過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2006年10月15日放送

特集

Google

ゲスト

グーグル(株) 村上憲郎 代表取締役社長

番組内容

今や人々の生活になくてはならない存在、インターネット!
この時代の最先端を走る業界には、スーパー儲かり企業がズラリと並んでいます!
そんな生き馬の目をぬく世界のインターネット業界で、とんでもないスピードで急成長を続ける会社があるのです。

それは…グーグル!
8年前、アメリカの大学生たった2人で始めた会社が…
現在の売上はなんと7千億円以上!

株式を上場するや、わずか2年で時価総額15兆円!
あっという間に、日本の大企業をごぼう抜き!!
本日は、世界で最も注目される企業、グーグルの素顔に迫ります!!

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グーグルはなぜ人気なの?

世界を騒がせるグーグル、中でも一番スゴイのが…インターネットの検索技術!
例えば「がっちりマンデー」のホームページを探す時、キーワードを打ち込めば、即座にしかもタダで、関連するページを重要なものから順番に表示してくれます。
このネット検索サイトは、他にもヤフーやマイクロソフトなど、様々な種類があります。

シェアを見てみると、日本では断トツでヤフーがトップ。

ところが、アメリカでは44%でグーグルがナンバー1!

イギリスに至っては75%と圧倒的!

そう、世界で1番使われている検索サイトは、グーグルなのです。

でも、グーグルの検索サイトのトップページは、他と比べてかなり地味な印象を受けます。
なのに、なぜそんなに人気があるのでしょうか!?

そこで、仕事でいつもグーグルを使っているという日本総研の方に、その魅力を聞いてみました。

Q:グーグルのどこがいいんですか?
日本総研主任研究員 紅瀬雄太さん:検索のスピードが速く、検索結果の精度が高いところです。
我々のように日々調査をしている人間は、グーグルの検索サイトを使うことが多いですね。

検索のスピードと正確さが人気のヒミツ!
ここに驚くべき技術が隠されていました。

グーグル誕生のヒミツ

グーグルの誕生前にも、検索サイトはありました。
当時は、「がっちりマンデー」というキーワードで検索した場合、まず検索サイトのコンピューターが世界中のインターネットのサーバーにアクセス。
その言葉が載っているページを自動的に集めていました。

しかし、ここで問題がありました。
当時のコンピューターは、キーワードがたくさん含まれているページが重要であると判断。
その結果、内容がまったくないページでも「がっちりマンデー」といっぱい書かれていれば、番組のHPよりも上位に表示されていたのです。これでは、目的のページが探しにくい!

ここで登場したのが、グーグルの創業者で、当時スタンフォード大学の学生だったラリー・ペイジとサーゲイ・ブリン。

2人が考え出した画期的な方法、それはページランク!
グーグルのコンピューターがチェックするのは、キーワードの数ではありません。
大事なのは、リンクという形でどのくらい他のページから紹介されているか。
その数や、人気サイトからの紹介があるかどうかで、ページの重要度を判定。
その結果、いくらキーワードが多くても、内容の伴わないページは上位に検索されなくなりました。
そう、これがグーグル検索最大のヒミツ、ページランクなのです!

このシステムを武器に、2人は株式会社グーグルを創設。
すると、わずか8年で巨大企業に急成長!
2人の総資産は、何と3兆2千億円!まさにアメリカンドリーム!

しかし、2人の夢はもっと上のところにありました。
それは、地球上の全ての情報を検索可能にすること!
グーグルで検索できるのはネットのページだけですが、いつか「世界中の全ての物を検索できるようにするんだ!」との思いを強く持っています。
創業者2人の夢は、現に形となりつつあります。

例えば、グーグルブックサーチ。
全世界中の本を検索できるようにするため、世界中の図書館の本のデータ化に奮闘中!
もう売ってないような超レア本も一発検索!タダで読めるサービスも始まっています。

そして、「地球」そのものを検索できるように開発されたのが…グーグルアース。
TBSの住所を入力すると、突然地球が激しく動き出した!
日本の、いや東京の中心部に急降下!!
まさに映画並みのド迫力!あっという間にTBSに到着!

