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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2006年6月25日放送

特集

なぜか売れてるロングセラーの秘密

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)・高木美保さん

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こんぶとカブのロングセラーに注目!

▼ロングセラー商品その1:都こんぶ
美容に、ダイエットに、旅のお供に。変わらぬ味で売れ続けているのが…都こんぶ!

誰もが一度は見たことがあるこのパッケージ。
1931年の発売から75年で、売上数は年間1500万個!静かなる大ヒット商品なのです。

都こんぶ誕生の秘密、それは創業者中野正一の辛い思い出がきっかけでした。
中野物産(株)の代表取締役である中野盛正さんの祖父である中野正一は、京都から丁稚奉公で大阪堺の昆布問屋に勤めていた際、たくさん落ちていた昆布の切れ端を食べて空腹をしのいでいました。
これが意外においしかったことから、「ひょっとして売れるのでは!?」と思ったのが、都こんぶの最初のルーツなのです。
その後中野少年は19歳で独立し、昆布のお菓子を製造しました。
京の都への望郷の思いから、「都こんぶ」と命名したのです。

そのヒットの秘密は…駅。
全国どこにでも置いてある商品にしたいと考えた中野は、毎日人が多く集まる駅に注目しました。駅の売店で売れるにはどうすればいいか…そこで、次の四つの工夫をしました。

工夫その(1):狭い売店でも置いてもらえるように、箱はコンパクトに。
工夫その(2):小さくても目立つように、縦に長く。
工夫その(3):色は目立つ赤に。
工夫その(4):棚から顔を出す上の部分には、燦然と輝く都のマークが!


何気ないこのデザインには、駅に狙いを絞った創業者の思いが込められていたのです。
こうして都こんぶは1953年に全国の国鉄の売店で販売がスタートし、見事、駅の売店における不動のベストセラーに上り詰めたのです。

▼ベストセラー商品その2:スーパーカブ
雨が降ってもなんのその、働く人の強い味方!それが…スーパーカブ!

お世辞にもオシャレなデザインとは言えませんが、実は日本が世界に誇る偉大なるロングセラーなのです。
発売から48年、世界13カ国で製造され、160以上の国で活躍しています。
世界累計生産台数は5000万台を突破!
エンジンつきの乗り物の生産台数としては、ダントツの世界一なのです。

カブを開発したのは、創業者の本田宗一郎さんと当時の専務の藤沢武夫さん。
戦後、ホンダは本格的なオートバイの開発を手がけていましたが、本田宗一郎は一般の人も乗れる安くて簡単な物を作りたいと考えました。

そこで考えたコンセプト、それは「そば屋の出前持ちのためのバイクを作れ!」。
そば屋の出前に必要なのは、おしゃれな飾りでも、必要以上のスピードでもありません。
安くて壊れにくく、どこでも走りやすいバイクを目指して、開発を進めました。
ボディはプラスチックにすることで軽量化し、女性でも乗りやすい低い車体に。

そして、そば屋のためにハンドルにちょっとした工夫が…
一般的なバイクのハンドルには、ギアを変える時に必要なクラッチレバーがついていますが、カブにはありません。

さらに、一般的なバイクのウインカースイッチは左側ですが、カブにはありません。

運転に必要なほとんどの装置が右手のハンドルに集中しているのです。
だから、左手でそばが持てるのです!

ある日、開発員が後ろのタイヤと泥よけの隙間が不恰好だと考え、従来よりもタイヤに近づけたものを作りました。
しかし、それを一目見た本田宗一郎が大激怒!
雨の中を走らせたところ、開発員の服はずぶ濡れに!
タイヤと泥よけの隙間が狭いと、雨水が跳ね上がって運転手にかかってしまうのです。
雨の日でも仕事をしているカブのお客さんの姿を、絶対に忘れてはいけないーー
それが、宗一郎の厳しい教えでした。

1958年には、ついに「スーパーカブC100」が誕生。
このカブのすごさは、48年経った今でもデザインやエンジン形式などがほとんど変わっていないこと!
初代スーパーカブの驚くべき完成度が、ロングセラーの秘密だったのです。

▼さて、スタジオではゲストの方にお話を伺いました。
加藤さん:カブはすごいですね。東南アジアに行くと、よくカブを見かけますよね。

森永さん:ベトナムでは、スーパーカブがタクシーとして使われるんですね。ベトナムのスーパーカブは、何とこれまで最高で18人を乗せたことがあるんです!カブの左右にサーフボードのようなものをつけて、その上に人が立つんですよ。

進藤さん:カブには色々な種類があります。こちらの特別仕様車はプレスカブと言い、新聞屋さんのためのカブです。

新聞を載せるために、普通のカブよりも荷台が大きくなっています。また、カブの前方に新聞を入れるとライトが遮られてしまうため、ライトの大きさは普通のものより大きくなっているのです。
またカブは燃費がとても良いのも特徴です。4リットル分入るのですが、それで東京から神戸までの距離を走れます。普通の乗用車は、1リットルでおよそ10km走れるのに対し、カブは146km走れるんです!

加藤さん:そして、都こんぶ。こだわりのパッケージは、昔からずっと変わっていないんですね。

森永さん:キヨスクのスペースは小さいですが、その中でも自分が出世できる一番いいところに合ったサイズにして商品を作っているのです。

高木さん:これは私にとっての一番のベストセラー商品ですね。いつもバッグに入っています。

森永さん:都こんぶはたくさんのニセモノが出ました。パッケージだけでなく、中身もおいしくないといけないんですね。

そこで、早速都こんぶを口にするスタジオの皆さん…

高木さん:都こんぶの素人は、最初食べた時に必ずむせるんですよね!(笑)

ドリンクのロングセラーに注目!

