過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2005年10月30日放送

特集

家電量販店

ゲスト

森永卓郎さん(UFJ総合研究所客員主席研究員、独協大学特任教授)・小倉優子さん

番組内容

4兆4000億円!!これは、家電量販店の年間売上高なんです。
1年間の家電売り上げは、7兆5千億円。
つまり、家電量販店は、日本中の家電の実に60%近くを売っている計算になる、超巨大ビジネス。
今、そんな家電量販店業界は、2種類のグループによって、熱い儲かりバトルが繰りひろげられています。

それは、「駅前カメラ系」対「北関東郊外系」対決!!
それぞれまったく独自のやり方で成長を続ける、家電量販店業界2大勝ち組の儲かる仕組みとは?

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家電量販店の儲かりバトル:駅前カメラ系VS北関東郊外系

▼駅前カメラ系
ビックカメラ、カメラのさくらや、そして電気街・秋葉原出店で話題を呼んでいるヨドバシカメラと、首都圏の駅前にはなぜか必ずある「駅前カメラ系」の量販店。
その売り上げでも、カメラ系量販店は駅前でしのぎを削っています!!

しかし、なぜ駅前の家電量販店はみんな「○○カメラ」っていうのでしょうか?
実はこれらのお店、その名の通りもともとはカメラの専門店でした。
70年代後半、当時は高価だった大人気のカメラを、メーカーから現金・一括で大量に仕入れることで、激安価格で販売することに成功したのが、そもそもの始まり。
この現金大量仕入れのノウハウを、お客さんの要望にあわせて、さまざまな商品に広げていった結果、「カメラ系量販店」は今のかたちになったのだとか。

だから例えば、実際にビックカメラさんが取り扱っている商品は、カメラはもちろんのこと、自転車、メガネ、おもちゃ、ベッドや布団などの寝具と、家電以外にもさまざま。
その数50万種類以上!!
圧倒的な品揃えがお客さんを呼ぶ原動力になっているんです。

そして、そんな「駅前カメラ系」量販店、最大の儲かる仕組みといえば…ポイント制度。
商品自体が安くなっているのに、ポイントでまた商品が買える!
値引きと同じ効果を狙って生まれたのがポイント制度。

まるで商品をプレゼントするかのようなポイント制度ですが、家電量販店はどうしてこれで儲けることができるのでしょう?
パソコンのポイント還元を例に説明しましょう。

実は、パソコン本体の販売利益は少なく、ポイント値引き分も含めると、利益はほとんど無くなってしまいます。
ところが…パソコン本体を購入した人の多くはその周辺機器を買う時ポイントを使います。

ここが儲かるしくみ!!
実は、パソコン周辺機器の値段は、通常の利益が確保できる利益率で設定してありますよね。
パソコンに15%、20%のポイントを付けて売っても、多くのお客さんがパソコン周辺機器をそのポイントで買ってくれるので、損はせず、利益がしっかり出るようになっていたのです。

そんな儲かるポイントカードで、量販店は最近さらに儲かっているんだとか。
その秘密は…ポイント移行。

ポイント移行とはクレジットカードを使用したときにもらえるクレジットカード会社のポイントを量販店のポイントに移行できてしまうというシステム。

でも、どうしてこれで量販店は儲かっちゃうのでしょうか?
クレジットカード会社のポイントを量販店のポイントに移すと、その時点でその分のお金をクレジット会社から量販店側に支払うことになっているんです。
商品はまだお店にあるのに先に売上が入ってきて、しかもこのポイント交換によって支払われるお金が相当な金額に!
というわけで、クレジット会社は、量販店にとってはある意味大事なお客様、というわけ。

家電量販店の儲かりバトル:駅前カメラ系VS北関東郊外系

しかし、そんな老舗「駅前カメラ系」とは、まったく別の新しいやり方で家電業界の新たなる王者にのし上がったのが…

▼北関東郊外系
郊外の国道沿いに巨大な店舗を展開する群馬のヤマダ電機、茨城のケーズデンキ、栃木のコジマ電気。北関東3県発祥、家電量販店業界の新御三家。

なかでもヤマダ電機は2004年の売り上げが小売専門店としては初の1兆円を突破!
日本の全電化製品の1割をヤマダだけで売るという快挙も!