更にボタン1つで…3D映像に早変わり!
TBSを360度全方向から眺められます。

他にも、富士山にズームインしてみると…夏の富士がこんなにくっきり!

グーグル・アースなら、とにかく日本中、いや世界中に旅行できちゃいます!
でも一体何のために作ったのでしょうか?
さっそく開発者でもあるグーグルアース最高技術責任者マイケル・ジョーンズさんとグーグルアース技術者ブルーノ・ボーデンさんにお話を伺いました。
「見て下さい。この地域、大変なんです。赤い印の場所は伝染病が蔓延しているところです。ここに全て、被害状況も載せているんです」。

お2人が最初に見せてくれたのは、世界中に広まったあるウィルスの感染状況が分かる地図でした。
グーグルアースは一体何をしようとしているのでしょうか?

「グーグルアースを作った目的は、地球上のどんな小さな情報も全て、この地球儀だけで探せるようにしようと思ったからです。例えば、映画の上映時間とか、お目当ての靴はどの店が一番安く売っているかとか、ラーメン屋だったら細麺なのか太麺なのか、とか。将来的には、そんな細かい情報まで探せれば便利になるでしょ?」。

なんと、建物の中まで見られるようにするんだとか…!!

グーグル発広告革命!

グーグルの検索サービスは全てタダなのに、メチャメチャ儲かっています!!
グーグルの収入源は、99%が広告収入!新しいやり方で大成功しています。
それまで広告といえば、テレビや新聞の巨大メディアが中心。
費用は数百万円から数千万円もかかり、掲載できるのは大企業に限られていました。
しかしグーグルは、これを180度大改革。
中小企業や個人でも、簡単にしかも効果的に広告を出せる仕組みを作ったのです。

それが、アドワーズ広告。
例えば「コーヒー」とキーワードを打ち込むと、検索結果の横にコーヒーに関連した広告が出現。
これが、アドワーズ広告。

広告は表示だけなら無料!
クリックされた瞬間に、スポンサーからグーグルに料金が支払われる仕組みになっているのです。
「コーヒー」が興味のある人が見るわけだから宣伝効果はバツグン!!

こうして、今まで「広告を出すお金がない」と言っていた人たちも、グーグルに広告を掲載。
1つ1つの広告収入は少なくても、たくさん集まれば儲かっちゃいますよね!

しかも誰でも簡単に出せるのが、アドワーズ広告のウリ!
ならば一度広告を出してみようと、経済予報師見習いの川田亜子がグーグルへ直撃!
アドバイスを頂くのは、広告営業アソシエイツの古見幸生さん。
なんでも、アドワーズ広告は1円からでも出すことができるのだとか!
まずは、グーグルのトップページから「広告掲載」をクリック!

入力画面に進み、払える予算の上限を設定します。

そして、この次がポイント!!
どのキーワードに対して広告を出すかというキーワード選び。
なぜなら、キーワードによって値段が違うから。
「徹夜」という検索されにくいキーワードだと人気がないため、1クリック平均7円!

一方「キャッシング」という検索されやすいキーワードだと…
1クリック平均2277円!

でもこれはあくまで平均値!
キーワードの値段を高く設定すればする程、上位にランキングされます!

川田が選んだキーワードは「金儲け」。
こうしてたった15分で登録完了!
すると…確かに広告は載ったものの、予算の少ない川田の広告はなんと最下位!
でもがっかりするのはまだ早いですよ。
アドワーズ広告は、クリックされる数が多くなるとどんどん順位が上がっていく仕組み。
つまり予算と人気の両方でランキングが決まっていくんです。

▼さて、スタジオではゲストの村上社長にお話を伺いました。
加藤さん:アドワーズ広告は画期的ですね。ちなみに、値段が高いキーワードは何ですか?

