過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2007年9月9日放送

特集

ウォータービジネス

ゲスト

田北浩章さん(会社四季報編集長)、眞鍋かをりさん

番組内容

今回のがっちりマンデーはウォータービジネス!
水と空気はタダと思っていたのは、もはや過去のこと!
今や石油と並び水不足が危惧され、世界では今、水ビジネスが大注目されているのです!

■放送内容をシェアする

ミネラルウォーター人気のヒミツ

今や当たり前となったミネラルウォーター。
しかし、元々日本には水を買って飲むという習慣はありませんでした。
そこに登場したのがミネラルウォーターだったのです!

1990年代に水道水のトリハロメタンが問題となり、水道水は健康被害をもたらすと話題になりました。
その頃から「水道水=マズイ」というイメージが浸透!
これにより、買うお水、いわゆるミネラルウォーターの需要が急激に伸びていったのです。

そして、ミネラルウォーターが日本人に浸透した決定的な出来事というのが、1999年に巻き起こった2000年問題(Y2K)!

当時の総理大臣、小渕元首相が「コンピューターの誤作動で水道が止まるかもしれないので水を蓄えるように」と注意を呼びかけました。

これをきっかけに、今まで水道水しか飲んでいなかった家庭でもミネラルウォーターを備蓄!
結局、2000年問題は何も起こらなかったのですが、備蓄したミネラルウォーターを「もったいないから」と飲んでいるうちに、その美味しさを知ってしまい、そこから日本人にもミネラルウォーターが定着したと考えられています。

80年代と比べると、今やミネラルウォーターの消費量は90倍に!
水はタダから買うものへと完全に浸透したのです!
そんな飲み水ビジネスの中で、今急激に伸びてきているのが、オフィスやクリニックの待合室でよく見かける「ウォーターサーバー」!

現在では家庭レベルにも入り込み、業績を伸ばしているというのです。
そこで、ウォーターサーバービジネスの最大手、インパクトのあるCMで最近知名度を上げているアクアクララの藤原靖子さんと後藤公一さんに売れているヒミツを伺いました!

藤原さん:12リットルのボトルで1200円となっておりますので、1リットルに換算しますと100円になります。それに無料で自宅まで配達させて頂いております。

通常のペットボトルが1リットル200円程度ですから、これはかなり割安です。

後藤さん:元々、スーパーでペットボトルを6本程度まとめ買いをされるお客様が多いので、そういった運ぶ手間が省けるという情報が口コミで広がりました。また、ゴミが出ない、冷蔵庫のスペースが空くということで、奥様方から非常に評判なんです!

使い終わった空きボトルを回収してくれるのでゴミが出ない!
これは主婦にとってうれしいメリット!
美味しくて、便利で、安いとなれば、急激に売り上げを伸ばしているのも頷けます。

更に儲けのカラクリが!
実は、この業界に参入しているのは全てプロパンガス会社なのです!

アクアクララさんも親会社はレモンガスというプロパンガス会社。
でもなぜガス屋さんがお水を扱ったのでしょうか?

後藤さん:元々、ガスも一般のご家庭の方に宅配しておりましてお客様と顔なじみになっていますので、新しくお水を始めましたという形でお客様にご案内しています。

この様に、ウォーターサーバービジネスはプロパンガス会社と同じ仕組みで出来るのです。
それには、プロパンガスと同じく重い物を運ぶノウハウがあり、さらにはガスの需要が少なくなる暇な夏の時期を有効利用できる企業側へのメリットもあります!

後藤さん:チキチッチッチー、アク、アク、アクアクララはね、結構便利だYo!ガスを運ぶノウハウでがっちりやってるYo!

美味しくなった水道水

今や安定した成長をみせる飲み水ビジネス!
そんな中、すっかり影を潜めているのが水道水!
「直接飲むなんて考えられない!」なんて人も多いのでは?

しかし、近年ちょっと飲まないうち水道水が劇的に美味しくなっているというのですが、それってホントなんでしょうか?
東京都水道局金町浄水管理事務所、所長の北澤弘美さんにその真偽の程を伺ってみました。

北澤さん:東京都の水道局は一所懸命努力しているんですけど、ひとつの証明がこれだと思うんですよ!これが東京水です。これは金町浄水場で作った水道水をペットボトルに詰めたものなんです。

なんと出来たての水道水をそのままボトルに詰めたこちらの商品が美味しいと今人気だとか。
水道水が売れているんです!
実は現在、全国のさまざまな水道局で美味しくなった水道水を知ってもらうために似たような商品が発売されています。

北澤さん:昔はカビ臭いとか、カルキ臭いとか非常に評判が悪かったんですけど、今ではそういうことは全然ありません!

水道水が美味しくなったヒミツは、オゾン処理工程を新たに加えたからなんです!
早速そのオゾン処理を見せて頂きました。

北澤さん:これがオゾンを水の中に吹き込んでいるところで、この泡がオゾンです!

これが美味しい水道水のヒミツ、「オゾン浄化システム」!
強い分解力のあるオゾンを使って、これまでの浄水処理では不可能だった、カビ臭さやアンモニア臭を100%カット!

これまで沈殿からろ過というのが通常の仕組みでしたが、その間にオゾン浄化の工程を加えることで水道水が飛躍的に美味しくなったのです。
オゾン浄化システムの誕生が水道水を生まれ変わらせました!