そんな「北関東系量販店」の最大の儲かる仕組みは…
とにかく巨大店舗!!

郊外ゆえに土地代が安いという利点を活かし、カメラ系店舗の5倍、6倍の売り場面積をキープ。
そのためたくさんのお客さんを呼びたくさんの商品を売れるというわけ。
大量仕入れが可能なため、値段も安く抑えることが出来るんです。

そして、この巨大店舗に欠かせないのが、駐車場!
北関東系量販店は車で来店するお客さんがターゲット。

ここにコストダウンの秘密が。
ほとんどのお客さんが買ったそのまま商品を車で持ち帰るため、店側は配送するコストがかかりません。お客さんに商品を運んでくれるというわけ。

それぞれの特長を生かした店内レイアウト。
商品のレイアウトひとつにしても、大きな違いがありました。

「カメラ系」では、駅にたまたまやってきたお客さんをどれだけつかむかがポイント。
そのため入り口付近に最新商品や注目商品をおいて、おやっと関心を引き、客足をとめる作戦。

一方「北関東系」は購入を目的にやってくる、家族をターゲットにしているため、入り口付近には、つい買い置きしたくなるような商品を陳列。

そう、店舗のレイアウトの違いは客層の違いにあわせていたんです。
ポップ表示にもそれぞれ特徴が。

都心に店舗のある「カメラ系」はあえて専門的な細かい商品比較を表示。
こだわり心をくすぐる作戦。
あきさせないように、実際に触れて比較が出来るように工夫を凝らしていました。

かたや「北関東系」は、家族で来た各世代のお客さんが楽しんで買えるように工夫をしていました。
テレビの比較にしても、ブラウン管と液晶の違いなど、基本的な商品説明を優先。
難しいことの苦手なお母さん世代にもわかりやすい表示にしてあります。

「駅前カメラ系」も「北関東郊外型」もしっかりターゲットを絞りこんだポップやレイアウトになっていたんです。

さらにお客さんが選びやすくするように、量販店ではこんな工夫も。
ビックカメラでは冷蔵庫や洗濯機、その他すべての商品に電源が入り、お客さんが実際に店内で、商品の違いを比べることができます。

ここで店長さんが指示出し。
薄型テレビの売れ行きが好調と判断した店長は、急遽テレビ売り場を拡大することに。
従業員総出で深夜のレイアウト変更。
翌日の開店時間には広くなったテレビコーナーが完成!
お客さんのニーズを確実に読んだすばやい対応。
こんな臨機応変さにも量販店の売上げの秘密がありました。

日々進化し続ける商品に対応するため、休憩時間には販売員のための「商品勉強会」が開かれています。
家電量販店価格競争の裏には、お客様のニーズを見逃さない販売戦略がありました。
家電量販店、まだまだ盛り上がっていきそうですよ!!

さてVTRを受けて、スタジオではゲストの方に質問しました。
Q:駅前カメラ系と北関東系は、あれだけ違うものなんですか?
森永:共通しているのは、現金で大量に仕入れて大量販売をする、ということ。小売業はどれだけシェアが取れるかにかかっている。裏側ではメーカーと量販店の仕入れ担当バイヤーが壮絶な戦いをしているんですよ。メーカーが「この商品買ってください」と言うと、バイヤーは机をばんと叩いて「こんな値段で売れると思ってるのか!!」と徹底的にねぎるんです。その時、その量販店が大きなシェアを持っていると、メーカーの人もそこで売らないという選択肢を取れないんです。この値切りが、量販店の儲けの源泉になっているんです。

Q:そもそも家電量販店は、なぜ北関東に集中しているのですか?
森永:郊外店とは、小売業のトレンドだったんです。今までスーパーマーケットは駅前にあった。ところが車でどんどん買い物に行くようになり、ロードサイドに大きなスーパーを作るという流れができて、それの家電版という形で北関東に次々と登場した訳なんです。家電量販店は「ブラックホール型」ともいえる経営戦略をとっていて、店内に入ると楽しくてなかなか帰れなくなるようなレイアウトがなされています。

Q:小倉さんも実際そうですか?
小倉:そうですね。家電量販店では特に商品のランキングを気にしてしまいます。
森永:ランキングというのは、結構怪しいところがありますよ。もしかしたら一番売りたいものをランキング上位に掲げているかもしれませんし。

Q:駅前カメラ系も北関東郊外系も、それぞれ変化しているようですね。
森永:融合化が始まっているんですね。例えば秋葉原にできたヨドバシカメラは、中に大きな駐車場を作り、一方のヤマダ電機は駅前の方に進出していこうとしている。お互いに乗り入れをして全面戦争になっているんです。

今、秋葉原がアツイ!!