村上社長:正直、どれが一番高いか分かりません(笑)

進藤さん:がっちりマンデースタッフが独自に調べてみました。例えば、「生命保険」というキーワードだけでは7円。「生命保険の選び方」となると、1360円に跳ね上がります。「キャッシング」だけでは2280円ですが、「キャッシング 即日」というキーワードだと4300円になります。

加藤さん:一回広告をクリックすると、広告主がお金を払わなければいけないんですよね。失礼な言い方かもしれませんが、若干高くないですか??

村上社長:この値段は市場原理によって決まっています。生命保険会社が、これくらいの値段で十分それに見合うだけの広告効果がある、と判断されているということなんですね。

進藤さん:ちなみに「加藤浩次」というキーワードを調べたら…7円。「進藤晶子」も7円でした。

加藤さん:14円のMC二人ですね。安いMCだなぁ(笑)
グーグルアースは面白いですが、見るのはタダなんですよね。どうやって儲けるんですか?

村上社長:とにかくいいサービスを作って皆様に使って頂けたらと思います。広告を関連付けるなどといった機会は、自然に生まれてくるだろうと思うんですね。

加藤さん:グーグルアースで自分の家まで見えるんですよ。ちょっと恥ずかしいですよね(笑)

グーグルの社内リサーチ!1

次々と驚きのサービスを生み出すグーグル。
そのヒミツを探るべく、川田が社内リサーチを開始!
すると…グーグルの仕事場には、遊び道具がいっぱい!

打ち合わせは、グーグル名物のバランスボールに乗って!
これは、仕事のときにも遊び心を忘れないようにしたいという創業者2人の思想の表れ。

職場の入り口にある、こちらのゲーム機は創業者2人の持ち込みだそうです!

でもグーグルが本当にスゴイのはここから!

▼グーグルスタイル1 命令がない
グーグルは会社なのに、上司からの命令がほとんどナイ!
では、皆どうやって仕事をしているのでしょうか?

ソフトウェアエンジニアの小松弘幸さんによると…
「自分の好きなことをしていいんです。自分たちで勝手にプロジェクトを始めることができるんです」

何と仕事の始まりは、全てが社員たちの「思いつき」。
面白そうなサービスを思いついた人は、社内のネットでそのアイデアを公開!
共感した人が次々に集まって、一緒に作り上げていくのです。
もちろん、思いつきですから、中には何の役にたつのかさっぱり分からないおかしなモノも…

例えば、とっても便利なグーグルアースではなく、グーグルムーン。
アポロ11号や12号が着陸した場所が分かるのだとか。
その目的は…ロマンを感じてもらうため。

次に見せてくれたのがグーグルマーズ!
そう、火星の衛星写真。これを見ると、ますますロマンを感じませんか?

自分の面白いものを作れる??そんな環境だからこそ、すごいサービスが次々と生まれ、更にグーグルが儲かる、という訳なのです。

▼グーグルスタイル2 お金がかからない
グーグルと同じ広告で収益を上げる広告代理店の利益率は、およそ1%。
しかし、グーグルは24%!

儲かっている理由としては、グーグルは経費がかからない!
なぜなら、検索も広告も、一度システムさえ作れば、あとは全部コンピューターが自動でやっちゃうから!

では、かかる経費って何??
管理本部マネジャーの小宮山美樹さんに聞いてみると…
「それは、サーバー代と人件費とお昼代です!」

なんとグーグルでは、お昼ごはん代も経費に入るのです!!
ちょっとランチタイムをのぞいて見ると、社員の方がたくさん!
グーグルでは、お昼はバイキング形式で全部タダ!
お昼ごはん代は会社が負担しているのです。
それだけではありません!
1日3食タダ!飲み物・おやつまで全て会社が負担。
ここにもグーグルならではの理由が…

小宮山さん:一緒に食事をとることで、何気ない雑談の中から生まれたことが仕事に結びつくこともあるのです。

技術を大事にするグーグルは、優秀な技術者に集まってもらわなければなりません。
そのために一番いいのが、この「ご飯タダ」。
高いお給料や豪華で充実した設備よりも、意外と「ごはんがタダ」っていうのが魅力みたいです。
こうしてグーグルには、世界中から優秀な人材が集まってきます。
中には元脳外科医や元ロケット科学者なんて方も。

この方は、グーグルよりも前に、95年に独学で検索サイト「ODIN」を作ったソフトウェアエンジニアの原田昌紀さん。

原田さん:しばらくは、"打倒グーグル"と思って研究開発していたのですが、圧倒的に技術はグーグルの方が優れていた。皆があっと驚くようなもの、かつ便利なモノを作りたいですね。

グーグルの技術はスゴイ!だから優秀な技術者が、世界中から集まってくるのです。
何よりも人を大事にするグーグル。だから、どの企業よりもこだわっているのが「採用」。
ここでもひと味違います!

