には金が1トンあたり250〜300グラム位入っています。

1トンの携帯電話から300グラムもの金が取り出せる!
実はこれ、鉱石における含有率よりも高いというから驚き!

山崎さん:これ1本3600万円、これを毎月100本作っているので月額36億円の儲けになりますかね。

月額36億円の大儲け!
まさに携帯電話リサイクルは宝の山なのです!

さらに、金以上に貴重とされる金属もここで回収!

日本ピーギーエムの鈴木茂樹社長にお話を伺いました。

鈴木さん:ここでやっているのは白金(プラチナ)・パラジウム・ロジウムという非常に高価で貴重な金属を取り出すリサイクルです。

パラジウム・プラチナ・ロジウムと呼ばれる金属は地球上にごく僅かしか存在しない「レアメタル」と呼ばれるもの!

その中でも今最も高価とされているのが…
鈴木さん「ロジウムは粉になっているんですよ。
蓋を開けて風で飛んじゃうと大変なことになります…
これは今1グラム2万円位しますから!」

金が1グラム2000円に対し、ロジウムの相場は1グラム20000円と、なんと金の10倍もするのです!

自動車の排ガスを浄化する装置に使われていて、現在これに代わる物質がないため、非常に高値で取引されているのです。
しかも、このロジウムを取り出す技術があるのは日本でなんと小坂町だけ!

こんなものまでリサイクル?!

▼リサイクルで儲ける その2
皆さん、この袋の山が何だかわかりますか?
これもここでお宝に生まれ変わる宝の山なんです。
実はコレ、全国各地から集まった土!
しかも、通常の土ではなく、汚れた土なんです。
工場などが長く建っていた場所は金属や重油などによって汚れてしまいます。

その土を集めて何をするか、エコリサイクルの山口潔実社長にお話を伺いました。

山口さん:工場では、キレイな土と汚れた物質とに分けます。そして、キレイな土を回収します。

ここで行なわれているのは土壌洗浄!
汚れた土を巨大な洗濯機のような機械でキレイに洗います。

キレイになった土は、元あった場所に戻すか、埋め立て地の材料として使われます。

土をキレイにして喜ばれ、しかも儲かる!
土を洗って年間数百億円の儲け!

小畑さん:都市の廃棄物から金属を選ぶ仕事を我々がすれば、日本社会に貢献できると思ったんです!

鉱山の町からエコの町へ!
見事に変貌を遂げた自治体がココにありました!

▼スタジオで引き続きお話を伺いました。
蟹瀬さん:今回の場合はアメリカにヒントがありました。アメリカの廃鉱でリサイクルをして成功しているところがあると聞いて、うちもやろうとスタートしたらしいのです。

加藤:これだけ儲かるなら民間がもっと進出していけばいいのにと思うのですが

蟹瀬さん:こういう物を扱うのには、国の規制があるので地方自治体が絡んでこないとビジネスとしてもうまく展開出来ないんです。

加藤:海外から産業廃棄物って輸入できるようになっているんですか?

進藤:その条約が緩和されたらしいですね?

蟹瀬さん:バーゼル条約というもので、この条約はかつて非常に厳しくて有害な廃棄物を簡単には取引出来なかった。それが緩和されて、中国から使い古した携帯電話なども輸入出来るようになったんです。近くに港があるので、その港から輸入した産業廃棄物を入れられて、まさに新しい時代の産業ですよね。

進藤:では、今後注目の儲かる地方自治体がありましたら教えて下さい。

蟹瀬さん:今、長野県軽井沢町に注目しています。
かつては高級リゾート地で、バブル崩壊後は大変下火になって土地の値段も下がってしまったけれど、今また団塊の世代を中心にあの町が静かにブームになってきているんです。
今までは別荘地だったけれど、そうではなくて軽井沢に永住して静かに豊な環境で生活する目的で行く人が多いんです。
軽井沢は人口1万8000人位ですが、納税者はその10倍もいて町の財政はすごく潤っている。
これからの文化やライフスタイルの発信地となる可能性が非常に高いんです。

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