過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2006年2月26日放送

特集

狭い業界シリーズ:ねじ

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)・安めぐみさん

番組内容

今回は、意外と知らない狭い業界シリーズ第2弾として、ネジ業界を特集します!

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知っておきたいネジの歴史

▼めくるめくネジの世界へ!
「ネジは非常に奥深いものがありますね」としみじみ語るのは、最新のネジ情報や業界の動向が満載のネジ業界の専門誌『ねじの世界』を発行する、ねじ世界社の長尾朋夫編集長。実は長尾編集長、この道40年で初めての取材だとか!

Q:ネジのどこがすごいんですか?
長尾編集長:一般の人にとっては、ネジといってもなかなか取っ付きにくいとは思うのですが、飛行機でも新幹線でも自動車でも、何でもネジで組み立てられていますからね〜。

ネジはモノ作りに不可欠!
使用量も半端じゃないんです!

また、ネジの生産量の変化で様々な業界の動きが分かるとも言います。

▼知っておきたいネジの歴史
その歴史は、原始時代にさかのぼります。
棒に巻貝を回しながらつきさしたことがネジの起源と言われています。
レオナルド・ダ・ヴィンチも研究にいそしんだネジは、果実などをプレスする圧縮機の仕組みに使われ、やがて印刷機にも応用されます。
新聞のことを「プレス」と言うのは、ネジの圧縮機のプレスが語源だから。

日本で初めてネジが作られたのは、種子島の鉄砲伝来がきっかけ。
現在30万種類あると言われるネジは、製造する会社も様々なんです。
ネジ業界には多業種のネジを一手に扱う大企業はなく、中小企業の分業制となっているのです。

▼日本を代表する多種多様なネジが登場!
千葉県の浅善鉄工所も、日本を代表するネジ製造会社。
普通では見られない、すごいネジを作っているのだとか。
高梨広詳取締役の案内で見せて頂くと…こりゃでかい!!
長さ5メートルはあるという、世界最大級のネジ、アンカーボルト。

高速道路やビルの建設、巨大な橋などの基礎として地面に埋め込まれるのが、このアンカーボルト。
大きいものでは、7メートルを超える長さのものも。
合金の刃でミリ単位の細かさを寸分の狂いなく削る高精度な浅善の巨大ネジは、レインボーブリッジやアクアライン(海ほたる)、大分ビッグアイなど、多くの建造物に使われています。

「プライドをかけてやっています」と話す高梨取締役。

知っておこう!ネジ業界の常識

ネジ業界では、ボルトが雄ネジ、ナットが雌ネジと呼ばれています。

大きいネジの次が小さいネジ。
やってきたのは、福井県にある福井鋲螺。
打本幸雄社長に見せてもらったネジの大きさは、何と0.3ミリ!コンピュータの基盤にチップを取り付けるための小さなネジで、あのインテルから依頼されて作ったものなんです。
福井鋲螺は2ミリ以下の小さなネジで国内シェア70%。

さらに、なんとパチンコ台の釘でも国内シェア70%!!
福井鋲螺のネジの技術が細かいパチンコのクギの調整を可能にしているのです。
また、ご要望とあれば0.1ミリのネジを作る事も可能だと言いますが、0.1ミリのネジを使ってくれるお客様がいないのが悩みだとか。
0.1ミリのネジがほしい方は、ぜひ福井鋲螺まで!

知っておきたいネジの常識

ネジの定番コンビである、プラスくんとマイナスくん。

かつて、ネジはマイナス型だけだったのですが、機械化による大量生産がきっかけでプラス型のネジが登場。
マイナスくんの場合はネジを締める時すべりやすい!
一方、しっかりもののプラスくんはネジを回しやすいため、現在では8対2の割合で圧倒的にプラスくんが人気なのだとか。

大阪府の老舗ネジメーカー、竹中製作所。
こちらもある分野で世界一のネジを作る会社。「ネジが私の生き甲斐ですから」。

「ネジが私の生き甲斐ですから。」
そう言ってネジ一筋46年の竹中弘忠社長が手に取るのは、錆びないネジで世界一のシェアを誇るタケコート1000!海上の石油施設などネジが錆びてしまうような環境でも、タケコート1000は一切錆びることはありません。
そのヒミツは、5年の試行錯誤の末に開発したというフッ素樹脂コーティング。
発売当初は「錆びない訳はない」と全く信用されず、一本も売れない毎日。
仕方がないので、一年間無料サンプルを配り続けたとか。
その結果、大手石油会社の目にとまったことがきっかけで、タケコート1000は大ヒット!