▼ロングセラー商品その3:カルピス
発売から87年。水玉に包まれた甘酸っぱい初恋の味…そう、カルピス!

カルピスのルーツは意外な国にありました。それは、モンゴル!
今からおよそ100年前、カルピスの生みの親である三島海雲は、元は中国やモンゴルの地で雑貨を売り歩く行商人でした。
三島が体調を崩したある日、心配したモンゴル人が不思議な酸っぱいミルクを持ってきてくれました。飲んでみると、弱っていた胃腸がみるみる回復していったのです!
帰国後、この不思議なミルクを再現すべく、三島は牛乳を使って研究を開始しました。
実験は試行錯誤の連続でしたが…モンゴルでの出会いから20年後の1919年7月7日、ついにカルピスが誕生!
何と、世界初の乳酸菌飲料だったのです!

現在の水玉になったのは、大正11年。
発売開始がちょうど七夕の日だったことにちなんで、天の川の群星をイメージして水玉模様をモチーフにしたとのこと。

そんなカルピスが日本中に知れ渡ったきっかけ、それは関東大震災でした。
首都東京の被害者を悩ませたのが、深刻な水不足。
ほとんどの水道が破壊され、安全な飲み水が手に入らなくなったのです。
この時、カルピスは立ち上がった!!
幸いなことに、恵比寿のカルピス本社にはたっぷりの水とカルピスが!
そこで、在庫する全てのカルピスを水で割り、無数の被災者にただで配ることにしたのです!
それを新聞や雑誌が大々的に報道、カルピスは一気に日本中に知られることになったのです。

さらに、毎年3月3日のひな祭りには、全国の幼稚園から希望を募って無料でカルピスを配布。
これまでに9000万人以上の園児たちがカルピスを飲んで育っています。

▼ロングセラーその4:リポビタンD
疲れた時にはぐいっと。そう、おなじみのリポビタンD!

発売から44年、出荷数は200億本を突破!
高度経済成長期の日本のサラリーマンを支えた驚異のロングセラーなんです。
リポビタンDのルーツは、1960年に発売されたアンプル剤「リポビタン液」。

リポビタン液の薬臭さを抑え、量を増やし、飲み応えのあるものにしたのが、日本初のドリンク剤「リポビタンD」なのです。
発売当初のものと比較してみると、何とデザインも味も値段も、ほとんど変わっていません。

リポビタンDのロングヒットのきっかけになったのは、何とどこの薬局にもあるドリンク剤専用の冷蔵庫。元々は大正製薬がリポビタンDを置いてもらうために、わざわざ作ったものだったんです。

これは、牛乳を売っていた冷蔵庫を改良して作ったのだとか。
このリポビタンDの冷蔵庫大作戦、当初は店舗に置いてもらうことすら難しかったのですが、冷蔵庫の導入後、売り上げがうなぎ登りに急上昇!
冷やすことによりその場で手軽においしく飲め、元気になれるということで、リポビタンDは不動の大ヒット商品となったのです。

▼さて、引き続きゲストの方にお話を伺いました。
加藤さん:薬局にあるあの冷蔵庫は、リポビタンDが作ったものだったんですね。

森永さん:リポビタンDの戦略として、店舗内に新聞紙四つ折り分ほどの小さなスペースに山のように商品を積み上げるというものがあります。それも初めてやったんです。リポビタンDは昔はアンプル剤ということで、一種の薬でした。今も医薬部外品なので、リポビタンDは「滋養強壮」と謳えます。一方で大塚製薬のオロナミンCは炭酸飲料なので、「元気はつらつ」までしか謳えません。同じように出てきたのが、大塚製薬のポカリスエット。実は、手術中に飲み物を飲めない医者のためのギンゲル液(生理食塩水)からヒントを得たのです。ヒット商品は突然生まれたのではなく、別のものから生まれてくるケースもあるんですね。

加藤さん:森永さんはリポビタンDを飲んでいますか?

森永さん:私は締め切りが近づいてくるとどうしても眠くなってしまうので、これを飲んでいます。実は、がっちりマンデーの携帯サイト「裏がっちりマンデー!!」も、そうやって書いてるんです(笑)

進藤さん:そして、カルピス。100年以上前のモンゴルの酸っぱいミルクから生まれたんですね。恐らく、このミルクの正体は羊かやぎだったと言われています。

加藤さん:カルピスって、昔濃くして飲もうとすると親に怒られませんでした?何であんなにケチだったんでしょうか?

高木さん:カルピスを入れる量は1.5センチの高さと決まっていますが、私は3センチ飲みたかったんですよ!!

加藤さん:小さい頃、クラスの女の子と喧嘩してけがさせて泣かせてしまった時に、親に連れられてカルピスをお詫びとして持って謝りに行きました(笑)カルピスには、いろんな思い出がつまってます。

森永さん:カルピスの原液は瓶で売られていましたが、一時期売上が低迷したことがあったんです。どうしようかという時にカルピスウォーターを作って販売したところ、爆発的にヒットしたんですよ。皆生活が忙しくなってきたので、水で薄めることをしなくなったんでしょうね。関東大震災の時に社長がやっていたことを、実際にビジネスに応用したら売れたということなんです。

進藤さん:最後に、これからブレイクしそうなロングセラーになると思われる商品について、教えて下さい。

森永さん:それは、輪ゴム!実は最近、ゴム銃という遊びが大ブームになっています。これは割り箸でピストルの形を作って輪ゴムを飛ばす遊びですが、すごく進化を遂げているんです。そこで最近日本ゴム銃射撃協会というのができたのですが、私はそのスポンサー部長なんです(笑)

生活に身近なロングセラー商品に注目してみると、思わぬ発見が得られるかも!?

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