過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2007年8月5日放送

特集

ハウス食品

ゲスト

ハウス食品(株) 小瀬昉 代表取締役社長

番組内容

でも、どうしてこんなにカレーが好きになったのか?
そこには、ある企業の存在がありました!
それは…ハウス食品株式会社!
日本人がカレーを、そしてシチューを食べるのは、この会社があったからなのです。
スタジオには、入社38年の生え抜き、小瀬社長が登場!

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ハウス食品はカレーとシチューだけの会社ではない!?

年間売り上げ2325億円を誇る、巨大食品メーカーハウス食品!
その商品ラインアップは実に600種類!
スーパーにコンビニに、あ〜、これもハウスなの?という商品がいっぱいなんです。
まずは、なんといっても「バーモント」や「ジャワ」などのインスタントカレー。

クリームシチューの元祖、「シチューミクス」。

ハウスのレトルトカレーと言ったら「ククレカレー」。

おなじみの七味唐辛子とコショーは、1920年代に発売の超ロングセラー!

懐かしの「プリンミクス」の発売は1964年。

「ゼリエース」に「シャービック」も、ハウスの定番デザート。

そして、"牛乳で混ぜるだけ"で大ヒット!
「フルーチェ」も忘れるわけにはいきません。

ここ最近の大ヒット商品と言えば、「ウコンの力」。
累計1億6000万本を出荷しています。

他にも、ラーメンの「うまかっちゃん」。

お菓子の「とんがりコーン」など…

正に日本の台所はハウス食品なしでは成り立たないっ!
と言えるほど、バラエティー豊かなんです。

ハウス食品の歴史は、国民食の歴史?!

日本を代表する総合食品メーカーハウス食品。
その創業は94年前。
大阪で生まれた「浦上商店」という、薬やスパイスを売る小さなお店でした。

この頃、創業者の浦上靖介(せいすけ)が知人から譲り受けたのが、「ホームカレー」というカレー粉の会社。

しかし、商標権のトラブルでこの名前が使えなくなってしまったのです。
その時、妻の靖代がピシャリ、
「日本にはホームの概念はあらしまへん。カレーを売るならハウスだす」
…というわけで、ホームカレー改めハウスカレーが誕生。

日本を代表する食品会社の名前は、奥様の一言で決まったのでした。
しかし、昭和初期の多くの日本人にとって、カレーは見た事もない料理。
そこで、ハウスが行った食品業界初の試みが…マネキン嬢!
今で言うデモンストレーターによる店頭での実演試食販売でした。
その他、宣伝カーを使った街頭宣伝も大評判に!
そして、"カレーといえばハウス"を決定付けた商品が「ハウスバーモントカレー」。

リンゴとハチミツの入ったマイルドな味が大うけしたのです!
このバーモントの語源は、りんご酢とハチミツを使った、アメリカバーモント州の健康法をヒントにしたもの。
バーモントカレーの大ヒットで、ハウス食品は一躍カレーのトップメーカーに!
1970年代の初めには、日本のカレーの生産量の半分をバーモントカレーが占めていたんだとか。

そしてこの頃、ハウスが日本の食卓の定番にしたもう一つの料理が…
そう、クリームシチュー。
実は、1966年にこのシチューミクスは発売されるまで、クリームシチューという料理は世の中に存在していませんでした。

というのもクリームシチューは、脱脂粉乳に小麦粉でとろみを付けた学校給食のシチューを参考に、ハウスが独自に作り上げた料理だったのです。

今ではすっかり当たり前!その意外な商品とは…

そして、ハウスのおかげで今ではどこでも手に入るようになった飲み物がありました。
それが…ミネラルウォーター!
1980年代前半、ミネラルウォーターといえば、バーや飲み屋での水割り用がほとんど。
そんな中、ハウスが家庭用として発売したのが、「六甲のおいしい水」!

水を買って飲むという習慣が全くなかった時代に、家庭用ミネラルウォーター市場を切り開いたのも、ハウスだったのです。
雄大な六甲山系のふもとに作られたのが、神戸市にある六甲のおいしい水工場。
最初にうかがったのは、とれたての原水が飲める試飲室。
そこにあったのは、正真正銘、六甲のおいしい水。

六甲山にしみこんだ雨水は花崗岩を数十年の時をかけて通り、地層でろ過され地下水になる。
「六甲のおいしい水」はその水をくみ上げたもので、ミネラル分が豊富。
これが他の水と違うところ!

とれたての「六甲のおいしい水」、そのお味は…まろやか!
さて、日本中で売られている六甲のおいしい水。
それをくみ上げている井戸を、場所がわからないようにするのを条件に見せていただける事に…

いたずら防止のため厳重に管理されている井戸。
でも、意外と普通のマンホールでした。
これまでに2リットルのペットボトル12億本を生産。
東京ドームまるまる2杯分にもなるのだとか。
そして、2004年に最新設備を導入した自前のペットボトル工場が完成。
左側がペットボトルになる前の状態。

これを100度以上に熱してから、中に空気を入れ膨らませていくのです。
出来たてホヤホヤ、自前で作るペットボトルの容器は…温かい!
ハウス食品は商品包装、パッケージにも並々ならぬこだわりが!
大量生産品に初めてカラーグラビア印刷を使ったのが「バーモントカレー」。

ルウの密封シールを簡単に開ける機能も、いち早く開発。

パッケージの横には、これまた業界初の辛味順位表。

"お客の好みの辛さがすべて揃っているのはハウス"を印象付けるのに成功しました。
そして、ハウスといえば忘れてはならないのが、テレビCM戦略。
人気アイドルを起用したCMが大当たり!
ハウスのテレビCMの成功は、他の食品メーカーのお手本になりました。

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤:社長はCMを作りたかったからハウスに入社されたのですか?