日本が誇る、超純水1

21世紀、現在飲み水不足が世界中で危惧されている。
人口増加による飲み水の需要増加、経済発展により産業用水の需要増加、それにより水質汚染の原因ともいわれています。

今、水不足は深刻な問題なのです!

こちらは水の海上輸送。
水の豊富にあるところから不足した地域へと運びます。

日本の水技術は世界トップレベル!
そんな優れた技術を象徴するのが「飲まない水」の技術、超純水というもの。
現在、市場規模は7,000億円とも言われ、水ビジネスの隠れた儲かり業界なのです!

一体、超純水の正体とは?

そこで、超純水の技術で世界トップシェアを誇る栗田工業株式会社に潜入!
クリタ開発センターの福井長雄さんにお話を伺いました。

岡村さん:こちらでは、すごい水を作っていると聞いて来たのですが。
福井さん:こちらでは超純水というすごいキレイな水を作っているんです!何も入っていない水を目指しています。

超純水とは水に含まれる様々な物質を極限まで取り除いた水のこと。
含まれる不純物はもちろん0%!
さらにはミネラル、電解質までも0%!
まさに全てを取り除いた純度100%の水なのです。

それを何に利用するかというと、テレビ・パソコン・携帯電話などに使用される半導体の洗浄!
超小型で精密機器である半導体は微細なゴミであっても付着すれば正常に作動しません。
そのために製造過程で超純水による洗浄が不可欠なのです。
洗浄の様子を特別に拝見させて頂くことに!

岡村さん:これは何ですか?
福井さん:シリコンウェハといいます。シリコンウェハとは超精密な配線をプリントしたもののことです。これ一見すると、キレイに見えますよね?

岡村さん:キレイですよ。つるつるで。
福井さん:でも、これは既にすごい汚れているんですよ!

光を当ててみるとシリコンウェハの上にはキラキラと光るものが!
では、早速このシリコンウェハを超純水で洗浄しました。
これにより微細なゴミを取り除くことができます。
洗浄といっても、ただ超純水を上からかけるだけ。
ではなぜ洗剤でもないのにキレイになるのでしょうか?

それは、吸収力・溶解力が非常に強い水だからなのです。

「不純物が何もない」というのは、例えれば「乾ききったスポンジ」のようなもの。
吸収力がものすごく強いのです。だから微細なゴミも取れてしまうわけです。

日本が誇る、超純水2

何も含まれていない超純水には、こんな不思議な現象が起こります!
マイナス10度の冷凍庫に入れた2つの水。
もちろん水道水を入れた方はすっかり凍っています。
一方、超純水をよく見てみると凍っていません!

超純水には0度以下になっても凍らない性質があるのです。
ここからがさらなる不思議現象!
超純水に強い刺激を与えると…一気に凍ってしまいました!
超純水には凍るきっかけとなる物質がないため、刺激を与えることで凍り始めるのです。

岡村さん:超純水って飲めるんですか?
福井さん:飲めなくはないですけど、あまりたくさん飲んでしまうと体の中の栄養素が水の方に押し出されて排泄されてしまい、どんどん栄養が奪われてしまいます。

岡村さん:恐いですね。(飲んでみると)味がしません。別に美味しいわけではないんですね!
福井さん:あまり飲みすぎると良くないです。

では、この超純水はどうやって出来るのか?
それに欠かせない技術を見せてもらうことに!

それがこの「逆浸透膜」という技術。何層にもなったフィルターで不純物取り除き、水だけを取り出すというものです。

福井さん:汚い水を飲み水くらいにするという装置もこのセンター内にありまして、トイレの排水とか生活排水とかそういったものを全部集めて、それを排水処理をして水道水レベルにして、ここに受けて超純水にしていきます。

そして逆浸透膜を使ってこんなことも!
おしっこから飲み水を作ったり、なんてことも出来るのです。
実際、宇宙飛行士などがこれを利用しています。

超純水技術は日本が世界トップレベルの水ビジネスなのです!

▼スタジオでは田北さんにお話しを伺いました。
田北さん:元々、水ビジネスは日本が非常にすごい業界で、世界中の電子産業は日本の超純水なしでは成り立たないんです!洗い流すには今のところ水しかありません。
日本の軍事技術がそもそもの理由で、第二次世界大戦中に東南アジア戦線で飲み水がない場合になんとか膜を通すことでキレイな水を作ろうとしたのがこの技術の始まり。いわゆる逆浸透膜というもの。
今でも各国からの引き合いが強く、逆浸透膜を使った飲み水を作る技術は中東・東南アジア・中国からは特に引き合いが強いのです。20世紀は石油の時代といわれたが、21世紀は水の世紀。世界の80ヶ国が水不足で、10億人以上が安全な水を飲めないでいる。
そして毎年1000万人以上の人が汚れた水が原因で病気になり命を落としているのです。

眞鍋さん:海水から飲み水には出来るんですか?

田北さん:今シンガポールでは海の湾を区切って湖にし、そこの海水を逆浸透圧を使って淡水化しようとするプロジェクトを行なっています。

進藤さん:では、次に来る水、教えて下さい!

田北さん:地底湖の水です。海洋深層水のように日本には北海道の釧路などの地下に湖がある。そこの水を取ろうという動きもあるんです!地底湖の水なら買ってみたいですよね!

■放送内容をシェアする

このページの先頭へ戻る

Copyright© 1995-2024, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.