グーグルの社内リサーチ!2

▼グーグルスタイル3 全員面接
グーグルの面接は、採用担当者や重役がすることはありません。
じゃだれが面接をするかというと…「一緒に仕事をする現場の人全員」。
そして合否を決める基準が「一緒に仕事をしたいかどうか」。
1人でも「NG」が出ると不採用!
世界中から毎月、1万人以上の超優秀な技術の入社希望が殺到するグーグル。
だからこそ、あえて面接で重視するのは「仲間意識」なんです。

人材採用マネジャーの茅根哲也さんによると、グーグルにはこんな変わったテストもあるといいます。
それはエアポートテスト。乗るはずだった飛行機が飛ばなくなったと想定して、実際にその人と一晩楽しく過ごせるかという観点から見るもの。

世界最先端の高い技術力、それを生み出す世界トップレベルの人材。
そして、彼らが仕事に専念できる素晴らしい環境。
これが、グーグルが急成長を続ける理由なのです。

▼引き続き、スタジオでは村上社長にグーグルのヒミツについてお話を伺いました。
加藤さん:採用試験の面接では、一緒に仕事をする現場の社員が一人でも「NG」を出したら不合格になってしまうんですか?

村上社長:大体ダメでしょうね(笑)

加藤さん:採用の中には「エアポートテスト」というものもありましたが…

村上社長:例えば、成田空港で飛行機が飛ばなくなってしまい、一晩を相手と一緒に過ごさなくてはいけないという場面を想定して、「じゃあこの人とそれができますか」と聞くというものです。

加藤さん:俺、相手が嫁でもイヤですよ(笑)厳しいですね〜

村上社長:私たちは世界のユーザー向けのサービスを作っています。なので、サービス精神の旺盛な人でないと、なかなかいい発想に結びつかないと思うんですよ。ですから、そういう雰囲気を持った人やそういう思考性のある人を選びたいと思っています。

加藤さん:あと、ほとんど上司からの命令がないということですが…社長は何をされているんですか?

村上社長:皆が働きやすいように、環境を整えています(笑)

加藤さん:社長個人として、グーグルにとって優秀な人材とはどういう存在ですか?

村上社長:自分から何かを作り出していく人。少数精鋭でやっていますので、それぞれ任されたところで何をやらないといけないか、本人が気づくか提案するしかないんですね。ですから、自立的な発想を持った人を求めています。

加藤さん:グーグルムーンやグーグルマーズはすごい発想ですね。これからいろんなサービスが出るのでは?

村上社長:ウチの会社にインターネットの生みの親でもあるヴィントン・サーフ氏がいますが、その人は「太陽系全体をインターネットでつなぎたい」と言っていますね。いつの日か、「火星上のどこかにラーメン屋がある」などといった必要な情報を提供できる時代がくるんじゃないでしょうかね。

進藤さん:最後に村上社長に質問があります。グーグルの検索エンジンは、10年後にはどこまで進化を遂げるんでしょうか。

村上社長:これは夢でもあるのですが、例えば加藤さんが何かを探すためにコンピューターの前に座ると、「あなたが探しているのは、これでしょ?」と情報を提示できるようなシステムを作りたいと思っています。現在のエンジン検索は、全ての人のために共通の結果を出しているんですね。検索結果のパーソナライゼーション、つまり加藤さんがある言葉を検索にかけたら、その人の関心分野などから判断して、「こういうことをお探しではないですか」とこちらから情報を提供するような、個人専属のグーグルを目指していきたいと思っています。

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