小瀬社長:はい。当時、テレビCMがたくさん流れている企業という事でハウス食品を受けてみようと…。でも広告の担当部署に配属されたのは入社して20年後でした。その上、広告部署の部署長でしたから、制作現場は一切担当させてもらえませんでした。

加藤:社長の思い入れが一番深いものは?

小瀬社長:「六甲のおいしい水」が一番心の中にに残っている商品です!

加藤:それは(「六甲のおいしい水」に)携わったからですか?

小瀬社長:そうです。

加藤:ネーミングを「六甲のおいしい水」と決めたのは誰ですか?

小瀬社長:私です。お客様に集まって頂き、色々と水に関する話をして頂きました。その中で一番多く出てきた言葉が、「おいしい水」だったんです。

ハウス食品の商品開発の現場に潜入!

千葉県四街道にあるハウスの食品研究所、ソマテックセンター。
およそ230人の研究員が、新商品の開発に日夜取り組んでいます。
中へ入ってみると…広い!
出来るだけ組織の垣根や壁をなくし、研究員同士が交流できるよう、あえて間仕切りをなくした大部屋にしているとの事。
こちらは、宇宙航空研究開発機構JAXAから開発を委託され、今年6月に宇宙日本食として認定を受けたばかりの宇宙食レトルトカレー。

さっそくいただいてみる事に…そのお味は?

岡村:スパイスのつぶつぶ感を感じるくらいな濃厚さがあります。

なんでも、宇宙空間では味覚が鈍ってしまうそう。
そこで、普通のカレーよりもスパイスを多めにし、刺激的で濃い味に仕上げているのだとか。
もしも完成したら売れるのは間違いなし!
それが、只今研究中の、味は変わらず切っても涙が出ない玉ねぎ!

今では逆に、玉ねぎの涙の出る成分を作る事もできるようになったのだそう。
…でも何の役に立つのでしょう?
実はこれ、目が乾く病気、ドライアイの検査に使えないかという事で現在研究中。
この玉ねぎの研究で、ドライアイの画期的な治療法が生まれるかも!?
ハウスには、研究所の中に商品パッケージの開発部門もあります。
ここでは、容器の蓋の改良や、機能的に使えるパッケージの開発に力を入れています。
こちらは、一見普通の箱の「プライムカレー」。

この「プライムカレー」は昨年、容器包装会のアカデミー賞と言われる木下賞を受賞!
どうすごいかというと…ルウを半分使ったら容器も半分に折りたためる、つまり収納する時にスペースも半分になるというもの。

中身と外見が一体となって製品が成り立つ?そう、人はまず、パッケージを見て商品を選ぶ!研究所のテーブルの上には、他社のパッケージがずらり!
ライバルの研究にも余念はありません。

製品開発を支えるスパイスマスター

ソマテックセンターは国内有数のスパイス研究所。
ここには、スパイスマスターと呼ばれるスパイスの専門家が何人も在籍しているのだとか…。
そしてそのマスターの中で、マスターに色々なアドバイスをするキングと呼ばれる人がいるのだそう!
このキング、これまでに200以上もの製品を開発、100件以上も特許を取得!
正に、キングオブスパイスマスター!一体どんな人なのか…?

この方が、キングオブスパイスマスターの鳴神寿彦さん。
どれ位スゴイのか、その匠の技を見せていただきましょう。

見た目はほぼ同じの5ヶ国のコショウを、嗅ぐだけで産地を当てる!

しかも目隠しをして挑戦!
果たしてキングは、普通のスパイスマスターでは不可能という、5ヶ国のコショウの匂いを嗅ぎ分ける事ができるのか?
キングは次々とスパイスを嗅ぎ分け、あっという間に嗅ぎ分け終了。
答え合わせに移ります。
キングのプライドをかけたその戦いの結末は…?

全問正解!こりゃスゴイ!!

こんな達人たちが600種類もの商品開発を支えているのです。

そして今、ハウスはアメリカ進出の真っ最中なんです。
日本式のカレー、クリームシチューでアメリカ市場へ殴り込み!!
…と思ったら大間違い。カリフォルニア州とニュージャージー州にあるハウスの二つの工場で作られているのは…なんとお豆腐。

一日に35万丁のTofuを全米に提供できる能力があるんだとか。
アメリカでハウス食品は日本のお豆腐メーカーとして知られているのです。
でも、なんでハウスがお豆腐なんでしょう?

▼スタジオで社長にお話を伺いました。
進藤:お豆腐って壊れやすいイメージがありますけれど、(このTofuは)日本のものよりズッシリ重くて固い。ギッシリつまっている感じですね。

小瀬社長:(アメリカ人は)炒め物の肉や魚の代用品として豆腐を使う事が多いです。そうしますとどうしても固いタイプのものを中心になってしまいます。

加藤:日本では(豆腐を)やっていないですよね。これだけ豆腐を作る技術があるのだったら、日本でも売り出せるのでは?

小瀬社長:日本では分野調整法という法律がありまして、大企業は中小企業が中心の比較的小さな市場に参入する事を規制されているんです。

進藤:研究センターでは宇宙食レトルトカレーを開発していましたが、今日はそのカレーをお持ち頂きました。

加藤:(試食後)やっぱり濃厚ですね。すごい濃厚!

小瀬社長:宇宙というのは地上とは違って特殊な空間ですから、味覚・嗅覚が鈍くなります。そのため宇宙でも「おいしい」と感じるために、濃い目の味にしたり、スパイスを強めにしたりします。

加藤:宇宙飛行士の方から「カレー」という発注があったんですか?

小瀬社長:ありました。

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