▼さて、ゲストの方にお話を伺いました。
森永卓郎さんからは、「がっちりマンデー始まって以来の良い企画ですね!」とお褒めの言葉を頂きました!
「作っている人の微妙なピッチの切り方で性能が変わってくるんです。
ネジは芸術と言っても過言ではありません!」

Q:それにしても、ネジ会社の社長さんは人のよさそうな人が多いですよね。
A:ネジ会社は圧倒的な大企業は存在しないんです。ネジ関連会社4000社のうち、そのほとんどが中小企業です。ネジの業界は他に侵食してくるライバルがいないんですね。接着剤が出てきた時はネジ業界にとってはちょっと危機でしたが。

Q:日本のネジは他と比べて優れているのですか?
A:コストの安さという点においてだけなら、中国や台湾、韓国が優位になってくる。でも、高付加価値をつけていろんな機能を工夫していくと、生き残っていく可能性はあると思います。

▼さらに進化するすごいネジが続々!
日本のネジ業界には、まだまだすごいネジがありました!
ハードロックのネジを自ら開発して大成功した、ハードロック工業の若林克彦社長。
絶対に緩まないというハードロックナットは、日本の新幹線やアメリカのNASA、原子力発電所など、世界中の建物で安全が確認され使用されているというすごい代物。

振動試験機で比べてみると、普通のネジは8秒で外れてしまいますが、ハードロックナットは微動だにしません。
ハードロックナットのすごさのヒミツを、社長自らが作った漫画と社長のアフレコで伝授して頂きました。
もしナットがゆるんでしまったら…

そこで社長がひらめいたのが、日本に古くからある伝統技術くさび。
ナットにくさびの働きをさせることで、決して外れない強い力を生むことに成功したのです。

とにかく発明が大好きな若林社長。暇さえあればネジの研究に余念がなく、毎年1回は必ず新製品を発表しているのだとか。

続いては、、神奈川県のユニオン精密。杉山一雄社長が誇るのは、形状記憶ネジ。
一定の温度になると形状記憶合金の輪がゆるみ、ネジが外れるようになっているのです。この目的は、リサイクル。熱をかけることによってネジを瞬時にはずし、リサイクルコストを下げることに着目したのです。

大阪府には、小さなネジ工場でがんばる二代目社長がいました。川端ネジ製作所の川端謙二社長です。川端社長が作るのは、アートネジ。

色とりどりのネジは、お店や会社の看板や飾り、建築デザインなど、見せるネジとして大注目されているのです。
親の後を継いだものの、小さな工場なので、何か始めなければ行く先が危ないと思って目を付けたのが、アートネジでした。最初は全く売れなかったのですが、その苦労を支えたのが奥さんでした。
アートネジが評判を呼ぶと、本業のネジの仕事も増えだしたのだとか。
現在は娘さんが商品の企画や広告を作り、息子さんが職人の腕を磨いています。
まさに、家族一丸でネジ作りに情熱を傾けているのです。

骨を使った驚きのネジを作っているのは、神奈川県の株式会社ナノ。
革新的なネジ作りに挑むのは、林亮社長。
今は動物実験の段階ですが、将来は骨折した人が自分の骨のネジを作って骨折した箇所を止められるようになることを目指しているのです。
金属ネジで骨折手術をすると、骨が接着した後にネジを取るための手術をもう一回しなくてはならない一方、骨のネジを使うと一回だけで済むため従来の手術よりも安くなる上、身体にも優しいのだとか。
医師が手術室で治療しながら骨のネジを作れるような専用の機械も開発しています。
実用化されれば、世界中で使われること間違いなし!

▼さて、たくさんのネジを見た感動の気持ちを、ゲストの皆さんに語って頂きました。
安さん:感動すらしてしまった。私、ネジ好きになりましたよ!

森永さん:考えてみれば単純なんですけど、これが難しいんですよね。

進藤さん:その他に、いたずら防止ネジがあります。こちらのネジを見て下さい!プラス、マイナスのネジとは違って三角型の特別なネジになっています。自動販売機などで使われますが、三角の形をしたドライバーを使わないと、外すことはできないんです。

加藤さん:感動するのが、違う会社で作られたネジをはめるとちゃんとしまるんだよ〜皆ネジで人生を楽しんでいるんだなぁ(笑)

最後に、今後儲かりそうな狭い業界についてお話を聞きました。

森永さん:電池業界だと思います。技術革新が進んでいて、薄く折り曲げられる電池などが開発されています。テレビ代わりにして使う時計などは、バンドの中に電池を入れるため、その技術はすごいと思います。充電できる電池も大容量になってきていますよ。地味だけど、電池は技術の塊だと思います!

安さん:私は安全ピンだと思いますね。

加藤さん:安全ピンでは30分の番組作れるかなぁ(笑)

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