過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2007年5月27日放送

特集

バネ業界

ゲスト

田北浩章さん(東洋経済新報社、証券部長)、眞鍋かをりさん

番組内容

本日のがっちりマンデーは、大好評、意外と知らない狭い業界シリーズ第5弾…ばね業界!

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これがないと機械文明が成り立たない!?

「『ばね』っていうのは形は単純に見えるんですが、大変奥が深い世界なんです」
と語るのは、ねじに携わって40年。
業界誌「ばね」を発行する、日本ばね工業会専務理事の桑原敏夫さん。

Q:一体バネって何がスゴイんですか?
桑原さん:どんな小さな世界からどんな大きな世界まで、『ばね』がないと機械文明が成り立たない。

ばねはあらゆるモノに隠されています。
洗濯バサミが挟めるのも、ボールペンをカチカチできるのも、押したスイッチが戻ってくるのも、みんなばねのおかげ。
電池のソケット部分だってばね。
みなさんご存知のおもちゃまで!
なんとロケットの切り離しにもばねが使われているんです!

桑原さん:モノが動いたり機械がちゃんと動くためには、『ばね』がないとだめなんです。

突然ですが…必ず役に立つ、知っておきたいばねの基本!
ばねと言って想像するのは…コイルばね。

引っ張るタイプの引きばね。

ねじると戻るねじりばね。

桑原さん:力をかけたら元に戻るモノは、なんでも『ばね』。例えば、棒高跳びの選手がポールを使って自分の身体を持ち上げてバーを超える事。これも典型的な『ばね』なんです。

力を加えると戻る力。
この復元力を利用したモノがばね。
だからばねの起源も古く、木の枝のたわみを利用した弓がその始まりとされています。
そして現在、日本にあるばね会社の数はおよそ2000社以上!
市場規模は4000億円!

桑原さん:車の業界が元気がいいから、この5年は前年比プラスプラスで成長している。

そう、バネ業界は自動車産業と大きな関係が!

桑原さん:ばねの使い道は、約70%が車なんです。

なんと、一台の車で使われているばねの数は、およそ4000個!
まさに自動車はばねのかたまり!
だから、自動車が売れれば売れる程、ばね業界も儲かるんです!

ばね業界最大手ニッパツ

そんなばね業界において、日本一儲かっている最大手の会社がニッパツ!

経常利益は236億円!
やっぱりニッパツさんも車のばねをたくさん作っています。
その中でも一番売れているのは?

ニッパツ広報部 斎藤浩明さん:『サスペンション』と呼ばれる、自動車用の足周りのばねが非常にシェアが高いと思います。

乗り心地を左右するサスペンション!
この分野で、およそ3割のシェアで世界No.1!
どうしてそんなに売れるのか?

ニッパツDOS事業部 半谷正夫さん:最近は振動の抑制など、機能としての働きを要求されています。われわれは、研究開発・材料の選定で技術的に優れていまして…

単に伸び縮みするばねでなく、何か付加価値をつける。
例えば、同じ用途のばねでも強度はそのままで小型・軽量化。

半谷さん:お客さんの使われる機能全体を把握して、ばねとしての部品に求められる機能をフィードバックする。これが非常に有利だと思います。

世界中で大人気の日本のばね。
他に、もう一つの理由がありました。

桑原さん:ばねというのは、素材である鉄の品質がモノを言う。日本の鉄鋼業界は、品質の点で世界一と言って過言ではない。この品質がいいが故に、日本のばね業界は世界的にリーダーシップをとっている。

鉄鋼がいいからいいばねができ、ばねがいいからいい自動車ができる。
まさに日本のモノ作り、ゴールデントライアングル!

▼スタジオでお話を伺いました。
田北さん:例えばバット。金属バットは元に戻る力を利用するわけなんです。女子ソフトボールがシドニー五輪で使っていたバットは、ニッパツの子会社が作っているモノなんです。

田北さん:ばねの生産量は重量で表して、2001年を底にずっと伸びているんですね。これは車が影響している。車の調子がいいと、ばねの調子もいいという事。

加藤さん:2000社も会社があるという事は、小さい会社がいっぱいあるという事ですか?

田北さん:そうですね。基本的には、全国に中小企業がたくさんある。

進藤さん:それだけばねの種類はたくさんあるという事ですか?

田北さん:世界規格の基準がない。だから種類としてはあらゆる種類があるんじゃないでしょうか。だから2000社あっても、きちっと儲かる産業だと思います。

進藤さん:ちなみに、6ヶ国語に対応しているばね用語事典というものもあって、2000語入っています。でも、書ききれないそうです。

加藤さん:そもそもばねの語源は?

田北さん:語源は種子島の火縄銃。それを作った時にはねるので、それで『ばね』と。

驚きの巨大ばね製造工程

こちら大阪にある「東海バネ」!

何やらすごいばねを作っているということ。
そこで、ばね作り30数年のベテラン!東海バネ工業コイルバネ生産グループの和田憲一さんに直撃!

Q:すごいばねを作っていると聞いたんですが…
和田さん:ま〜普通ですよ!

普通と言われても、普通の基準がばねの素人にはわかりません…
と思っていたら、何やら大きなばねを発見!

こりゃスゴイ!ところが…

和田さん:これが普通!普通!ごく普通のばねですぅ。

さらに!もっともっと大きなばねを発見!

が、しかし…
和田さん:普通のばねやで。まだ小さい方。

確かに工場の中には、大きなばねがあっちにゴロゴロ、こっちにゴロゴロ!