日本一の電気街「秋葉原」。そんな秋葉原に今、日本中が大注目!!
学園都市・つくばと電脳都市・秋葉原を直接つなぐつくばエキスプレス開通!!

そして、家電量販店ヨドバシカメラが駅前に開店!!

駅前の家電量販店にはなかった駐車場を完備。
家電はもちろん、おもちゃ屋さん、CDショップ、本屋さん、さらにはレストラン街を備えており、ここに来ればなんでもがそろうというふれこみで、開店から4日で来店数100万人を突破。

そしてことし秋葉原一番の儲けがしらといえば、「電車男」。
新潮社から発売された書籍は100万部を突破する大ヒット!!

この電車男で誰が儲かったのかというと、新潮社はもちろんのこと、電車男本人、スレッドをまとめた「中野独人」と2ちゃんねるの主催者の3人といわれています。
でも、真相はわからないまま!!
もらった印税をそのまま寄付したとの噂までとんでいます。

最近の秋葉原事情を秋葉原電気街振興会会長でもあるオノデンの小野一志社長に伺ってみると、ヨドバシカメラ開店、つくばエキスプレス開通、「電車男」の大ヒットで、秋葉原を訪れる人の数は確実に増え続えているとか。

そんな中、秋葉原にある鉄道の聖地「交通博物館」が、静かなブームになっているそうです!
休日はなんと2時間待ちというから驚き!!
特に人気なのが、電車シュミレーター!
これは、運転席すべてJRの本物の車両を使用したもの。

もう鉄道ファンにはたまりません!!
鉄道模型にも人、人、人!大人も子供も真剣な眼差し、すごい熱気です。
おかげで鉄道模型屋さんも大繁盛。
眠っていた鉄道ファンが「つくばエキスプレス」開通で目覚めたことが原因だとか。

秋葉原を訪れる人種もおたくばかりではなく、カップルや家族づれも増えてきています。
そこで、小野社長のおすすめ!
それは、Tシャツ・携帯ストラップ・貯金箱が入った、オノデン坊やセット!
秋葉原にしかないので、記念として買う人が増えてきているようです。

まだ新しい秋葉原をしらないあなた、ちょいと観光気分で来てみてはいかがでしょう?

Q:秋葉原は相当にぎわっているようですね。
森永:普通は駅前に大型店ができるとお客さんがそちらに奪われてしまうので、他の小売店は反対するのが普通なのに、秋葉原では大歓迎なんですね。他の店も店内に「祝ヨドバシカメラ開店」と掲げているほどなんです。実は、ヨドバシ出店のタイミングで中央通り沿いの土地坪500万円だった所が1000万円になった所もあるんです。半年で二倍以上の上昇です!

Q:秋葉原の人気は「電車男」の影響があるといわれますが、結局誰が儲かったんですか?
森永:新潮社はもちろん儲かり、印税部分は2ちゃんねるに入りました。ただ問題は電車男本人に入っているのかどうか。ちなみに、書き込んだほかの人は2ちゃんねるの規定にのっとってノーギャラです。

Q:秋葉原では新たなヒット商品も出てるようですね。
森永:小さい範囲の中で数百しか売らないヒット商品も。秋葉原には、新商品を生み出す原石がいっぱい転がってるんです。

Q:大型家電量販店で得する方法を教えて下さい!
森永:日替わり限定商品を買うこと。チラシを手に入れて「これだっ!」と思うものには並ぶ。普通に買うよりも5割引きで買えることも。ただ問題は、駅前系の量販店だと店に行かないとチラシを手にいれられない。そこでおすすめなのが、都心の会社で新聞を扱っている総務のひとと仲良くなって、「ちらしが入ったら回してね」と頼む!(笑)積極的に情報を取ることが大事なんです。

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