過去の放送内容
2007年4月15日放送

特集
儲かる鉄道シリーズ第三弾!!特急!!
ゲスト
向谷実さん(カシオペア)、森永卓郎さん(経済アナリスト)、南田裕介さん(株式会社ホリプロ、マネージャー)、田中聖さん(KAT-TUN)
鉄道の花形、特急〜!!
儲かる鉄道シリーズ第三段!!今回は…

全国の鉄道会社が、年々進む少子化のあおりで乗客数低下に苦しむ中、「特急ビジネス」は今、絶好調!!
今回のがっちりマンデーは、鉄ちゃんもそうでない人もワクワクする「特急の儲かるヒミツ」です!
日本一チケットが取れない超豪華特急:カシオペア
日本の特急の中で、一番チケットが取れない特急とは…

寝台特急、カシオペア!
上野を出発、札幌までを8時間かけて優雅に走る超豪華寝台特急なんです。
全て個室で、トイレ・シャワー室も完備。車内はまるで動く高級ホテルのように超豪華!!
ダイニングカーでいただけるのは、フランス料理のフルコース!

流れ行く車窓を見ながらのワインは格別!
目玉のカシオペアスイートは7室のみ。
お値段はお一人様44,000円。二人で88,000円となかなかのお値段…。
でもこれが大人気!
どれ位人気なのか、鉄道ジャーナリストの梅原淳さんに聞いてみました。
梅原さん:午前10時に売り出すんですけど、午前10時5秒にはない…
なんと、発売後数秒にチケットは売り切れ!
特に最後尾にある展望室のカシオペアスイートは、まさに幻のチケット!
そのチケットが取れない理由はこんなところにありました。
実は、特急カシオペアは1編成しかありません。
いったん上野を出てしまえば、次に上野に戻ってくるのは翌々日。
週に3往復しかしていないため、乗りたい人が殺到。
現在、最も手に入りにくい特急チケットとなっているのです。
ほくほく儲かるほくほく線
多くが赤字経営に悩む第三セクター鉄道。そんな中…
特急効果で毎年黒字という、超儲かり路線が!
その名も…ほくほく線!

名前からして儲かってそう!
担当者:ほくほく線だけに、ほくほく儲かってるんですよ!
と、おっしゃるとおり、ほくほく線は右肩上がりのチョーチョー黒字路線なんです!
この儲かり路線、どこにあるのかというと…
担当者:上越線と信越線の近道がほくほく線なんです。
実は、ほくほく線ができる前までは、東京から金沢方面に行くお客さんは、上越新幹線で長岡まで行き、そこから信越線でやや戻る感じで金沢に向かっていました。
そこをショートカットして近道しちゃったのが、ほくほく線!

そしてこちらが、稼ぎ頭の『特急はくたか』!

実はこの「はくたか」がすごい!!
担当者:在来線では、国内最速の160km運転なんですよ。
なんと、この「はくたか」の最高速度は160km!
在来線の特急の中では日本最速なんです!
その速さのヒミツは、建設段階からのルート選び!
スピードを出すため、極力、直線コースを選んだんです。
さらに、ローカル線にありがちな踏切はありません!
踏切が必要な場所は、高架にしてスピードアップ!
以前、東京〜金沢間は4時間28分もかかっていましたが、ほくほく線でショートカットすれば3時間44分。
なんと50分以上も短縮しちゃったんです!
運賃も近道した分、860円も安い!


こうして、ほくほく線は首都圏と北陸を結ぶ最速路線として人気沸騰!
そのため、ほくほく線の収益の割合は、普通車が1割、「特急はくたか」の稼ぎはなんと9割!
ほとんどが特急の収益なんです!
特急効果で大もうけしたからなのか?
普通列車にもこんなサービスが!トンネルに入ると…

なんと、幻想的なイルミネーションが!
列車運行の柱を特急にしぼったことで、ほくほく線は右肩上がりの増益を達成できたのです!
駅員さんもがっちりがっちり!
都市と空港を結ぶ"空港特急"
少子化で鉄道の乗客数が低下する中、なぜかお客さんが増えている路線が!
それは…空港線!これが今熱い!
梅原さん:都市と空港を結ぶ、いわゆる"空港特急"ですね。
儲かっちゃってる空港線!中でも激しい戦いを繰り広げているのは…

JR東日本の赤い弾丸、成田エクスプレス!VS京成電鉄の白い稲妻、スカイライナー!