東海バネは世界最大級のばねを作っている会社なんです!

人が全体重をかけてもびくともしません。
数十トンの力が加わり始めて縮むばねは、発電所や製鉄所、橋、自動車の産業用のロボットなどに使われている圧縮コイルばね。
一体こんな大きなバネをどうやって作っているのか?

和田さん:これが世界最大のばねをつくる機械、スーパーコイルマシーン。

炉で高温に熱せられ、柔らかくなった真っ赤な金棒が、スーパーコイルマシンにグルグルと一気に巻き付けられていきます!
近くにいるだけでスゴイ熱さ!

和田さん:色がキレイでしょ!880度、900度の色は非常にキレイな色。温度が何度位か、色味で判断しないとダメ。十何年やってると、色で700度か800度かわかる。

金棒は温度によって色が変化。

熟練の職人さんになると、色を見ただけで温度がわかってしまいます。
巻き付けた後は、しばらくそのままに。
適正な温度になってからはずさないと、形が曲がってしまうのです。

Q:巻き始めた時の温度は?
和田さん:あれは880度から900度!920度で金棒が炉から出てきて、巻き始めた瞬間は880度になっている。

成形されたばねは再び炉に入れられ、焼き入れ作業へ。
高温に熱したばねを、特殊なオイルの中で一気に冷やします。

こうする事で、固く頑固なばねができるのです。

和田さん:繰り返し圧縮されてもヘタらない

東海バネは、全て受注してから設計図を引くフルオーダーシステム。
そのため、値段も一本5万円のものから100万円するものまで様々。
製造部門の13人が「優良ばね製造技能士」という、国家資格を持つスペシャリスト!
優れた製品作りで、一度来た客は逃しません。

超ミクロな極小ばね

続いてやってきたのは、小松ばね工業。

迎えてくれたのは、ばね業界の紅一点、小松節子社長。
実は小松社長、元々はごく普通の主婦。
創業者だったお父さんの突然の他界により、急遽、職人さんだらけのばね業界に乗り込む事になったとか。
一体どんなばねを作っているのでしょう?

小松社長:『小さなばね』を作っております。

という事で、30ミクロンのばねを見せて頂きました。

指先に見える、ほこりのような小さな線。
一度見失ったら探すのも一苦労です。
わずか0.03ミリの太さのばね。

拡大してみると…

確かにグルグル巻かれているのがわかります!
小松工業は年間3000種以上の小さいばねを作る技術で業界をリード!
こちらは胃カメラなどのスコープに使われる長ばね。

クルクルクルクルと作られているのは、プラスとマイナスのある電池接点ばね。

そして、現在一番注文が多く、ぐんぐん売れているのが、携帯電話のSDカードの出し入れに使われるばね。

一見単純そうに見える小さなばねですが…
 
小松ばね工業の方:『小さいばね』というと、大きさ1ミリ以下になる。そのばねを作るための部品はそれよりもっと小さくしなければいけない。それを作るのに、手仕上げ・職人技で小さな部品を作る。そして、それを機械に取り付けて『小さいばね』を作る。その部品作りが非常に難しい。

小さいばねを作る機械を作るのも難しい!
ばねは奥が深いんです!
ちなみに、ネックレスに使われる止め金。
これもばねだったんです。

Q:ばねはどうですか?

A:『ばね』おもしろいですよ!ばねっていうのは、材料が同じようでも毎回違う。同じ針金で同じ様に巻いてても違う形になっちゃうんで。だから、ボタンを押して同じものができるものじゃない。

優秀な職人のいる小松バネ工業。
それなのに、小松社長が社長に就任した当時は経営状態も悪く赤字でした。
そこで小松社長は、小さなバネ作りに特化する事を決断。
会社の売りをアピールするかわいいアリのキャラクターを考えました。

こうした女性らしいアイディアで、赤字から脱却する事に見事成功したのです。
今後は極小ばねの技術を生かし、さらなる高みを目指します。

ばねの違った使い道で儲ける

続いて訪ねた会社は、アドバネクス。
ばねの違った使い道で儲かっているのだとか…

ご丁寧に出迎えてくれたのは、取締役の廣田正穂さん。
こちらの会社、昔はフロッピーディスクに使われるバネを作っていました。
しかし、時代と共に需要が激減!大ピンチに!

廣田さん:フロッピーディスクの時代が終わるなと気が付いたのがちょっと遅かったかなと…

そんな窮地を救ってくれたのが…!

廣田さん:ねじの補強部品です。『ばね』じゃない。

どう見てもばねですが、実はばねじゃないこの製品。
ねじの補強材・タングレスインサート!
あらかじめ、このタングレスインサートを入れておけば、ねじとねじ穴の間に挟まり、ねじが抜けにくくなるのです。

たったそれだけなのに世界中でバカ売れ!
世界シェア9割でほぼ独占状態!狭い業界の中のさらに狭い業界での大ヒット商品なのです!

Q:儲かってますか?
廣田さん:儲かってます!

▼スタジオでゲストの方にお話を伺いました。
進藤さん:今後開発したら儲かりそうなばね、どんなのでしょうか?

田北さん:今すでに少し始まっていますが、宇宙用ばねですね。宇宙で使われるばねっていうのは、非常に将来性がある。

加藤さん:どういうところで使われるんですか?

田北さん:アンテナを宇宙空間で広げる事など。ばねは、あくまで元に戻る力を利用しているだけなので、特に宇宙空間みたいな所でこれから、『ばね』が使われてくるのではないかと。

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