首都東京と日本の空の玄関口、成田空港をつなぐ空港線での激しい戦い!
はじめに参戦したのは、京成電鉄でした。

1973年、京成はいち早く新型特急スカイライナーをスタンバイ。
華々しい活躍!かと思いきや…
担当者:当初の成田空港駅は、ターミナルまで距離がございまして、遠かったんです。あろう事か、京成成田空港駅は、空港ターミナルビルから1.4kmも離れていたんです。

そのため、せっかく特急に乗っても駅からバスに乗り換えなければならず、乗車率が今一歩伸びない状態。
しかし、1991年、ついに!!
担当者:ようやく、やっとですか、現在の地下ターミナルに乗り入れる事が出来たんですよ。
悲願だった空港ターミナルビルへの乗り入れが実現しました!
これで京成の時代がやってくる!…かと思いきや、
梅原さん:成田エクスプレスがこの時に誕生したんですね。
なんと!JR東日本が、突如、成田エクスプレスの運行を開始!

それも、成田エクスプレスの始発駅は京成上野よりはるかに乗降客が多い東京駅。
京成にとっては分が悪い!
Q:これは厳しいなという思いは?
担当者:今まで(京成)一本化でやってきたのがJRも入ってくるんですから、「ない」って言ったらウソになりますからね。
対抗策として京成も新型スカイライナーを運行しますが、時すでに遅し…。
京成は、後から入ってきたJR東日本に乗客を奪われてしまいます。
しかし、負けるわけにはいかない京成は反撃開始!
そのキーワードは…激安!
成田エクスプレスより1,000円以上も安い!
運賃の安さで勝負をかけたのです。
この値段作戦は大成功!
一日平均の乗客数は、京成が10,000人!JR東日本が8,000人。

しかし、収益面では運賃の高い成田エクスプレスの勝ち!
そこで、京成電鉄は大逆転をねらう大勝負に出ることに!それは…
担当者:現在よりも15分短縮の、36分での運行を予定しております。

上の図のように、2010年に開通する成田新高速鉄道を使って、所要時間を15分も短縮。
スピードで成田エクスプレスを圧倒しちゃおうというのです!!
京成VSJR東日本、成田空港をめぐる特急バトルはまだまだ続きそうです!!
▼スタジオでゲストの方にお話を伺いました。
南田さん:ほくほく線は普通電車も速い電車を入れている。前の各駅停車がノロノロしていたら、特急がスピードを出す事ができない。
向谷さん:ここには唯一"高速進行"がある。信号機は、青信号が一個で"進行"という。ここは青信号を二つつけて"高速進行"という。つまり、青が二つつけば160km出していいという事で、非常に珍しい。
二大特急戦争:私鉄各社VSJRグループ
特急の乗客争奪戦争では永遠のライバルともいえる、私鉄各社とJRグループ!
中でも名勝負といわれるものがありました!
それは…「東武鉄道」対「JR」の日光戦争!!
梅原さん:この戦いは因縁の対決といわれていまして、昭和初期から激しく戦っていますね。
世界的に有名な観光地、日光!
その日光と都心を結ぶ路線は、昔から多くの観光客をゲットできるドル箱路線。
東武とJRの間では70年以上にわたる、激しい乗客争奪合戦があったのです!
さかのぼること70数年、JRの前身、国鉄の日光線にはまだ蒸気機関車が。

そこに先制攻撃を仕掛けたのは東武鉄道!
なんと東武は電車を投入!オール電化して勝負に出たんです!
さらに観光客を意識した展望車まで投入。
この作戦で、東武日光線は全国から客が集まる大人気路線に!
観光客をつかんだ東武は旧国鉄を大幅リード!
しかし、国鉄も黙っちゃいなかった!!
スピードでつけられた差はスピードでお返しとばかりに、157系という列車を開発!
これがとにかく速かった!!

国鉄は、上野日光間を9分短縮!一気に形勢逆転!!
しかし、日光線のお客をどうしても渡したくない東武は…
担当者:やはり大きな影響を当社も受けまして、そこで登場したのがデラックスロマンスカーの導入。
1960年、東武は国鉄に対抗してデラックスロマンスカーを導入したのです。
この特急、全ての座席がリクライニングし、車内にジュークボックスを設備、サロンルームには当時珍しかった女性アテンダントも。
一躍、超人気特急となったのです!
東武が国鉄を9分リード!再逆転!
このデラックスロマンスカーの登場は国鉄にとって大打撃!
客を奪われて意気消沈の国鉄はなんと、日光線での急行の運転を全て廃止!!
勢いに乗った東武は1991年、新型特急スペーシアを導入!
私鉄特急で初の個室を取り入れ、更なる集客アップを目指したのです!


しかし、時代は移り変わり、東武とJRの日光戦争に新たな敵が登場!
それは…自動車!自動車で日光へ向かう観光客が増えたため、電車を利用する客が激減してしまったんです。
担当者:平成2年をピークに徐々に下降気味になりまして、当社としても危機感を覚えた訳ですね。
しかし東武は意外な作戦に出ました。それは!
担当者:JR東日本さんと協力いたしまして…
…JRと協力!?そうなんです!
かつて壮絶バトルを繰り広げた東武とJRが手を結び、「自動車」という共通の敵に立ち向かう事に。
JR新宿駅から池袋、大宮を経由して栗橋で東武線と合流。
東武とJRは相互乗り入れする事になったのです!
昨年3月、かつての宿敵ががっちり手を結び、 JR新宿駅と東武日光駅の間で特急列車の普通運転がスタート。
これにより、JRは日光へ向かう観光客をこれまで以上にゲットでき、東武は新宿・池袋といった巨大ターミナル駅で多くのお客さんを獲得できるというわけ!
担当者:(乗客が)約30%程の増加となっております。宿敵同士が手を結ぶ。特急ビジネスも新たな時代へと突入しました!
新たなターゲット:通勤客
これまで特急ビジネスの狙いは「観光客」でした。
しかし、最近の狙い目は通勤客!!
首都圏の通勤客をどれだけ拾えるかが勝負となっているのです。

上の図が、一昨年デビューの小田急電鉄の新型ロマンスカーVSE。
最大の特徴は展望席から見える景色!

前回の鉄道シリーズでも期待の特急としてご紹介したばかり。ところが!

担当者:こちら(上のイラスト)が新しく走る予定の、新型ロマンスカーMSEです。
えっ!?新型ロマンスカー、また出しちゃうの?

そう!現在開発中の新型ロマンスカーMSEは、通勤客をゲットするべく設計された特急電車。
今までとの最大の違いは…
担当者:新しく出るロマンスカーは、今までやっていませんでした東京メトロ千代田線、東京の地下、都心の地下から直通のロマンスカーを走らせる。
都内で働くビジネスマンを乗り換えなしで、町田・相模大野までノンストップ!

そのために新車両を開発!実は今までのロマンスカーでは、大きすぎて地下鉄に入れないのです。
そこで今回、地下鉄乗り入れように少し小さくしたロマンスカーを新たに開発。
それがMSE!そのため、小田急ロマンスカーの特徴だった展望車両もありません。
担当者:千代田線からのお客様の数もそれなりにいらっしゃいますので、満席に近い状態で運転できるのではないかと期待しております。
こうして通勤客は、今や特急ビジネスにかかせないターゲット。
そこで注目されているのが!通勤特急ライナー!

確かに最近、ライナーってよく聞きますが、そもそもライナーって…
梅原さん:これは上野から大宮まで、特急列車が大宮にある車庫に回送されるのを利用して、そこの通勤客を乗せたところ、連日満員になったので各地に広まっていったという事です。
夜、都内に戻ってきた特急電車。
これを空のままで郊外にある車庫に帰すのはもったいない!
じゃ〜途中までお客さんを乗せたらいいんじゃない?
こんな考えから始まったライナー。
そんなライナーが今、儲かる特急として大人気なんです。小田急では…

特急ロマンスカーを夜の時間帯だけ、ビジネスマン向けの通勤ライナー、ホームウェイ化して運行。
400円の特急料金は掛かりますが、特急車両でゆったり優雅に、確実に座って帰れるため、ほとんど全ての電車が満席状態。
一方、京浜急行では品川からウイング号というライナーを運行。

こちらは特別な車両を使っている訳ではありませんが、その魅力は着席整理券代200円を追加するだけで、確実に座れる事。
他社に比べて安い!
夕方の帰宅ラッシュ時間には、長蛇の列が出来るほど大人気!
ビジネスマンに大人気の通勤特急ライナーは、今大注目です!!
▼引き続き、スタジオでゲストの方にお話を伺いました。
森永さん:なぜ千代田線に乗り入れたかというと、千代田線は例えば赤坂や表参道など、割とお金持ちな企業が立地している所を通っているので、多少高い値段を取っても絶対に乗る。
司会者:今後、伸びるであろう特急があったら教えて下さい。
向谷さん:すごく気になっているのが、九州新幹線。博多まで伸びるのですが、乗ってみたいなと思います。
南田さん:私はJR九州です。それぞれの特急がめちゃくちゃシャレています
森永さん:私は、寝台特急がこれから伸びていくと思います。3月18日からJR東日本の全ての特急列車が禁煙になりました。ところが例外があって、それが寝台特急。寝台特急だけはタバコを吸ってもいい事になっている。